No.979498

裏ビーストテイマー・ナタ133

リュートさん

本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第133話。

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2019-01-05 11:54:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:125   閲覧ユーザー数:125

アークが病院から帰宅する途中の上空でよく知った顔の天使が現れました。

 

「ミカエルが来たか…」

 

「他の者が行きたがらなかったので、仕方なく私が来ました。私ではあなたに勝てないのはわかっていますよ」

 

「お前のステで僕を上回っているのはインテリだけだからな?」

 

「あなたの戦闘力は桁外れですからね…」

 

「ところでなぜ鎧を着ていないんだ?本気でやり合う気はあるのか…」

 

「それは…、鎧を着るのが面倒だったので…。このままで戦ってはいけませんか?」

 

「僕も随分と舐められたものだな?それで僕に勝てるとでも…」

 

「やってみなくてはわかりませんよ?では参ります!」

 

ミカエルが腰の鞘から引き抜いた、炎を纏った剣を構えました。

 

「伝説の魔剣を持ってくるとはな。少しはヤル気があるようで安心したよ」

 

アークはいつも使っている普通の槍を構えました。

 

「あなたの槍は一番弱い武器なのでハンデがありますが、悪く思わないでくださいね?」

 

「このくらいのハンデがある方がちょうど良いだろう?行くぞ!ミカエル」

 

二人の天使の激しい競り合いと、鮮烈な魔法が交錯します。ミカエルは一歩も引きませんが、押されているようです。形勢はどちらかと言えば、アークに傾いていました。人間たちは上空を見上げて、固唾を飲んで見守っています。一進一退のように見えた戦いでしたが、アークの槍の切っ先がミカエルの胸を掠めて、衣が引き裂かれ胸がはだけて露わになりました。アークは手を止めます。

 

「だから鎧を着ろと言ったんだ…。見苦しいから前を隠せ」

 

ミカエルは胸を隠そうともせず、また剣を構えます。アークは目のやり場に困って一瞬だけ、目を逸らしました。その隙にミカエルの剣がアークの心臓を貫きます。

 

「真剣勝負の最中によそ見をしてはいけませんよ?ルシフェル」

 

「くっ…卑怯…だぞ?ミカ…エル!」

 

「卑怯だろうとなんだろうと、あなたを倒せればそれで良いのです。それほど私も追い詰められていたのだから、恨まないでください」

 

「ところで…これは…何度目の…勝負…だったんだ…?」

 

「さぁ?数えてないのでわかりません…」

 

「それが…一番…卑怯だと…思うぞ…?」

 

…つづく


 
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