No.121945

真・恋姫無双~子義と仲達~18

gatsuさん

第18話です。
今回はなんだか、魏軍メインになってしまった感が……
ご了承下さい。

……まだまだ勘が戻ってない気がする(汗

2010-02-02 01:08:30 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:4012   閲覧ユーザー数:3517

この作品は恋姫の二次創作です。

オリキャラ込みです。

初めてなので駄文です。

それを踏まえて読んでいただけると幸いです。

第18話:変わるもの、変わらないもの

雪蓮を連れ、城になんとか帰ってきた。

雪蓮が傷を受けた右腕には、白い布がきつく縛られている。

これは健が「血を止めれば毒の流れもマシになると思う」と、巻いたものだ。

その右腕は紫色に腫れ上がっている。

城では既に軍が展開されていた。

蓮華「お姉様!」

戻るとすぐに蓮華はじめ、呉の主だった将が駆け寄ってきた。

蓮華「お姉様!その腕は!?」

雪蓮「はは、曹操の刺客から毒を少し貰っちゃってね……」

蓮華「毒!?すぐに治療を「それはダメ」そんな!?」

雪蓮「いい、蓮華?孫家の者はいついかなる時も先頭に立って戦うものなの」

蓮華「しかし……」

健「大丈夫や、雪蓮には舌戦しかさせん。終わったらすぐに医者に診せる」

蓮華「……分かった。ではすぐ診せられるよう医者の準備を」

穏「す、すぐ呼んできます~」

健「じゃ、俺は自分の部隊の所行くわ」

蓮華「あ、ああ……」

健「あ、冥琳」

冥琳「なんだ?」

健「いろいろ思う所はあると思うけど、お前だけは常に冷静でおってくれ」

冥琳「……そのつもりだ」

健「その代わり、お前の恨みや憎しみは全部俺が預かる。……冥琳」

おもむろに冥琳の手を握る。

健「俺に全部預けてくれ。それ背負って、俺は戦うから」

冥琳「ああ。……お前も、生きて戻ってくれ」

健「当然」

手を離すと、健は何も言わずに自分の部隊の所へ向かっていった。

蓮華「では、お姉様。号令を」

蓮華は既に涙を滲ませている。

雪蓮「ええ。……蓮華、見ていなさい。孫家の戦を、私の生き様を」

横に一刀がついた状態で、雪蓮は軍の戦闘に立った。

 

呉の将兵よ!我が朋友達よ!

我らは父祖の代より受け継いできたこの土地を、再び取り戻した!

だが!今、愚かにもこの土地を欲し、無法にも大軍をもって押し寄せてきた者がいる!

敵は卑劣にも、我らが天の御遣いを消し去らんと刺客を放った!

我が身はその刺客による毒によって侵され、滅ぶやもしれん。

しかし、この孫伯符!そう簡単に倒れはしない!

この体、この魂!最後の一時まで皆と共にあらん!

呉の将兵よ!その勇敢なる魂を!その誇り高き振る舞いを!最後の一時まで我に示せ!

呉の将兵よ!我が友よ!愛しき民よ!愛すべき仲間よ!

孫伯符!命の炎を燃やし、ここに最後の大号令を発す!

その内に猛る、熱き炎を燃やし!我を超えて行け!

~曹操軍~

曹操「どういうことだっ!誰が天の御使いを暗殺せよと命じたのだ!」

司馬懿「……風ちゃん」

程昱「お姉さんの思っている通りかと~」

司馬懿「稟ちゃん」

郭嘉「……今、事情が分かりました。やはり、優さんの思っていた通りです」

曹操「優!どういうこと!?」

司馬懿「……許貢の連中だよ。あいつら、目を盗んで御遣いさんの暗殺を企ててたみたい」

曹操「……桂花、その者どもの首を刎ねよ!」

荀彧「ぎょっ、御意!」

曹操「……優。私は、間違っていたというの……?」

司馬懿「……今すべき事は、呉へ使者を出す事とこの戦を穏便に終わらせること。そうでしょ?」

夏候淵「しかし優!今退けば相当な被害を受ける事になるぞ!」

司馬懿「お願い秋蘭ちゃん、華琳ちゃんの気持ちをくんであげて。……稟ちゃん!敵は!?」

郭嘉「突撃を開始しました!華琳様、本陣を後退させて下さい!」

夏候惇「我らが殿を勤めます!華琳様、早く後退を!」

夏候淵「くっ……季衣!流流!2人は華琳様の護衛を!命に代えてもお守り申し上げろ!」

2人「「はい!」」

曹操「優……私は……」

司馬懿「大丈夫、華琳ちゃん。……日陰は私がやるから」

~呉軍~

一刀「雪蓮!」

号令を発し終えた雪蓮は、地面に膝をついていた。

雪蓮「ははっ……、ちょっと、疲れた、かな……」

一刀「……約束だ。ちゃんと治療してもらうからな」

雪蓮「仕方、ないなぁ……」

亞莎「雪蓮様!」

シャオ「お姉様!」

穏「医者は呼んでます、早く!」

皆に支えられ、雪蓮は本陣へ戻っていった。

その一方で、呉軍の勢いは異常なまでに増していた。

蓮華「進め!進め!進め!進め!魏の将兵を血祭りにするまで進むのを止めるな!姉様の傷の恨みを!一刀を狙った罪を!奴らの血で贖わせるのだ!」

祭「……なぜ孫家の者はわしより先に逝こうとするのか……」

兵「黄蓋様!早く奴らを皆殺しに!孫策様に毒を負わせた罪を、贖わせてやりましょう!」

祭「応!黄蓋隊!敵を一兵たりとも逃がすな!惨たらしく殺せ!我らの怒りを示せ!」

思春「殺せ!敵は全て殺せ!二度と歯向かえぬ様に!二度と立ち直れぬように!奴らの全てを刈り尽くせ!」

明命「周泰隊も続いてください!邪魔者も!向かってくる者も!全て殺してください!」

そんな中、健……太史慈の部隊のみ違う動きを見せていた。

白狼「……師父、今回ばかりは私も冷静ではいられそうにない」

健「かまへん。その代わり……死ぬなよ」

白狼「当然だ」

健「……太史慈隊、これより敵の元凶を叩く!狙うは曹操の頸のみ!他は好きにせぇ!ただし、お前らが死ぬのは許さん!……白狼、本隊は任せる」

白狼「ああ。師父、武運を」

健「……鎌鼬は俺に続け!他は華雄の支持の下、敵を刈れ!……散開!」

健の号令と共に、部隊が2つに割れ、健の部隊は一直線に曹操のいる本陣へと向かった。

~曹操軍、本陣~

楽進「太史慈隊の一部が、真っ直ぐこちらに向かってきます!」

司馬懿「……やっぱりね」

李典「姉さん、ちょっと余裕ありすぎちゃいますのん?」

于禁「そうなの~!太史慈って物凄く強いって聞いたの!」

司馬懿「でも、ここで華琳ちゃんが逃げる時間を稼がないとね」

楽進「それはそうですが……」

司馬懿「大丈夫、勝てって言ってる訳じゃないし……っと。さすがに速いね、太史慈さん」

司馬懿の目の前には、すでに健が立っていた。

健「……曹操出せや」

司馬懿「出してどうするつもり?」

健「……ここにはおらんか。逃げ足の速いこって」

李典「……無視かい」

楽進「しかし、ここを通すわけにはいかないな」

于禁「お前はここでおしまいなの~!」

健「……死に急ぎたいんやな、ええわ。お前らさっさと殺して曹操見つける」

司馬懿「どうかな?この子達も強いよ。あ、そうそう」

健「ん?」

司馬懿「許貢の連中をけしかけたの、私♪」

健「っ!?」

李典「隙ありや!」

健「ちっ!」

健の一瞬の揺らぎを見逃さず、魏の三羽烏が仕掛けてきた。

それを紙一重で全て避け、体勢を立て直す健。

健「……ふぅん。で?」

司馬懿「孫策を毒したのが私なら、狙うのは私でしょ?」

健「アホぬかせ。お前を雇うてんのは曹操やろ?部下の失態は上司の責任、それが普通」

司馬懿「……そんな事言って。ホントは私が殺せないだけ」

健「……ああ?」

司馬懿「昔の事引きずって、敵と味方の区別もつかないの?」

健「……アホ」

その瞬間、健の姿が一瞬消える。

次の瞬間には、司馬懿の目の前にいた。

健「……ぬかせぇぇっ!」

司馬懿「霞ちゃん!」

張遼「よっしゃあっ!」

司馬懿の声で、脇に隠れていた張遼が奇襲をかける。

怒りで周りが見えていなかった健は完全に反応が遅れた。

そして……。

健「はあっ、はあっ……ちっ」

間一髪で受け流した健だったが、傷だらけの武器は耐えられなかった。

張遼の足元に、折れた刀身が転がっている。

張遼「孫呉の神風も、武器が無くなったらおしまいやな」

武器は折れ、四方には魏の武将。

正に絶体絶命

……という訳ではなかった。

健「……ふっ!」

司馬懿「っ!はっ!」

健が投げた物を、司馬懿が打ち落とす。

飛んでいった先には、2本の飛刀があった。

そして、その一瞬の隙に健は魏軍の包囲を抜けていた。

司馬懿「……まだナイフ、投げれたんだ」

健「……そういうお前は、ずいぶん上手くなったもんやな」

司馬懿「逃げるの?」

健「アホ、「逃がしてやる」んや。この状態では俺も追撃不可能やし」

司馬懿「……そう」

健「……あと」

司馬懿「何?」

健「……嘘吐く時饒舌になる癖、はよ治さんかいボケ」

司馬懿「っ!」

それだけ言うと、健はその場から姿を消した。

楽進「優様!お怪我は!?」

司馬懿「……うん、大丈夫」

李典「しっかし、姉さんも戦えたんやなぁ。知らんかったわ」

司馬懿「……昔、ある人に教えてもらったんだ。これだけしかできないけど」

于禁「とにかく、これで一安心なの」

司馬懿「そうだね。じゃあ撤退の準備してね」

司馬懿の言葉で三羽烏が散った後、張遼が近づいてきた。

張遼「……なぁ優。さっきの許貢の話、嘘やんな?」

司馬懿「当たり前じゃない。私、あいつら嫌いだったし」

張遼「じゃあ何でわざわざ太史慈にあんな事言うたん?その後もえらく罵ってたし」

司馬懿「……華琳ちゃんの日陰役は、私がやろうって決めてたから」

張遼「? どゆこと?」

司馬懿「……私みたいな素性の知れない者を華琳ちゃんはそばに置いてくれて。その時にね、「この子がもし汚い手を使ってしまっても、それは私が責任を被ろう」って決めたんだ」

張遼「……自分が危なくなるのにか?」

司馬懿「私は前の世界で一度死んだしね。それに……」

司馬懿は笑顔で張遼に向き直る。

司馬懿「さっきみたいに霞ちゃんが助けてくれるでしょ♪」

張遼「っ!……しゃあないなぁ!」

2人は笑い合いながら、その場を後にした。

司馬懿(でも……)

司馬懿(……やっぱり健ちゃんには勝てないなぁ)

G(やべぇよ。今回呉軍の見せ場なのに魏軍回じゃないか)

 

優「いいんじゃない?少しぐらい」

 

G「って、なぜお前がここにいる!」

 

優「だって今回、魏軍回なんでしょ?」

 

G「ちげぇ!」

 

優「細かい事は気にしない♪」

 

G「気にするっつーの!」

 

優「それで、次回はというと……」

 

G「無視か!」

 

優「孫策さんがどうなるかが見所だね♪お楽しみに!」

 

G「勝手に終わらせてんじゃneeeeee!」


 
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