網状言論F改
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網状言論F改

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「オタク」は死んだ。だが「萌え」は生き残る。

シニカルな身振りと、高度情報化社会に浮遊するライフスタイルを主張する第一世代オタクと、「ミントたん萌え〜」と動物化する第三世代オタク。
この世代間のミッシングリングを、力技で溶接する、そんな「網状言論」が、「網状言論F改」として、大幅にボリュームアップして登場した。

2001年9月のプレゼンテーションに加え、東浩紀・斎藤環・小谷真里の語り下ろし鼎談、伊藤剛、永山薫による書き下ろし原稿を収録。
「セクシャリティ」について、「オタク」について、「ポストモダン」について、私たちがあえて見て見ぬ振りをしてきたことに、徹底して身もフタもなく言及する。
そう、この「卓袱台返し」こそが、本書の価値なのだ。

――しかし、岡田斗司夫も大塚英志もあえて抑圧してきた「抜き」の問題を、私が身も蓋もなく暴露したという歴史的経緯から逆戻りするべきじゃないと思うんですけど(斎藤)
――ひょっとして、オタク自身がすごくセクシュアルな存在なんじゃないかと思い始めたんですね。エキゾチックなセクシュアリティを振りまいている。あのブヨブヨした体で、ギャルゲーとかに萌えながら(笑)(小谷)

そして、「戦後」「日本」「精神分析」「ジェンダー」……など、山積した問題が一気呵成に語りつくされる。

――僕がポストモダンを象徴する最たるものだと考えているのはパチンコ屋なんですね(斎藤)
――オタクには癒しを超える過剰さがある。言い換えれば、主体の物語やセクシュアリティに回収されない部分がある。そっちの話のほうが面白い(東)

『最終兵器彼女』、ヘンリー・J・ダーガー、宮崎駿、『うる星やつら』、『Air』、大塚英志、えここ、『愛国戦隊大日本』、町田ひらく……などが散乱する場所で、日本におけるサブカルチャー批評という、道なき道をアクセル全開で暴力的に突き進む言論群。
それは、共感と反発、安堵と苛立ちを同時に呼び起こすはずだ。
無数の衝突、否認、希望、絶望、癒し、試練。
この本を読んだあなたは、なにか無性に語りたくなるに違いない。

呼び覚まされた言葉の群が、私たちの未来にとって、小さな、だが確かな光となることだろう。


書籍データ

編著者:東浩紀
著者:永山薫、斎藤環、伊藤剛、竹熊健太郎、小谷真理
タイトル:網状言論F改
サブタイトル:ポストモダン・オタク・セクシュアリティ
出版社:青土社
出版年月日:2003年1月25日発行
大きさ:260p(本文256p + 文献表4p)
装幀:西島大介+ミルキィ・イソベ
定価:1400円(税別)
ISBN:4-7919-6009-3

目次

はじめに 東浩紀

網状言論F・プレゼンテーション

網状言論F改・鼎談 ポストモダン・オタク・セクシュアリティ 東浩紀+斎藤環+小谷真理

  1. ポストモダン
  2. オタク・やおい・動物化
  3. ギャルゲーのセクシュアリティ オタクのジェンダー・パニックふたたび

網状言論F改・後記

参考文献


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