No.959097

ノーマネー ノーゲーム4

らんびーさん

ワールドカップ盛り上がりましたね。なお、高専のレジュメの誤植は本当です。修正してください(昔のレジュメで修正済みかもしれないけど)

2018-07-06 22:39:13 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:413   閲覧ユーザー数:413

ノーマネーノーゲーム4

 

職員室に戻ってきたガモウ君。

 

圭「ガモウ君、お疲れ」

ガモウ君「・・・圭ちゃん・・・」

 

テレビ「ククク・・・ごくろう」

 

何か言いかけたガモウ君だったけど、ジョーのやつが叫び出す。

 

ジョー「あっ!津川館長の野郎、まだ生きてやがる」

津川館長「やかましい!死ぬのはお前たちだ。

私からの熱い愛をとめることはできんよ!

それでは第2問!」

ガモウ君「何だって?!」

 

体力を消耗したガモウ君はひざをついて座り込んでしまう。

 

津川「フハハハハ、女の子座りなんてしている場合じゃないぞ。

この電気回路図に目を転じろ。

ククク、キルヒホッフの法則を使うと枝路に流れる電流を計算できる。」

 

電源から並列に3つの回路が出ている。そして各枝路には抵抗があり、抵抗にかかる電圧が明示してある。

 

ガモウ「うーん、これを計算するには連立方程式を立てないといけないんだよな。面倒な計算問題を・・・」

ジョー「何か意味がわからないけど、さすが!天才ガモウ君!」

圭「時間がかかるの?」

 

津川「静かにしろ!

で、問題だ。制限時間は3分。

解答は声に出してテレビに語りかけるだけでいい。

で、連立方程式などという言葉が出てきたようだが、連立方程式を使わないで計算できる公式があるのだな。

その公式を○○○○○○というんやが、○には何が入る?」

ガモウ「・・・」

津川「ククク、東京都で原子爆弾が炸裂すればどうなるのかな?

実は、我々『死の商人』が密かに期待していたシチュエーションなんだ。

楽しいな♪楽しいな♪」

 

いつになく厳しい表情になるガモウ君。

 

圭「大丈夫?ガモウ君・・・」

津川「フフフ、爆発♪爆発♪どかーん♪どかーん♪」

ジョー「うるさいんだよ!おまえは!

ガモウ君、マックス、リラックス♪」

 

ぼくは怖くなって思わず涙目になってしまった。

ガモウくん「そうだ!ぼく、鹿児島に友達の先輩がいて、高専に通っているんだ。そのレジュメを見れば分かるかもしれない」

 

ガモウ君はかばんから冊子を取り出す。高専で使っているレジュメのようだ。おやおや、なんか注射器みたいなものも入っているし、ガモウ君のかばんはドラえもんみたいだ。

 

圭「鹿児島工業高等専門学校?『特別研究の基礎・基本 電気回路』

これって、電気系の学科のレジュメかな?」

ジョー「なにこれ?どこから入手したの?」

ガモウ「インターネットで調べ物していたらたまたまヒットしたんだ。」

圭「もしかして、それにヒントが書いてあるとか?」

ガモウ「うん、答えが喉まででかかっているんだけど、思い出せなかったんだ。」

 

ガモウ君は10秒くらいで次々とページをめくっていく。

若原先生は天才は30秒くらいでページをめくって読み進み、内容をもしっかりと暗記しているものだ、と言っていた。

 

ガモウ「あった!『帆立(ほたて)ミルマン』の法則!

答えは『帆立ミルマン』!」

 

なぜか勝ち誇った表情のガモウ君が印象的だった。だけど、次の瞬間ぼくたちは目の前が明るくなった気がした。

 

ドカーン!

 

予想に反して大爆発。原子爆弾は炸裂してしまったんだ。

だけど、その光は強烈だったけど、なんか暖かかった。チャレンジャーさんは灼熱状態になると言っていたんだけど。

しかしムカつくテレビの津川は無事だった。

 

津川「バーカ!死んでしまえ!フハハハハ!

正解は『帆足(ほあし)ミルマン』だよ!低能どもがー」

ガモウ「そんなバカなっ?!なぜだー!」

圭「うーん、もしかして誤植だったんじゃないかな?」

 

ぼくたちは黒こげにもなっていないし、生きていた。ちょっと職員室が焦げちゃったけど。

 

圭「ジョー、生きてる?もしもし?」

ガモウ「えっ?」

 

ジョーは放心状態になって、Nintendo DSを見つめていた。

DSからまばゆい光が出ている。

 

ジョー「アミちゃん!」

圭「えっ?何?」

 

DSのアミティが語りかけてくる

 

アミティ「あたしはアミティ。リデルもあたしのことは『アミさん』って呼んでいるから、アミちゃんはダメだよ」

ジョー「アミちゃん!今、原子爆弾が炸裂しなかった?」

アミティ「・・・・・・。うん、そうだよ。あたしが『フェアリーフェアー』で君たちをガードしてあげたんだよ」

ガモウ「そうか。まちがいなく死んでいたってことか・・・ありがとう、アミさん」

 

そうか、あのまばゆいきれいな光は爆発によるものではなく、超必のごほうびだったのか。

 

アミティ「君、この前あたしを使って『とことんぷよぷよ』で8連鎖組んでくれたもんね。そのお礼だよ。

ところで、この小説のテーマって、『ノーマネーでフィニッシュ』だよね。

だから、今回も「マネーのライオン」スペシャルを見てもらうよ」

 

圭「再放送の回かな?もう見なくてもいいよ。緊急事態の真っ最中だし」

アミティ「まあまあ、そんなこと言わないで。

君たちは時空を超越してしまったんだよ。」

ジョー「えっ?どういう意味?」

ガモウ「ああ、それは後で僕が説明するよ・・・」

 

アミティ「今回の収録分は『ワールドカップカタール大会』アジア最終予選の前年のものだよ」

圭「カタール大会の最終予選って、どういうこと?3年後?」

アミティ「ちな、日本は死のA組を2位で通過したんだ。対戦相手はロシア大会に出場した、オーストラリア、イラン、韓国の3カ国にタジキスタン。」

ガモウ「タジキスタン?ウズベキスタンの間違いでは?」

圭「で、タジキスタンは最下位だったわけね」

アミティ「イヤ、1位で通過したのはタジキスタンだよ」

ガモウ「ええっ?!」

圭「でも、本大会に出場した4カ国がA組なんて酷過ぎ!反則じゃないの?」

アミティ「アジアサッカー連盟が、金で転んだみたいだね。中国が本大会に出場できればお金になるらしいから」

ガモウ「B組の面子教えてもらえます?」

アミティ「1位通過のイラク、2位通過の中国。後は、タイ、北朝鮮、

香港だったよ」

ジョー「楽勝じゃん!」

ガモウ「楽勝というか、詐欺だよね。

サウジアラビアとかシリアの選手は3次予選で睡眠薬でもしこまれたんじゃないのかな?」

圭「そんなのあり?」

ガモウ「イヤ、ロシア大会の予選では中東のアウェイで、GKの川縞(かわしま)選手がレーザー光とか顔に照射されていたんだ。アジアサッカー連盟は見て見ぬふりさ。」

圭「やれやれ、マネーの獲得とかパワハラとか世の中お金が全てなのかな?

いやんなっちゃうよ」

アミティ「前置きが長くなっちゃったね。さっそく見てみよ。」

 

佐藤栄作「今回のチャレンジャーは、中央アジアのタジキスタンからやってきました。

さっそくですが、いくらを希望しますか?」

 

圭「ふーん、外国人か。社長さんたちって外国人には甘いよね」

ガモウ「タジキスタンだってー?!」

 

謎のタジキスタン人「ヘーイ!イエローモンキー!

2000万円を希望しまーす!」

 

いきなり差別用語でケンカを売るチャレンジャー。タジキスタン人だからといって、自信あふれるイケメンという感じではなかったのだが。

 

ガトー社長「『モンキー』とは僕たちのことですか?失礼な人ですね」

謎のタジキスタン人「私は『エイト』といいまーす、モンキー。」

ボーイ社長「随分な自信じゃないか?ケンカ売っとるのか?」

 

しかし、自信とは裏腹に両目は義眼だった。介護ロボット『エイト』のような目のパーツを付けている。

 

ガトー社長「お猿と言われたからには言わせてもらいます。あなた、もしかして目が不自由な方ですか?」

エイト「イヤ、これは自分で目の手術を希望した。ショッカーに拉致されてしまったのだ」

 

スタジオは笑いに包まれる。一同はとんじき屋のチャレンジャーの登場で、呆れ笑いには慣れてしまったようだ。

ボーイ社長だけは、まじまじと外国からのお客さまを観察している。

 

ボーイ社長(こいつ、まじで外国人?なんかどこかで見たことのあるような・・・)

 

ガトー社長「自分で希望したとはどういうことです?」

エイト「タジキスタン料理を極めるためです。」

ガトー社長「なるほど、料理店を出すんですね?

どんな料理を出すんですか?」

エイト「ボルシチ・・・」

ガトー社長「イヤ、それは『ショルボ』のことでしょ。羊の肉を使うんですよね」

ボーイ社長「『ショルボ』って何?」

ガトー社長「タジキスタンの脂っこいスープですよ。ボルシチとはちょっとちがうんだよね」

エイト「ふっ、知ったかぶりのモンキーが・・・」

ガトー社長「え?よく聞こえなかったけど?何か言いました?」

エイト「ふっ、都合の悪いことは聞こえないフリですか?日本人の悪癖でーす。

私はモンキーの中でも日本人が一番嫌いね!ハハン、この対戦予想表を見るね」

 

ガトー社長とエイトの間に火花が散る。以前この社長は、ボクサーのチャレンジャーと

ガチの殴り合いを演じたのだ。

 

ボーイ社長(バカか、こいつは?日本に来たのなら、日本の流儀を学べっつーの!

気に入らない奴に手を差し伸べる人間なんていないんだよ!

まずは信頼関係を築くのが先決だ。それまでは謙虚に振舞わないと)

 

エイトは経営戦略を書き込んであるのだろうか?1枚の紙を取り出す。

 

ボーイ社長「何これ?サッカーの対戦表じゃないか?」

エイト「そうです。来年のワールドカップアジア最終予選の見込みでーす」

ガトー社長「エイトさんの予想?タジキスタン、日本、イラン、オーストラリア、韓国。

何だよこれー?

組でロシア大会に参加した国が4つもあるじゃん。こんなのありえないって!」

エイト「日本は4位、オーストラリアは5位でーす!

黄色い猿の国と、白クマの国がプレイオフにも進めないのは快感でーす」

ボーイ社長「タジキスタンが最終予選に進出?1位で通過だと?うぬぼれんなよ!」

ガトー社長「また差別用語かよ。とりあえず、白クマというのはやめときな」

エイト「ヘイ!白人勢力が怖いのですか?」

ガトー社長「イヤ、オーストラリアの報復でイヤなのは、オージービーフが値上がりすることです」

一同(そこかよー)

 

つづく

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択