No.952636

真・恋姫外史 がんばれ一刀お笑い道中~僕が外史に降りた理由~ 第十八話

アキナスさん

董卓軍内部事情

2018-05-16 03:21:49 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2975   閲覧ユーザー数:2679

汜水関。

 

洛陽へ至るための関所の一つであるこの地を守るために派遣された董卓軍の守将達。

 

「お~お~、ぎょうさん来よったな~~」

 

董卓軍随一の速さを誇る張遼。そして・・・・・・

 

「恋殿。奴らに目にもの見せてやりましょうぞ~~!」

 

「・・・・・・ん」

 

軍師の陳宮、そして天下無双と称される呂布であった。

 

え?あの人はどうしたって?

 

それを説明するため、話は董卓軍の出陣前まで遡る・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「てりゃあ!」

 

「甘いで!」

 

洛陽、宮廷内の中庭にて、二人の将の闘いが行われていた。

 

猛将華雄と神速の張遼。

 

何故この二人が闘っているのかというと、洛陽に残る守将として華雄が選ばれそうになったのだが、それに対し華雄は猛反発。

 

だったら勝負して、負けたら自分が残ると張遼が言い出し、華雄は了承。

 

そして現在、二人の熾烈な闘いが行われているというわけであった。

 

「恋、どっちが勝つと思う?」

 

「・・・・・・もぐもぐ」

 

賈駆の質問に対し、肉まんを頬張りつつ張遼を指差す呂布。

 

「まあ、そうよね」

 

呂布の予想通り、数分後に華雄は武器を弾き飛ばされ、敗北した。

 

「くそう!」

 

地面に拳を打ち付けて悔しがる華雄。

 

「約束は守ってもらうで」

 

「分かっている!」

 

興奮冷めやらぬ様子の華雄。

 

そんな華雄に対し、ゆっくりと近づいて肩を叩く呂布。

 

「何だ恋」

 

「・・・・・・月と詠・・・・・・お願い」

 

「む・・・・・・」

 

「そうよ華雄。もしもの時に月や僕を守るのはあんたしかいないんだから。最後の砦になった事を自覚しなさいよね」

 

「そういうこっちゃ。責任重大やで」

 

「・・・・・・そうだな。分かった」

 

ようやく頭が冷えたのか、大きく息をつく華雄。

 

「恋の・・・・・・家族も」

 

「分かっている。まとめて面倒を見てやるさ」

 

「決まりね。それじゃあ三人は出撃準備」

 

「まかしとき」

 

「了解なのです」

 

「・・・・・・こくっ」

 

 

 

 

こうして華雄は董卓、賈駆と共に洛陽に残る事になったのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

さて、話を戻そう。

 

「で、ねねどないする?詠からは籠城を勧められとったけど」

 

「ねねもそのつもりです。兵力差の問題もありますが、相手は急造の連合軍。時間がかかればかかるほど綻びが出てくるでしょうから、まずはそれを待つのが基本戦術です」

 

「せやね」

 

「まずは状況を・・・・・・ん?」

 

怪訝な顔をする陳宮。

 

「ねね、どないした?」

 

「いえ、ねねの見間違いでなければ、先鋒を務めているのは・・・・・・劉備?」

 

陳宮の目線を追う張遼。

 

「ほんまや。劉の旗が立っとる」

 

「その後方に孫策、曹操、公孫瓚、馬超・・・・・・袁家は最後方ですか」

 

「ここからでも分かるほど兵力が少ないのが先鋒・・・・・・あいつら、ここを攻め落とす気あるんか?」

 

「時間をかけるまでもなく綻びが出始めているようですね」

 

「みたいやな」

 

「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「まさか劉備が先鋒任されるとはねえ。袁紹も何考えてるんだか」

 

「その場にいたのなら分かるだろう?ほとんど嫌がらせだ」

 

肩を竦める冥琳。

 

「まあね。で?劉備はどうするつもりだと思う?」

 

雪蓮の質問に顎に手を当て答える冥琳。

 

「袁紹から多少兵を借りる事は出来たようだが、劉備軍だけではどうしようもないだろう」

 

「うんうん」

 

「となれば、取りうる方法は一つ。敵を汜水関から出撃させ、他の軍を巻き込む事だ」

 

「こっちとしてはありがたいんじゃない?混戦になれば、仕事がやりやすそうだし」

 

「確かにな」

 

などと言っていると、前方から大きな声が響いてくる。

 

劉備軍の将たちが、董卓軍を挑発しているようだ。

 

「冥琳の予想通りね」

 

「後は向こうが乗ってくるかどうか・・・・・・」

 

 

 

 

「華雄連れて来なくて正解やったな。あいつ短気やから、挑発に乗って出て行ったかも知れへんで」

 

「まったくです」

 

「ほな、挑発には乗らずに籠城でええんやな?」

 

「そうですね・・・・・・いえ、せっかくのお誘いです。ここは乗りましょうか」

 

「何やて?」

 

思わず陳宮を凝視する張遼。

 

「あのような稚拙な策で何とかしようという者達の性根を叩きのめしてやるのです」

 

「・・・・・・ねね。まさかとは思うけど、挑発に苛立っとるんか?」

 

心配そうな張遼に対し、首を横に振る陳宮。

 

「そうじゃないのです。ある程度戦ったら引き上げるのです。緒戦で痛い目を見せて、敵の士気を下げると同時に攻城戦に必要な兵力を削ってやるのです」

 

「ちゃんと考えとるんやな。ならええわ」

 

「分かればいいのです。そうと決まれば霞、恋殿」

 

「出撃やな。まかしとき!」

 

「・・・・・・行く」

 

 

 

 

「桃香様。敵が出て来ました」

 

関羽の報告に対し、頷く劉備。

 

「上手くいったね。朱里ちゃん」

 

「はい。後は上手く後退しながら、敵を袁紹さんたちに押し付けちゃえば作戦成功です」

 

「よし。みんながんばろ~~」

 

「「「「「「おおーーーーー!!」」」」」」

 

意気軒昂な劉備一行。

 

 

 

しかし、自分たちの作戦がとんだ藪蛇であったことに

 

 

 

彼女たちはまだ気づいていなかった・・・・・・

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

まさかの華雄居残り。

 

今回の戦ではもう出番なさそうですね・・・・・・

 

そして、本人たちは気付いていないけど大ピンチの桃香たち。

 

果たして彼女たちは生き残ることが出来るのでしょうか?

 

ではまた次回・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 


 
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