No.970799

東方気安神 第六話・ソラネ生還記

死んでしまったソラネは暇をしている。
龍神様の元では満ち足りた生活だけがあり、矛盾すらない。
そういった天国にソラネは住んでいる。
その天国の名前は”安神郷”。
今代の龍神様の支配する郷だ。

2018-10-18 16:41:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:317   閲覧ユーザー数:317

ソラネは二人のテンメイが去った後、帰りたい旨を龍神様に伝えた。

 

龍神様は少し考えると、

 

「良いです。ですが、静玉の建てた神社にて巫女をしなさい。この私のです。」

 

「分かりました。巫女をする約束をすれば良いのですね?」

 

ソラネは快諾した。

 

「でしたら、帰る方法を教えましょう。・・・・・冥門神社を七度詣りなさい。次に空を飛ばずにこの天国から出ていきなさい。

空中に達した時、あなたは生き返っているのです。

そこからはどこへなりと行きなさい。」

 

さっそく、ソラネは冥門神社に行って何事もなく七度お詣りをした。

それから、地道に道をソラネは歩いた。

一刻程歩いた時、天国の地面が曖昧になった。

それから、半刻程歩くと、地面が無くなった。

 

いつの間にソラネは空中にいた。

 

ソラネは辺りを見渡すと、懐かしい海のような湖が見えた。

界面湖である。

界面湖周辺の陸地にソラネは降り立つ。

水源郷である。

 

見ると、神社があった。これは流仁神社である。

その鳥居の下に、懐かしき友変陽がいた。

ソラネは駆け寄って変陽を抱きしめる。

 

「空寝!? 死んだはずじゃ!?」

 

「残念、生き返ったのですよ。」

 

「生き返った!!??」

 

「何か不思議な事なのですか?」

 

「そうだね。不思議な事だよ。」

 

「ここが、私の住まいですか?」

 

「神主にでもなるの?空寝。」

 

「私は空寝ではなくソラネです。」

 

「ソラネ?」

 

「死んだ時に与えられた名前です。龍神様にね。」

 

その後、静玉がソラネを見つけ、反応を楽しみつつ。訂正などをしつつ。

ソラネは夢のような気分でいた。

その内、住まいの話になって、ソラネは群体での生活を離れる事を伝えなくてはならない。

 

「私は静玉が建ててくれたこの神社に今日から住まおうと思います。」

 

「みんなで一緒に寝る事は出来ないね?」

 

変陽は打ち消しを期待して発言したようだが、あいにくソラネは龍神様との約束を守らなくてはいけない。

 

「そうです。この神社で毎日暮らすのが私の務めになります。」

 

「そんな・・・。」

 

「分かったわ。ちょっと悲しいけれど、それでいいわ。」

 

「ありがとうございます。静玉。」

 

「それにしても、変わったわね。ソラネ?」

 

「龍神様の下にいましたから・・・・。」

 

そう言って淋しげに神社の中に入るソラネ。

 

その夜、夜通しでソラネは祈祷した。

 

残念ながら、途中で寝てしまったが、夢では変陽と静玉みんなと一緒だった。

 

その後、龍神様からの便りや罰などは無く、またソラネは神社で巫女を務め続けた。

それにこれからも務め続けるのだが、話はまだ続くのだ。

 

それは過案神社からの手紙だった。

 

新 生命からの手紙らしい。

 

「拝啓 ソラネ様

遅れまして、この度は復活の程、おめでとうございます。

つきましては、この西方に位置します、栫家・新家にいます私、新 生命の言いつけを破り、”天津帝国”などと、自分達を帝国民として名乗っております。

これらの家の民は妖怪に対して暴虐の限りを尽くしており、ほとほと困っております。

ここはどうか、ソラネ様の腕前を見せて頂き、これらの栫家・新家の民を懲らしめて頂きたいのです。

武力をもってそのお力を奮って頂きたく存じます。

よろしくお願いいたします。 新 生命」

 

 

 

「静玉、博麗の巫女を呼びましょう。これは私達では到底敵わない事です。」

 

「そうするわ。」

 

博麗神社に知らせに行く、三名だった。

 

東方寵児項 ”天津帝国”へと続く。


 
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