No.126691

恋姫異聞録22.5番外編

絶影さん

ちょっと書いてみました番外編
ただ怒られているだけなので短いですw

そして稟視点

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2010-02-25 23:18:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:21009   閲覧ユーザー数:16541

 

 

城の外から騒々しい音が聞こえる。どうやら昭殿達が帰ってきたようだ

私があの邑へ経路を引いた事を怒っているだろうか?

いや、きっと怒っている。風の付けた真名や洛陽での風評の通りの人だ、

きっと私に対して怒りをあらわにするだろう。そして怒り狂った昭殿は私を無理やり押し倒し

いけませんっ!奥様がいながらっ!いけませ・・・・・・ブハッ

 

「稟ちゃーん、お兄さんが帰ってきまし、おおぅ!」

 

・・・・・・はっ!どうやらまた鼻血を出して風に助けてもらっていたようだ

 

「大丈夫ですかー?今からこれではお兄さんがこちらに来たときに心配なのですよ」

 

「ふふふふふっ、心配無用ですよ風。いかに昭殿とはいえ私を叱ることはできないでしょう」

 

昭殿の話は霞から聞いている。対策も考えておいたのです!

なにせあの春蘭殿が涙ぐんで叱られていたのだと言うから尋常ではないのは解る

しかし、私がこの魏で唯一昭殿の怒りをそらせることを証明して見せましょう!

 

「ふむふむ、ずいぶん自信があるようですねー。風はあまりお兄さんを侮らないほうが

良いと思うのですが・・・」

 

そういい残すとスタスタと部屋から出て行ってしまう。風、貴方の心配は杞憂に終わるでしょう

昭殿を気に入っている風は過大評価をしていると私は考えます。

 

翌日、軍備を整え終わり。明日はいよいよ袁紹軍との対決だ、今日当たり昭殿はきっと私の元を訪れるだろう

 

「稟、居るか?」

 

フフフッ、来たようですね。まずは昭殿の眼を見ないようにしなければ、昭殿の眼はどうやら

有無を言わせぬ圧力のようなものを感じてしまうらしいので眼を伏せながら話せば良いのです

 

「ええ、どうぞ」

 

「じゃまするぞ」

 

そういうと部屋に入り、私の方を見ている。怒っているのが眼を伏せてもひしひしと伝わってくる

眼を合わせなければ良い、ただそれだけでいい・・・・・・・

 

「どうかしましたか?」

 

昭殿は部屋に入ると急に怒気が薄れ、私に近寄ってくる。

どういうこと?これは想定外ですね、しかし臆する事はない

 

くいっ

 

「あっ!」

 

しまった、指で額を押され伏せていたはずの眼が昭殿と合ってしまっ・・・・・・

ヒイイイイィィィィッ!!こ、これは怖いっ!なんと黒く深く燃えるような、解りすぎるほどの怒りの色っ!

 

「座れ」

 

「う、ううっ」

 

逆らえない、何てことだろう。し、しかし私は間違っていませんっ!

体は地面に座してしまうが何とか説き伏せてっ!このためにいくつもの論争を想定していたのだから!

 

「わ、私はあそこで今後大きくなると予想された昭殿の眼をしんじて」

 

私は何とか震える体を押さえ込み、昭殿を説き伏せようと試みたとき、昭殿はすっと膝を曲げ

目線を合わせるとブツブツとしゃべりだした。

 

「曹操様の白く美しい手が凛の頬をなで、その指がゆっくりと」

 

「なっ!・・・・・・・ぶ」

 

べチンっ!!

 

「イタッ!うっ・・・・くくくっ!痛い、何をなさるのです・・・か・・・」

 

私はいつもの妄想から額に走る激痛で無理やり引き戻され、額の痛みで鼻血がすん止めされる

ま、まさか昭殿っ!!

 

「稟の服を一枚一枚」

 

「あわわわ・・・・・・ぶ」

 

べチンっ!

 

「うぐっ!!痛いですっ!昭殿っ!」

 

だめだっ!聞いては駄目だっ!私はこのまま額を弾かれ続け陥没させられるか、すん止めでどうにかなってしまうっ

そうだ!耳をふさいでっ!

 

がしっ!

 

「ああっ!そんなっ!」

 

両腕を捕まれ昭殿の顔が更に恐ろしい形相になる。ううっ、この人は人を叱ることを良く心得ている

私のように論破する人間には心を折ってから叱るほうがより効果的だとっ!

ここは口だけでも謝っておかねばどうなるかわからないっ

 

「も、もうしわけありませんでしたっ!昭殿っ!」

 

ガシッ!

 

私は謝った瞬間、腰を持たれ昭殿に抱えられてしまう。

 

「稟よ、俺の眼をなめるなよ。口だけの謝罪など何の意味も持たんっ!」

 

「ヒッ!ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィッ!!!!!」

 

パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!

 

痛いっ!痛すぎる!この歳になってお尻を叩かれるなんてっ!!!!

 

「すみませんっ!すみませんでしたっ!昭殿っ!!!」

 

パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!

 

「あの邑の事は知っていただろうっ!邑の人々の心を利用しやがってっ!!!」

 

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァ!」

 

ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!私は気が付いたら泣き喚き何度も何度も謝っていた

まるで子供が父親に叱られて居る時のように

 

「なんや?なんや?惇ちゃん稟の部屋から悲鳴が聞こえるで?なんかあったんか?」

 

「わからん、賊が侵入していたら大変だ。一応覗いておこう」

 

二人が扉を開けると稟がお尻を叩かれながら泣き喚き、鬼のような形相をした昭が居た

 

「みたな?」

 

「「ぎやああああああああああああああああああああああああああ!!!」」

 

その後、稟の叱られる様子を見て自分たちの叱られたことを思い出したのか

城中を叫びながら走り回るのであった。

 

「あ、悪夢や!ありゃ悪夢やあああああああああああああああああっ!!!!!!」

 

 

 

 


 
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