No.1055758

スマブラ Stern des Lichts 第10話 ~ 再びレース場に

Nobuさん

今度こそレーサーのファイターを解放します。
ネタキャラ扱いされるけど彼はむしろ謎多きキャラなのです。

2021-03-02 11:30:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:263   閲覧ユーザー数:263

 ピコのスピリッツを解放した一行は、再びレース場に戻った。

「確か、ピコはワイルドグースを運転できるな。この先にいるファイターのところに連れて行ってくれないか?」

『ああ、それならお安い御用だぜ。とっととワイルドグースに乗りな』

 一行はピコのスピリッツの力を使い、ワイルドグースに乗った。

 

「えっと、確か……」

「波導がこちら側に見えるぞ」

『おし、分かったぜ』

 ピコはワイルドグースを運転しながら、捕まっている仲間がいる場所にマリオ達を案内する。

 途中、ニコ・ファイアのスピリッツに遭遇し、一度ワイルドグースを降りた後にベルが一人で挑んで解放した。

「いちいちワイルドグースから降りてからスピリッツを解放するのは面倒だわ。シャドウ、あんたは外に出て、スピリッツをその銃で解放して」

「ほう? 僕が伊達に運転も銃撃もしてないからそう言ったのだな?」

「ええ、あんたの究極の力、見せてもらうわよ!」

 激しく動くF-ZEROマシンに乗りながらの銃撃は非常に当てにくく、素人ではまず不可能だ。

 だがシャドウは両方の経験があるため、ベルは彼にスピリッツ解放を頼んだのだ。

「ねえ、シャド兄、大丈夫なの?」

「F-ZEROは速いから酔っちゃうよ~」

「お前達は僕の後ろにいるだけでいい」

 シャドウはカービィとりょうの心配をものともしない正確さで拳銃を撃ち、スピリッツを次々と解放していく。

 ワイルドグースはスピードはあまり出ないが頑丈で、激しい敵の攻撃にも耐える事ができるのだ。

 といっても、「F-ZEROマシンにしては」なので、最高速度は400kmを超えるため、マルス達は乗り物酔いしないように気を保っていた。

 ここまで一行が解放したスピリットは、バイクのマッハライダー、同じくバイクのモトクロッサー、

 F-ZEROレーサーのマイティーガゼルとジャック・レビン、果ては偵察機のジャイロウィングなど、レース場に相応しいものばかりだった。

「フォッくんの乗り物もスピリッツになるなんて、すご~い」

「まさに何でもありな世界だな……」

「そうですわね……」

 カービィ、マリオ、アイシャは、生物ではないスピリッツもいる事に驚いていた。

 この争いの世界は、彼らの言う通り、「ナンデモアリ」な世界なのだ。

 

「波導が……近い!」

 しばらく運転していると、ルカリオが波導を感じ取って目が光る。

 つまり、もうすぐファイターがいる場所に辿り着くのだ。

「ルカ兄! いるの!?」

「ああ……もう少しで辿り着く……!」

「一気に行きますわよ!」

『ああ!』

 ピコがワイルドグースを全力で運転すると、やがてファイターがいる場所に着いた。

 

「キャプテン・ファルコン……!」

 台座に縛られていたのは、F-ZEROレーサーにしてバウンティハンターの、キャプテン・ファルコンだった。

「今、出してあげるからね!」

 そう言ってカービィが台座に触れてファルコンを縛る鎖を砕く。

 ファルコンは、ゆっくりと台座から降りた。

 カービィは今までの経験もあってか、すぐに彼に近付かずに身構える。

「そうですわ、カービィさん。油断大敵です」

「うん」

「キーラサマノタメニ……オマエタチヲ……ケス」

「来るよ!」

 キャプテン・ファルコンとの戦いが始まった。

「えいっ!」

 カービィはキックを繰り出してファルコンにギリギリで当てる。

 次にベルはファルコンに鎌を振るが、ファルコンは素早く身をかわした。

「なっ!?」

 ファルコンはルカリオの掌底を受け止めた後、シャドウに裏拳をかまそうとする。

「……見切った!」

 しかし、ギリギリのところでシャドウは見切り、ファルコンの攻撃を回避した。

「ファルコン、目を覚ませ!」

「……」

 マリオはファルコンに呼びかけるが、ファルコンは反応せずマリオに攻撃する。

「キーラに操られている奴はいくら呼びかけても無駄だ」

「それは分かってるけど……でも、ファルコンを傷つけたくないよ……」

「君は本当に優しいんだな。だけど、優しいと甘いは違うものだ。ファルコンをキーラの呪縛から解放するために、僕達は戦っているんだ」

「シーくん、ありがとう」

 カービィの迷いを察したのか、シークはカービィに声をかけ、すぐに彼を立ち直らせた。

「待ってろよ、ファルコン。お前は必ず俺が助けるからな!」

 そう言って、マリオはファルコンを投げ飛ばした。

 ベルは、ファルコンが飛んでいった場所に行き、大鎌を振って斬りつけた。

「ボーンラッシュ!」

 ルカリオは骨を棒のように巧みに扱ってファルコンを打ち据える。

 ファルコンはシールドでそれを防御したため、大したダメージにはならなかった。

「うおりゃぁ!」

「えーい!」

 マリオはボディブロー、カービィはバーニングでファルコンにダメージを与える。

 ファルコンはカービィにキックで反撃するが、カービィはそれを上手くかわした。

「ふ、やるじゃないの」

「……?」

 ベルがファルコンを挑発するように笑みを浮かべている。

 ファルコンが少しだけ戸惑っていると、彼の背後にシャドウがワープして現れた。

「はぁぁぁっ!」

「グァァァァァァァ!」

 シャドウが作った無数のカオススピアがファルコンの背を貫き、大ダメージを与えた。

 

「背後ががら空きだったぞ」

「ナニ……!」

 シャドウに背後を取られ、驚愕するファルコン。

 一時的に混乱した彼に、ルカリオ、ベル、マリオは一気に攻撃を仕掛けた。

「キーラなんかに負けるんじゃねぇ!」

「今、私達が解き放ってやる」

「あんたのボディを、これ以上スピリッツが使うのは嫌なのよ!」

「グ、グォ、ォォ……!」

 何度も攻撃を食らい、ファルコンの動きが次第に鈍くなる。

 それを見たカービィは、炎を纏ったハンマーを構えてファルコンに突っ込んでいった。

「今だ! 鬼殺し……火炎ハンマァァァァァァ!!」

「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 そして、カービィの鬼殺し火炎ハンマーがファルコンにクリーンヒットすると、彼は大きく吹っ飛ばされ、気絶した。

「……う。俺は、何をしていたんだ……」

 正気に戻ったファルコンはゆっくりと起き上がる。

 激しい戦いではあったが、ファルコンはタフなのですぐに体力が全回復した。

「大丈夫か、ファルコン」

「あ、ああ、ちょっと痛いけど平気だぜ」

「あぁ~よかったファルコンが無事で!」

 マリオとカービィがすぐにファルコンに駆け寄る。

 ファルコンは最古参のメンバーなので、彼らとの付き合いがとても長いのだ。

「あのキーラって奴、俺だけでなくお前らも操ったんだってよ」

「ああ……でも、カービィやシャドウ、ベルのおかげで助かったんだぜ」

「賑やかになりましたわね」

「この調子でみんなを助けて、もっと賑やかにしようね!」

 最初はカービィ、シャドウ、ベルだけだったパーティーも、次々に仲間が増え、今や10人になっている。

 だが、捕まっているファイターは、まだまだ多い。

 しかも、彼女の力によって、スピリッツを操るための母体が生み出されている……。

 このまま、キーラに好き勝手させるわけにはいかないのだ。

 

「で、もちろん、他のみんなも助けるよな?」

「当然だ! この俺を操ったキーラを許すわけがないし、今も母体を利用されてる奴だっている! だから、俺もお前達と一緒に行く!」

「心強いですわ、ファルコンさん」

 ファルコンの頼もしさに、アイシャは少しだけ惹かれていた。

 

「じゃあ、そろそろレース場を出て、次のスピリッツを探しましょう。ピコ、お願いね」

『よし、しっかり掴まってな』

 こうして、一行はレース場に捕まった全ての仲間を救出する事に成功した。

 ~ベルのスピリッツ名鑑~

 

 ニコ・ファイア

 出身世界:すれちがいの世界

 性別:男性

 すれちがいの世界にある、スロットカーショップの店長。

 世界最速のスロットカーレーサー、ニコ・アイスマンの弟。

 

 マッハライダー

 出身世界:どこかの世界

 性別:不明

 四足ギアの戦闘バイクを駆る人物。

 故郷が滅亡したため、新天地と生存者を求めて旅立っている。

 

 モトクロッサー

 出身世界:どこかの世界

 性別:不明

 高性能のモトクロッサー。

 ターボを使うと強い加速を得る事ができるが、使いすぎるとオーバーヒートを起こす。

 

 マイティーガゼル

 出身世界:エフゼロワールド

 性別:男性

 4年前に大事故で重傷を負い、機械の身体になったF-ZEROレーサー。

 ブースト性能が高い、レッドガゼルに乗る。

 

 ジャック・レビン

 出身世界:エフゼロワールド

 性別:男性

 元人気アイドルグループのF-ZEROレーサー。

 リュウ・スザクのライバル兼親友である。

 たくさんの内部カメラがある、アストロロビンに乗る。

 

 ジャイロウィング

 出身世界:スペースワールド

 性別:なし

 ハッキング機能を備えている偵察機。

 空中で停止できるホバリング飛行が行え、敵基地への単独侵入などの隠密任務が得意。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択