No.949052

英雄伝説~灰の軌跡~ 閃Ⅲ篇 

soranoさん

異伝~終焉に諍う英雄達の来訪~最終話

2018-04-16 22:06:29 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1631   閲覧ユーザー数:1369

 

~オルキスタワー・33F・応接室~

 

「え、”英雄王”リウイ・マーシルン大使………!?一体いつから、アタシ達の話を………」

「ええっ!?その名前って確か……!」

「異世界の大国にしてエレボニアを2度も打ち破ったメンフィル帝国の前皇帝陛下ですわね。………どうやらその様子ですと通信を最初から起動させて、リウイ陛下にも私達の事情を聞かせていらっしゃったようですわね?」

リウイの登場に驚いたミシェルの言葉を聞いたユウナが信じられない表情でリウイを見つめている中静かな表情で呟いたミュゼはヴァイスに視線を向けた。

「ああ。遊撃士協会からの連絡を受けたエリィからの通信内容を考えるとクロスベルどころか、メンフィルを含めたゼムリア大陸自身をも巻き込む大事件になる確立が高い事は想定していたからな。お前達からの又聞きで伝えるよりも、最初からお前達自身の話を聞いてもらった方が手間が省けるからな。」

「……………既に俺達―――メンフィルの情報についても遊撃士協会を通して聞いているだろうが、改めて名乗る。―――――俺がメンフィル前皇帝にして現メンフィル大使、リウイ・マーシルンだ。通信越しになるが見知りおき願おうか、並行世界の新Ⅶ組。」

「貴方が”英雄王”………」

(確かこっちの世界のエリゼさんが目の前の”英雄王”って皇帝の孫娘の専属侍女長だっけ?という事はあのモニターに映っているメンフィル帝国の前皇帝はその孫娘の”祖父”って事になるから結構な年齢を取っているという事になるけど………幾ら何でも若すぎない!?)

(どう見ても孫がいるような年齢の容姿には見えませんね。)

「(ふふ、そうですか?私達の世界にもローゼリアさんや”鋼の聖女”という”規格外な存在の例”もありますし、リウイ陛下は人間族と魔神―――魔王の間から生まれた”半魔神”との事ですから、それらの件を考えるとそれ程おかしなことではないかと。)―――お初にお目にかかります、異世界の大国の偉大なるリウイ皇帝陛下。世界は違えど、かつては戦争をした国の民であり、ただの士官学院生如きの私達の為に貴重な時間を割いて頂いた事、心より感謝を申し上げますわ。」

リウイが名乗り上げるとクルトは呆けた表情でモニターに映るリウイを見つめ、リウイの容姿に驚いている様子のユウナとアルティナに苦笑しながら指摘したミュゼはモニターに映るリウイに対して恭しい挨拶をした。

 

「……世辞はいい。むしろ、お前達には感謝しているくらいだ。何せ、お前達の情報通りだと、間違いなく第Ⅱ分校に派遣している1年半前の件で生まれた我が国の”英雄”――――リィン・シュバルツァーが”鉄血宰相”達の愚かな野望に巻き込まれ、窮地に陥る可能性が高い上リィンの他にも第Ⅱ分校に派遣しているメンフィル帝国所属の者達も巻き込まれる可能性が非常に高い事を前もって知ることができたのだからな。………どうやらあの放蕩皇子が恐れていた事態がそんなにも早く現実になるとはな。」

「”放蕩皇子”って………」

「まさか……オリヴァルト殿下が僕達の世界のエレボニアで起こった出来事―――”巨イナル黄昏”等が起こる事についても予期されていたのですか……!?」

リウイの話を聞いたユウナが目を丸くしている中察しがついたクルトは驚きの表情で訊ねた。

「いや、さすがにそこまでは予期していなかったな。復帰した”鉄血宰相”による以前以上の強引な政策や”北方戦役”、そしてセドリック皇太子の急変………それらを踏まえてオリビエ――――オリヴァルト皇子はエレボニアは滅びの道を歩んでいる事を危惧して、それを未然に防ぐ為に俺やリウイにリィン達の派遣をオリヴァルト皇子が嘆願して、その嘆願に俺達は応えてやったんだ。」

「オリヴァルト殿下がそのような事を………」

「………あの、もしかしてこちらの世界のわたしの第Ⅱ分校への入学もリウイ皇帝陛下に対するオリヴァルト皇子の嘆願の件に含まれているのでしょうか?」

ヴァイスの説明にエリィが驚いている中ある事が気になっていたアルティナはモニターに映るリウイに訊ねた。

 

「いや、”黒兎(ブラックラビット)”の第Ⅱ分校への派遣は半分は第Ⅱ分校にリィン達を生徒側から補佐する人員として戦闘能力がある”黒兎”を選んだ俺達―――メンフィル帝国政府の指示ともう半分はリィン達―――シュバルツァー家の意志によるものだ。」

「ちなみにリウイお義兄様が仰っていたもう半分の理由――――シュバルツァー家の意志の件はリィン達がアルティナちゃんに普通の女の子として学生生活を経験して欲しいという考えで、アルティナちゃんにも第Ⅱ分校に入学してもらったそうよ。」

「教官達が…………そう………だったのですか……………世界は違えどリィン教官やエリゼさん――――シュバルツァー家のわたしに対する寛大な心遣いも同じなのですね……………」

「アル…………えっと、さっきエリィ先輩はリウイ皇帝陛下の事を”お義兄様”って言っていましたけど、あれってどういう意味なんですか?」

リウイとエリィの説明を聞いて呆けた後顔を俯かせて自分の世界のリィンやエリゼを思い浮かべて一筋の涙を流したアルティナを辛そうな表情で見つめていたユウナは重苦しくなりかけた空気を変える為にエリィにある質問をした。

「そう言えばまだその件については言っていなかったわね。私の姉――――旧性イリーナ・マクダエルがリウイお義兄様の”正妃”としてメンフィル皇家に嫁いでいるから、リウイお義兄様は私にとって義理の兄にあたるのよ。」

「な―――――」

「まあ………」

「えええええええええええええええっ!?で、でもあたし達の世界のエリィ先輩にお姉さんはいませんよ!?」

エリィの答えを聞いたクルトやミュゼ、ユウナはそれぞれ驚きの反応を見せ

「ホントに”並行世界”だけあって、色々な事についての事情が全然違うようねぇ…………―――それで話を戻しますけど、今のこの子達の話を聞いてメンフィル帝国はエレボニア帝国に対してどういう対応を取るおつもりですか?」

ミシェルは苦笑した後表情を引き締めてモニターに映るリウイに問いかけた。

 

「どうもこうも、その”巨イナル黄昏”とやらを未然に防ぐ為に我等メンフィルも協力せざるを得ない事は答えなくてもわかる事だろうが。第Ⅱ分校――エレボニアの士官学院に我が国の所属であるリィン達を派遣している上、”巨イナル黄昏”が発動すれば間違いなく元エレボニア帝国領だった我が国の領土も無関係でいられなくなるのだからな。」

「それでは………」

「―――――メンフィル帝国のご協力はとても心強いですが、”巨イナル黄昏”を未然に防いだ後やはりこちらの世界のリィン教官―――――貴国に所属している英雄の伴侶の一人となっている姫様――――アルフィン皇女殿下か、もしくは姫様が将来御産みになるリィン教官と姫様の御子が御持ちになられているエレボニアの帝位継承権を主張して、姫様か姫様の御子にユーゲント皇帝陛下の跡を継がせて、事実上エレボニアをメンフィル帝国の隷属国とするおつもりなのでしょうか?」

「ちょ、ちょっと、ミュゼ!?」

「もう少し、遠回しな訊ね方をすべきでは?」

「……………」

呆れた表情で答えたリウイの答えにクルトが明るい表情をしている中真剣な表情で問いかけたミュゼの問いかけにユウナが慌て、アルティナがジト目で指摘している中ユーディットは真剣な表情でミュゼを見つめていた。

「その可能性がある事は否定しない。実際、メンフィルはエレボニアの民達がアルフィン皇女――――いや、アルフィン夫人、もしくはアルフィン夫人が産んだ子供が次代のエレボニア皇帝に即位する事を受け入れる”下準備”としてアルフィン夫人もリィン達同様第Ⅱ分校の宿舎の管理人として派遣しているのだからな。」

「な―――――ア、アルフィン皇女殿下が第Ⅱ分校の宿舎の管理人を……!?」

「お、皇女様が第Ⅱ分校の宿舎の管理人を務めるなんて、滅茶苦茶よ………」

「教官陣どころか、宿舎の管理人すらもカオスな事になっているとは、さすがは”あらゆる意味で”カオスな事になっているこのゼムリア大陸というべきでしょうか。」

新たなる驚愕の事実を知ったクルトは絶句した後信じられない表情で声を上げ、ユウナは疲れた表情で呟き、アルティナはジト目で呟いた。

「………という事はやはり、貴国は1年半前の”七日戦役”の結果――――数々の戦功を立てた灰色の騎士の嘆願によるエレボニアとの和解を本音では認めたくなく、機会があればエレボニアを滅亡させたいというお考えなのでしょうか?」

一方ミシェルは複雑そうな表情でリウイにメンフィルの意図を問いかけた。

 

「勘違いするな。我等メンフィルは1年半前の件に対するエレボニアの謝罪は、”和解条約”をエレボニアが全て実行した時点で”手打ち”にしている上”西ゼムリア同盟”にも調印したのだから、エレボニアに対して思う所はあっても滅亡させたいという考えは持っていない。――――そもそも、リィンやアルフィン夫人達の第Ⅱ分校への派遣はエレボニア側――――オリヴァルト皇子による嘆願によるものだ。」

「へ………」

「オリヴァルト殿下が……!?」

「ど、どうしてオリヴァルト殿下がリウイお義兄様達――――メンフィル帝国にリィン達の派遣を頼んだのでしょうか……?特にエレボニアから去った今でもエレボニアでは根強い人気を誇っているアルフィン皇女殿下を再びエレボニアで起こる出来事等に関わらせたりしたら、最悪帝位継承権争いに発展する可能性も考えられますのに……」

リウイの説明にユウナが呆け、クルトが驚いている中エリィは困惑の表情で疑問を口にした。

「………先程のお前達の説明の一部でセドリック皇太子も”鉄血宰相”達に加担している話があったな。オリヴァルト皇子がアルフィン夫人まで第Ⅱ分校へ派遣する事を決めた一番の理由は1年半前と比べると別人のように様変わりしたセドリック皇太子の急変に危機感を抱き、鉄血宰相に同調し続けるセドリック皇太子の野心や暴走を思いとどまらせる為だ。」

「なるほど………皇太子殿下にエレボニアから去ったにも関わらず再びエレボニアに姿を現した姫様の目的がご自身と帝位継承争いする為であると錯覚させ、皇太子殿下の野心や暴走を思いとどまらせる為ですか。ですが、その方法ですとその件で逆に皇太子殿下が焦り、ご自身の心に秘めていた野心をさらけ出して暴走する後押しになると思うのですが………」

リウイの答えを聞いてある事を察したミュゼは考え込みながら呟いた後ある事を訊ねた。

「それも想定してのアルフィン夫人の派遣だ。時間が経てば経つほどセドリック皇太子に”後戻りができない事”を実行させてしまう恐れがあるから、そうなる前にセドリック皇太子を暴走させ、その暴走を阻止してセドリック皇太子にやり直せる機会を与える為だそうだ。」

「ま、要するにオリビエはセドリック皇太子を千尋の谷へと突き落としてでも、最悪セドリック皇太子の命が失われないようにする為に、被害が少ない内にさっさとセドリック皇太子を暴走させようという考えだ。」

「………例え帝位継承権をお持ちになられている皇太子殿下といえど、祖国どころか世界中をも巻き込む大事件を起こした関係者になってしまいますと、よくて帝位継承権剥奪や廃嫡………最悪の場合、ご自身が犯した”大罪”を償う為にご自身の命を持って償う可能性が考えられますものね……」

「なるほどね………まさか、オリヴァルト皇子が祖国(エレボニア)をメンフィルに差し出してでも、”鉄血宰相”やセドリック皇太子の野望を止めるつもりだったなんてね………」

リウイとヴァイス、ユーディットの説明を聞いてオリヴァルト皇子の考えを悟ったミシェルは疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「………とはいえ、幾らメンフィルにとってエレボニアを隷属化させる絶好の機会があるとはいえ、ゼムリア大陸の平和の為にゼムリア大陸から戦争を無くす礎を作ろうとしているリベールと盟を結び、”不戦条約”に加えて”西ゼムリア同盟”にも調印した我等メンフィルがエレボニアを隷属化させる事は正直な所、”全ての種族との共存”を謳うメンフィルにとってもデメリットが大きい。よって、エレボニアが2度とメンフィルに対して刃を向ける等と言った”野心”を抱かない”保証”があれば、エレボニアを隷属化させるつもりはないのだが………」

「ま、”並行世界の未来”から来たユウナ達の話からするとセドリック皇太子がエレボニア皇帝に即位等当然論外の上、世界中の各国に加えてエレボニアの民達からもそんな事態を引き起こした”鉄血宰相”を重用したユーゲント皇帝の退位が求められるしな。いっそ、オリビエが帝位継承権の有無を気にせず、ユーゲント皇帝からエレボニア皇帝の地位を簒奪する意思があれば、話がスムーズに進むんだがな………」

「”祖国を他国に売ってでも家族を助けようとする”程の家族思いなオリヴァルト皇子が父親であるユーゲント皇帝から皇帝の地位を簒奪すると言った思い切った事をする覚悟はないでしょうね。それらの件を考えると、消去法でリーゼロッテ皇女にエレボニアの皇帝に即位してもらい、メンフィル・クロスベルとの友好を約束してもらうしかないわね。」

リウイとヴァイスが考え込んでいる中静かな表情で意見を口にしたルイーネはある提案をした。

「リーゼロッテ皇女………エレボニアから去ったアルフィン夫人の代わりにアルノール皇家の養子になった新たなるエレボニアの皇女か。確かに、”新たなる帝国の至宝”という呼び名でエレボニアの民達からの人気もあるリーゼロッテ皇女ならば、エレボニアの民達や各国も納得はすると思うが………」

「問題はリーゼロッテ皇女を支持する”後ろ盾”がない事だな。……そう言えば、エレボニア帝国政府から国家間の関係を回復する為の一環としてリーゼロッテ皇女とリィンの婚約がメンフィル(そちら)に提案されたのだったな?”巨イナル黄昏”を阻止して”鉄血宰相”達を排除した後いっそ、その提案を蒸し返してメンフィルがリーゼロッテ皇女の”後ろ盾”になってやればどうだ?」

「あ、あの……ヴァイスハイト陛下。お言葉ですが、もしその案を実行した場合、メンフィル帝国の貴族――――それも”公爵”といった大貴族の爵位を持つリィンがアルフィン皇女殿下どころかリーゼロッテ皇女殿下まで娶る事になり、結局エレボニアがメンフィルの隷属国と化すると思われるのですが……」

リウイが考え込んでいる中ある事を提案したヴァイスの提案を聞いたエリィは表情を引き攣らせて指摘し

「その点に関しては”西ゼムリア同盟”や”西ゼムリア通商会議”の時のように各国の代表者達を集めて彼らの前でリィン達やメンフィルがエレボニアの政治等に介入しない約束を宣言するか契約書に記せばいいと思うぞ?そうすれば、メンフィルもそうだがクロスベル皇女である俺の娘のメサイアをリィンと婚約させている事でクロスベルも鉄血宰相達を排除した後の新たな政府ができあがるまでのエレボニアの臨時政府の人員として派遣してリーゼロッテ皇女や新たなエレボニア帝国政府が成長するまでの補佐も可能となる。とは言っても、肝心のエレボニア側の政府の人員として”革新派”を除いた勢力かつリーゼロッテ皇女の後ろ盾になれるような勢力が存在しない事なんだがな………」

「………あの。その件についてですが、私に心当たりがあります。」

エリィの指摘に対して答えたヴァイスが考え込んだその時ユーディットが静かな表情で申し出た。

 

「ほう?エレボニアのどこの勢力だ?」

「………1年半前の内戦や”七日戦役”によって衰退した貴族勢力―――――”貴族派”です。」

「よりにもよって、”貴族派”とはね………遊撃士協会(アタシ達)は政治介入する事ができない為、賛成も反対もできませんけれど、アタシ個人の意見としてはバラッド侯爵―――”貴族派”は止めた方がいいと思うのですけど。ユーディット皇妃殿下の仰る通りバラッド侯爵は確かにエレボニア側の次期カイエン公爵に就任する有力人物とされていますけど……並行世界の未来だと、バラッド侯爵は並行世界で起こったオルディス地方の結社の”実験”の件で他の”四大名門”によって失脚させられたらしいですし、自らの地位向上の為に同じ帝国貴族を陥れるどころか帝国政府にまで協力する程のバラッド侯爵の野心的な性格も考えると、とてもリーゼロッテ皇女の後ろ盾を任せられないと思いますが………」

「そうですよ!あたし達の世界で起こったオルディスでの結社の”実験”もさっき軽く説明しましたけど、あの侯爵、色々とやらかしてあたし達の足を引っ張りまくったんですよ!?」

ヴァイスの問いかけに答えたユーディットの答えを聞いたミシェルは疲れた表情で指摘し、ミシェルに続くようにユウナは当時を思い出して怒り心頭の様子で指摘した。

「いえ、私が言っている”貴族派”はバラッド侯側ではなく貴女達の世界で新たなるカイエン公爵に内定した私の父であるクロワール・ド・カイエンの姪にして私やキュアにとって従妹に当たる”もう一つのカイエン公爵家”の公女――――ミルディーヌ・ ユーゼリス・ド・カイエンを新たな”貴族派”の旗印にしているミルディーヌ側の”貴族派”です。」

「公女ミルディーヌ………僕達もカイエン公の姪が次期カイエン公爵に内定した話は耳にしていましたが、名前までは存じていませんでした。」

「ちなみにミュゼさんはその人の事を知らないんですか?確かミュゼさんはオルディス――――ラマール州の貴族ですよね?」

ユーディットの答えを聞いたクルトが興味ありげな様子で考え込んでいる中、アルティナは事情を知っていそうなミュゼに訊ねた。

「ふふっ、私もミルディーヌ様の事は名前と幼い頃に両親を失って祖父母の下で育てられているという程度の情報しか存じていませんから、性格や能力等はわかりませんわ。」

「………………」

「………………公女ミルディーヌか。公女個人の能力に関しては次期カイエン公爵として文句なし―――いや、前カイエン公よりも遥かに優秀な者である事はわかっている。何せあのレンが現時点でも相当優秀で成長すれば、自分と”同格”になれると言っていた程、公女に対して高い評価をしていたからな。」

アルティナの問いかけに苦笑しながら答えるミュゼの様子をユーディットが呆れた表情で見守っている中モニターに映るリウイは黙って真剣な表情でミュゼを見つめた後静かな表情で答えた。

 

「え………ど、どうしてレンちゃんがその人物の事をご存知なのですか?」

「………その公女自身が第Ⅱ分校の”主計科”の生徒として所属しているからだ。」

「えええええええええええええええっ!?しゅ、”主計科”――――Ⅸ組にそのミルディーヌって人が……!?」

「僕達の世界ではそのような人物はⅨ組どころか第Ⅱ分校に所属していませんが………これも、並行世界だからなのだろうか……?」

エリィの問いかけに答えたリウイの答えを聞いたユウナが驚いている中信じられない表情をしているクルトは考え込み

「お前達がわからなくても無理はない。そもそも公女ミルディーヌは名前もそうだが身分も偽って第Ⅱ分校に入学したのだからな。」

「………ちなみにミルディーヌは第Ⅱ分校入学前は帝都(ヘイムダル)にある”聖アストライア女学院”に通っていました。ただ、内戦終結後、自分にとって叔父である私の父が貴族連合軍の”主宰”だった影響で、女学院にい辛い立場になった為女学院を退学して第Ⅱ分校に入学したらしいのですが……」

「という事はわたし達の世界のⅨ組にも公女ミルディーヌが所属している可能性が十分に考えられるという事ですか…………」

「”公女”って事は性別は当然女の子って事だから………Ⅸ組の女子の中にいるって事になるのよね、そのミルディーヌって人は………一体誰なのかしら……?」

「(カイエン公爵家………ラマール州の貴族………祖父母の下で育てられている………聖アストライア女学院出身…………―――!まさかとは思うが………)………………」

「ふふっ、その様子ですとクルトさんは私にミルディーヌ様の事で他に何か聞きたい事があるのでしょうか?」

リウイとユーディットの説明にアルティナとユウナが考え込んでいる中ある仮説が頭に思い浮かんだクルトは真剣な表情でミュゼを見つめ、見つめられたミュゼは静かな笑みを浮かべてクルトに問いかけた。

「……………いや、何でもない。」

「それで?話を戻すが、そのミルディーヌとやらを新たな貴族派の旗印にしている連中をリーゼロッテ皇女の後ろ盾に推薦するという事は、そのミルディーヌ自身はアルノール皇家に対する忠誠が篤いのか?」

クルトがミュゼの問いかけに静かな表情で答えを誤魔化した後ヴァイスはユーディットに問いかけた。

 

「いえ、そう言う訳ではありません。ただ、昔から頭が回る上要領も良くて自身がカイエン公爵家当主の地位を巡っての政争に巻き込まれる事を嫌い、また父自身も自分の地位を脅かす可能性があるあの娘を滅多に社交界等に招待しなかった為私達とも疎遠で会う機会はせいぜい年始のカイエン公爵家主催のパーティーくらいだったのですが………最近、そのミルディーヌからバラッド侯を退けてエレボニア側の次期カイエン公爵になる為に、私達にも協力して欲しいという内容の手紙が来ていて、実は今日の定期報告で、その件も説明してどう対処すべきか陛下達にご相談するつもりだったのです。」

「あら、そうだったの。それにしてもカイエン元公爵の直系の娘でありながら”成りあがり”で皇帝になったヴァイスさん―――――”平民”の側室になった事や幾ら実家を守る為とはいえクロスベル帝国の貴族になった事で一部のエレボニア帝国貴族から嫌われている”クロスベル側のカイエン公爵家”である貴女達に協力を頼むという事は………クロスベル側の元エレボニア貴族達を纏めている貴女達と協力関係になる事で険悪な関係になりつつあるクロスベルとエレボニアの関係を和解させて、エレボニア・クロスベル間の経済取引を良好な関係へと発展させる目的の為に貴女達にも協力を持ちかけたという所かしら?」

「ええ、恐らくは。――――加えて、メンフィル帝国との関係も良好にする事も目的にしているようなんです。」

「何?公女ミルディーヌはどのような方法で、メンフィル(俺達)との関係まで良好にするつもりなんだ?」

自分の話を聞いて推測をしたルイーネの言葉に頷いたユーディットはモニターに映るリウイに視線を向け、ユーディットの話を聞いていたリウイは眉を顰めてユーディットに問いかけた。

「それが…………どうやらあの娘、貴国の英雄にして次期クロイツェン州統括領主に内定している”灰色の騎士”―――――リィン・シュバルツァーさんの伴侶になる事で、メンフィルとエレボニア―――いえ、メンフィル帝国に対する”貴族派”の”謝罪”と共に”貴族派”はメンフィル帝国との和解を望んでいるという”誠意”を見せる事でメンフィル帝国との和解、並びに関係の良好化も狙っているようなんです………」

「えええええええええええええええっ!?そのミルディーヌって人がきょ、教官の奥さんに……!?」

「あらま。結婚していても灰色の騎士の坊やの高貴な立場の女性達のモテっぷりは未だ顕在のようねぇ……灰色の騎士の坊やの件を考えると支援課のリーダーの坊やも結婚してもモテるかもしれないわね。」

「………………」

「本当にそうなるかもしれませんから、冗談になっていませんよ………それにしても、一体何を考えていらっしゃるのでしょうか、そのミルディーヌ公女殿下という方は……?確かにリィンの将来のメンフィル帝国での地位は相当なものの上エレボニア帝国での”名声”もありますから、カイエン公爵家の当主であるご自身の伴侶として相応しいとは思いますけど、リィンには既に結婚したアルフィン皇女殿下を除けば8人の婚約者がいる影響で、リィンと結婚したとしてもご自身はリィン――――クロイツェン統括領主の妻としての序列は普通に考えれば最下位の10位になりますから、正直女性としてもそうですけど、カイエン公爵家当主としての政治的な意味合いでもリィンの伴侶になる事は様々な問題があるような気がするのですが………」

疲れた表情で答えたユーディットの答えにユウナが驚き、ミシェルが苦笑した後エリィに視線を向け、頭痛を感じたのかモニターに映るリウイが呆れた表情で片手で頭を抱え込んでいる中エリィは疲れた表情で溜息を吐いた後表情を引き攣らせて推測を口にし

 

「いや、むしろリィンの妻としての序列が低いお陰でその公女にとって様々なメリットが発生するからこそ、リィンの妻になる事を目指しているんじゃないか?」

「え………それはどういう事でしょうか?」

自分の疑問に対して指摘したヴァイスの指摘を聞いたエリィは不思議そうな表情で訊ねた。

「名家であるマクダエル家出身のエリィちゃんならわかるでしょうけど、皇族や貴族と言った上流階級の伴侶である女性達は序列によって嫁ぎ先での権力も全然違うわ。正室は当然として側室も第1~3位あたりなら、社交界等にもよく出席したり呼ばれたりする反面、側室の序列が低ければ低い程その嫁ぎ先での上流階級の影響力はほとんどないわ。”四大名門”の当主の一人であり、エレボニアの貴族達を纏めている立場である自分がメンフィル帝国の大貴族である”シュバルツァー公爵家”の当主に就任する予定のリィン君の序列の低い側室として結婚する事で、エレボニア側のカイエン公爵家を含めたエレボニアの貴族達はメンフィル帝国に対して野心を抱いていない事を印象付けさせると共に、1年半前の内戦や”七日戦役”の件に対する”謝罪”や”誠意”を示した事になるでしょう?」

「ついでに言えばカイエン公爵家の当主と結婚する事で、エレボニアの貴族達を纏めているエレボニア側のカイエン公爵家と直接の繋がりができる事で新興の大貴族になったシュバルツァー公爵家にとっても様々なメリットがある上、野心がないリィンが伴侶なら、カイエン公爵家側の跡継ぎや伴侶側――――要するにシュバルツァー家による政治介入の問題も発生しない可能性が非常に高いと考えられる。後は既にリィンに嫁いだアルフィン皇女よりも低い序列でリィンと結婚する事で、エレボニア皇家に対しても配慮をしたと見られるメリットもある。」

「………恐らく、御二方の推測通りと思われます。ミルディーヌの手紙にもリィンさんの”10番目の妻”になる事を目指しているとわざわざ目指している序列まで書いてありましたし………」

「………話を聞く限り、その公女ミルディーヌという人物は相当狡猾な人物のようですね。」

「そうね……ずる賢いというか腹黒いというか………しかも自分の目的の為に教官に言い寄ろうとしている所とかも含めてあんたみたいな性格の人物よね、その公女は。」

(みたいじゃなくて、”ミュゼ自身が公女ミルディーヌ”だと思うのだが………)

「まあ……私が”ずる賢い”やら”腹黒い”やら、ユウナさんったら、酷いですわ。政略の為に教官と結婚するつもりでいるミルディーヌ様と違い、私の教官への想いは一人の乙女として教官と結ばれたい純粋な恋心だというのに。シクシク………」

ルイーネやヴァイス、ユーディットの話を聞いてアルティナと共にジト目になったユウナがミュゼに視線を向けている中クルトは心の中で疲れた表情で指摘し、ミュゼはわざとらしく泣き真似をして答えてその場にいる全員を脱力させた。

 

「……………公女ミルディーヌとリィンの結婚の件は一端置いておくとしても、公女側の貴族派がリーゼロッテ皇女の後ろ盾として有力な候補である事は理解した。”巨イナル黄昏”阻止後のエレボニアの件については後で話し合うとして、まずはウィル達やセリカ達にも協力の要請をする必要があるな。」

「ああ。”巨イナル黄昏”阻止の為には特にセリカの協力は必須だろうし、世界は超えてまでゼムリア大陸の危機を伝えてくれた並行世界の新Ⅶ組を元の世界に帰してやる為にも”工匠に不可能は無い”という諺の第一人者であるウィルの協力も必須だろうしな。―――――エリィ、お前は機会を見てロイド達にも並行世界のユウナ達から聞いた話を伝えておけ。”巨イナル黄昏”阻止の為にはお前達――――”旧特務支援課”にも”黒キ星杯”に突入してもらうつもりだしな。」

「はい!ただ、ワジ君に連絡して実際に会って話す事はちょっと難しいかもしれませんが………現在第Ⅱ分校の教官として派遣されているランディにはどうやって伝えましょうか?今の所、私のエレボニア帝国への出張の予定はありませんが………」

リウイの言葉に頷いたヴァイスは今後の事を口にした後エリィに視線を向け、視線を向けられたエリィは静かな表情で頷いた後ある事を思い出してヴァイスに問いかけた。

「あら、わざわざエレボニアに出張しなくても、ランディ君――――第Ⅱ分校が来月にクロスベルに来てくれるのだから、その時にランディ君と会って伝えればいいのじゃないかしら。」

「”来月”って事はやっぱり、”三帝国交流会”のタイミングで第Ⅱ分校の”特別演習”と重なるみたいね?」

ルイーネの話を聞いてある事に気づいたミシェルはヴァイス達に確認し

「ああ。その件については後日、オルキスタワーの警備依頼の件も含めて詳細な説明をするが………遊撃士協会(そちら)もいざとなったらいつでもエステル達を動かせる手配は頼んだぞ?二大猟兵団や”黒の工房”、”鉄血の子供達(アイアンブリード)”、そして結社の残党共が最終的に手を組むのだから、こちらも最高戦力で挑む必要があるのだからな。」

「1年半前の襲撃の件で結社や赤い星座の猟兵どころか黒月(ヘイユエ)の構成員の大半を殺しまくってそれぞれの勢力を衰退させたアナタ達やセリカ達が手を組んだ時点で十分”鉄血宰相”に協力している裏の勢力の使い手達を圧倒できると思うんだけどねぇ…………まあ、アタシもその”黒キ星杯”、だったかしら?”巨イナル黄昏”を阻止させる為に何とかエステル達を帝都(ヘイムダル)での夏至祭の直前辺りの時期に密入国をさせてでもエレボニア入りをさせるつもりだったから、言われなくてもエステル達にも協力させるつもりよ。」

ヴァイスに話を振られたミシェルは苦笑した後気を取り直して答え

(な、何か、凄い豪華なメンバーが集まりそうね………)

(ああ………”リベールの異変”を解決した”剣聖”の子供達に”特務支援課”、異世界の英雄達、そして教官を含めた旧Ⅶ組………この様子だと僕達の時とは比べ物にならないくらいの多くの勢力が協力して”黒キ星杯”に挑みそうだな。)

(正直な所、”戦力過剰”と言ってもおかしくない気がします。)

(ふふっ、こちらの世界の私達があらゆる意味で羨ましくなってきましたわね。)

リウイ達の会話を見守っていたユウナの言葉にクルトは頷き、アルティナはジト目で指摘し、ミュゼは苦笑していた。

 

「さてと。これである程度話は纏まったが………お前達はこれからどうするつもりなんだ?」

「………とりあえず、帝都(ヘイムダル)での夏至祭の時までは遊撃士協会のお世話になる代わりに遊撃士協会の業務に協力するつもりです。」

「遊撃士協会の業務に協力するという事は遊撃士協会から仕事を貰って遊撃士と同等の活動をするおつもりですか?」

ヴァイスの問いかけに答えたクルトの話を聞いてある事が気になったユーディットはユウナ達に訊ねた。

「あ、はい。幸いにも遊撃士の活動と”特務活動”は割と似ていますから、あたし達にとっては”特務活動”の延長線上みたいな形ですから慣れていますし。」

「そうか。―――なら、そこに一つ提案だ。定期的に俺達――――”六銃士”や俺達の戦友―――クロスベル帝国の皇族や軍の上層部達との手合わせ―――まあ、要するに実戦に程近い模擬戦をするつもりはないか?」

「”模擬戦”、ですか……?」

「へ、陛下?一体何の為にユウナちゃん達に模擬戦を……」

ユウナの答えを聞いた後提案したヴァイスの提案にアルティナが首を傾げている中エリィは戸惑いの表情で訊ねた。

「お前達は元の世界に帰還すれば、”鉄血宰相”達の野望を打ち破り、お前達の世界のリィン達を助けるために今よりも強くなる必要があるのだろう?そして手っ取り早く強くなる方法は、”格上の存在”との戦いによる経験だ。―――――こう見えても俺達――――”六銃士”や時代を超えて再び集結した俺達の戦友達は”執行者”や”蛇の使徒”、或いは二大猟兵団の団長クラスかそれ以上の使い手の者だという自負はある。いずれリベンジする事になるお前達の世界の”鉄血宰相”達を打ち破る為の”糧”として俺達のような達人(マスター)クラスの使い手との戦いによる経験は必要だと思うのだが?」

「あ…………」

「それは………」

「確かに陛下の仰る通り、今の私達が元の世界に戻っても結社の”執行者”を始めとしたオズボーン宰相に組する使い手達との戦いの勝率は低いままですわね。」

「はい………特別演習の最中に起こった帝国政府のリィン教官に対する要請(オーダー)の件でも結社の使い手達と戦いましたが、結局どの戦いも教官達――――旧Ⅶ組の方々が戦った為、わたし達”新Ⅶ組”は結社の使い手達のような達人(マスター)クラスの使い手達との戦いの経験が教官達”旧Ⅶ組”と比べると圧倒的に不足しています。」

ヴァイスの指摘にユウナが呆け、クルトとミュゼ、アルティナはそれぞれ真剣な表情を浮かべた後それぞれ黙り込んでそれぞれの顔を見合わせて頷いた後ヴァイスを見つめて答えた。

 

「陛下のご厚意、私達の世界の終焉を食い止める一手の勝率を高める為にもありがたく受けさせて頂きますわ。」

「今この瞬間もあの人は―――リィン教官は自分を責めている………そんなの、絶対に放っておけません!教官を助ける為にもあたしたちはもっと強くなる必要がありますから、あたし達を鍛えてください……!」

「ああ……あの人には恩も借りもある―――――リィン教官を助ける事はリィン教官の教え子である新Ⅶ組(僕達)の役目だ。教官を助けるために僕達自身が異世界の英雄である貴方方に鍛えて頂く事は心から望む所です……!」

「”みんなを守ってみせる”――――彼女(ミリアムさん)の意志は、わたしが受け継ぎます。だから、わたしはもっと強くなる必要があります……!」

「貴女達…………」

「ふふっ、アナタ達を見ていると特務支援課の坊や達を思い出すようで懐かしくなってきたわね。」

(フフ、まさか貴女がそんな顔ができるようになるなんて………私達の世界の貴女も並行世界の貴女のように成長する事を願っているわ、ミルディーヌ……)

新Ⅶ組のそれぞれの決意の表情を見たエリィが驚いている中ミシェルと共に新Ⅶ組を微笑ましく見守っていたユーディットはミュゼを見つめていた。

「フフ、決まりみたいね。久しぶりに骨のある人達と戦える事にパティちゃんもきっと喜ぶでしょうね♪」

「それを言ったらガルムス元帥やベルあたりも喜ぶんじゃないか?あいつらもパティルナと同じ”戦闘狂”の連中だからな。―――――リウイ、お前達も並行世界の新Ⅶ組の強化に手を貸してやったらどうだ?特に隠居の立場であるリウイは割と時間があるんじゃないのか?」

「………隠居の立場とはいえ、俺はメンフィル帝国の”大使”だ。お前達と同じで緊急事態が起こらない限り、そう簡単に大使館を空ける事はできん。……とはいえ、その者達によって我が国の戦友達が窮地に陥る可能性が高い事を前もって知ることができたのだから、その”礼”代わりにその者達を鍛える時間を作ってやるつもりだ。」

一方エリィ達同様新Ⅶ組の様子を見守りながら微笑んだルイーネの言葉に苦笑しながら同意したヴァイスはモニターに映るリウイに話を振り、話を振られたリウイは静かな表情で答えた。

 

こうして………並行世界の新Ⅶ組は異なる世界のゼムリア大陸に将来起こりうるであろう世界の危機を伝え………いつか帰還する時と異なる世界のゼムリア大陸の危機に備え、異世界の英雄達の協力を得て自分達自身の実力を上げる為の修行を開始した―――――

 

 

 

並行世界のユウナ達が決意した所のBGMは閃Ⅲの”Spiral of Erebos”だと思ってください♪そしてお気づきと思いますが並行世界のユウナ達がエウシュリー勢によるブースト化フラグが……あれ?よく考えてみると唯一並行世界に来ていないアッシュだけ、ファンタジアの某弓使いのように仲間と再会時一人だけレベルが圧倒的に低いという事態に陥る気が(大爆笑)なお、次回更なる新クロスオーバーキャラが登場し、その新クロスオーバーキャラはレギュラーキャラ化します!ちなみにその新クロスオーバーキャラは光と闇の軌跡シリーズのどれかに既に出演しているキャラですww


 
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