No.140704

『偽・悲恋姫†異聞録』22

絶影さん

GW企画深夜投稿です!

引き続きお楽しみください^^

何時も読んでくださる方感謝しております><

2010-05-04 02:02:30 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8965   閲覧ユーザー数:7355

「なにっ!」

 

地に縫い付けたはずの足が止まらず、矢ごと地面から引き剥がし勢いを殺さずに向かってくる

頭上から降り注ぐ矢さえも気にする様子はなくその顔に微笑を称えたまま

 

化け物めっ!やはり袁紹などではない、こやつは魔王の将、謀られた!!

 

直線的な突きがいきなり軌道を変え、横薙ぎに変化し方天画戟の刃が秋蘭を襲う

身体を浮かせてしまった為、そこから避けることも出来ずとっさに弭槍で受け絡め取ろうとするが

恐れず踏み込み振う方天画戟穂の衝撃で先は叩きおられ身体を捻った左の防具に叩き込まれた

 

何だとっ、途中で変化した?!これも仕込みかっどれだけ私を欺くつもりだっ!!

 

「ぐぅっ!」

 

瞬時に左手で抜いた矢を3本と弓を無理やり滑り込ませ方天画戟に対して盾のように構え

るがメシメシと嫌な音を立てて身体に食い込んでいく、しかし弓と矢で攻撃を受けることが

出来たお陰か、防具に亀裂を入れるだけに止めたがあまりの衝撃で地面を砂煙を上げて転がる

 

肋が何本かやられた・・・くぅっ、弓は・・・まだ使える・・・私はまだ戦える、生きねば

生きねば昭が悲しむ、それだけはさせられない。

 

震える足で立ち上がり、痛みを堪え、矢筒から抜き出した矢を構え、弽を目元に近づけ心の中で呟く

 

お願いだ、私にもお前の覚悟をくれ、あやつを打ち倒す鋼のような覚悟を

 

痛みは殺せ、表情に出すな。私はただ冷たく冷静に、敵を打ち滅ぼすことを考えろ

 

体からは冷たく、凍えるような絶対零度の殺気を放ち矢を引き絞っていく

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
49
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択