これこた
TINAMIX
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15.オタク+未知数=TINAMIX

東:そういう文脈で考えると、95年以降、「オタクが一般化した」というのは、むしろ「オタクというトライブが解体した」と捉えるべきなのかもしれない。今オタクってどんな人なのか、と聞いても、もう、10年前ほどは明確なイメージが持てないんだと思うんですよ。それは、かつてならオタクになっていなかった人が今ではアニメやゲームに興味をもつようになった、ということでもあるし、逆に、かつてならオタクになるはずの人が今ではアニメやゲームだけにこだわらなくなった、ということでもある。そういうところからまた新たなトライブも生まれてくるのでしょうけど、その動きはまだ誰にも名付けられていません。

実は、TINAMIXのタイトルロゴの上に「ネット時代のXカルチャー」とかいい加減な煽り文句が書いてあるのも(笑)、そのせいなんですよ。僕たちは、かつてなら「オタク」と呼ばれたのかもしれない、でももう「オタク」という部族には括れない、新しい文化の担い手に向けてこのウェブマガジンを立ち上げた。けれど、その担い手を括る言葉がない。それは「X」、未知数でしかないわけです。TINAMIというポータルサイトがいまのオタク文化の一側面を切り取っているとして、それに「X」をつけて、TINAMIXになった。オタク文化に何かがくっついたもの、オタクがどこかで行方不明になったもの、それが、僕の考えるTINAMIXの形です。


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