No.114486

タイムトラベルママ/フォーリンスター・チルドレン 序

イツミンさん

タイムトラベルSF小説

ノーテンキなママの第二話


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2009-12-26 04:23:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:662   閲覧ユーザー数:649

 

 時間震というものがある。それは文字通り、時間に起こる地震だ。大地がぐらぐら揺れるのと同じに、時間がぐらぐらと揺れる現象を、時間震というのだ。

 時間というのは普段は直線を引いたようにまっすぐで、過去から未来へと、ただひたすらに、延々と続いていく。それが何かのきっかけで、突然に波打つように曲線を描く。

 

 それが時間震。

 

 時間の揺れは、小さいもので数年、大きいものでは数十年の振れ幅を持つ。それが大地を揺るがす岩盤震(普通の地震を時間震と区別する為にこういうのは常識でしょ?)ならば、小さいものでも驚いて転んで怪我する人がでたり、大きなものならば家屋倒壊などで亡くなる人が出たりするけど、実は時間震には、それだけでは被害といったものはない。

 ただちょっと勘のいい人が「あれ?なんだかおかしいな」と感じるくらいである。

 なんだ、そんなことなら何の問題もないじゃないか。

 きっと、そう思う人もいるだろう。

 だけど、本当は「取り立てて気にすることでもない」なんてとんでもない。

 

 なにしろ時間震は、時々時間に穴を開けるのだ。

岩盤震で道路に穴が開いたりするように、時間に穴を開けることがあるのだ。

 

 一時性タイムトンネルと呼ばれるそれは、時折人を飲み込んで、過去に飛ばしてしまう。 一般的にはあまり関心のない話題かもしれないけれど、時間管理局には耳の痛い問題で、毎年少なくはない人間が一時性タイムトンネルに飲み込まれ、時間管理局はその時間難民の救助に追われている。

 

 普通人が異時間に長時間触れていると分解症になってしまうわけで、そうなると致死率は100%となってしまうわけで……。

 

 だから時間難民の救助は、一刻を争う非常事態なのだ。

 

 そんな大変なことにあの能天気な私のママが出動することになるなんて、私にとっては頭の痛いことで……。ましてや救助対象である時間難民がママの苦手な……。

 

 

 これは時間難民の救助に果敢に飛び出したママと、ママに救助されることになってしまった、かわいそうな子供たちの話。

 


 
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