No.123469

『舞い踊る季節の中で』 第1話

うたまるさん

『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。

明命√の作品となります。
拙い文ですが温かく見守ってください

2010-02-10 12:41:12 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:38217   閲覧ユーザー数:27939

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』

  第1話 ~茶会の席にて舞う刃~

 

 

 

 

 

(はじめに)

 

 

 キャラ崩壊やセリフ間違いや設定の違い、

 

 誤字脱字があると思いますが、

 

 温かい目で読んで下さると助かります。

 この話の一刀はチート性能です。

 

 どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

一刀視点:

 

目が醒めると、知らない部屋だった。

 

「・・・・なんなんだ、この出来の悪いゲームのような設定は」

 

そう呟いてみるが、いまいち状況が分からない。

周りを見ると、木の建物と言うのが分かる程、木がむき出しにされた柱と壁、

窓らしきものも、ガラスは無く、枠と雨と風を防ぐための板が付いているだけだった。

この部屋の持ち主は、どうやら代わった嗜好の持ち主らしい。

 

「確か、じっちゃんの所から帰る途中だったはずだけど・・・・なんで?」

 

スー

 

「目が醒めましたか」

 

戸から静かに入ってきた少女が、声を掛けてくる。

 

「ああ、おかげさまで」

 

そう応えつつ、彼女を観察するが・・・・・うーん何度見ても忍者姿だよね・・・あれって、

 

「此処って、何処かの撮影所だったりする?」

 

俺の質問に、少女は首を捻り、

 

「すみません、その撮影所って言うのは、なんでしょうか?」

 

と、不思議そうに此方に質問をしてくる。

・・・・って、撮影所を知らないって、そんな馬鹿な、そんな格好でなにをそんなボケを・・・

 

「あっ、すみません、私は姓を周、名を泰、字は幼平と言います。

 失礼ですが、お名前をお聞かせいただけるでしょうか」

 

って、いま字って言ったよな、もしかしてあの字(あざ)の事か、今時そんな風習残っているわけがない。

素人相手に反応を見る演技なのかと思いもしたが、彼女の目は澄んでいて、演技や嘘をついているように

見えない。

 

「あっ、俺は北郷一刀、悪いけど、此処って何処なのか教えてくれると助かる」

「北郷一刀さん、姓が北、名が郷、字が一刀ですか、変わったお名前ですね。

 あと、此処は楊州の丹陽です。

 失礼ですが貴方は、あのような所で何をされていたのでしょうか?」

 

はっ?

今、楊州って言ったよな、

俺の記憶が確かなら、楊州の丹陽って言うのは古代中国にある地名だったはず・・・

それに、さっき周泰と名乗ったよな、たしかそれって・・・それに彼女は女性だし、そんなわけ無いよね?

 

「ごめん、意味が分からない、俺は習い事からの帰宅途中だったはずなんだけど、気がついたら、ここで

 寝ていたってわけで、状況が分からないんだ」

 

そう言うと、少女(・・・えーと確かこういう場合は字の方を言うんだったかな)幼平さんは、俺と出会

った時の状況を話してくれる。

 

「・・・・せっかく話してくれて悪いんだけど、全然身に覚えが無いんだ。

 それと、一応聞いておきたいんだけど、もしかして、今は漢王朝?」

「なにを、当たり前の事を聞いておられるのですか?

 ・・・もしかして遠い異国から来られたのですか?」

 

俺の質問に、幼平さんは不思議そうな顔をする。

・・・・だが、俺としては、この状況が、この幼平と名乗る少女の演技であって欲しいと祈るばかりだ。

だが、残念ながら、俺の頭の中の冷静な部分が、彼女は嘘をついていないし、演技もしていないと告げる。

そして、更に残念な事に、俺は生まれてから、特定の演技以外、演技を見抜けなかった事は一度も無い。

だが、それでも俺は、俺の置かれている状況を信じたくは無かった。

だが、悩んでいても解決はしないと、冷静な部分が俺に囁気、その囁きに俺も納得してしまう。

 

「幼平さんの言っている事はたぶん、そう間違いではないと思う。

 もう一度念のために聞きたいんだけど、今の皇帝陛下のお名前を教えて欲しい。

「それなら知らなくても、いたし方ありませんね。

 今の皇帝陛下は劉宏様と言います。

 あれ? どういたしましたか頭を押さえて、

 はっ、まさか頭痛ですか、無理をされてはいけません、どうかお休みください」

 

彼女の告げる事実に、俺は現実逃避をやめ、俺の置かれた状況に頭を抱えると、

幼平さんは、俺を心配して俺を再び横にしようとする。

幼平さん良い娘だなぁ、こんな可愛い娘が、俺を本気で心配してくれるなんて

と、一瞬状況を忘れて、幼平さんの健気さに感動しそうになった所を、理性のぎりぎりの所で押さえ込み、

問題ない事を幼平さんに告げる。

とにかく、もし、この状況が俺の想像通りなら、死活問題だ。

なにせ、俺はこの時代で頼る術所か生きる術すらない。

正直、今の状況で俺に出来る事と言えば、

目の前の俺より年下の少女に、土下座してでも頼るしか道が無い。

・・・悲しいけど、これ現実なんだよね。

 

とりあえず、彼女に行く宛ても生きる術も無い事を正直に話すと、

自分でも胡散臭い事この上ないと思っていたが、

以外にも彼女は、あっさりと了解してくれた。

もっとも、家の事を手伝ってもらうのが条件と言われたが、

厄介になるのだからそれは当然と、俺もそれを了承する。

そうすると、幼平さんは一度部屋を出ると、なにやら服を持って来てくれた。

なんでも今の服では目立つとの事。

仮にも家の者が、家の主人(幼平さんの事らしい)より目立つのは、不味いとの事。

……何か隠している様子だったけど、嘘は言っていない様子に、

俺は、彼女なりの事情があるのだろうと自分を納得させ、早速服を着替える事にした。

 

そうして、俺は幼平さんとの、奇妙な生活が始まったのだった。

 

 

 

 

 

明命視点:

 

先日、森の中で倒れていた男の人は、一刀さんと言って、どうやら遠い異国の方のようです。

最初は何処かの密偵かと思いましたが、寝顔があまりにも幸せそうなので、それは無いと判断できました。

一刀さんの目が醒めてから様子を伺っていましたが、それらしい動き所か一般常識すら知らないようです。

何処かの貴族の御曹司かと思いましたが、どうやら文字も読めないようなので、本当に遠い異国の方のようです。

おそらく何らかの事情があるのでしょう。

とにかく、色々一生懸命なな方です。

頭の回転も悪くないようで、教えた事は次の時には出来ていました。

それどころか、コツを掴むと、教えなくてもどんどん仕事を覚え、こなして行きます。

文字の方も、暇を見つけては一生懸命覚えているようで、私も仕事の合間に教えています。

幸いと言うのも変ですが、今の私達は派手に動けない分、あまりお仕事がありません。

おかげで、今は一般的な単語程度なら理解できるようです。

10日も経っていないのに凄いと思いました。

性格も温厚で、最初に思った通り、とても優しい方のようです。

お猫様も、一刀さんには大人しく撫でられています・・・羨ましいです。

それに、とても暖かな笑顔で笑われる方です。

私は、あんな笑顔知りません。

あんな笑顔ができる人が、この世にいるのかと思うぐらい、とても温かな笑顔なのです。

 

とりあえず変わった所がありますが、間諜とかではないようなので、思春様達には報告はしませんでした。

今は微妙な時期なので、無駄に騒ぎを大きくしても仕方がありません。

それに、あれだけ一生懸命この街に慣れようとしている人を、

私達の都合に巻き込むわけには行かないと思ったからです。

 

 

 

 

 

 

一刀視点:

 

この世界に来て、二ヶ月が経った。

最初は面を喰らい、色々悲鳴を上げる毎日だったが、最近は少しづつ慣れてきた。

文字も、幼平さんが教えてくれた上、文字を覚えるのに役に立つ本をいくらか用意してくれた。

そのおかげもあって、一般的な読み書きは出来るようになった。

でも、絵本は分かるとして、なんでボーイズラブ本が(汗・・・・幼平さんの趣味なのか?

すこし意外な気もするが、まぁ、あのくらいの年頃の娘さんなら、色々興味を持ち出す年頃なのかもしれない。

とにかく、いろんなジャンルがあったが、特に多かったのが、孫子や司馬法とかの兵法や政治の本だった。

あの……、文字を覚えるのには、少し内容のレベルが高くありませんか?

と思いつつ、せっかく用意してくれたのに、読まずに諦めるのも悪いと思って、頑張って読むことにした。

とにかくまずは簡単なものをと、簡単そうなものから読んでいくと、読みたくも無かった『八百一』と書

かれた禁書(少なくとも俺にとっては)を読み終る頃には、孫子とかも何とか読めるようになっていた。

おそらく、簡単なものから順番に読む事によって就学レベルが上がる様に計算されたものなんだろう。

そう思い至ったら、俺はこの本を用意した幼平さんを見直した。

正直、聡明と思いはしたけど、そこまでとは思っていなかったからだ。

 

なんにせよ、彼女には世話になってばかりだ。

街の様子や今までの会話から、やはり今は後漢時代、

しかもよりにもよって、三国志における黄巾党の騒ぎの真っ只中、

もし彼女がいなければ、俺は野たれ死んでいた可能性の方が高かったと思う。

そう思うからこそ、俺は彼女に心から感謝しているし、

いつか、この恩を返したいと思っている。

だから、幾ら彼女が可愛いと言っても、彼女に対して邪な気持ちを抱いてはいけない。

彼女は恩人、邪な気持ち等もってのほかだ。

そう心の中で誓いながら、俺は手の中のものを洗濯する。

そう、彼女の下着を、そのなんと言うか"ふんどし"を・・・・

あの幼さの残った顔で、"ふんどし"と言うのも凄いギャップだが、それでも彼女の下着には違いない。

とにかく、俺は無心になるように心がけ、この地獄から速く解放される事を祈って、手を動かす。

 

何とか理性を保ったまま、今日も無事洗濯物を干し終わると、門から声が聞こえる。

 

「明命ちゃーん、遊びに来ましたー」

 

そんな声を挙げていたのは、幼平さんより2~3才(?)ぐらい年下の金髪の女の娘だ。

女の娘は、綺麗と可愛いと可憐の三つを簿妙なバランスで有しており、

将来は間違いなく美人になるに違いない。と心の中で感想を抱く。

でも、幼平さんを尋ねて来たにしては、彼女が言った名は聞き覚えのないもの、

 

「此処は、周幼平さんの家だよ。 お譲ちゃん、家間違えてないかな」

「えっ・・・」

 

門のところに行き、女の娘に声そう告げると、彼女は驚いた顔で俺を見上げる。

やがて、俺を警戒するように

 

「貴方何者っ。

 貴方みたいな人が、明命ちゃんの家でなにをしているのですかっ」

 

女の娘は、先程と打って変わり、年齢に似合わない落ち着いた声で、冷徹な目で俺を睨み付ける。

だが、あいにくと、俺はそんなものでは驚かないし、怯む事もない。

及川あたりなら、こういう小さな娘に、冷たい目で罵倒される事に倒錯しそうだが、

あいにく、俺にそんな趣味はない。

だから落ち着いて

 

「俺はこの家で厄介になっている者だよ。

 それに先程も言ったけど、此処は周幼平さんの家だから、家を間違えたんじゃないかな」

「ふん、明命ちゃんの真名も知らない者がなにを言うのです、語るに堕ちるとはこの事。

 貴方一体何者ですかっ」

 

そう言って、更に目を細め俺を睨み付ける。

うーん、どうやら何か誤解があったようだ。

とにかく、こんな門前で女の娘と口論なんて、幼平さんに迷惑がかかってしまう。

無視して引っ込もうかなー

なんて思っていると、

 

「翡翠様っ、家にわざわざ来るなんて、どうされたのですか?」

 

幼平さんが通りから、姿を現し、女の娘に声を掛ける。

あれ? 知り合いなのか

 

「明命ちゃん、この男を捕まえて下さい、何者か知りませんが、貴方の家に忍び込んでいました」

「えっ」

 

女の娘の言葉に反応して、幼平さんが此方を一瞬、キツイ目で見るが、俺だと分かると警戒を解き

(へえー、引き締まった顔も結構と思いつつも、それ以上にあの眼で見られたく無いと胸が痛んだ)

 

「翡翠様、誤解です。

 彼は、前に話した家の者です」

「ぁぅぁぅっ、お・男の人ですよ?  え~~~~っ!!」

 

明命さんの言葉に、女の娘は目を丸くし、驚きの声をあげる。

 

 

 

「どうぞっ」

 

とにかく、幼平さんのお知り合いなら、いつまでも門前と言うのも失礼なので(というか、門前で騒が

れても迷惑なので)中に入ってもらい、お茶を二人の前に置く。

下がろうとした所を、女の娘に呼び止められ、幼平さんの了承したので、後ろに待機する事にし、

なんか、執事みたいだな……あっ、家人だから、そう掛け離れたものじゃないか。

等と、くだらない事を考えながら、大人しく突っ立っていると、

 

「しかし、驚きました。

 人を拾った事は聞いていましたが、こんな若い男の方がいるなんて、聞いていませんでしたから」

「言えば、翡翠様の事です。

 変に勘ぐって、妙な方向へ話を持っていきかねないと思ったからです」

「失礼ですねー、私が何時もそう言う事を考えているみたいではないですか、

 で、もうやったの?」

「ぶーーーーっ」

 

女の娘の言葉に、幼平さんは飲んでいたお茶を吹き出し、咽始める。

幼平さんが牽制したにもかかわらず、この女の娘は・・・絶対ワザとだよなアレ。

とにかく、俺は綺麗な手拭き布を、咽る幼平さんに渡し、机を布巾で本通りに拭きあげる。

そして、

 

「幼平さんは、私の恩人です。

 そのような関係は、一切ありません。

 貴方のような可愛い娘が、そのような事を言ってはいけません。

 そのような言葉を今から使っていては、将来立派な淑女になれませんよ」

 

小さいとは言え彼女は客人、失礼のないよう言葉を選びながら、彼女の質問に答えつつも言動を嗜める。

だが、俺の言葉に思うところがあったのか、彼女の眉が痙攣する。

あれ? 俺また何か変なこと言ったかな・・・

そう思っていると、幼平さんが、慌てた様子で、

 

「か・かずとさん、翡翠様は、あのこう見えても・・・・・」

「え゛っ、うそぉーーーーーーーーーーーーーっ!」

 

どうやら、この女の娘、こう見えても俺より二つ以上年上らしい

最初冗談だろうと、思ったが、幼平さんがこういう冗談を言うとは思えない。

と言う事は、この小●生にしか見えない、女性は本当に俺より年上と言う事になる。

どうなっているんだ、この世界は・・・はっ、待て、と言う事はまさか

 

「あの、幼平さん、もしかして幼平さんも俺より年上って事は・・・」

「ち、違います。 私は・・・・・です」

 

どうやら、俺の心配は杞憂だったようだ。

だが、2~3年下と思っていたら、実は一つしか違わないと言う事実には驚いた。

その、なんというか年齢の割りに、いろいろ足りない所があると思いもしたが、

目の前にもっと足りない方がいれば、まだ納得できる範囲だ。

 

「大変失礼いたしました」

 

とにかく、知らなかった事とはいえ、年上の彼女を年下扱いしたのだ。

俺は、きちんと謝罪するべきと思い、彼女に深く頭を下げる。

彼女は、"ふん”と気分を落ち着かせるように、お茶を口にし、不機嫌だった顔が驚きに変わる。

 

「お・美味しい・・・明命ちゃん、茶葉を替えたの?」

「いいえ、いつものお茶です。

 私も最初は驚いたのですが、一刀さんが淹れるお茶は、とても美味しいのです」

「とても、同じ茶葉とは思えないですね。

 あの安い茶葉で、こんな味が出せるなんて、とても信じられない・・・

 まぁいいです、一刀君と言いましたね、この美味しいお茶に免じて先程の非礼は無かった事にしときます」

「ありがとうございます」

 

彼女の言葉に、もう一度、頭を下げる。

俺の淹れたお茶を気に入ってくれたのか、先程の険悪な空気も既に欠片も無く、

機嫌よくお茶を楽しんでいる。

淹れた方も、それだけ美味しそうに飲んでくれると、嬉しいもので、もう一杯彼女の茶碗にお茶を注ぐ。

機嫌も良くなったところで、俺はさっきから気になっていたことを聞くことにした。

 

「そういえば、さっきから幼平さんの事を、明命と呼んでますが、愛称で・・」

 

俺の言葉は、最期まで紡ぐことが出来なかった。

 

何故なら、

 

幼平さんが、

 

冷たい怒りの表情で

 

その小さな体に不似合いな剣で

 

俺の首を刈取りにきたからだ

 

俺は、その光景に驚愕しながらも

 

頭の冷静な部分が、避わそうとするのを

 

感情的な部分が押し止めた

 

(この人に殺されるのなら仕方ない)

 

と、

 

硬く冷たい刃は、そのまま俺の首に吸い込まれる

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

あとがき みたいなもの

 

こんにちは、うたまるです。

 

今回、命明ルートを書かせていただきます。

 

えっ、『想いの果てに・・』はどうしたかって?

 

無論そちらも続けます。

 

ただ、今までの作品と14話まで書いたUSBメモリを、どこかで落としてきたらしく

 

現在落ち込み中です(T T)

 

とりあえず気分転換に、短編でもと思いましたが、どうしても嫌な事実を思い出しそうなので、

 

現実逃避に、前々から書きたかったシナリオを書く事にしました。

 

でも何かの因果があるのですかねぇ。

 

『想いの果てに・・』も未発表作品の段階で、呉編に突入したとたん、今回の紛失事故・・・・

 

これは、命明ルートを書けと、天啓だったのかもと、同時進行という世にも恐ろしき道を、歩み始めて

 

しまいました。

 

さて、今回の作品、またもや頭の中で、早くも暴走しだしました(w

 

オリキャラも登場は良いのですが、第一話から一刀君の命が(汗

 

がんばって、最後まで書きますので、どうかお付き合いのほどお願いいたします。


 
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