No.130957

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~ 第6話 黄巾党×悩み 

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-03-19 14:51:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:21612   閲覧ユーザー数:16025

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

前回のあらすじ

黄巾党の台頭によりますます混乱する大陸。その中で出会った『江東の小覇王』。その名は孫策。彼女は噂に違わぬ存在であった。そして一刀達は黄巾党と戦う。

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~始まります。

 

孫策から出陣の知らせを受けた美羽達も出陣をした。一刀たちの相手は別働隊であったので本隊と戦うよりも楽ではある。一刀は馬に乗りながら考えていた。

  (今回の戦で功名をあげるのは不可能。ならより少ない被害でこの戦を乗り切らないと…)

今回の戦での自分の役割を考えていた。さらに一刀には懸案事項があった。

  (孫策の所に孫権と甘寧に周泰。次々に将が集まっているな…)

孫策軍が増強されていくことに内心穏やかではない。

  (この戦いで少しでも向こうの戦力が削れてくれるといいが…それはまずありえないな…)

一瞬甘い期待をした一刀だがその考えもすぐ掻き消した。何故ならむこうには『美周郎』こと周瑜にその弟子である陸遜がいるのだ。

  (……まあやるしかないな)

そう考え拳を強く握る一刀。すると横から七乃と共に馬に乗っていた美羽が声をかけてきた。

美羽「一刀~今回妾はどうするのじゃ?」

一刀「美羽は何もしなくていい。俺が全て指揮するから…七乃さんと一緒に後ろで大将らしく見てればいいよ」

美羽「わかったのじゃ~」

そう返事をすると美羽は後ろにいた七乃に体を預けて機嫌よく鼻歌を歌っていた。

七乃「本当に一刀さんは優秀ですね~」

そう言った七乃を一刀は恨みがましく見た。しかし、七乃にはそんなことはどこ吹く風であり美羽の相手をしていたのであった。そうして黄巾党の別働隊が潜んでいる場所の近くに着いた。

 

その後一刀が放った斥候が報告にきた。

斥候「報告します。黄巾党らしき部隊がこの先の城にいます。数はおよそ一万かと…またこちらには気づいていない様子であり、城の中に閉じこもっています。」

さらに斥候から詳しい城の造りや周辺の地理の状態などを確認した。

一刀「別働隊は城に篭っているのか…」

斥候「おそらく命令があるまで城で待機しているのでは…。それと宴をしているみたいでした」

一刀「宴か……まあもともと賊だしな…了解。ご苦労様。それじゃ持ち場に戻って準備をよろしく」

一刀は斥候にそう言うと斥候は戻っていった。

  (さてと…数はこちらが優勢か……しかし最小限の被害で抑えたいしな…)

  (単純だけどこれしかないか…あとこれからのことを考えて…)

一刀は自分の策が固まると北郷隊の副官達を呼び準備を始めていった。

 

一刀「そろそろか」

一刀はそう呟くと次の瞬間銅鑼の音がなり始めた。そして大量の火矢が黄巾党の陣地に襲い掛かった。そして聞こえるのは黄巾党の悲鳴。城から脱出を行う他の黄巾党も門の前にいた袁術軍の兵たちにより次々命を奪われていく。

一刀「みんな…訓練どおりだ。よくできてるよ…」

一刀は自分が調練をした兵士に賞賛の言葉を送る。戦場から少し離れたところからこの様子を見ていた。その顔はどこか誇らしげであった。

一刀の策は単純なものであった。城を囲みそこに火矢を放ち門からでてきた残党を屠る。それだけである。しかし、この策を一刀は自分が指揮をせずに自分の隊の副官達に全て任せたのである。それは日頃の調練の成果をためすこと、そして自分以外の将の底上げのため。全てはこれから先のために………それともうひとつ理由がある。それは戦場での自分の実力を知られたくないからである…一部の人間に。一刀は孫策と出会った後は極力目立たないように後曲で指揮を執って自らは前線で戦うことはしなかった。

  「あとは彼らに任せてと……ふっ!」

一刀は懐から出し短刀を投げた。手ごたえはあったのだが短刀を投げた方向には誰もいなかった。そこには血の跡だけがあった。おそらくどこかの間者であろう。大体の予想はつくが…

  「……失敗か…ちゃんと急所を狙ったつもりだったけど…まだまだだな。気配は…こっちか」

そう言った一刀はすぐさま気配を感じた方向に駆けていった。

 

逃げ出した間者はすぐさま自分の主の元に向かっていた。その右腕には先ほど一刀が投げた短刀が刺さっている。しかし、後ろから声が聞こえた

  「逃がさないよ?」

間者が振り返るとその顔を手で掴まれた。そして持ち上げられる。俗に言うアイアンクローである。

  「さて質問だ…お前はどこのモノだ?」

そういうと一刀はその手に力を込めた。さらに下手な抵抗をさせないように心臓のところに双剣を突きたてていた。しかし、間者は答えない。

  「なるほど…優秀だ…まああらかた予想はつくけどな…孫策だろ?」

しかし、間者は何も答えない。そんな間者をみて一刀は目を細めた

  「本当に優秀だ…わかった…もう聞くことはないから死ね…」

そう言うと一刀は双剣を間者に突き刺した。そして、動かなくなった間者の体を降ろし自分の顔にかかった返り血を布で拭う。

  「間違いなく孫策の所だな…しかもご丁寧に俺だけをスパイしている」

最近ずっと気配を感じていた一刀は自分の隊の人間に命令をして間者を始末させていた。

時には一刀自らもあたっていた。なるべく自分の実力を知られないために色々と細工もした。しかし、中には取り逃がした間者もいた。そこから少なからず情報は流れているのであろう。

  「はぁ……多分俺のことは呉の主要な面子に知られているだろうな…厄介だな…」

(ただの文官兼武官と思ってくれるのが一番だけど……楽観はできないな。まあ先のことを考えても仕方がない…とりあえず美羽達の所にもどるか…)

一刀はそう結論付けて美羽達と合流するため来た道を戻った。

 

黄巾党の本隊は曹操を筆頭に有力諸侯により撃破された。首領の張角は曹操が討ち取ったとの報告があった。またこの戦の中で孫策軍の活躍は目覚しくその名は大陸全土に広がった。その孫策の名声を聞いた人々が孫策の元に集まったり援助を行ったりしていた。一刀はそのことに危機感を覚えたびたび間者を送り呉の状況の把握に努めた。

 

一方の孫策たちも着実に独立のための準備を整えていた。そんな呉の最大の懸念事項は『北郷一刀』であった。相手は全くの未知数であった。何とかして情報を集めるが有力な情報は得られなかった。

 

 

周瑜「ふむ…そうかわかったご苦労。」

周泰「はい…申し訳ございません」

周瑜は周泰の報告を聞いていたが相変わらずいつも通りの報告であった。周泰は本当に申し訳なさそうな顔をしていた。

周瑜「何…気にするな。相手もそうそう尻尾をださないさ」

周瑜はそう言い周泰に微笑んだ。周瑜の隣にいた孫策も答えた。

孫策「いいのよ~明命気にしないで。……それにしても本当に固いわね~。北郷一刀は~」

周瑜「ふむ、しかしあらかた予想はできてきたな…」

そう答える周瑜に孫策も頷いた。

孫策「ええそうね。相手はかなり頭が切れるわ…」

周瑜「それに人望もある。民の評価も良いしな…さらに奴が来てから袁術の周辺の街は活気づいている。報告で聞いたが奴が行った政策は私や穏ですら目を見張るものばかりだからな…それに袁術軍の兵の精度もあがっている。まあこちらは我らには劣るが…」

孫策「冥淋にそう言わせるなんてね~。かなりできる文官兼武官といったところかしら?」

周瑜「ああ私はそう思う。少なくとも文官としてはかなりのものだ…武官としては奴は袁術軍一の武らしいが実際見た雪蓮はどう感じた?」

孫策「袁術軍一じゃうちではよくて中の上くらいよ~。でも…正直彼はわからないわ」

周瑜「ほぉ~珍しいな。お前がそう答えるなんてな…」

親友の珍しい態度に周瑜も驚いた。

孫策「ちらっと見た感じただの武官ってかんじね。ただ…何かこう…ね~。私の勘は違うと言ってるのよ」

周瑜「お前の勘か…」

孫策「ええ勘よ」

孫策の勘がよく当たることは親友の周瑜が一番理解している。

周瑜「ふむ………なら北郷一刀を量る機会はこれしかないな」

そう言った周瑜は手に持った書簡に目をおとした。

周瑜「この…『反董卓連合』でな。ここで奴が我ら孫呉にとっての脅威になるか見極めるか」

孫策「ええそうね…本当に楽しみね~。北郷一刀」

 

後書き

黄巾党と戦うと書いて実際は全然戦っていない一刀。本当はここらへんで一刀無双をしようかと考えたんですがこの後の方がいいかな~と思いあえて書きませんでした。一応今の所孫策たちはかなり警戒をしていますがそれはあくまで文官としての一刀です。武官としてはそこそこ強いと思うけど孫策たちには劣ると思っています。ではみなさんまた

 


 
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