No.108554

ちぇんじ!! 第2話

白亜さん

ちぇんじ!!の2話です。
まだ勢いだけで書いてますので、これ以上のテンションが
長持ちするかが問題です…(汗
たぶん3話はかなり遅くなる予感です(滝汗

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2009-11-23 19:47:19 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2801   閲覧ユーザー数:2716

「はっはっは。冗談は顔だけにセニョリータ」

 

「その姿で寒い事言われると、かなり引くな」

 

「やかましいわ馬鹿兄貴!」

 

変身系でも何かの呪いでもなく、前世の姿ですか。

ありえないよ、ぶっちゃけありえないよ。まじでありえないよ、

大事な事なので3回ほど言いました。

だが、我等が父親様は終始ニコニコしたまま否定の言葉を出しません。

もう俺の精神力が0に近づいてます。逃げて俺、超逃げてー。

 

「で、だ。その前世がどうこう言うのは良いとして、何でそれがわかるんだよ?」

 

ちなみに我が妹事、梨奈は必死に首を傾げ内容を把握しようとしてるらしい、

何かに思い至ったのか、急にごろごろし始める。うわぁ…

折角可愛い容姿なのに、行動が全部その要素をマイナスにしていくぜ。

 

「それはお父さんも前世の姿になれるからだよ」

 

そうなのかー。

そいつは凄いなー。

 

「うむ、ちゃんと零夜(れいや)も変身できるんだよ」

 

そうかー。

カミングアウトなのかー。そうなのかー。

 

「ちょっとマテやぁああああああ!」

 

俺の怒号が響く。

親父と兄貴が「おおっ」と驚いた表情で俺を見ているが、気にしないね。

何普通に電波な事話してやがるかなこの親父様は!

何か?我が家計はそういう前世の姿に変身して世界を救うとか

ご町内を護るとかそんな役目なスーパーヒーロー系な家系なのか!?

 

「いや、それはないよ。単純に言うとまぁ、我が家の特徴とかかな」

 

「そこスルーするなよぉおおお!せめてまだヒーローでしたとかなら

泣く泣く諦めたのに!無いのかよ!?そこはあっとけよ!、つーか

突っ込みすぎて喉が痛いんだよ!」

 

「水でも飲むか?」

 

「だから何でそんなに冷静なの兄貴様!

俺こんなになってるんだぞ!学校とかどうしたらいいんだよ!このまま行ったら

補導されるぞ確実に、完璧に!というか行かないぞ俺!ニートになるぞ!?」

 

「その時は私がお兄ちゃんを養うわ!任せて愛の力でばっちり見守るから!」

 

「話の腰を折るなっ」

 

「いやん、腰を折るだなんて。

お兄ちゃんが望むなら私は腰どころか総てオッケーよ?」

 

どうして、どうして俺の妹はこんなに変な子なのだろう。

先程まで、俺に対してマジもんのょぅι゛ょ抹殺オーラ出しまくってたのに、

俺だと認識できた途端に擦り寄ってくる妹に少々戦慄を感じえない。

 

 

「とりあえず、そのままだと混乱して話が出来ないみたいだね。

裕樹、これを食べなさい」

 

そういって俺に手渡したのはガム。

どう見てもそこらへんに売っているガムだ。

これで気分を落ち着けろといいたいのですがお父様?

確かにミント味のガムは気分がさっぱりするけどね?けどね?

 

「いいから食べて見なさい。それは見た目が普通のガムでも

れっきとした、我が家の秘宝の一つなのだから」

 

「すっげー、胡散くせぇ…いいよ食べるよ」

 

そういって、ガムを頬張る金髪幼女こと、俺。

味は、まぁそれなりに美味いな、ん?なんだ…

 

「頭が…くらくら…すりゅ…ぞ…」

 

「お兄ちゃん、その呂律が回ってないところがラブリーだわっ」

 

「やかましいにゃ…うえ……」

 

やばい、やはり夢だったのか?

物凄いダルさが俺の平衡感覚を奪う、ふらっと倒れそうになるが

どうやら兄貴が支えてくれているらしい。

まず…本気で吐きそうだ…

 

「あ……お、お兄ちゃんが、お兄ちゃんが幼女から素敵な何時ものお兄ちゃんに!」

 

「ん…つぅ…あれ?」

 

気がついたら目線が高くなっているぞ?

頭がさっぱりしてきたので回りや俺を見ると。

うん、俺の手だな、18年間連れ添ってきた我が手や足が

ちゃんと存在している、短くなった髪がちゃんと黒色で…

 

「治った…のか?」

 

「当たり前だ。あれはそういった物だからな」

 

兄貴もあのガム食った事あるのか。

ということは、兄貴も前世の姿に変身したってことだよな。

そうかそうか、あの兄貴がどんな幼女になっているが興味があるぜ。

 

「何か考えている所悪いが。俺の前世は普通の男性だ」

 

「お父さんも男性だよ?」

 

じーざあああああす!?

俺だけか?俺だけがあんな幼女なのか!?

神は死んだ!

 

「私は知らないけど、その変身みたいなの?」

 

「さて、元に戻った事だし。詳しい事を教えるよ。

とりあえず座りなさい裕樹、梨奈」

 

親父が元に戻った俺を椅子に座らせる。

俺の隣にはちゃっかり妹が座ってなにやら妄想しているようだ。

 

「朝の食卓に隣通しで座る愛し合う二人、これは正に新婚よね。

そう、そうよ、遂に来たんだわ。これこそ新婚の醍醐味。

隣通しであーんの応酬っ、うふふ、お兄ちゃんったら、だ・い・た・ん」

 

帰って来い妹よ。

後結婚なんてして無いぞ、俺達は普通の血の繋がった兄妹だろう。

今日は朝の出来事のせいで何時にもましてハイテンションというか壊れてるな。

普段はもう少し普通なんだが。

 

「さて、二人とも色々混乱しているかもしれないが、よく聞いておきなさい。

裕樹、お前のその前世の姿になれる能力は、我が一族の特殊能力の一つなのだよ」

 

「それは判ったけどさ、そういうことは何で教えてくれないんだよ?

漫画やアニメじゃあるまいし、そういう重要な事は教えておいてくれてもいいじゃないか」

 

「それはね…とても重大で、深刻な理由があったんだよ…」

 

何だ、親父が急に真面目な顔をしてぽつりと言い始めた。

まさか、死んだ母さんが俺と梨奈に内緒にして欲しいと頼んだとか。

一族の契約とかで教えるわけには行かなかったとかか…?

 

「すっかり忘れてたんだ…」

 

「どこも重大じゃねぇええええ!!深刻でもねぇ!忘れるなよ!?

忘れちゃうの?忘れちゃうものなの!?その一族の特殊能力とか!?」

 

「まぁ、基本変化なんてしないからな。必要ないし、意味の無い能力だから

父さんも忘れてたんだろうさ」

 

「てか、意味無いんだ?私も変化したらどうなるのかなー。

お兄ちゃんが女の子だから。私は男性になってしかるべきだと思うんだけど?

どうかなお父さん?」

 

どこら辺がしかるべきデスカ妹よ?

ってか俺やばいんじゃないか?男になんて変化された日には俺終りそうな気がする。

男して、兄貴として。

 

「この能力は代々男にしか引き継がれないから、梨奈はなれないよ。

そして、変化しても前世の記憶や能力なんて引き継がない、ただ姿が変わるだけ

だから、ヒーローっぽい能力も無いから気をつけるんだよ?」

 

なんて…なんて意味の無い能力なんだ。

其れ意味があるのかよ、どちらかというと呪いかなんかじゃないのか?

 

「まぁ、そうかもしれないねぇ。あっはっは」

 

あっはっは、じゃないです親父。

 

「とりあえず。変化したいときはこのガム…じゃなくて秘伝の薬を食べなさい。

それが変身のキーアイテムだから。一度食べると変化して、もう一度食べると元に戻る。

変化する事は余程な事が無い限り無いと思うけど、念の為に伝えておくよ」

 

「あぁ、わかったよ。安心してくれ金輪際変化なぞするものか」

 

とりあえず、行き成り変身する!?何てことにはならなくて良かった。

これなら安心して普通の生活が送れそうだ。変な体質になったなぁ、

程度に考えておけばいいや…

 

なんて思ってたんだ、というか思いたかった。

だが、俺のこれからの日常があんなデンジャラスな日々になるなんて

予想もしてませんでしたよ。

 

――続く、ような気がする。

 

 

 


 
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