No.922276

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート

soranoさん

第62話

2017-09-14 01:21:07 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2123   閲覧ユーザー数:1706

 

 

 

~パンダグリュエル・パーティーホール~

 

「な――――――」

「ハアッ!?」

「えええええええっ!?な、何でサティアさんが……!」

アイドスが登場した際、アイドスの容姿を見たオリヴァルト皇子は絶句し、シェラザードとアネラスは驚きの声を上げ

「ア、アハハ……予想はしていたけど、やっぱりオリヴァルト皇子達も驚いたわね……」

「というかむしろ、驚かない方がおかしいですよね……?」

「フッ、普段は驚かせる側のエステル・ブライトすらも驚いたとの事だからな。」

「エステルに限らず、アストライアを知っていたら、誰でも驚いて当然。エヴリーヌやリウイお兄ちゃんたちもアイドスの容姿を見た時、最初は驚いたし。」

オリヴァルト皇子達の様子を見たプリネとツーヤは苦笑し、レーヴェは静かな笑みを浮かべ、エヴリーヌは静かな表情で呟いた。

「フフ………――――私の名はアイドス・セイルーン。”オリンポスの星女神”の一柱にして”慈悲の大女神”。そしてリィンと共に将来を歩む事を決めた女の一人で、妻の序列は6位よ。よろしくね。」

「貴女がシルヴァン皇帝陛下達のお話に出て来たアイドス様―――いえ、女神様ですか……今回の戦争―――メンフィル・エレボニア戦争の和解条約の件で新たなリィンさんの伴侶の一人になる事になったアルフィン・ライゼ・アルノールと申します。わたくしの方こそ今後ともよろしくお願いします、女神様。」

アイドスが自己紹介をすると目を丸くしていたアルフィン皇女が会釈をし

「ふふっ、”女神様”だなんて他人行儀な呼び方をしなくてもいいわよ?貴女と私はこれからリィンを支える女同士になるのだから。」

「………わかりましたわ。今後ともよろしくお願いします、アイドス様。」

苦笑しながら指摘したアイドスの指摘に頷いたアルフィン皇女は再び会釈をした。

「………………」

一方アイドスの自己紹介を聞いたアリサ達は石化したかのように固まっていたが

「ええええええええええええええええええええええっ!?」

我に返ると多くの者達が驚きの声を上げた。

 

「め、めめめめめめめ、女神様!?」

「そ、そんなベルフェゴールさんよりもとんでもない存在がリィン君の婚約者の一人で、しかも妻の序列が下から2番目の6位って……」

「非常識にも程があるぞ!?」

「ふふ、道理で子爵閣下すらも為す術もなく敗れた訳ですわね。」

「そ、そうですね。相手は”神”との事ですから、”神”と戦って生きている方が不思議なくらいかと。」

「それ以前に”彼女”が本当に女神様なのかどうか、わかりませんが………」

「……少なくても”彼女”は”人の身では決して届かない尋常ならざる存在”だ。それは実際に剣を交えた私が一番よく理解している。」

「父上……」

我に返ったエリオットは混乱し、表情を引き攣らせているトワの言葉に続くようにマキアスは疲れた表情で声を上げ、苦笑しながら呟いたシャロンの言葉にクレア大尉は冷や汗をかいて同意し、ジョルジュは困った表情でアイドスを見つめ、静かな表情で呟いたアルゼイド子爵の言葉を聞いたラウラは驚き

「というか”女神”って言っていたけど、もしかして”空の女神”?」

「名前も”アイドス”だから、”エイドス”とかなり似ているよね~。」

「阿呆。”慈悲の大女神”と名乗っていたから、”空の女神”の訳がないだろうが。」

「という事は彼女は異世界の”女神”なのか………」

「ったく、エステル達に力を貸しているフェミリンスって女神の事と言い、異世界の女神は何を考えて、一人の人間に力を貸しているのよ……」

「まあ、それこそ言葉通り”女神のみぞ知る”だろうな……」

フィーとミリアムの会話を聞いていたユーシスは呆れた表情で指摘し、ガイウスは興味ありげな様子でアイドスを見つめ、サラとトヴァルはそれぞれ疲れた表情で溜息を吐いた。

「クク、予想通り、今まで紹介したリィンと協力契約している連中の中で一番驚いているな♪」

「そ、それはそうですよ……”女神”がたった一人の人を寵愛しているなんて、普通に考えたらありえませんし……」

「フフ、私も教え子が女神に見初められたという話を聞いた時は本当に驚きましたね。」

「まあ、アイドス殿の件を除いてもリィンの周りの女性は普通に考えたら驚く存在ですけどね……」

「……こうしてマスター達の事を知って、改めて疑問に思いました。何故”蒼の深淵”はマスター達の戦力等を全て把握した上で、マスター達の逆鱗に触れるような事をわたしにさせることを考えていたのでしょうか?」

「ア、アハハ……少なくてもベルフェゴールさん達の事は把握していないと思いますよ?」

「そうね……普通に考えたら兄様が魔王や女神に寵愛されているなんて、想像できないもの。」

驚いている様子のアリサ達を見て笑いを噛みしめているフォルデにステラは疲れた表情で指摘し、セシリアとサフィナは苦笑し、ジト目で呟いたアルティナの疑問を聞いたセレーネは冷や汗をかいて苦笑しながら答え、セレーネの推測にエリゼは呆れた表情で同意した。

「…………あの時感じた凄まじい神聖な霊力(マナ)の感じからして、神の眷属か天使の類かと思っていたけど、まさか”神”自身だったとはね……」

「それも”オリンポス神話”に出てくる神の一柱だなんて………」

「エマはアイドス殿の事について知っているのか?」

セリーヌは目を細めてアイドスを見つめ、信じられない表情で呟いたエマの言葉が気になったラウラはエマに訊ねた。

 

「はい。皆さんは”星座”を知っていますか?」

「”星座”……確か夜空に輝く星の並びの事だったか?」

エマの問いかけにガイウスが答えてエマに確認し

「そうです。そして”オリンポス神話”とは”星座”の誕生に関係していると言われている伝承でして……彼女―――アイドスさんの”姉神”にあたる”女神アストライア”は星座の”おとめ座”と”天秤座”と強く関係している女神なんです。」

「ちなみに女神”アストライア”はさっき現れた”七大罪”の魔王―――ベルフェゴールとある意味似た存在でね……女神アストライアは”正義”が神格化した存在と言われている事から”正義の女神”と呼ばれているわ。そして女神アストライアは天に輝く星となった事から、”星乙女”とも呼ばれているわ。」

「”天秤”に”星乙女”って、先輩……!」

「ええ……どちらもサティアさんと強く関係している言葉ね。」

「ハハ、改めてサティアさんの凄さを思い知ったね。……それにしてもアイドスさん、だったかな?声といい、容姿といい、まるでサティアさんのように見えるけど、貴女達は双子―――いや、三つ子の姉妹だったのかい?サティアさんからは姉君と妹君がいる話は聞いていたが……」

エマとセリーヌの説明を聞いて信じられない表情をしているアネラスに視線を向けられたシェラザードは真剣な表情で頷き、オリヴァルト皇子は苦笑した後戸惑いの表情でアイドスを見つめて訊ねた。

「へ………」

「オリヴァルト殿下は先程の話に出て来た女神殿ともお知り合いなのですか?」

オリヴァルト皇子の質問を聞いたエリオットは呆けた声を出し、アルゼイド子爵は驚きの表情でオリヴァルト皇子に訊ねた。

「ああ。先程エマ君達の話に出て来たサティアさん――――”正義の大女神アストライア”も”影の国事件”に巻き込まれて、共に協力し合った仲間なんだ。」

「ええっ!?という事はオリヴァルト殿下は”空の女神”の両親だけでなく、伝承で出てくる女神とも出会ったんですか!?」

「その”影の国”という所は一体どんな非常識な所だったんだ……?」

「ア、アハハ………”影の国”を評価したら”非常識”という言葉すらも生温いと思える言葉ですよね?」

「そうね………特に巻き込まれたメンツの中にはリウイ陛下を始めとしたカシウス先生どころか、結社も真っ青になるような存在が何人もいたものね……」

オリヴァルト皇子の話を聞いたアリサは驚き、疲れた表情で呟いたマキアスの言葉を聞いたアネラスは苦笑しながらシェラザードに視線を向け、視線を向けられたシェラザードは疲れた表情で同意し、アネラスとシェラザードの会話を聞いていたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「オリヴァルト殿下達が巻き込まれたという”影の国事件”はそのような凄まじい存在が複数協力しあった事でようやく解決できた難事件だったのですか……」

「うわ~……もし、そんなとんでもないメンツが現実に揃ってその気になったら、エレボニアやカルバードが国家転覆させられたかもね~。」

「フン、洒落になっていないぞ。」

「不謹慎な事を言わないでください、ミリアムちゃん……」

「くふっ♪オリビエと似たような事を言っているね。」

「エ、エヴリーヌさん。」

我に返ったラウラは信じられない表情で呟き、ミリアムが呟いた言葉を聞いたその場にいる多くの者達が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中ユーシスは鼻を鳴らし、クレア大尉は疲れた表情で指摘し、不敵な笑みを浮かべて呟いたエヴリーヌの言葉を聞いたツーヤは冷や汗をかいた。

「フフ………話を戻すけど、貴方の疑問―――私が”アストライアお姉様とあらゆる意味で似ている事は当然”よ。この身体は元々アストライアお姉様のものだったし。」

「そ、それってどういう事なんですか……?」

「ハアッ!?」

「ちょ、ちょっと待ってください!アイドスさんの身体が元々サティアさんのものって、おかしくないですか!?だって、今のサティアさんの身体の持ち主もいるんですよ!?」

苦笑しながら答えたアイドスの答えが気になったトワが困惑の表情をしていると、シェラザードは驚きの声を上げ、アネラスは信じられない表情でアイドスに訊ねた。

 

「アネラス達は何か事情を知っているのか?」

「は、はい………その……サティアさん―――アストライアという女神は様々な複雑な事情によって、サティアさんが心から愛する男性に自分の身体を譲り渡しましたから、アイドスさんの身体が元々サティアさんのものというのは辻褄が合わないんです………」

「男に自分の身体を譲り渡すって、どういう事よ?」

トヴァルの疑問に答えたアネラスの答えが気になったサラは不思議そうな表情で訊ねた。

「サティアさん―――女神アストライアは現世では死に瀕した愛する男性を救うために男性の魂を自分の身体に譲り渡す事で男性を生かして、自分自身の魂は新たなる生を受ける為に現世を彷徨っていたのよ。」

「あ、ありえない……自身の肉体を別の人物の魂を宿して蘇生させるなんて……!」

「……まあ、”女神”だからこそ、できた秘術かもしれないわね。」

シェラザードの説明を聞いたエマは信じられない表情をし、セリーヌは真剣な表情で呟いた。

「うふふ、ちなみにサティアお姉さんから身体を譲り渡してもらって、蘇生した男性は事情を知らない人達からは”神を殺した存在”――――”神殺し”の異名で恐れられていてね……存在しているだけで様々な”災い”を呼び寄せる事から”世界の禁忌”とも呼ばれているわ。」

「せ、”世界の禁忌”…………」

「め、滅茶苦茶過ぎる………」

「まさに言葉通り”生きた災害”だな。」

「愛する女性を失って、世界から恐れられているその男性は何を思って生きているのだろうね……」

レンの説明を聞いたエリオットは呆然とし、マキアスは疲れた表情で呟き、ユーシスは真剣な表情で呟き、ジョルジュは悲しそうな表情で呟いた。

「ハハ、心配しなくても今の”彼”の周りには”彼”を慕う多くの仲間達がいるし、彼が愛する女神―――サティアさんがある人物の子供として生まれ変わる事もわかっているから、”彼”はその時が来ることを待ち望んで生きていると思うよ。」

「お兄様はその方についてもご存知なのですか?」

「もしかしてその人物も”影の国”という所で出会ったの?」

オリヴァルト皇子の答えを聞いてある事が気になったアルフィン皇女とフィーはオリヴァルト皇子に訊ねた。

 

「ああ。話を戻すが……アイドスさん、”彼”が健在であるにも関わらず、何故サティアさんの身体の持ち主が貴女なんだい?」

「それについては私も未だにわからないのよ。”影の国”の”試練”で私はアストライアお姉様とセリカに止めを刺されたはずなのに………気がついたらお姉様の身体で生まれ変わっていたもの。」

「何ですって!?」

「か、『影の国の試練でサティアさんとセリカさんに止めを刺された』って……もしかしてアイドスさんは、”影の国”のセリカさん達の”試練”に出て来た相手だったんですか!?」

オリヴァルト皇子の質問に対して静かな表情で答えたアイドスの答えを聞いたシェラザードは血相を変えて声を上げ、アネラスは信じられない表情でアイドスに訊ねた。

「ええ。それもセリカ達の”試練”の最後の相手の一人としてね。」

「セ、セリカさん達の”試練”の……しかもよりにもよって最後の相手だなんて……」

「ハハ、”裏ボス”すらも霞むような存在のセリカさん達にとってのラスボスを務める事ができるのだから、アイドスさんの強さは少なくてもセリカさん達クラスだろうね。」

「あのサティアさんの妹だから、とんでもない強さである事は予想していたけど、まさかよりにもよって”影の国”が関わっていたとはね………それにしてもアイドスさん。サティアさんの肉体に貴女が宿っているという事は現世ではサティアさんのように、既に死んで新たなる生を受ける為に貴女の魂が現世を彷徨っていたのかしら?」

アイドスの答えを聞いたアネラスは表情を引き攣らせ、オリヴァルト皇子は苦笑し、疲れた表情で溜息を吐いたシェラザードは気を取り直してアイドスに訊ねた。

「いえ、遥か昔現世で”邪神”と化した私はセリカとの決戦で、”魂ごと滅ぼされたから”本当なら2度と転生なんてできなかったのだから、今の状況は本当に不思議なのよ。」

「ええっ!?」

「セリカさんとの決戦って、どういう事よ?サティアさんの妹が貴女がどうしてセリカさんと戦う事に………」

驚愕の事実を知ったアネラスが驚いている中シェラザードは複雑そうな表情でアイドスに訊ねた。

 

「………転生する前の私は”色々あって”、既に正気を失って邪悪なる神―――”邪神”と化していたの。そして正気を失っていた私はアストライアお姉様の事も憎んでいたから、アストライアお姉様の肉体を持つセリカを滅ぼす為にセリカと何度も戦いを繰り広げて………最後は”狭間の宮殿”でセリカに討たれたわ。」

「その……当時セリカ様の使い魔であったペルルやアムドシアスの話ですと、アイドス様は当時のセリカ様にとっての決着を付けるべき因縁の相手だったそうです。」

「ハハ……という事はアイドスさんはセリカさんにとっての正真正銘のラスボスの一人だったのか。フッ、そんなとんでもない存在すらも惹きつけたリィン君の女性の運を是非私にも分けてもらいたいよ♪」

「いや、そんな意味のわからない事を言われても困るんですが……」

アイドスとプリネの説明を聞いたオリヴァルト皇子は苦笑した後静かな笑みを浮かべてリィンを見つめ、オリヴァルト皇子の言葉にその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて脱力している中リィンは疲れた表情で指摘した。

「えっと……その、アイドスさん。もしかして今もセリカさんやサティアさんの事を憎んでいるのですか……?」

「まさか。セリカとは既に和解したし、将来エステルの娘として生まれてくるアストライアお姉様とも1日でも早く会って、和解したいと思っているわ。」

複雑そうな表情をしているアネラスの問いかけにアイドスは苦笑しながら答えた。

「ハアッ!?何でそこでエステルが出てくるのよ!?」

「しかもエステルの娘として生まれてくるって、一体どういう事だ?」

「うふふ、さっきオリビエお兄さんの話にあったでしょう?女神アストライアは愛する男性―――セリカお兄さんに肉体を譲って、自身の魂は現世を彷徨っていたって。あの話には続きがあってね……”影の国事件”に女神アストライアの魂も巻き込まれた事によって、”影の国”が持つ”想念”の力でセリカお兄さんに肉体を譲り渡す前の身体を持った状態で現れてね。そして”影の国事件”が解決してみんながそれぞれ元の世界に帰る前に女神アストライアは”影の国”が持つ”想念”の力を利用して自身を魂に戻して、エステルに宿ったのよ♪」

「ええっ!?そのエステルさんって人は確か”百日戦役”で活躍したリベールの英雄――――”剣聖”カシウス・ブライトの娘で”ブレイサーロード”でしたよね!?」

「そして”空の女神”の子孫でもあるね。」

「女神が自身の魂を”人”の肉体に宿らせたという事はまさかそのエステルさんという方は”女神”の力を扱えるのですか!?」

アイドスの話を聞いて驚いたサラとトヴァルの疑問にレンが小悪魔な笑みを浮かべて答え、レンの答えを聞いたエリオットは驚き、フィーは静かな表情で呟き、エマは信じられない表情でレンに訊ねた。

 

「ええ。―――とは言っても、肉体はエステル―――”人間”だから女神アストライアのみしか扱えない神剣――――”天秤の十字架(リブラクルース)”をエステルも扱えるようになっただけだけどね。」

「”人”が特定の神のみしか扱えない”神剣”が扱えるだけでもとんでもない出来事よ………”神剣”―――それも特定の神専用の神剣なんて、古代遺物(アーティファクト)ですらも比べ物にならないとんでもない代物なんだから、そのエステルって人間がその気になれば下手したらその神剣を一振りするだけで大地や海を裂く事ができる上”軍隊”を壊滅に追いやる事もできるのじゃないかしら?」

「な―――――」

「ほええええ~~~っ!?”ブレイサーロード”って、そんなとんでもない剣を持っていたの~~!?」

「ひ、非常識にも程があるぞ!?」

「フフ、エステル様が所持しているというその”神剣”はレーヴェ様が”盟主”より授かった”外の理”によって造られた”魔剣”―――ケルンバイタすらも超えた剣なのでしょうね。」

「フッ、”ケルンバイター”どころか、”鋼の聖女”の得物である”槍”すらも比べものにならないな。」

「”鋼の聖女”に”槍”………?」

レンの説明を聞いて呆れた表情で補足したセリーヌの説明と推測を聞いたクレア大尉は驚きのあまり絶句し、ミリアムは信じられない表情で声を上げ、マキアスは疲れた表情で声を上げ、苦笑しながら呟いたシャロンに静かな笑みを浮かべて指摘したレーヴェの口から出たある言葉が気になったラウラは考え込んでいた。

「アイドス殿の姉君がそのような凄まじい業物を持っていたという事はバリアハートで抜いたアイドス殿の尋常ならざる”剣”も、アイドス殿のみしか扱えない業物なのか?」

「ええ。――――あの神剣の名は”真実の十字架(スティルヴァーレ)”。アストライアお姉様が持つ天秤の十字架(リブラクルース)にとって姉妹剣に当たる私専用の”神剣”よ。」

「ア、アイドスさんの神剣がエステルちゃんがサティアさんから受け継いだ天秤の十字架(リブラクルース)の姉妹剣って………」

「ハハ、まさか最後の最後にあらゆる意味でとんでもない存在が控えていたとはね………そう言えば子爵閣下の話では貴女もセリカさんの剣技―――”飛燕剣”を扱えるとの事だが……」

アルゼイド子爵の質問に答えたアイドスの説明を聞いてアイドスが持つ神剣の凄まじさを悟ったアネラスは表情を引き攣らせ、オリヴァルト皇子は苦笑した後アイドスに訊ねた。

 

「ええ、”飛燕剣”も扱えるわ。とは言っても、セリカ程の腕前じゃないけど………」

「うふふ、アイドスお姉さんの”飛燕剣”を含めた剣の腕前はセリカお兄さんの話だと、自分やパパには劣るけどカーリアンお姉さんやファーミシルスお姉さんとなら互角に戦えると思うって言っていたわよ?それと当然の事だけど、アイドスお姉さんの肉体はサティアお姉さんだから、サティアお姉さんが使っていた魔術や大魔術、後はアイドスお姉さんが扱える魔術や大魔術、”神術”も扱えるわよ?」

「ええっ!?”戦妃”や”空の覇者”と互角!?」

「あの”飛燕剣”を扱える上、剣の腕前はカーリアンさんやファーミシルス大将軍クラスで、サティアさんが使っていた魔術まで使えるって………」

「おまけにサティアさんのようにアイドスさん専用の”神術”もあるでしょうから、とんでもない戦闘能力じゃない………」

「ハハ、下手したら彼女の方がセリカさんやサティアさんよりもチートな存在かもしれないね。」

アイドスとレンの説明を聞いたエリオットが驚いている中アネラスは再び表情を引き攣らせ、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、オリヴァルト皇子は苦笑していた。

「”神術”……?それは一体どういうものなのだ?」

「……”神術”はその名の通り、神々のみが扱える魔術―――いえ、”奇蹟”よ。」

「”奇蹟”というと、七耀教会に伝わっている伝説の”至宝”みたいな”力”か?」

アイドス達の会話を聞いてある事が気になったガイウスの疑問に答えたセリーヌの答えを聞いたトヴァルはセリーヌとエマに視線を向けて訊ねた。

「はい、恐らくは。それどころか、アイドスさんは”至宝”をも超える”奇蹟”を起こせるかもしれません。”オリンポス神話”に登場する神々は神々の中でも相当”格”が高い神々が多く、アイドスさん――――”正義の女神”の妹神である”慈悲の女神”も”神”としての”格”は高い方ですし………」

「ふええええええっ!?」

「神々の中でも”格”が上という事は、ひょっとしたらアイドスさんは”空の女神”をも超える存在なんじゃ……」

エマの説明と推測を聞いたトワは驚きの声を上げ、ジョルジュは表情を引き攣らせてアイドスを見つめた。

「ふふっ、さすがに持ち上げ過ぎよ。ゼムリア大陸自身を味方につけている”空の女神”―――エイドスと違って、私の”神術”のほとんどは星々の力を借りた術だもの。」

「”星”の力を借りるだけでもとんでもなさすぎよ。この”ゼムリア大陸という星の外”―――”宇宙”に存在する”星”の数はそれこそ無数なんだから。」

苦笑しながら答えたアイドスのとんでもない答えにその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中セリーヌは呆れた表情で指摘した。

 

「うふふ、今までの説明を聞いてわかったでしょう?アイドスお姉さんはああ見えて、”特務部隊”―――いえ、メンフィル帝国の中でも”最強”を誇る戦力である事に。」

「ふふっ、アイドス様は”女神”なのですから”ゼムリア大陸真の覇者”と恐れられているメンフィル帝国でも”最強”と呼ばれて当然でしょうね。」

「というか女神が一人の人間と婚約した挙句、妻の序列が6位って色々と非常識過ぎよ………」

「あの……アイドス様はどうして女神様なのに、リィンさんの伴侶の一人になる事を決めて、妻としての序列が低い事に納得されているのですか?」

小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの答えにその場にいる多くの者達が再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中シャロンは苦笑し、アリサは疲れた表情で溜息を吐き、アルフィン皇女は不思議そうな表情でアイドスに訊ねた。

「フフ、それについては私は私の”家族”になる人達にしか教えないつもりだから、貴女がリィンと本当の夫婦になった後に教えてあげるわ。―――それじゃあ、一通り私の紹介は終わったから私も戻るわね。」

アルフィン皇女の問いかけに対して優し気な微笑みを浮かべて答えたアイドスはリィンの太刀の一つに戻った。

「―――さてと。これで紹介していなかったリィンお兄さんの残りの婚約者さん達も紹介したし、”Ⅶ組”の中で”特務部隊”のある人に一番色々と言いたい事や聞きたい事があるマキアスお兄さん。ちょうど良い機会だから、”特務部隊”のある人に言いたい事や聞きたい事を言っちゃってくれないかしら?」

そしてアイドスがその場から消えるとレンが予想外の提案を口にした。

 


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