No.99001

真剣で私に恋しなさい!!  ―――if story――― 8話「 一人でいる寂しさ、そして出会い 後編」

機会をみながら書き続けて生きたいと思います

2009-10-04 22:36:16 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5411   閲覧ユーザー数:4688

 

8話「 一人でいる寂しさ、そして出会い 後編」

 

 

 

―――― 冬馬 side ――――

 

 

準に武術を習い始めてからすでに四ヶ月ぐらい経過しました。

 

その間の間は私の基礎体力を鍛えることに集中することになっていた。

 

そして少しずつ、ボクシングやテコンドーのことを学んでいきました。

 

もちろん、勉強の方も怠らないようにしています。

 

常に、学校でのテストで満点をとっていますし今のところは順調です。

 

ちなみに準は髪を剃りました。そこおかげで今ではハゲです。

 

準本人が言うには……

 

『まあ、俺もそろそろ本格的に鍛えようと思っていたし、ちょうどいいかと』

 

と言っていましたが、その姿で私の前に現われたときには、私は外面的はいつも通りに振舞っていましたが、心の中では少しうけてしまいました。反省です。

 

始めた時から二ヶ月が経ったくらいの時に準を鍛えていたコーチが私に

 

『努力次第では準を越えるな』

 

その言葉を聞いて私は嬉しかった。

 

 

そして今は…………

 

一通り問題集を進めた後、準と一緒に多馬川のところでランニングをしていました。

 

「ふぅ、ふぅ、ふぅ」

 

今では慣れてきましたが、初めの時はとても酷かったです。

 

自分の横に走っている準が

 

「今思うと若がここまでやるとは思わなかったぜ」

 

私は苦笑して

 

「ええ、私もです。ですが、ふぅ、やるべきことは最後までやらないといけませんですからね。途中で終わらせるなんて論外です。ふ!」

 

「確かに、今更ながら訂正するよ……。若は努力家だ」

 

「はは、ありがとう、ございます」

 

毎日毎日行うとなると、疲れはしますが充実した生活を送ることが出来ています。

 

「ところで、若?今日のルートはどうする?」

 

やはり、準はすごい。疲れている感じがしない……、私も頑張らなくては……

 

「はい、このまま進み、今日は『空き地』の方を通りましょう」

 

「わかった」

 

こうして、私たちは走り続ける。

 

 

「ふぅ、ふぅ、ふぅ…………………………ん?」

 

「若どうした」

 

空き地に入るところで私はある人を見つける。

 

「準……前」

 

私は走っている方向の前を指差す。

 

「お?ありゃあ、女の子だな」

 

そう私たちが見た人は俯きながら空き地から出ようとする女の子だった。年は私たちと同じくらいで、白い髪が特徴だった。そして彼女の服を見てみると、何とボロボロであった。

 

「すみません準、ちょっと行ってもいいですか?」

 

私は準の返答を聞かず、その子の元へ駆けて行った。

 

「お、おい!若!ったく、若の悪い癖だ……」

 

そう言いながら私に付いてきてくれる、本当にいい親友です。

 

 

 

「う、うう」

 

近づいてみるとその女の子は泣いていた。

 

このままではいけないので私は声をかけた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え?」

 

顔をあげたその子はかわいい女の子だった。ただ、目が赤い。

 

ですので私はポケットの中にあるハンカチを出してその子に差し出した。

 

「ハンカチをどうぞ…」

 

「あ、ありがとー」

 

その子は私からハンカチを受け取ると目のところを擦った。

 

「若……」

 

私に追いついた準が声をかけると、目の前の子はビクッと反応した。

 

「?」

 

どうしてそんな反応をするのか?気になり、私はその子を『心』を覗いた。

 

すると

 

(な!なんなんだ!この子!少し壊れている。どうなったらこうなるんだ!?)

 

見たとき私は驚愕した。今までこのような『心』は見たことがなかったからである。

 

「若?どうした?」

 

私の様子を見た準が尋ねてきた。

 

 

 

―――― 準 side ――――

 

 

『若』と声をかけただけなのに、自分達の前にいる女の子はビクッとしたことにショックを受けたが……

 

その後、若の様子がおかしいということに気が付いた。

 

若は何故か驚愕な表情を浮かべていた。

 

俺は気になって尋ねた。

 

「若?どうした?」

 

しかし、声をかけても反応が無い。

 

仕方が無いため若の肩に手を置いて揺らした。

 

「あ、ああ」

 

ようやく反応を示した。

 

(いったい、どうなっているんだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――― 冬馬 side ――――

 

 

 

気を取り戻した私はまず自分を落ち着かして、自分の名前を名乗った。

 

「私の名前は葵冬馬です。あなたの名前は?」

 

私の言葉に反応したその子は少し控えめな声で言った。

 

「ぼ…、僕の、名前は小雪」

 

その子、小雪は苗字は何故か言わなかったが、私は特に気にならなかった。

 

「そうですか……小雪、ええあなたのことをユキと呼びましょう」

 

「え?」

 

「その代わり、私を冬馬って言ってもいいですよ」

 

「…………と、トーマ?」

 

「ええ」

 

私は笑顔で返した。そして準も紹介しようとして………

 

「それでこちらは『ハゲ?』ッ!」

 

ユキは直接的な言葉を言った。

 

準の様子をみると震えていました。少し怖かったです……

 

「な、なあ、若。この子、殴ってもいいか?」

 

そう言った準はにこやかだったが、右手はグーで腕を上げていた。

 

「!」

 

それを見たユキは怖くなったのか私の後ろにしがみついてきた。

 

「この人、こわーい」

 

と言っていたが顔は笑顔になっていた。

 

その子の『心』は少しまとまってきたことが見て分かった。

 

(ユキには友達がいなかったのでしょうか?)

 

「だめですよ準、落ち着いてください……」

 

私は苦笑した。

 

「改めましてユキ、この人は井上準です。準って呼んであげてください……」

 

自分にしがみつきながら、恐る恐るユキは言った。

 

「…………準?」

 

「ああ」

 

どうやら怒りは静まったらしい……。

 

そして、準は小声で

 

「…………………………………………この程度で怒っているようじゃ、まだまだだな俺は」

 

と言っているのを聞いてしまいました…………

 

あとがき

 

 

「はっ、はっ、はっ、はっ」

 

今日もトレーニングを続けるワン子の姿があった……

 

しかし……ワン子には未だに悩んでいる事があった

 

(いったい…どうしたらお姉さまに追いつく事ができるんだろ……)

 

……

 

「ううん!!」

 

ワン子は首を横に振る

 

今はこれあるのみ……

 

 

 

「おーーーーーーーい!!!!ワン子!!」

 

「ん?」

 

自分が走っている前にキャップが立っていた

 

「どしたの?」

 

「さっき、大和が探していたぞ?」

 

――――――――え?

 

なにか用事があるのかな?

 

「どこにいるの大和は」

 

「秘密基地だったぞ」

 

「わかった!ありがとうキャップ!」

 

それだけ言うと…キャップは

 

「おお!バイトの時間だ!トレーニング…がんばれよな~」

 

走り去っていった

 

「さてと……」

 

そうして私は秘密基地へと向かった

 

 

 

 

 

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

その後……秘密基地でワン子の叫び声が聞こえたような……

 

 

 

 

次回「9話『 風間ファミリーとの出会い 』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択