No.153199

ショタ一刀のお祭巡り(風+稟編)

MiTiさん

…近々とか言っておきながら20日以上、シリーズで見ると4ヶ月以上明けて、やっとこさ投稿できました。

本当にお待たせ?しました。

それでは、楽しんで頂けたら幸いです

2010-06-25 20:05:13 投稿 / 全20ページ    総閲覧数:8655   閲覧ユーザー数:6603

「戦術闘議会、優勝者は…同列で程立選手、及び郭嘉選手です!!」

 

「ぉお!?まさか稟ちゃんと同列一位とは、これは凄いことですねー」

 

「ええ。横で見ていた限りお互いかなり勝ち進んでいたとは思いましたが。

 風との対戦も結局、双方同時に拠点得点が無くなって引き分けでし。

 ちなみに良く使った手は?」

 

「それはもちろん”十面埋伏”の連携ですね~。組み合わせを変えることで無限に戦術が組み立てられますからねー。

 そう言う稟ちゃんは?」

 

「私は”少数鋭”の連携ですね。少数であるが故に出来る戦術と言うのも多々ありますから」

 

「ほほぅ、となると…風達が魏に入るきっかけとなったあの作戦ですねー。

 なんとも懐かしいですね~」

 

「ええ。城をとられると言うのを覚悟して…いや、そこに誘い込んで動きを封じて攻め立てる。

 盤面であろうと、その有用性は変わりませんからね」

 

「ふ~む、その戦法、まるで華琳様のようですね~」

 

「どういうことです?」

 

「えっとですね~…まずはこの待ち構える少数鋭を華琳様としまして、拠点と華琳様の部屋としましょ~。

 密室へと誘う華琳様…そこに突入する稟ちゃん…扉を、鍵を閉められ逃げることが出来ない稟ちゃんを、

 華琳様はいろんな意味で外から、内から攻めてゆき、

 これまたいろんな意味でいろいろと削られていってしまう稟ちゃん。

 やがて二人の心は最骨頂、つまりは絶頂へと達して行き…」

 

「………ブーーーーーー!!///」

 

想像してしまったのか、稟は派手に鼻血を噴出して倒れてしまった。

それを見て、風はほくそ笑む。

 

「ふっふっふ~、計算どおりですねー。稟ちゃんと一緒というのも良いですが、

 やっぱり一刀君は独占したいですしねー。では稟ちゃん、

 風はこれで失礼し「待ちなさい!」ぉお!?」

 

一刀の元へ一人向かおうと歩を進めようとしたところで、その足を倒れたままの稟が掴み止める。

 

「フガ、フガ…いくら風であろうと、一刀君の独占は許しませんよ…」

 

噴き出した鼻血に身体を擦り付けながら床を這うように移動する様は、まるでゾンビのようで。

いつもなら風がトントンしてから、ゆっくりと身体を起す。

それに慣れているために、流石に稟ゾンビに風がビビッてしまう。

 

「…いえいえ、冗談ですよ~。約束したじゃないですかー。

 ”どちらが勝っても文句なし、両方勝ったら二人仲良く一刀君と一緒に”とー」

 

「よろしい。では行きましょう」

 

それから風と稟は一刀の元へ向かう。鼻血を拭かないまま…

当然そんな見た目血まみれな格好に、一刀は大慌て。

その夜は、説明はしたが格好が格好だっただけに心配が晴れなかった一刀が、

稟につきっきりでいた為に、ちょっと良い思いをした稟ちゃんでした♪

 

 

『噴出最高神(新)記録!?』

 

祭2日目の昼、一人の少女、華琳が医務室へと走っていた。

 

彼女に届いた一報「貴女に仕える軍師が倒れました」

その報を受け、華琳は駆け出した。

 

蹴り破らん勢いで扉を開け放ち、彼女が見たのは、

尋常で無いほどに顔を青白くして眠る稟だった。

 

その傍には一刀と風もいる。

一刀は稟のことを心配そうに見つめ、

風は心配というよりどこか呆れたように稟を見ている。

 

「おや華琳様、おはようございますー」

 

「あ、カリンお姉ちゃん、おはよー!」

 

「え、ええ。日の高さから今はもうこんにちはね…」

 

二人からは、稟のことを、心配はすれど、

それほど深刻そうでないことが感じられ、

華琳は落ち着くことが出来た。

 

「…それで、稟はどうしてこんな風に?」

 

「はい~、稟ちゃんは貧血で倒れてしまいましてー」

 

「…貧血?」

 

「はいー」

 

「何か血を失うことがあったと言うの!?」

 

「はいー、それはもう見事な…出鼻血膨大量でしてー」

 

「…………鼻血?」

 

「はいー」

 

原因を聞き、風の態度の理由も理解し、華琳も呆れてしまった。

 

「結局いつも通りということね…でも、普段からアレだけ出してピンピンしてるのに、

 それほどひどかったの?」

 

「それはもー、風のトントンでは間に合わないほどでして」

 

「…一体何があったと言うの?」

 

「実はー…」

 

そして風は語りだす…

 

 

時はさかのぼること早朝。

 

三人の中で一番早く起きた稟は、ノンビリ眠る親友と、一緒に眠る一刀を見て和んでいた。

が、暫く眺めていると、一刀が寝返りを打った。その所為で寝着が乱れた。

作り出された一刀のセクシーポーズ&チラリズムを目の当たりにし、

稟の脳内で妄想が広がるに広がり…ブーーー!

 

数分後目を覚ますが、二人は起きておらず、もう朝食だからと起そうとしたら、

今度は二人揃って寝返りを打った。

二人の手は互いの服の内へと伸び、互いの脇辺りを触れ合う。

睡眠中に感じたくすぐったさに二人は「んっ…」「ぅあん…」

と、声を出し、その光景を見聞きし…ブーーー!

 

次に目を覚ますと、鼻血が付着してしまったのか、

赤く染まった一刀の寝着を風が脱がしてやろうとしていた所で、

目を瞑りながら万歳をし、両手を頭上で重ねる一刀のポーズに、

稟は何故か色気を感じてしまい…ブーーー!

 

身体に付着してしまった鼻血を風が拭いてやり、

「んっ…お、お姉ちゃん…く、くすぐったいよぅ」

「フフフ~、お姉ちゃんが気持ちよく綺麗にしてあげますよ~♪」

…ブーーー!

 

風に付着してしまった鼻血を一刀が拭いてやり、

「お姉ちゃんきもちいい?」

「は、はい~。気持ち良いのですよー」

「あ、ここにもついてる。ふいてあげるね?」

「え?あ…そ、そこは…ふぁぁあ///」

…ブーーー!

 

清掃員に部屋の始末を任せ食堂に向かい朝食をとるとき、

「モグモグ、パクパク」

一心不乱に料理を掻っ込む一刀を眺めながら和んでいると、

「?リンお姉ちゃんもこれたべたい?」

「…え?」

「ハイ、ア~ン♪」

と視線に気付いた一刀がレンゲに料理を掬い差し出してくる。

その輝く瞳つぶらな瞳を見てしまい、断るなんて考えが思い浮かべず口に入れる。

食べてくれたことに喜んだ後一刀は再び食事に。

そこてふと、自分が今何をしたのかに、

一刀と間接接吻をしたことに気付き…ブーーー!

 

一刀が牛乳を飲んでいると、つまらせたのかコップに口をつけたまま噴出し、

彼の顔に白い液体が飛び散ったのを見…ブーーー!

 

風が稲荷寿司(一刀立案、コック将's共同制作)を食べる。

これ自体にはなんら問題は無いが、彼女の食べ方…

下から掬い上げるように持ち、舌を突き出して口の中に入れる。

その仕草から、男性に下がっている二つの袋の内の一つを、

舐めるような、咥えるようなシーンを連想してしまい…ブーーー!

 

デザートにゴマ団子を食べていると、一刀の頬に付いた餡子に風が気付き、

指でとってパクッとする光景に鼻血がこみ上げ…

それに動揺していたのか、自分の頬に付いた餡子に気づかず、

一刀がそれに気付きそれを舐め取って…ブーーー!

 

物足りなかったのか、風が棒状ぺろぺろキャンディーを取り出し、

一刀も欲しがったが、残念ながら一本しかなかったので、

なら半分子しようということになり、

片面を風が、もう片面を一刀が同時に舐め始め…ブーーー!

 

 

「とまぁ…朝起きてから今まで鼻血噴出の連続でしてー。

 稟ちゃんでも、流石にこれだけ出してしまっては倒れるのも仕方の無いことかと」

 

「…………」

 

理由を聞いた華琳は何を言えばよいのかわからずにいた。

 

「そういえば、稟ちゃんの鼻血はどういたしましょう?」

 

「鼻血は清掃員に始末してもらったのではないの?」

 

「いえいえー。量が量なので、それなら撒き散らされる前に回収してしまおうと思いまして、

 密かに対稟ちゃんの鼻血部隊を作りましてー」

 

「…何時の間にそんな部隊を?」

 

「ハイー。お陰でお掃除の手間を省くことが出来ましたー。

 で…報告によりますと回収した鼻血なのですが、予想以上に大量に集まりましてー」

 

「大量って…どれほど?」

 

「何でも一樽分集まったとかー」

 

普段茶碗一杯分はある鼻血を噴出すのだから、タライ一杯分くらいを覚悟していたのだが…

それを通り越して一樽と来た。

 

「どうしましょ~?」

 

「…私に聞かないでよ。風は何か案は無いの?」

 

「…グ~」

 

「寝ていないで考えなさい」

 

「ぉお!余りの難題に思わず意識を手放してしまいましたー」

 

 

最終的に、一樽分の鼻血は、たまたま通りかかった華陀が貰っていった。

なんに使うかは…多分医療用だと思います…

 

 

『のんびり、まったり、そこは銭湯』

 

女性にとって風呂は命の洗濯、人生のオアシス。それは風と稟にとっても同じであった。

そして一刀にとっても楽しみなものだった。

 

一般解放された入浴施設、銭湯。

到着した三人はせっせと受付を済ませ、入浴セットを購入し、脱衣所の暖簾をくぐって服を脱ぐ。

はしゃぎ散らかすように服を脱ぐ一刀を微笑ましく見ながら、

稟は散らされた服を回収し即座に畳んで棚に置き、自分も服を脱いで畳みながら棚に置く。

そして、いざ浴室へと突入!しようとした所で、

 

「稟ちゃん、ちょ~っと待って欲しいのですよ」

 

傍らにいた風に止められた。

 

「なんですか風?」

 

「いえいえ、ちょっと聞きたいことが」

 

「だからなんです?」

 

何を言いたいのか全く分らない稟は、一刀の手を取りながら早く行かないか?という視線を向ける。

その一刀の手を取り、引っ張って自分の前に立たせながら風は問いかける。

 

「稟ちゃん、お風呂で一刀君の身体を洗うおつもりでしたね」

 

「それは当然でしょう?今一刀君の保護者は私たちなのですから」

 

「それは風も分ってるのですよー。でもここで問題が」

 

「なんです?」

 

「稟ちゃんに一刀君を洗うことが出来ますでしょうか~?」

 

「別に子供の身体を洗うくらい、何もないでしょう?」

 

「いえいえ、大いにあるのですよこれが。例えば~」

 

言いながら、風はしゃがみ後ろから抱えるような感じで手を前に持ってくる。

そして、一刀の膝から内股をつつーっと指を沿わせるように上げて行き、とある部分で円を描く。

 

「や…ん、ふ、フウお姉ちゃん…く、くすぐったいよぅ///」

 

「とまぁ、洗うとなればこういう所や」

 

続けて風は一刀に自分の方に、つまり稟に背を向かせると、

今度は一刀のまるまるサラサラプリッとした二つの桃をサワサワする。

 

「だ、め…ふ、ふ、フウお姉、ちゃん…そこもくすぐっっ、たいよぉ///」

 

「こういうところも洗ってあげないといけませんよー?」

 

ニヤニヤする口に片手を沿え、もう片方の手でサワサワしながら問いかける。

初めの動作の時点で既に臨界点まで到達し、もう噴出まで後数μ秒と言ったところだったが、稟は耐えた。

 

「い、い、い、いいえ!いつまでもこのままでは進歩できません!今このときばかりは耐えて見せましょう!!

 それに!そのようなことをいいながら、一刀君を独り占めしようとしたってそうは行きませんよ!」

 

「ぉお!?これはこれは、稟ちゃんが鼻血を抑えるとは。これは意外でしたね~。

 まぁそれなら早速行きましょー」

 

「ええ」

 

一刀の左手を風が、右手を稟が取りながら三人は浴室へと入っていく。

ちなみに、脱衣所には数人の女将達が居合わせて三人のやり取りを見ていたのだが、

皆揃って鼻血を噴出し意識を手放していたのだった…

 

 

浴室では、三人が仲睦まじく洗いっこをしていた。

風・一刀・稟の順で並び、一刀は背が低い為に立ったまま。

 

流石に風呂場を鼻血で汚すわけにはいかないので、風は普通に一刀を洗っていた。

 

稟も鼻血で汚すわけにはいかないと、(稟にしては)並ならぬ精神力を持って自制し、

一刀の汚れ無き身体を見ても耐えることが出来ていた。

お互いに向き合って洗っていたら流石に限界突破していたかもだが、

現在は彼の後姿しか見えていない状況、子象ならともかく二つの白桃なので大丈夫?

 

身体・髪と洗い終えた三人は、今度は浴槽に浸かりに行く。

冷水で浸したタオルを頭に乗せて一刀・風・稟の順に縦に並んで湯に浸かる。

稟が風を抱き壁を背もたれにし、風が一刀を抱き稟の胸を背もたれにし、一刀が風を背もたれにする。

 

「「「ふぅ~~~」」」

 

何とまったりとした空間であろうか。三人の表情が共通して”極楽~”と言った感じだ。

傍に行けば、まったり感が伝染し極楽感を味わえるかもだが、

三人を中心に半円を描いて背泳ぎを知る付けている宝譿がいるために、何故か近寄れなかった。

 

 

風呂から上がった三人はタオルで身体を拭き、続いて髪も拭く。

 

稟が一刀の髪を拭いていると、何かに気付いた素振りを見せた一刀がある場所に向け歩いていく。

向かった先にあったのは、真桜の螺旋槍の技術を応用?して作られた扇風機。

 

風呂のお湯で火照った身体を涼ませる為に設置された扇風機の前に座った一刀は、

風向きを自分の頭に向けさせて、

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~」

 

と、扇風機があるとやりたくなってしまうことをやって見せていた。

それは涼を取る為のものであって、その様に遊んでいては他の人が使えないと、

稟が注意しようとすると、それを風が止めて、一刀の方へ歩いていく。

さては風がやんわりと止めに行くのだろうと思い見守っていると、

風は一刀を抱えて自分の膝に座らせて、自分の顎を一刀の頭の上に置き、

 

「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~」」

 

混ざった。声と風と共に広がる見ている者さえも巻き込むまったり空間。

一瞬自分も…という考えがよぎるが、それではダメだと言い聞かせて止めに入る。

 

が、二人に近付き後一歩と言ったところで、扇風機と向き合っていた二人が稟の方を向いた。

ほのぼのまったり~といった表情を浮かべながら、視線は”一緒にやろ~”っと告げていた。

 

いけない…ここで風の後ろに回り込んだらもう引き返せない…ならばどうすれば…

数秒考えて、ようやく達したのは、誘惑の原因の排除。つまり…

 

カチ

 

扇風機を止めた。稟に向けて非難の視線を二人が向けてくるが、

いつまでも風に当たっていたらその内風邪を引いてしまうと注意し、一刀はそれに納得した。

 

その後、三人は一刀を中心に手を繋ぎ合って銭湯を後にする。

この日は、風が自分達以外の女性客(将)の悩殺を促した意外は、とてもまったりとした一日で終わった。

 

 

『ボクもそれ欲しーーー♪』

 

祭の3日目、風と稟と一刀はある商品を販売している店を目指していた。

 

その店は、所謂お土産屋みたいなもので、各国の将達が愛用している装飾品や武器、

それらを意匠作成した者の、言うなればブランド品を扱っているのだ。

武器のレプリカには実物大からミニチュア版まであるので、子供から大人まで客層はかなり広い。

 

この店に行くと決めたきっかけは一刀の、

「フウお姉ちゃんの頭の上のお人形、ボクもほしーーー♪」

 

と言う希望に対して、

「それでは買いに行きましょーーー♪」

 

と言う流れで決定した。

 

この宝譿人形、”持ち主の感情に合わせて表情が変化する髪飾り”・”正義の心に目覚める蝶仮面”

と並ぶかそれ以上の人気を誇る、その店の三大人気商品の一つ”持ち主の意思で動き喋る人形”として、

世に出回っているのだ。

 

店に近付くと、だんだん見覚えのある武器やアクセサリーを持った者達が増えてくる。

中でも目を引くのは宝譿人形のレプリカだ。

買い手の頭の大きさに合わせて大中小とあるが、どれも頭より大きいと言うことは無い。

なので、それ単体では特に目立たないが、その特徴的なデザインの人形が頭の上にあると言うのは目立つ上に、

何よりも、数が半端無い。通行人の半数近くの頭上に宝譿が乗っていればいやでも目立ってしまう。

 

あまりの光景に稟は言葉を失い呆然としてしまったが、オリジナルを持つ風はどこか誇らしげであった。

一刀はこれからその仲間入りと思い何故か嬉しそうにしていた。

 

三者三様の感想を抱きながら三人は店に入っていく。普通ならば長蛇の列に並んで入り、

整列などは係員が取り締まり、割り込み横入りはご法度なのだが、

商品提供者・オリジナルを持つものは例外で、係員は風を見、オリジナル宝譿を見、三人を別口へと案内していく。

 

 

店に入ってからは、一刀は大はしゃぎだ。武器のレプリカは材質は軽く、子供用に大きさを調節されたものもあり、

身内が持っている武器を見つけては振り回したり真似をしたりして遊んでいる。

鞭を振り回して絡まってしまい、解こうと暴れて更に絡まり亀甲縛りのようになり、

稟が鼻血を吹き出すと言うハプニングがあったが、まぁいつも通りということで…

 

暫くはしゃぎまわり、一刀が満足した所で、三人はメインイベント、宝譿人形を買いに向かう。

 

人気商品は特別区画に置かれており、三人は宝譿人形が置かれている区画に行き…

その光景に圧倒される。

 

 

高さ4m、長さ25m程の棚が通路を挟んで両側に、

その棚全段を埋め尽くさんばかりに宝譿人形が所狭しと並べられている。

 

通常大・等身大・キーホルダー大、木製・布製・石製と様々な種類がある。

その中で一刀が選んだのは、大人の手の平サイズ(一刀にとっては頭に乗せたら丁度良いサイズ)の6体セットの軽石製。

セットと言っても、一つ一つ何かしら違いがあるらしいが、マニアか風でないと見分けは付けられない。

作者にも違いが分りません…

 

複数セットと言うことで少々値が張ったが、オリジナルを持つ風がいることで割引が効いた。

更に特典として、いつも一緒にいることが多いことから相方として認識されている稟の眼鏡(伊達)のレプリカがついてきた。

 

それらを使用して、一刀は二人の物真似をして見せた。

 

風の時は、狸寝入りしながら宝譿人形を頭に乗せて動かして見せた。

動かせるだけでも凄いのだが、一刀としては喋らせる所まで真似したかったのだが、

動く・喋るの効果が可能かどうかは商品ごとにランダムで決まっていて、

一刀が買ってもらったものでは残念ながら出来なかったので、

代わりに、口をなるべく開かず動かさず自分で喋っていた。

その様が壷にはまったのか、稟は笑いを止めることができなかった。

 

稟の真似は、水鉄砲に赤黒い水を入れて鼻の近くから噴射して倒れると言う行動を取った。

腕を組みながら眼鏡の片側を持ち上げる仕草を予想していた稟は、一刀の真似を見て、

一刀の中の自分のイメージはこうなのかと軽くショックを受け、そこに風が、

 

「まぁまぁ稟ちゃん、これはこれで事実なのだから気にしちゃだめですよ~」

 

とフォローと言うよりも止めをさしていた。その言葉に、稟は鼻血を出していないのに(ショックで)倒れてしまった。

一刀が風の真似をした際、それを笑ったことへのささやかな腹いせでした。

 

 

宿に帰ってから色々と試して、喋らせることができない代わりに、

何故か空中浮遊移動、それも複数同時に出来ることが発覚し、それで遊びまくり、

一刀がはしゃぎ疲れて寝るに至ったのは、既に今日が昨日に変わっていた頃だった…

 

 

『賊、現る』

 

祭の4日目、その日は穏かに過ぎていくと三人は思っていた。

 

昨日、と言うより今日まで遊びまくったお陰で、三人は揃って寝坊し、起きたのは丁度昼飯時であった。

昼食を取りながら風と稟は、いつもなら昼間で寝過ごすことなど考えられないことであるが、

こんな風にのんびりまったりと一日を過ごすのも悪く無いと思っていた。

 

その後店を出てから、これから何をしようかと話していたところ、

 

「ォオイ!テメェのガキ殺されたくなきゃ有り金全部出しやがれ!!」

 

運悪く賊が悪事を行っている所に出くわしてしまった。

呉のように戦う軍師では無い二人は、その頭脳をもってどう動けばよいかを画策する。

が、何をするにしても一刀を危険な目に遭わせる訳には行かないので、

まずは彼を安全な場所へ、と考える。

 

が、二人が見下ろした先に一刀はいなかった。

まさかこの状況ではぐれてしまったのかと、二人は慌てて周囲を見渡す。

そして見つけた。賊の後下方で、両手を銃の形に組んでしゃがんでいる一刀の姿を。

 

一体何を?と言うか何時の間に?と二人が思う中、

一刀は狙いを定めて、手を思い切り突き出しながら飛び上がる!

 

「ひぎ!千年ごろしーーー!!」(ヅプス!!

 

放たれた一刀の指は、弾丸の如く飛び進み、賊の菊門に突き刺さった。

 

「っ!?ォォォoooオオオOOOHHH!?!?!?」

 

クリティカルヒットを受けた賊はたまらず尻を押さえてのた打ち回り、捕らわれていた人質は逃げることが出来た。

一刀はというと、指の先に顔を近づけ「…バッチィ」と顔をしかめながら、

近くにあった水桶で手を洗ってから二人の元へ帰ろうとした。が、

 

「っつっつ、て、テメェ~…待ちやがれこのガキャー!!#」

 

「え?わきゃーーーーーーー!?」

 

逃げる一刀、(尻を抑えながら)剣を振り回し追う賊。

子供にしては逃げ足の早い一刀と、不安定な体勢な為スピードが大幅に遅くなっている賊による追いかけっこは、

中々終わらない。

 

一方、慌てて逃げ出し、自分達の方向に向かってこず、

一刀を見失ってしまった二人は、周囲を絶え間なく見回しながら探し回っていた。

 

「む~、困りましたー。中々見つかりませんねー」

 

「ええ。一刀君のことですから、それ程遠くには行っていない…ん?あれは」

 

落ち着いた口調ではあるが、何時に無く焦りを孕みながら話す二人。

暫く話しながら走り回っていると、交差点についたところで自分達がいる交差点から見える別の交差点で、

通行人が何かから離れ逃げるように動いているのを稟が見つける。

 

恐らく、街中で武器を振り回しながら一刀を追いかける賊から逃げているのだろうと判断し、二人はそこに向かう。

二人の予想通り、待ち構えていると、未だに尻を押さえながら武器を振り回しながら追う賊と、

それから逃げる一刀を見つけることが出来た。

 

 

一刀は逃げる先に風と稟がいるのに気付いて逃げ走る速度を僅かに上げる。

だが、賊の方も大分痛みが引いてきたようで、尻を押さえる手を離して、

片手の不安定な走りから、両手を使った安定な走りに変わっている。

だんだん縮まる一刀と賊、このままでは一刀が危ないと、風と稟も一刀の元へ走る。

 

賊の武器の間合いに入り、一刀に向けてその刃が振り下ろされる。だが、風と稟は間に合った。

稟は一刀の手を取り引き寄せ、風は、

 

「トーン」

 

賊の武器を持つ手に対して手刀を打ち込み、その軌道をそらした。

 

「テメェ…邪魔すんじゃねぇえ!!#」

 

一刀を切り損ねた賊は、その矛先を風に変えて再び武器を振り下ろす。

それに対して、風は慌てることなく、

 

「トントーン」

 

再び武器を持つ手と、身体のある部分に手刀を打ち込む。それだけで賊の動きが止まった。

それで終わらず、風は残像が残せる程の速さで身体の各所に手刀を打ち込みまくる。

 

「トントントントントントントントントントントントントン」

 

口調がとてものんびりしていることもあり、賊にも周囲にいる者にも風が何をしているのかわからずにいた。

傍から見れば手を素早く動かす、と言うより振り回しているようにしか見えないだろう。

やがて手刀を打ち終えた風は賊から一歩下がり、三本の指を立てながらのんびりと告げる。

 

「これで終わりました~。あなたの意識はあと三秒~」

 

「なに言ってやがる?三秒もあれば…」

 

「ひとーつ」

 

風のカウントを聞きつつ武器を振り下ろそうとして…そこでやっと自身の異変に気付く。

 

「か、身体が…動かねえ!?」

 

「ふたーつ」

 

何をされたか分らないが、目の前にいる風によって成された事であると言う事だけは分る。

賊は慌てるが、残り1カウントだけでは何も出来ない。

 

「ま、待っ「みーっつ」グハァ!?」

 

風が宣言すると同時に、賊は倒れた。

正直何が起こったのか一刀も稟も分りかねていたが、とりあえず危機は去ったと安心し、

一刀は力を抜いて稟に身体を預ける。自分に寄りかかった一刀を抱き上げながら、稟は聞く。

 

「風、先ほど使ったあの技は?」

 

「お~、あれですか?あれは五斗神拳と言いまして。華陀のお兄さんに教えてもらったものなのですよ」

 

「五斗神拳?」

 

「華陀のお兄さんに聞いたところ、旅をしている途中筋肉ムキムキのおじさんと会いまして、

 その人は風のように手刀ではなくて拳で先ほどのようにやりまして、台詞も

 ”貴様の命はあと三秒”と言っていて、三つ数えると本当に倒れてしまったとー」

 

「…では、本来は殺人技であると?」

 

「華陀のお兄さん曰く”いかに人を殺すかを知ることはいかに人を生かすことでもある”と。

 それで医療用に五斗神拳を考えた、と言うわけなのですよ~」

 

「なるほど」

 

「ちなみに、稟ちゃんが鼻血を出したときにするトントンもそれの一つだとか」

 

「………」

 

それを聞いて、そして先ほど賊を倒した時を思い出して稟は固まった。

毎回されているあのトントンが、賊を倒した時に使用したものの一つ。

つまり、自分はいつ風に意識を持っていかれてもおかしくないのだと。

 

「風…まさかあれで私を気絶させたりとか狙っていないでしょうね?」

 

「…」

 

「……」

 

「ぐ~zzZ」

 

「ね、寝てないで答えなさい!?」

 

「「ぐ~ぐ~zzZ」」

 

「ちょ!?ここは起きて答えるところでしょう!?

 一刀君も一緒に寝ていないで風に答えるように言ってください!!」

 

結局、その質問をやめるまで、風は答えることも起きることもしなかった。真意は風のみぞ知る。

因みに、一刀は疲れて眠ったままでした。

 

 

『賊、再び現る』

 

祭の5日目、昨日賊が暴れた騒ぎがあったからか、若干警備の数が増えていたが、

特に気にせず、三人は祭を回っていた。

 

仮に賊が現れても警備がいるし、その賊を捕らえたのは自分達なのだから、

返り討ちにしてやれると、風と稟は気を緩めていた。それが仇となった…

 

 

出店や芸、目に付くものに興味を持ってはそちらに向かいはしゃぎ回る一刀を、二人は微笑ましく見守っていた。

が、子供のバイタリティは凄まじいもので、人の壁をものともせず僅かな隙間をぬって一刀は移動し、

二人は一刀を見失ってしまった。

姿が見えないのは流石にまずいと思い、人ごみを掻き分けて一刀のところに向かう。

その時、事件は起きた…

 

「見つけたぜ、このガキ!#」

 

突然聞こえた怒声、ガキというキーワードに、もしかしてと思った二人は進む速度を増して行き、

人ごみを抜けたところの、その光景を見て悪い予想が当たってしまったと二人は確信してしまった。

そこには、一人の男が只ならぬ雰囲気で一刀に迫っている所だった。

 

「昨日はよくもアニキをやってくれたなぁ…敵を討ってやるから覚悟しやがれ!!」

 

伸ばしてきた手を一刀は振り払おうとするが、逆にその手をつかまれてしまった。

 

「待ちなさい!!」

 

良からぬことをされてしまうと思い稟が叫ぶと、賊と一刀がそちらを向く。

 

「なんだぁ姉ちゃん?」

 

「今警備隊がこちらに向かっています。逃げられませんよ」

 

「チィッ、面倒だなぁ…だが、このガキがいて手ぇ出せるか、ぁあ!?」

 

言いながら一刀を寄せて短刀を突きつける。

 

「うわあ!?お、おじちゃん!刃物は人にむけちゃいけないんだよ!?」

 

「うっせ!傷つける目的だからいいんだよ!」

 

「ま、まってまってー!当たってる当たってる切れちゃうよーーー!?」

 

「引くか突くかしねぇと切れねぇよ!」

 

「いやだーーー!きーらーれーちゃーうーーー!?」

 

「うっせぇなぁ、まだ切らねぇから黙ってろや!#」

 

「…切らない?」

 

「俺が逃げるまではな。切るのはその後だ」

 

「やだーーー!!ボクおじちゃんじゃなくてお姉ちゃんといたいーーー!!」

 

「#…いい加減黙らねぇと今すぐ切るぞ?」

 

「………」

 

「それでいいんだよ、テメェらも動くな!!」

 

賊と一刀が妙なやり取りをしている間に一般人は離れ、代わりにやってきた警備隊と風と稟がその場を囲むが、

一刀という人質がいる為に近づけずにいた。

 

「近付くなよ?そしたらこのガキを切るからなぁあ!」

 

言いながら賊は移動する。一刀に短刀を突きつけたまま逃げるのかと考えるが、

この先には馬屋があることを風と稟は思い出す。

 

「まずいですね…馬を使われては追うのも難しくなる上、一刀君の危険も増してしまいます」

 

「ムゥ~…稟ちゃん、ここはアレを使いますよー」

 

「…ま、まさかアレをですか?」

 

「ハイー。今この場には遠距離用の武器はそれしかありませんし、

 馬に乗る時に出来る隙を突けばいけますよー」

 

「…そうですね。では風、準備を」

 

「言われるまでも無くー」

 

 

稟に返事をしつつ、風は両手を大きく広げ、日光を全身で浴びる。数秒すると

 

プァープァープァープァープァプァプァプァプァプァ

 

宝譿の頭部の円盤に光が収束しだした。一方賊は馬屋のところに到着していた。

 

プァプァプァプァプァパパパパパパパパ

 

先ほどまで点滅していた円盤は、今は収束が終わって太陽の如くまぶしく光っている。

やがて、賊が馬の元にたどり着き、乗馬しようと一刀から手を離し、

まだ傷つけてはいけないからと短刀も離した。

 

「今です!」

 

「ではー…太陽光線発射ーーー」

 

パパパパパパビム―――――――――!!

 

風の頭上、宝譿の頭から光が伸び放たれた。光は真っ直ぐに矢の如く賊の顔面に向かう。

賊が気がついたときには、光が既に目の前まで迫っており、抵抗する間も無く賊は意識を刈り取られた。

傍から見ると、光の棒?が賊の頭に当たるどころか貫通しているように見えたが、

光が晴れると、賊に外傷は一切無く、意識だけが無かった。

 

この宝譿太陽光線、日光があればいつでも撃てる、無機物には何の影響も無く、水に放てばお湯が沸かせる、

人や他生物に当たっても意識や着弾箇所の力が抜けるだけの、とてもクリーンでセーフティーな…技?です。

 

誰もが暫く呆然としていたが、一刀が賊をつついて動かないのを確認した所で警備隊が捕縛に向かう。

一刀は警備隊の隙間をすり抜けて風と稟の元へ向かい、風に抱きついた。

 

人質にされて怖い思いをしたのだろうと考え、そんな一刀を慰めてあげようと二人が思ったところで、

一刀が顔を上げる。その表情は恐怖を感じて怯えていた表情…ではなく、

何故かまぶしいまでに瞳を輝かせながらなの満面の笑みだった。

 

「フウお姉ちゃんスゲー!ビームうてとかチョースゲー!?

 ねぇねぇ、ボクもビームできる?てかできるよね?ボクも持ってるんだから出来るよね!?」

 

どうやら賊に捕らわれていたことはもはやどうでも良く、宝譿太陽光線、

またの名をソーラービームのみが頭の中にあるようで。

 

その様子に苦笑しながらも、風はビームの撃ち方を教えてやるのだった。

いくらなんでも出来るわけが無いと決め付けながら見守っていた稟は、

一刀が持つ宝譿人形が自分の方へ向いているのに気付かず、そして、

ビームが撃ててしまったことにより、抵抗する間も無くビームが顔面に直撃し、意識を失った。

 

が、一刀も風も、一刀がビームを撃つことができたことしか気にしておらず、

結局稟はそのまま気絶していた。

 

 

『三人 VS 皆さん !』

 

祭の六日目、ショタ一刀と一緒にいられる最後の日。

 

風と稟は、前2日で、これらの日の大半を賊騒ぎで潰されてしまった為に、

この日は朝早くに起きて、一刀と一緒に思う存分祭を楽しもうと決めていた。

が…それを邪魔する者達がいた。

 

寝着のまま宿の食堂にて朝食を済ませた三人は、着替える為に部屋へと戻る。

そこには、魏のチビッ子パワフルズがいた。

 

「おや~。お二人ともどうしましたか?」

 

「あ、風さん。今日は皆で一緒に祭を回ろうと誘いに来ました」

 

「…いえ、別に私達は私達で回りますので、お二人はお二人で楽しんできてください」

 

やんわりとした口調で断るが、心中では三人で過ごしたいから二人は退場してください。と言っていた。

それを察することなく二人は続ける。

 

「昨日一昨日と、一刀君が襲われてしまいましたよね?」

 

「二度あることは三度あるって言うからね、護衛もかねて今日は皆で回ろうってさ」

 

「んん~?皆と言うと…季衣ちゃんと流琉ちゃんだけじゃないのですかー?」

 

「はい。今日は三国の将の皆さんが一緒に回ろうと」

 

「フム…とりあえず着替えてきますので少し待ってもらえますか?」

 

「手伝おうか?」

 

「いえいえ~、一刀君が恥ずかしいと思うのでそれは無しの方向で~」

 

「え?ボクべつにはずかしモガモガ「ちょっとお静かに~(コソコソ」

 

一刀の口を押さえながら、風と稟は部屋に入る。

扉を閉めると、風と稟は一刀にも聞こえないくらい小声で話し始める。

 

「どう思いますか?」

 

「護衛は建前で、皆さん一刀君と一緒にいたいだけかと~」

 

「ですね。ですがそうなると、私達だけの時間は減り、最悪なくなることに…」

 

「それはいけませんね~。ではここは」

 

「ええ…強行突破しましょう」

 

話し合いと同じくして着替えも終わり、三人は扉を開ける。

当然だが、そこには先ほどと同じく季衣と流琉が待っていた。

 

「では行きましょうか。皆はどこにいるのですか?」

 

「あ、じゃぁ私達が案内します」

 

こう言えば、居場所を知る二人が自然と前に出ることに、三人に背を向けることになる。

二人が案内しようと背を向け、後頭部首筋が見えた瞬間、風が動く。

 

「トントーン」

 

声は軽やかに繰り出すのは五斗神拳、両手でそれぞれ一閃ずつ同時に後頭部斜め45度に手刀を打ち込む。

すると季衣と流琉は声を発する間も無く意識を奪われてしまった。

倒れてゆく二人を風と稟が支える。

 

「おやおや~、お二人とも幾ら眠いからといってこんな所で眠られては困りますよー」

 

「とりあえず、私達の部屋で寝ていてもらいましょうか?」

 

「そうしましょー。一刀君、お手伝いお願いしますー」

 

「はーい」

 

突然二人が倒れたことに驚く一刀だったが、風と稟の言葉を聞いて、

なぁんだ寝てるだけか…と思い、風の言うとおりに倒れた二人を寝台に運ぶのを手伝い、布団をかけてやるのだった。

 

季衣と流琉を寝かしつける、というより気絶させ寝台に寝かせた三人はそろって宿を出る。

その際、稟は特別製のマイ眼鏡を装着し、風は一刀に先日購入した6体セットの宝譿人形の全てを持って出させる。

 

 

 

さぁ…争奪戦の始まりだ!

 

 

宿の自分達の部屋の前にまで待ち構えていたとなると、恐らく宿の入り口にも待ち構えているだろうと予想し、

三人、というより二人は周囲の警戒を怠ることなく宿の裏口から出ることに。

 

宿を出た三人は倉庫へ向かう。風と稟が、非力な自分達が賊に、時には敵将に対抗する為に開発させたとあるものを取りに行く為に。

 

宿から100mほど離れた倉庫に近付き、さぁ行きましょう、と言う所で稟が待ったをかける。

 

「風、どうやら待ち伏せがいるようです」

 

「ぉお?さっきの二人が言っていた待ち合わせ場所があの倉庫とは考えにくいですね~」

 

「ええ。恐らく二人が帰ってこないことを知って私達の意図に気付いたのでしょう」

 

「こんなに早く移動してきたとすると~、馬は近くにいませんから徒歩で来たと言うことですねー」

 

「ええ。と、言うことは、あそこにいるのは…」

 

「恐らく明命ちゃんでしょうね~。そうなると…ここは稟二号~五号の出番ですね~」

 

「…いい加減人の名前を猫の名前につけるの、やめてもらえませんか?

 まぁ、今はいいです。では、お願いしますよ」

 

「はいは~い。では…」

 

風は口の中で舌をとある形にまわして息を吹く。それは人の耳には聞こえない特殊な音。

それを聞き取ることが出来るのは…猫。なんと風ちゃん、犬笛ならぬ猫笛を習得しているのだ!

数秒すると、4匹の猫が三人の元に現れた。

 

やってきた猫は、一刀に撫でられたりしながら風の猫語を聞く。正直何を言っているのか分らない。

数秒ほど「にゃ~にゃごにゃご」「「「「に~、にゃんにゃん」」」」と言う感じのやり取りをし、

最後に猫達が一斉に了承の意を、頷きながらの一鳴きであらわし、倉庫の方へと向かう。

 

暫くすると「はぅあああ!?お、お猫様がもふもふでもふもふしてきてふもっふですーーー!?」

と言う…奇声?が聞こえてきた。「これでもう大丈夫ですね~」と風が言ったので、倉庫に行くと、

そこには光悦とした表情のまま気絶している明命と猫達がいた。

猫である為に詳しい心情は分らないが、何故か”してやったりにゃ”と読めてしまった。

 

気絶はしているが、表情は幸せそうであったので一刀は気にしないことにした。

それよりも気になっているのが、風と稟が倉庫に取りに来たもの。

その形状を見て、一刀はまさか!?と思っていた。

確認の為にと風と稟の方を向くと、二人とも笑顔でうなづいた。

それを見た時からキラキラだった一刀の視線がピッカーーー!になった…

 

 

一方、一刀の奪取?を目論む三国の武将智将の皆さん。彼女等は三人が向かった倉庫を目指していた。

先陣を切るのは華琳・雪蓮・桃香の三人。その後ろを全員が続く。

一般民の人混みも只ならぬ将達に道を明けて、まるでモーゼの十戒のワンシーンのようだ。

 

「それで華琳。その倉庫にあるものってそんなに手強いものなの?」

 

「ええ。軍師である風と稟が襲われたときの為にと造らせた物なのだけど…」

 

「でも、それがあるだけで愛紗ちゃんとか強い人がいれば」

 

「桃香…あの二人を甘く見てはいけないわ。その気になれば、あれは一軍とも渡り合えるほどよ」

 

「!?華琳がそれだけ言うものなのね…でも、それなら先回りした明命が…」

 

「その明命が未だに帰ってこない。彼女の足なら既に一刀君たちと遭遇して、そして何事も無いなら今ここにいるはずよ。

 それが無く、未だに帰ってこないとなると…」

 

「…まさか、やられたっていうの?」

 

「ええ。信じられないだろうけど、今のあの二人ならそれが出来るわ」

 

迷い無く言い切る華琳。それを聞いて全員が戦慄する。一体どれほどのものかと。

やがて全員が倉庫の前にたどり着く。倉庫の前には明命が倒れていた。猫に纏われながら。

猫が原因であるならば彼女が戻ってこなかったのはある意味いつものことなのかも知れず、

風と稟にやられたのではないのか?と考えるが、半開きのままの倉庫を見て考えを改める。

あれは二人がやったのだと。そして、華琳は確信する。もう、自分達に対抗するアレの準備も出来たのだと。

 

華琳がどうしようか考えているうちに、まだ倉庫に一刀を含めた三人はいるのだろうと、数人が扉に近付く。

自分達、武将達に対抗できると聞いているが、この人数ならば問題ないだろうと扉を開けようとする。

そして扉が開かれようとするとき、華琳と勘が何か危険を告げていた雪蓮が慌てて叫ぶ。

 

「「全員伏せなさい!!」」

 

叫ぶと同時に扉が開かれる。その瞬間、倉庫の暗闇の中から五条の光が向かってきた。

華琳と雪蓮、そして二人が発した警告に反応して指示通り地に伏せたものは避けることができたが、

反応できなかった数人が抵抗する間も無く光を受けて、意識を失った。

 

一体何が起こったのかと全員が倉庫に注意を向ける中、その奥からガションガションという不思議な足音が聞こえてきた。

その音は次第に大きくなり、何かが近付いてくると警戒心を強める中、それが姿を現した。

それを見た者達は一様に、表情を驚愕に染めた。

 

現れたのは身長3mほどの巨大な人形。色は青と白を基調として、材質は木・石・粘土と様々。

胸部がかなり膨れた感じがあるが、胴体・両手足と角ばってはいるが、その形は正に人そのもの。

頭は人の顔とも甲冑とも言える。左手にはその全身を守ることが出来る大きさの盾が備わっている。

これだけならば、男の子の大半はカッコいい!と評価するのだろうが…

両肩両腰と右手に持つ長銃のような形をした、やたらと太くて長い宝譿がそれらを台無しにしていた。

 

皆が唖然呆然としていると、その胸部が開いた。

そこには険しい表情をした風と稟、そしてやたらとキラッキラした表情の一刀がいた。

 

 

「フゥ…本当に全員で来たのですね」

 

「ええ…昨日一昨日と賊に襲われた一刀君。心配するのは当たり前でしょう?」

 

「それは理解できます。が、一刀君の安全は私達がいる限り絶対の保障はします。

 そして護衛と言う形で一緒にいるとのことですが、私達が求めるのは安全ではなく、

 私達三人の安穏とした一時。それを邪魔すると言うのであれば、たとえ華琳様であろうと、

 誰であろうと、それを障害と見なして排除します!」

 

「言い切ったわね…風も同意権なのかしら?」

 

「…ぐぅ~zzZ」

 

「この状況で寝るのはやめなさい」

 

「ぉお!?さすがの突っ込みで。質問にはもちろんです~と答えましょー」

 

「…なら、私達は全勢力を持って一刀君を奪取しにかかるわ。文句は受け付けないわよ」

 

「ええ。出来るものなら…」

 

稟が呟いた後、巨人の胸部が閉まり三人の姿は見えなくなった。完全に閉まりきった後目の部分が光ったような気がした。

何かされる前に動きを抑えればと数人が飛びかかるが、それを嘲笑うかのように巨人はその場にいた全員の頭上を飛び越えた。

その巨体からは信じられない運動能力を目の当たりにし全員が呆然としている間に、巨人は全力奪取でその場を離れる。

 

巨人の機動速度は人間のそれと同等。そんな速さで身体を動かせるとなると、

成人と同じ長さの両足が生み出す疾走速度は馬と同等かそれ以上。

信じられないほどの速度であっという間にたどり着いたのはとある会場広場。

夜になれば盛大な篝火を囲って踊り大会が開催できるようなだだっ広いその場所は、

先ほどのモーゼの十戒のために、今は閑散としていた。その中央に巨人は立ち止まり、倉庫があった方向に視線を向ける。

その方角の上空には三国の将達によって生み出された盛大な砂埃が立ち上っていた。

 

「真正面から来るとは…愚かですね(ニヤソ」

 

言いながら、徐に眼鏡のフレームに触れる。すると、片目レンズが紫色に変色し、中心から波紋状に黄色い線が走る。

稟のこの眼鏡、五胡との交流で得た妖術と凪やその他に習った気術を融合し完成した一品。

機能としては、一言で言うとレーダー。三国の将達は闘気・覇気・王気etc…と何かしら気(オーラ)を発しており、

それを発するものが稟の眼鏡に●で表示される。表示される●の全てを一瞥し稟が認識すると、

●が[●]と表示される。所謂ロックオンの表示だ。

眼鏡に表示されている●に次々と[]が付けられ、やがて全てが[●]の表示になった。

 

「準備はよろしいですか、風?」

 

「いつでもどーぞー」

 

確認を終えたときには、将達は既に目視可能な所まで迫っていた。

 

「それでは…一斉総射!!」

 

両肩両腰右手の銃口(実際は宝譿の頭部だが、語呂的にこちらのほうが良いので)から光が放たれる。

大通りを一団となって向かってきている為回避がままならず、一人、また一人と武将智将問わず意識を奪われていく将達。

 

華琳や主任製造者の真桜から、あのビームは布以上の厚さ硬さがある無機物は貫通できないと言う情報から、

武器を盾にして進もうとするが、それで守れるのは身体の一部のみ。一発を防げても、

宝譿は五つある為、立て続けに放たれると別の場所に当たり、

今度はそこを守ろうとするとまた別の場所に当たり、やがて頭に着弾し意識を失う。

 

将全員が総出動というただならぬ事態に恐れを抱き、市民は扉を硬く閉ざして非難している為、

家の中に退避することはできない。残されたのは、家と家の間などの路地裏。

そこに隠れている限り攻撃は当たらないが、こちらの反撃も出来ない。

何人かが地の利を活かし、回り道して後方に回り込んで攻撃を仕掛けるが、

 

「無駄ですよ。貴方達全員、既に照準を合わせています!」

 

死角と思われる場所でも、稟は正確に位置を捉え銃口を向け容赦なくビームを放つ。

接近している為に回避する間も、防御する間も無く意識を奪われてしまう。

 

遠距離の反撃に、ビームの嵐をかいくぐって弓将が矢を射るも、

ことごとく盾に阻まれ、それを抜けても巨人という鎧で守り固められているので、

生身に当たらず全く効果が無い。

 

 

「チッ…全く隙がないわね。何とかなら無いかしら?」

 

次々と屠られていく将達を見、焦りを孕み舌打ちをしながら、

華琳はたまたま同じ場所に身を隠していた蜀の軍師コンビ、はわわとあわわに相談する。

 

「え、えっと…それは反撃できないかと言う意味でs「当たり前でしょう!?」はわわ!?」

 

「…あの光を防ぐだけでしたら、何か大きめの板などを翳せば防げますが…」

 

「それでも、回り込まれたら意味が無いわ。今はあの場から動かずに光を放っているけど、

 貴方達もあれの機動性を見たでしょう?あの速さは神速を謳う霞以上のものだわ。

 それをカラクリの力と風や稟の操作で行っている。つまり、あれには疲労というものが無いのよ。

 近付いたら跳ぶなり回り込むなりすれば倒されてしまうわ」

 

「あわわ…えっと、それでしたら、盾を少し変えてみては?」

 

「と言うと?」

 

「私達の軍で使用している鏡の盾…日の光を反射して視覚を封じるほかに、ご主人様の案で信号や合図にも使用できます。

 それは置いておいて…攻撃に使われていますが、あれが光であるなら…」

 

「はわ!と、ということは、鏡を使えばそっくりそのまま返すことが出来るかも!?」

 

「う、うん(コクコク」

 

「なるほど、相手の攻撃をそのまま利用して返すと言うのね。それで、その鏡の盾は何処に?」

 

「武器庫に一括保管されています。だから取りに行かないと…」

 

「そんな暇は無いわ。仕方ないわね、そこら辺の民家から拝借することにしましょう」

 

方針が決定し、華琳は近くにいる将にそれを伝える。

伝言ゲームのように近くの将が方針を聞き、また別の将に伝えると言うのを繰り返し、

全員に伝わった後、ビームに注意しながらなんとか民家に入っていく。

苦労の末数十枚のかなり大きめの鏡、所謂姿見を集め、即席で鏡の盾にして大通りに出てくる。

 

先ほどまでは、もぐら叩きのように出てきてはハンマーの変わりにビームが来て慌てて引っ込むを繰り返していたのに、

何かを持って堂々と出てきたことに訝しむが、やることは変わらないので、出てきた者にビームを放つ。

鏡の盾を翳すと、思った以上に衝撃が来たため、押されて傾いてしまったが、ビームの方は、

他の無機物のように当たって消えるのではなく、反射し角度を変えて光度そのままで上空へと向かった。

 

鏡の盾を使用した結果を見て将達は確信する。これで対抗できると。

盾を構える人員を、衝撃に絶える為になるべく力があるものとし、

頭脳派の者を組ませて角度を調節して、ビームを反射して巨人に向かわせるようにする。

 

巨人の鎧は無機物である為に、それ自体に反射して返しても余り効果は無かったが、

偶々巨人が放ったビームと、反射したビームが当たり相殺した所を見て、将達はまたしても方針を変更する。

相手の攻撃を利用して、相手の攻撃を打ち消す。これを行うことで、自分達の所までビームが届く頻度は減った。

相手の攻撃、それもビームなんて得体の知れないものに対して反射したものを当てるなど簡単なことではないが、

それを狙って行ってしまえるのが外史の皆さんならではの実力です。

 

 

「…まずいことになりましたね」

 

「ですね~。対策を立てられるまでは予想してましたけど…まさかそれを利用して相殺してくるとは」

 

反射、相殺を繰り返しながらじりじりと距離を詰めてくる将達。

このまま逃げるのも手だが、それでは一刀と三人で祭を楽しむ時間など無い。

鎧の中と言う狭い室内で一刀と密着している今の状況も捨てがたいが、やはり祭を楽しみたい。

ではどうしようかと二人して考えて、数秒して風の頭の上で電球が光った。

 

「ぉお!思いつきましたー」

 

「さすが風!で、どうします?」

 

「ここは一刀君に頑張ってもらわないといけませんねー」

 

「ボク?」

 

突然自分の名前が出たことに?を浮かべる一刀。

因みに、今の今まで一刀は始終この状況を心の底から楽しんでいた。

傍から見れば、得体の知れない巨人が放つビームに将達が一方的に倒されているのだが、

それを哀れと思わず、罪悪感を抱くのでもなく、一刀の心の中は男の子の浪漫、

ロボットに自分が乗っているという喜びのみが占めていた。

 

「そうですよ~。お願いしたいことと言うのは~…」

 

 

 

ついに住宅群を抜けて広場の入り口まで来た将達。ここまで来られたら、後は一気に距離を詰めて…

と考えていると、巨人の方に変化があった。

巨人の背から六つの何かが飛び出し、縦横無尽に飛び回りながら自分達に向かってくる。

近くまで来てその姿を全員が見ることが出来た。それは風が頭に乗せている宝譿を少し小さくしたものだった。

 

全員が宝譿が飛んでいることに驚いていたが、あることを思い出し全員がハッとする。

先ほどから巨人は宝譿を太く長くしたものからビームを放っている。

と言うことは、まさか…と思い、飛来してくるミニ宝譿を警戒する。が、もはや手遅れであった。

 

将達の防御を嘲笑うかのごとく、ミニ宝譿は盾の裏側に回りこみ、全員が危惧したことを実行する。

回り込み、盾の裏にいる人物の顔の前に来た途端、ミニ宝譿はビームを放った。

比較するなら、巨人のビームが砲なのに対してミニ宝譿のは小銃と言った所だ。

それでも至近距離で放たれたら、意識を奪うには十分なもの。

 

盾を構えている物がやられ、盾がなくなった途端巨人からのビームを受けてしまう。

ミニ宝譿を何とかしようとするも、六つ全てがかなりの速さで飛びまわりビームを放つので対処は不可能と言って良い。

 

一人また一人、時には巨人の総射で一気に数人と意識を奪われていき、やがて全員が倒れていった。

稟の眼鏡にも●の表示がなくなったことを確認して、三人は巨人から出てくる。

 

「やったーーーー!ボクたちのかちーーーー!!」

 

「お~!すごかったですよー、一刀君」

 

「ええ。本当に」

 

二人で頭を撫でながら一刀を褒める。実際一刀がいなければこのような結果になっていたかは分からない。

一刀は自分の操作とビーム射撃でこの結果になったことに喜び感激していた。

シューティングゲーム感覚で行っていたので、楽しんでいたが罪悪感は一切無い。

 

その後、三人は倉庫に巨人を戻して(一刀が名残惜しそうにしていたが)、祭を楽しむことにした。

 

将達は結局夜になるまで意識を戻さなかった…

 

 

~解説~

 

『噴出最高神(新)記録!?』

 

…正直、やりすぎたかな~。と思ってたりします。

風+稟√を書くに当たってかなり悩んだのが、稟のブーーー!と風のぐ~zzZのタイミング。

なんでもかんでもいつでもそれに繋げるのは、なんか間違ってるよな~と思っていましたが、

ネタ的に、やっぱりこれは外せないなと思い、結局やりました。

 

 

『のんびり、まったり、そこは銭湯』

 

今回アダルトな風に挑戦してみましたが…はずしましたかね?

まぁ、その後は風らしくのほほ~んと出来たので良いかな~っと。

とりあえず、扇風機ネタを入れられたので、自分としてはこれでよし。うん!…うん…

 

 

『ボクもそれ欲しーーー♪』

 

やっちゃいました。宝譿商品化!?

実際に店に出ていたら、どれくらい変われるのでしょう?自分なら多分買います。

 

 

『賊、現る』

 

繋ぎに困ったときの賊ネタ。五斗神拳をどういう風に使うか迷いましたが、結局賊を出しました。

作中に出てきた華陀に神拳を教えた人、まぁ言わなくても皆さんお分かりになるでしょう。

勝手に稟の鼻血を止めるトントンも五斗神拳の一部なんて設定にしちゃったけど、大丈夫かな?今更だが…

 

 

『賊、再び現る』

 

やっちゃいました、再び賊ネタ。

出したかったんですよ…どうしても出したかったんですよ!ビームネタ!!

原作プレイしながら常々思い考えていた設定。

出来てもおかしくないと思えてしまうのが風の凄いところwww

 

 

『三人 VS 皆さん !』

 

…うん、やりすぎたwwwオーバーテクノロジーもいい所。

巨人に関しては、一刀発案・風&稟賛同・真桜製造。

モデルはガンダム種のフリ○ダム、ミニ宝譿をつけてス△ライクフリー○ム。

因みに作者は種運命よりも種無印の方が好きです。どうでも良いが…

 

没ネタとしてこんなのもありました↓

 

もう直ぐそこまで迫ってきた将達。一気に片付けようと、稟は一刀の宝譿6体も巨人の元に集合させ、

5+6=11の銃口から収束した極太のビームを放った。

だが、その様な大振り?な攻撃は、外れてしまうと隙だらけになり、格好の的となる。

間一髪で極太ビームを避けることができた将達は、一気に距離を詰めようとする。

だが、将達はあることを失念していた。ビームがまだ続いているということを…

 

「甘いです~っよ!」

 

叫びながら力を込めて巨人の身体の向きを、ビームを放ったまま変えていく。するとどうなるか?

銃口の角度が変わればビームの角度も変わり、身体に引っ張られるように変わる。その様はまるで…

 

「ひ、光の剣…だとう!?」

 

驚き叫ぶ暇はあれど、もはや避けることができない距離まで詰めていた為に、

止めをささんと近付いてきたものたちはこの一撃で一掃されてしまった。

 

 

…てなネタを入れようか迷いましたが、入れるタイミングとかが難しかったので結局断念。

 

 

~あとがき~

 

ショタ一刀のお祭巡り風+稟√いかがでしたでしょうか?

 

なんだか風に偏りすぎていないか?て感じがしないでも無いですが…そこは勘弁を。

 

自分的に、風個人はともかく稟個人てかなり難しいんですよね…

 

かといって風個人だけで通すというのも出来ませんでしたし。

 

振り返ってみると、なんだか鼻血噴き出してばっかりだし…

 

まぁ、最後に大活躍してますので良しとして下さいな。

 

 

では、この辺にして…

 

今後の予定としては、現段階の進行状況は

 

1:チェンジ番外編 冥琳⇔穏

 

2:ショタ一刀 思春√

 

3:ショタ一刀 明命√

 

と言ったところですかね。いつもの如くSHUFLE!は別に考えてます。

 

おまけとして、ちょっと予告。

 

思春√ではオリ武器が登場して、思春らしいところらしくないところと混ざっています。

 

まぁ、思春自身のイメージは壊れないかと。

 

明命√ではオリ武器?と、一刀がとんでもないものを手に入れます。それが何かは呼んでからのお楽しみで。

 

 

 

それでは、また次回。


 
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