No.129336

真恋姫無双~風の行くまま雲は流れて~第11話

第11話です

こんどこそ…こんどこそ

黄巾の乱、完結編…に向けた何か

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2010-03-11 00:16:49 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:10300   閲覧ユーザー数:9377

はじめに

 

これから読まれる皆様へ

 

今回の展開につきましては先に謝らせていただきます

 

なんか色々ゴメンナサイ

 

 

 

おかしい

 

何かがおかしい

 

 

 

黄巾党の大軍勢に飛び込んで間もなく

彼女は違和感を感じずにはいられなかった

 

袁紹、孫策、劉備、曹操が率いる軍団は迫り来る黄巾党の流れに逆らうように突き進んでいた

 

だが

 

何故こうも簡単に進めるの?

 

彼女…孫策の頭には疑問が浮かぶ

 

彼女等の先頭を行く文醜、関羽、趙雲はどの陣営においてもトップクラスの武将だ

しかしこうもあからさまな被害もなく進めるものだろうか?

確かに黄巾党の数は多く、彼女達の歩みは決して速いものではない

だが黄巾党の間を突き進む彼女達を黄巾党は黙って通している…まるで見えていないかのように

なによりも

彼女達が突き進んだ後を黄巾党は追ってこないのだ

 

狙いは別にある?こいつ等が目指しているのは私達じゃなく…

 

黄巾党が進む先には…そう、あの古城

 

あそこに居るのは何進…張角…だけどそれだけじゃないわね

 

隣を走る幼馴染に目をやればどうやら彼女…冥琳も同じ事を考えているようだ

だが止まるわけにはいかない、それこそ自殺行為だ

 

それでも彼女は

 

確かめたいわね…

 

彼女の勘が告げてくる

あそこには何かある、黄巾党しか知らない何かが…その何かをこいつ等は目指しているのだと

 

「冥琳!」

「どうした?雪蓮」

 

声に呼ばれて横を向けば、何やら嫌な予感

隣を走る自軍の大将であり自身の幼馴染である彼女の表情は

玩具箱を前にした子供のそれだった

 

「私ちょっとこいつ等と行って来る!ほあああぁぁぁぁ…」

 

瞬く間に黄巾党の流れに乗って遠ざかる雪蓮

 

「あの馬鹿!」

 

あっという間に冥琳には雪蓮が見えなくなってしまった

 

 

 

 

華琳様~っ!

 

 

どこに居られますか~!?

 

 

 

 

突入早々に春蘭は己が主を見失っていた

 

いくら刃を向けてくることは無いとは言え、この数の中を突き進むのは一筋縄ではない

 

従姉妹であり、自身が尤も敬愛する華琳の姿が見えない事に、春蘭は焦りを感じていた

 

「もしや華琳様の身に何か…」

 

春蘭の頭の中でルービックキューブが回転し始める

 

 

華琳様は美しい

 

   ↓

 

黄巾党の連中にもそう写る

 

   ↓

 

実は黄巾党の狙いは華琳様

 

   ↓

 

華琳様は黄巾党に追われている

 

   ↓

 

華琳様が危ない

 

 

カチャカチャカチャカチャカチャカチャ…チーン(完成)

 

 

「うおおおおおおおっ華琳様あああぁぁぁぁ…」

 

 

春蘭は黄巾党が目指す先に華琳がいると走り出す

 

 

 

 

みんな!

 

離れちゃ駄目だよっ!

 

 

 

 

濁流の中を逆らうような黄巾党の流れの中、桃香は自身の仲間に声をかける

 

「大丈夫なのだっ!」

 

周りは自身の身の丈の倍以上もあるというのに平気な顔で走る鈴々

 

「「大丈夫でしっ!」」

 

同じく気丈に応える雛里と朱里は、帽子を飛ばすまいと抑えながら走る

 

先頭を行く愛紗と星の姿はここからでは解らないが、彼女達なら大丈夫だと自身に言い聞かせながら桃香も走り続ける…と

 

 

「あれっ?白蓮ちゃんは?」

 

気づいたら友の姿が見えない、先程まで隣にいたのに

 

 

「いやあああぁぁぁぁ…」

 

 

声に振り向けば彼女…白蓮は何故か黄巾党に御輿のように担がれ遠ざかって逝くところだった

 

 

 

 

 

 

 

迂闊だったわ

 

 

 

 

 

 

 

遠くに迫り来る黄巾党を目に詠は舌打ちする

 

本隊が来る前に張角の首を取れば良いと思っていた彼女だったが予想外の早さの到着と、その数に慌てていた

 

攻城戦が軸と睨み歩兵中心に編成したことも、この小さな城にここまで手古摺るのも

 

そしてなにより

 

「…詠ちゃん」

 

月を此処に連れて来てしまった

 

まさか陣に一人残すわけにはいかないと思って連れて来たけど、それにしても城に近付きすぎたわね…

 

何もかもが裏目に出ている

 

後方に待機していた陣営は一つに固まり突破を図るようだ

 

今からの合流は無理ね、せめて…この子だけでも何とかしないと!

 

と後方の陣営から一騎の馬が近付いてくる

 

「何進将軍!何進将軍は何処に在られるか!?」

「何進将軍なら城の中よ!」

 

詠に声に馬に跨る青年は近付いてきて彼女達の目の前に止まる

 

「既に突入していたか…間もなく黄巾党本隊がやってくる!此処は危険だ!」

「見れば解るわよ」

 

確か…袁紹って奴の処の…この状況でそれを知らせに来るなんて…余程腕の立つ奴かそれとも唯の馬鹿か

 

 

馬から下りる比呂に詠は怪訝な顔をする

 

「あんたまさか…」

「そのまさかだ」

 

弓は使えんなとその場に捨てる比呂

間違いない今度は城に入ろうというのだ、この男は

 

「…あんた正気じゃないわ」

「先程も言われたばかりだ…それよりもこの馬を預ける、今ならまだ間に合うかも知れん、後方の陣営に加わるんだ」

 

比呂のこれ以上ない誘いに詠は月の方へ振り返る

 

「月!急いで!」

 

だがそんな詠の言葉にも月は首を振り

 

「駄目だよ詠ちゃん、まだ兵隊さん達が城に残ったままだよ…私に付いて来た人達を見捨てて自分だけ逃げるなんて出来ないよ」

 

優しい…だが強い決意を秘めた瞳は自分は此処を動かないと言ってみせる

 

だが彼女には恐怖が付き纏っている、震える身体を見れば解る

そんな彼女の近くに立つ旗を見て

 

「…成程、貴女が西涼の…董卓殿であったか」

 

気丈な態度を示しながらも振るえの止まらない彼女を抱きしめる

 

「!?」

「ちょっ…」

「御心配召されるな…すぐに賊共は通り過ぎましょう、どうぞ我が馬にお乗り下さい、まだ名も無き馬なれど我が身と共に幾多の戦場を駆け抜けてきた隠れた名馬、必ずや御身を守ってくれましょう」

 

比呂に膝立ちでを抱きしめられた為、肩越しに彼の馬と目が合う

 

 

なんて…綺麗な目

 

 

 

二人をよいせと馬に乗せれば、嫌がる素振りも無く大人しくブルルと鼻を鳴らす

 

「どうやらコイツも貴女達の方が気分が良いらしい」

 

腰に手をあて笑ってみせる比呂

 

「御武運を董…」

「月です」

「え?」

「月っ!?」

 

突然の真名に馬上と下から驚愕の声

 

「私の真名です…どうか受け取って下さい」

「あ~もう!詠よっ!」

 

二人の名乗りに優しく微笑む比呂

 

「張郃、真名を比呂と申します、月殿…御武運を」

「貴方も…比呂さん、御武運を」

「感謝するわ比呂、此処を生き残れたら祝勝会で注がせて貰うわ」

 

城に入ってく比呂を見送る二人…

 

やがて

 

「「「「ほあああああああ」」」」

 

迫り来る黄巾党に二人は馬上で目を瞑り抱き合った

 

 

あとがき

 

日にち跨いでるし連投とは言わないよな…多分

 

こんばんわ

 

ねこじゃらしです

 

眠くなってきたので今日は此処まで

 

次で黄巾の乱編は正真正銘ラストです

 

ぶっちゃけ最初の方でオチが見えちゃった人も居るかも知れませんね

 

まあ…そうゆうことでまた明日

 

それでは次の講釈で


 
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