No.99844

連載小説25

水希さん

第25回

2009-10-09 11:13:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:466   閲覧ユーザー数:460

いよいよ文芸部に体験入部だ。

部員は少なめ、女の子ばっかり。一体どんな部活なのかな?

 

「ごめんね、いきなりでびっくりしたでしょ」

「い、いえ…」

 部長さんは一歩前に進み出て、ざっくりと説明してくれた。

「今紹介した通り、うちは二年生が少なくてねー。新入生が嬉しいのよ」

「まぁ、部員がいないと存亡に関わりますからね。それはそうと…」

 木谷さん、一人で対応しててすごい…

「私達は何をしたらいいんですか?」

「うーん、ただ見学して行ってもいいけど…入部する気確定なら、

普通に参加する?」

 そっか、木谷さんにとっちゃ雰囲気や活動内容を見る、て感じじゃないのか…

「私は新入生だけど、参加しちゃっていいんですか?」

「歓迎するわ。新入生は金の卵だもの。それに、実力のある人間は、

学年なんて関係ない。木谷さん…だったかしら? あなたには、

実力を感じるわ」

 達人は達人を見抜く、て言うけど、そういう感じなのか…

「で、倉橋さん…は、どうしたい?」

「えぇ、私ですか?」

 い、いかんな、分かってた事じゃないか。うーん、私はどうしよう。

「えっと…せっかくなんで、私も参加させてもらっていいですか?」

「えぇ、もちろん。歓迎するわ」

 おおぅ、歓迎されてしまった…

「正直言って…文芸部って何をするのか分かってないんですけど、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。部員獲得の為に全力で教えるから」

 親切というより、どん欲なのかな?

「は、はぁ。お願いします」

「それじゃ、決まりね。みんな~! この二人に普段の活動を教えてあげて~!」

 山口先輩の号令が入ると、みんなは一斉に返事をして、立ち上がった。

「じゃあまず、二人はそっちに座ってね」

「は、はい」

「倉橋さん」

 ん?

「どしたの? 木谷さん」

「楽しくなりそうね」

 ひぃぃ!

 

 

にっこり笑った木谷さんの目は、とてつもなくどん欲な瞳が輝いてた。

 

 

~つづく~


 
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