No.920495

ポケモンDPt 時空神風伝 16

フウイさん

今回はヨスガジムでのバトルをお届けいたします~

2017-08-30 16:38:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:414   閲覧ユーザー数:414

 

ヨスガジムのメリッサ

 

よくはれたヨスガシティの朝。

クウヤは今日、このヨスガシティのジムのジムリーダーとポケモンバトルをすることになっていた。

相手のポケモンはゴーストタイプのポケモン。

ということでクウヤは朝から自分のポケモンのコンディションをチェックしジム戦に備えていた。

 

「・・・よっしゃ、今日のジム戦もがんばっちゃおうぜ!」

 

その準備も整いポケモン達も絶好調になったところでクウヤはヨスガジムにきた。

 

「イーブはおれのジム戦をみていてくれよ」

「ぶぅい」

 

腕に抱いているイーブには、そう言った。

イーブはまだ新入りでまだクウヤとのバトル呼吸が整っていない。

なのでまずは、自分のポケモンバトルを見せてから、これからどう育てればいいかを考えようという提案に至ったのだった。

 

「たーのもー!

ここのポケモンジムのバッジをもらいにきたぞぉー!」

「ワァーオ、お待ちしていましたクウヤクン!」

 

クウヤがそう大声を上げると、ジムの扉が開き、その先にはメリッサの姿があった。

 

「にしてもアナタ、元気と威勢がいいデスネ・・・まるで道場破りデース!」

「・・・なんかイヤだな、道場破りって」

 

メリッサに悪気はないが、あまり喜ばしくない呼び方で呼ばれ、クウヤは苦笑する。

そんなこともあったが、メリッサと審判の女性に案内され、ジムの奥のバトルフィールドに移動させられた。

 

「・・・てんじょうがたっけーな」

 

クウヤの言うとおり、このバトルフィールドは高低差があり地面と天井は大きく離れていた。

サイドには観客席がある。

 

「特別な日にはここでポケモンコンテストをやったりポケモンバトルの見学をさせているのデス。

そのためにここは高くて広くて、観客席もあるのデスヨ!」

「あ、そーなんだ」

「そうなんデス!

じゃあ、ポケモンバトル、はじめまショッ!」

「うん!」

 

クウヤとメリッサは互いに所定の位置に着いた。

 

「これよりヨスガジムリーダーのメリッサと、ルネシティのクウヤによる

バッジをかけた公式戦を行います!

使用ポケモンは2匹、両者、用意はいいですね!」

「では参りまスヨ!

ワタシ、ジムリーダーとして勝ってみせますカラ!」

「おれだって、負けないさ!」

「では試合開始!」

 

審判の合図とともに、二人は互いに一匹目のポケモンを出す。

 

「ではいきますよ、ムウマージ!」

「一匹目はおまえでいくぜ、ズーバ!」

 

メリッサはムウマージ、クウヤはズーバをそれぞれバトルに出した。

 

「ムウマージ、、シャドーボール!」

「ズーバ、エアスラッシュ!」

 

いきなりお互いの技が衝突しあい爆発を生む。

 

「ちょうおんぱ!」

「サイケこうせん!」

 

クウヤは変化技を指示したが、サイケこうせんにはばかれさらにそれはズーバに命中する。

どくタイプにエスパーわざは有効・・・ズーバにはその一撃は大きかった。

 

「大丈夫かズーバ!?」

「ゴルバッ!」

「よっし、はがねのつばさだ!」

 

はがねのつばさでムウマージにつっこんでいき、ダメージを与える。

 

「ワオ、すごいスピード!

でもワタシ、負けませんヨ、シャドーボール!」

「つばさでうつ攻撃でつっこんでいけ!」

 

つばさでうつ攻撃を繰り出してシャドーボールを巻き込んで、ムウマージに突撃してダメージを与える。

 

「・・・ワオ、今日のポケモンバトルは激しいデース」

 

メリッサは、このバトルにたいし燃えていた。

 

 

「ムウマージ、サイケこうせん!」

「かげぶんしんでかわせ!」

 

相性抜群のサイケこうせんを放ち一気にダメージを与えることをねらったムウマージだが、その攻撃はかげぶんしんによって遮られる。

それに対しメリッサはマジカルリーフで本物を割り出しそこから攻撃に転じる策をとり実行、本物のズーバをさがし当てた。

だがムウマージ攻撃に転じる前にズーバがエアスラッシュでムウマージに攻撃したことで動きを封じられひるむ。

 

「そこだ、つばさでうつ攻撃!」

 

怯みから立ち直る前にクウヤはズーバに指示を出し、ムウマージを攻撃して倒した。

 

「ノゥ、ムウマージ!」

「ムウマージ戦闘不能、ゴルバットの勝ち!」

「へへっ、やったぜズーバ!」

 

クウヤがズーバとともに勝利を喜んでいると、メリッサはムウマージにいたわりの言葉をかけてボールに戻した。

 

「アナタは強い、バッジ2個は伊達じゃありまセン。

でもワタシまだ負けまセン、フワライド、いってきなサーイ!」

 

メリッサが次に出してきたのはフワンテの進化系、風船ポケモンのフワライドだ。

丸い体でぷかぷか浮いているそれに、クウヤは図鑑を向けてゴーストタイプとひこうタイプを持っていることを知る。

 

「フワライド・・・どうだズーバ、いけるか?」

「ゴルバッゴルバ!」

「よっしゃ、つばさでうつ攻撃だ!」

 

ズーバがまだ戦えるというアピールをしてきたので、クウヤは迷わず攻撃技を指示した。

 

「受け流しなサイ」

「えっ!」

 

だがその勢いのある攻撃は簡単にかわされてしまう。

さらにクウヤははがねのつばさを指示したがそれもゆっくりとした動きで回避されてしまう。

 

「くそっ・・・」

「この子の防御は、相手のスピードを利用して成立するのデス!

フワライド、シャドーボール!」

「まずっ、エアスラッシュ!」

 

シャドーボールを相殺するために繰り出されたこの一撃は何とかフワライドに命中したが、それでもフワライドは余裕だった。

 

「フワライド、たくわえるんデス」

「ぷわわー」

「動きが止まった、いまだつっこめ!」

「ゴルバッ!」

 

たくわえていて動きが止まったところにクウヤは直接攻撃技を指示してフワライドを攻撃する。

連続で攻撃して正気を見いだそうとするクウヤだったが、そこでメリッサは怪しい笑みを浮かべてフワライドに次の行動を指示した。

 

「のみこみなサイ!」

 

その行動はフワライドのダメージを一気に回復した。

 

「体力が回復した!」

 

のみこむという技は、たくわえるという技を使った回数分だけその回復量が増す。

その衝撃にクウヤは驚きつつも、再びつばさでうつ攻撃を指示した。

 

「さぁ、フワライド!

10まんボルトをお見舞いしてくだサイ!」

「えーっ!」

 

まさかのでんき技にクウヤは焦ってしまった。

 

「やばい、ズーバ、かわせ!」

「遅いデスヨ!」

 

フワライドのゆっくりした動きとは逆に、攻撃のスピードが速く、ズーバに10まんボルトがヒットしてしまった。

 

「ズーバ!」

「ゴルバット戦闘不能、フワライドの勝ち!」

 

ズーバが地面に落ちて戦闘不能になったことで、お互いの残りポケモンは一体ずつになってしまった。

 

 

「ズーバ、ここまでさんきゅな。

おまえの頑張り、絶対無駄にしないぜ」

 

クウヤはズーバをボールに戻す。

足下でイーブがクウヤを心配そうにみていたが、クウヤはそんなイーブに大丈夫と声をかけて、バトルフィールドに視線を戻し次のポケモンをそこに出す。

 

「ここはおまえに任せるぜ、いけ、トーム!」

「トートットトトト!」

 

クウヤが2匹目に出したのは、フワライドに相性のいいトームだった。

 

「ワァオ、ロトム!

フワライドには有利なポケモンデスネー!」

「ああそうだ、だから一気に攻めるぜ!

トーム、ほうでん!」

 

広範囲の電気攻撃はフワライドを捕らえ大きいダメージを与える。

それをフワライドはたくわえるを使って耐えた。

 

「トーム、シャドーボール!」

「こちらもシャドーボールデース!」

 

トームとフワライド、双方のシャドーボールは衝突し相殺しあった。

さらにクウヤはあやしいかぜでフワライドを攻撃するが、たくわえるで防御されてダメージを軽減されて、さらにのみこむで回復までされた。

攻撃してもたくわえるで防御して、のみこむで回復・・・。

その繰り返しが続いた。

 

「うふふふ、フワライドの耐久力、いかがデスカ?」

「くぅー、キリがないぜ!」

 

クウヤも相手の防御力にじらされる。

トームも相手の防御の合間に何度か攻撃を受けていたので体力がいつまでもつかはわからない。

 

「こうなったら連続攻撃から一気に決めるしかねぇか・・・あ、そうだ!」

 

そこでクウヤは思い出した。

今朝、トームには新しい技が芽生えていたことを。

 

「トーム、ほうでんからあやしいかぜだ!」

 

今それを放つときだと確信し、連続で広範囲の技をたたき込み、再びのみこむを使われる前に追撃としてそれを繰り出させた。

 

「たくわえるの力なんて関係ないくらいの新しい技・・・決めるぜ!

トーム、かみなり!」

 

強力な電気タイプの大技はフワライドに刺さった。

 

「フワライド!?」

 

この一撃にはフワライドは耐えられず、そのまま地面に落ち、戦闘不能になった。

 

「フワライド戦闘不能、ロトムの勝ち!

よってこの試合、勝者はチャレンジャー、ルネシティのクウヤ!」

「やった、やったぜトーム!」

「トトトトトトーッ!」

 

喜ぶクウヤの周りを、トームもまた喜んで飛び回る。

 

「オー・・・負けちゃいマシタ。

フワライド、お疲れ様デス、アナタは自分らしく全力で戦った・・・十分すぎるくらいに輝きマシタ。」

「ぷわわ」

「さぁ・・・戻って休んでくだサイ。」

 

メリッサはフワライドを労りその勝負の姿をたたえつつ、フワライドをボールに戻す。

 

 

「クウヤクン、コングラッチュレイショーン!」

「わぁっ!」

 

一気に自分に近づきテンションの高いダンスと声でほめられ、クウヤはびっくりする。

 

「め、メリッサさん!」

「アナタもポケモンたちも、強く輝いて全力を出していまシタ。

そのパワー、疑う必要はないデス、ワタシ、素直にアナタの実力、みとめマス!」

 

そう言いメリッサはどこからともなく紫色のバッジを見せた。

 

「これが、ヨスガジムにずっとつたわる、レリックバッジです!」

「あ、ありがとう、メリッサさん!」

 

クウヤはメリッサからレリックバッジを受け取り、それをバッジケースにしまう。

これでバッジは3つ集まり、クウヤは笑顔になる。

 

「それと、これアナタのポケモンにもサービスデース」

「え?」

 

メリッサがクウヤに手渡したバスケットの中にはみたことないおかしのようなものがつまってた。

 

「これは?」

「これはポケモン用のお菓子、ポフィン。

木の実を使って作るんデスヨ」

「へぇ・・・ポロックみてぇだな」

 

ホウエン地方にある、木の実を使ったポケモン用のお菓子のことを思い出すクウヤ。

 

「ついでに、アナタにもコレ」

「お?」

 

そう言ってメリッサはクウヤにもバスケットを差し出す。

そのバスケットを開けるとそこにはマカロンがたくさん入っていて、クウヤは思い切り目を輝かせた。

 

「うわぁおいしそー!」

「ワタシ、これでも料理が大好きなのデス!

いつも作ってて、色んな人に食べさせて喜ばせるのも大好きデス!」

「そうなんだ!」

「ワタシは人やポケモンと一緒にいて、楽しんで笑うことが大好きデス、だからこのお菓子も、ポケモンジムでのバトルもコンテストのパフォーマンスも、すべてやりきれるのデス!

そして、ほかのポケモントレーナーと同じように、もっともっとがんばりたいんデスヨ!」

「・・・人とポケモンと一緒にいて楽しんで笑う・・・」

「それでこそ、人もポケモンもいまよりずっとずっと輝かせるんデス」

 

メリッサは明るく笑ってそう語る。

常に人やポケモンを輝かせることに自分も影響を受けて、前にたち人を引きつけひっぱる彼女らしい言葉だった。

そんな彼女だから、ジムリーダーとコンテストの両立を可能としているのだろう。

 

「さぁ、アナタ達、遠慮なくそれを食べて、もっと笑顔になってください!

それがアナタ達、そしてワタシ達の元気につながりマス!」

「うん! それじゃあ、いただきまーす!」

 

クウヤの言葉と同時に、彼のポケモンもポフィンを口に入れる。

クウヤもまた、マカロンを手にとって食べた。

 

「うんめぇー!」

 

そのほどよい甘さに、クウヤは笑顔になる。

ポケモンたちも同じ気持ちのようで、笑っていた。

 

「よーし、気合いを入れて次の町を目指して進むぜ!」

 

そうして翌日、クウヤは回復したポケモンと共に、ヨスガシティを旅立った

 


 
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