No.157265

春夏秋冬

神山我楽さん

散文その3。

前の投稿からずいぶん間が空いてしまいました。

2010-07-12 20:58:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:518   閲覧ユーザー数:517

 

春。

土手の上を散歩する。

柔らかい風が私の髪を撫でてゆく。

青臭い草の匂いを胸一杯に吸い込んだ。

ゆっくりとしゃがみ込んで、つくしを摘む。

 

夏。

カラカラと音を響かせて自転車を漕ぐ。

カラリとした暑さ。

風もないのでちょっと辛い。

涼しさ求めてペダルを強く蹴った。

 

秋。

開け放った窓から涼しい風が吹く。

目を閉じて、悲しげでいてどこかわくわくする空気を味わう。

ペラペラという音に目を開ける。

読んでいた小説の頁がめくれていて、ほほ笑んだ。

 

冬。

どこか低くなった空を見上げてしろい息を吐く。

寒い空と似て、街はどこか寒かった。

ずしりと重い食材片手に、帰路を急いだ。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択