No.105871

覇王物語13

アインさん

歴史は変えられない……絶対に

2009-11-08 00:14:09 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4298   閲覧ユーザー数:3754

――数日後、魏の国に大事件が起こった

『曹操の危篤』

 

あらゆる医師が彼女を見るが誰も彼女を治せなかった

 

絶望に墜ちる家臣達

 

もう彼女は『死』を受け入れるしかないのだろうか?

ベットの上に横になる曹操

 

顔色は日々悪くなる

 

………もう長くはないだろう

 

「一刀……」

 

曹操は弱々しい手で夫の顔に触れる

 

「華琳……」

 

彼は握り返すが、その手の体温は冷たかった

 

「げほっ……げほっ!」

 

口から赤い液体を吐き出す曹操

 

彼はただ傍にいることしかできない

――曹操は病死する

 

これは歴史の理

 

この運命を変えることは誰にもできない

いや……一人だけいた

 

北郷一刀

 

彼は彼女を救う方法を知っていた

 

もちろん確証はない

 

だが、『0』ではない

 

しかしそれと同時に彼は知っている

 

『ここで華琳を助ければ俺は消える』

 

歴史の改ざん

 

だが……彼に迷いはなかった

『華陀を呼んで来てくれ!!」

 

……俺は、時計の針が落ちるのを感じた


 
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