No.912887

yurigame!03~ももvなる~

初音軍さん

アニメ二期放送も近づいてきたので新しく入ってくる二人のお話。
軽く浮かんだ百合イチャイチャSSを。

ももはともかくなるってキャラ班との接点が少ないから呼び方が不明。
仲良くなってるからすでに名前呼びの可能性はあるけど。一応ね。

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2017-07-05 12:18:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:688   閲覧ユーザー数:688

Yurigame!03~ももvなる~

 

【ツバメ】

 

 忙しかった研修期間も無事終えて初の給料明細を渡され上機嫌。

しかも今日の分のノルマはこなしたし、追加の作業もないから久しぶりに

ももと一緒に帰れる!

 

 うみ子さんに報告をして問題ないことを確認してから私は荷物を持って

ブースを出る。それからキャラ班が仕事をしている所にそっと顔を出して

忙しくないか確認をしていると、たまたま涼風さんが私の前を通ってきて

私に気付くとどうぞと中へ通された。

 

 するともらったばかりの私のように明細書をジッと見てるももの姿があって

私はそっと近寄ってからももの肩をちょっと強めに叩いて驚かした。

 

「もーも!初給料おめでとう!」

「わぁっ!」

 

 盛大に驚いた後、不満そうな顔をして振り返るもも。

 

「…何?」

「今日一緒に帰れるよ」

 

「そう…よかった」

 

 キャラ班の方も仕事は順調のようでこの日はももも残業することなく帰れるようだ。

キャラリーダーの滝本さんに二人で挨拶をして荷物を持って帰ることにした。

そして街中を歩きながらお金の使い道について話し合った。

 

「さて、給料何に使うか決めてるの?」

「お肉」

 

「またそれか…。でも今日は別のことにも使ってもらうよ」

「…え?」

 

「いや…そんな怪訝な顔しなくても」

 

 以前風邪引いて会社を休んだことがある。私が心配しなくてもちゃんとやれてると

思っていたのに翌日しっかり治した後にキャラ班の涼風さんに話を聞いてびっくりした。

髪も服装も乱れていたらしい。涼風さんからしたらそういうファッションだったと

思っていたらしいが…。

 

 その日、帰ってきたももはすぐに着替えてしまっていたから気付かなかった。

ちゃんと大人として働くにはそこらへんからしっかりしないと!

 

「今日はもものために服を新調するよ!それを着ていくって覚えておけば

後々も安心して出社できるでしょ」

「やっ」

 

「なんで!?」

「それはまた次の機会にする」

 

 ももの言葉にがっかりしながらも、真剣な眼差しを私に向けてくる。

 

「前も言ったじゃん。私…なるの作ってくれるごはんが好きって」

「な、何をいきなりこんなところで」

 

 ももの少し熱のこもった言葉にドキドキしながらそう返すと。

 

「だから初給料はジンギスカン鍋と良いお肉たっぷり…そう決めてるの。

なると一緒にお腹一杯美味しいごはんを食べたい…」

「でもそれ私が作るんだよね…。その大量の…」

 

「大丈夫、私も手伝う」

「…しょうがないな~。じゃあ次の時は私の言うことも聞いてもらうよ!」

 

 いつものように笑みを浮かべながらももの背中を軽く叩きながら言った。

するとももも少し微笑みながら「うん」と言って頷いてくれた。

 

 せっかくの日だしあんまり嫌だと思うことはお互いしたくないし。

今日はとことんももに付き合ってやるか。

 

 そしてその日に買った鍋とお肉で作ったお肉たっぷりの回鍋肉とジンギスカンを

二人で仕事のこと、気になったことを話しながら楽しい雰囲気の中で食べる。

 

 それがいつもより美味しく感じられた。いつも毎日二人で食事してるのに不思議だった。

食べ終わった後、片付けをしていると背後からももが私に抱きついてきて頭を押し付けて

くる。

 

 くすぐったくて持ってる皿を落としそうになってしまう。

 

「こーら、もも!邪魔するなら手伝ってよー」

「…やだ。しばらくこうしていたい」

 

「もう…」

 

 私もだけどももも合格受けるまでがんばっていたから疲れが今頃になって

表に出ているのかもしれない。私も実際疲れてあまり洗い物したくないんだけど…。

 

 以前に一度だけゴキブリが出てからはすぐに片付けないと気がすまなくなっていた。

 

「悪いけどこれ終わったら行くから待ってて」

「…うん」

 

 それからさっさと洗い物を済ませてももがくつろいでいる場所まで近づくと

ももは私に飛びつくようにして勢い良すぎたのか体勢を崩して私は床に背中を

ちょっと強めにぶつけてしまった。

 

「いたっ…!」

「あぁ~…なるにくっついてると心地良い…」

 

 それより私としてはももの胸が私に押し付けられてるのが気になるんだけど!

なにこれ、なにこれやわらかい…!お風呂場で揉んだことはあるけれど

押し付けられるのもまた違った意味で気持ちいい…いや何を考えてるんだ私!

 

「ちょっともも…」

「それにいい匂い…」

 

「いい匂いってそれ焼肉の匂いが残ってるんじゃ…?」

「ううん、なるの匂い」

 

 そう言って私の髪や体の辺りを顔が移動できる範囲の中、くんくんと嗅いでくる。

 

「ちょっと嗅がないでよ恥ずかしいから…!」

「え~…」

 

「え~…じゃなくてね」

 

 そういう風にくっつきながら匂いがどうとか言われるとドキドキして苦しくなるから。

とか言えるわけないよね…。そう考えていると不意打ちに私の唇に柔らかいものが

押し当てられた。

 

 チュッ

 

「…!!?」

「うん、ジンギスカン風味」

 

「も、ももも…!あ、あんた…!」

「もももじゃなくてももだよ」

 

「そういうことじゃなくて…」

 

 ももだけは普通の反応をして私を見ていた。意識しているのは私だけなんだろうか…。

それはそれで何か悔しい。

 

「…私…なるのこと好きだし…」

「料理だけの話じゃないの!?」

 

「全部…うん、全部好き。本当は言おうかどうか迷ったんだけど…でも二人無事に

合格したし…流れに任せて言っちゃおうかなって…」

「流れって…」

 

「でも…なるが嫌なら…やめる」

 

 そう言うとさっきまで鬱陶しいくらい絡んできたももがあっさり離れていく。

解放されて体が楽になったはずなのに私は逆に不安になっていた。

だから私は背中を見せていたももの肩に手をかけて振り替えさせると

今まであまり見たことのない不安そうなももの顔を見てしまった。

 

「…何?」

「いや…なんていうか…あーもう!私も、もものこと好きだよ!」

 

「…ほんと? 別に気遣わなくてもいいけど」

「そんなんじゃないよ。でも…照れちゃうじゃん」

 

「じゃあ…いいの?」

 

 ももが私の手を握ってジッと見つめてくる。その目がすごく綺麗で見入って

しまいそうなくらいだ。そしてももの顔が徐々に私に近づいてくると私は咄嗟に

距離を開けるとももは少し寂しそうな顔をして私を見る。

 

「…やっぱりダメなんじゃん」

「きょ、今日はね…だってこれ以上しちゃうと…私の心臓どうにかなっちゃいそうだし」

 

 もう既にドキドキからドクンドクンになって胸が苦しくてたまらないのだ。

多分顔面なんか真っ赤になっているに違いない。

好き過ぎてもう…胸がいっぱいになっているんだけど、そんなの…ももには言えるわけ

ないじゃん。

 

「も、ももが可愛すぎるのがいけないんだから!」

 

 私の気持ちをその一言で飛ばすとももの表情も私のように赤くなって照れていた。

 

「そう…なら許す」

「何様だよ…」

 

「えへへ…」

 

 前から可愛かったけど…気持ちを伝えたらそれが何倍にも膨らんだような気がした。

長い付き合いとはいえこういう関係になろうとは驚きだ。

 

 いや…もしかしたら気付かなかっただけで気持ちは一緒だったのかもしれない。

二人の同じ目的ができてからは一生懸命で他のこと考えてられなかったし。

合格を受けて気持ちが緩んだ今だから素直にお互いに気持ちを伝えられたのかも。

 

 たとえそれがきっかけだったとしても私は嬉しかった。

仕事以外にはだるそうに億劫にしている彼女が私をそんな真剣に見てくれていたなんて。

 

「さてと、じゃあ。お風呂入ろうか」

「…うん」

 

 二人手を繋いで歩き出す。これからもこの手を離さないように仕事を…今まで以上に

がんばらなくちゃ!

 

 そう、私の心の中で更に強く感じられたのだった。

 

お終い

 


 
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