No.90575

恋姫無双 袁術ルート 第二十三話 劉備との密談 

こんばんわ、ファンネルです。

ショトメと応援メッセージが止まらない。とてもうれしい限りでした。

ですので自分も作者としてのスジを通そうと思います。

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2009-08-19 23:02:23 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:22789   閲覧ユーザー数:17722

第二十三話 劉備との密談

 

 

連合はすでに汜水関前まで来ていた。

 

「袁紹、ちょっと良いかしら?」

 

雪蓮は袁紹の陣を訪れ、袁紹に会談を求めた。

 

「あら、何の用ですの?あなたの陣はずっと後方ですわよ。」

「まあまあ、ちょっとお願いがあるのよ。」

 

雪蓮はとても軽々しい雰囲気を纏っていたが、実際は腹の底が煮えくりかえっていた。もちろん袁紹はそんな雪蓮の心情なんて分かるはずがない。

 

「なんですの?こう見えてもわたくしとても忙しいんですのよ。」

 

忙しいと言っているが、実際は軍の行進を後方から優雅に見ているだけであった。事務的な仕事もしている風には見えない。誰が見ても忙しそうには見えないだろう。

 

「そんなこと言わないで。あなたを袁家の長……うんうん、この正義の連合の盟主と見込んでのお願いなの。」

 

『袁家の長』『正義の連合の盟主』。何とも歯の浮く様な妄言だが、それでも調子の乗ってしまうのが袁家と言うのものだ。

 

「おーほっほっほっほっほ!そこまで仰るのでしたら、聞いて差し上げますわ!一体なんですの?」

 

当然、袁紹は調子に乗ってしまった。やはり、袁家は馬鹿しかいないのだろうか?

 

(あ~!むかつくわね、殺してやろうかしら?)

 

袁紹の反応が予想できたとはいえ、やはり一言一言がとてもねちっこい。いつも美羽に言われ続けて耐性が付いているものの、この高笑いだけは我慢できなかった。

 

「なんですの?孫策さん。そんな怖い顔をなさって。」

「いえ、何でも無いわ。」

 

いけないいけない。顔に出てしまっていたようだ。気を取り直して早速用件を伝えようとした。

 

「それで、このわたくしにお願いと言うのはなんですの?」

「ええ、実は私たちを前線に送って欲しいの。」

「………………え?」

 

ここから、雪蓮と冥琳の描いた策が始まろうとしていた。

 

 

「どういう事ですの!?孫策さん。」

 

馬鹿な袁紹でもさすがに不審に思うだろう。なんせ先ほどの軍議ではこの連合のあり方を否定しようとしていたのだから。それがいきなり前線で戦わせろなんて何かを企んでいるようにしか見えない。

 

「そのまんまの意味よ。私たちを前線で戦わせろと言っているのよ。言っている意味、分かる?」

「それくらい分かりますわよ!だから、どうしてと聞いているのですわ!」

 

さすがに言っている意味くらいは理解出来ているようだった。いつも美羽とばっかり話しているから袁紹も美羽と同レベルに見ていたみたいだ。

 

「簡単よ。私たちはこの戦いで名を上げたいの。だから、あんなに後ろに配置されたら戦えないじゃない。」

 

実に簡単な答えだった。だからこそ疑問が残る。

 

「先程とはまるで態度が違いますわね。いきなりどうしてやる気を出し始めましたの?」

 

さすがに馬鹿といえども一角の将。遠回しな疑問ではなくいきなり核心を聞いてきた。

 

「美羽たちはあれでも私たちの主君だったから。だから、出来る事なら助けてやりたいと思ったの。」

 

これは演技ではなくまぎれもない本心であっただろう。本心から言っているものだから袁紹たちは何の疑問も持たなかった。

 

「でも、もはや天の利は袁紹、あなたにあるわ。沈みかけの船に乗り込むほど私たちは愚かでは無いの。」

 

とても冷やかな笑顔で言った。あまりにも冷静な笑顔だったものだから袁紹は思わず身震いをしてしまった。

 

「よ、ようやく分かったようですわね。」

「ええ、………で、どうなの?私たちが前線に出ても良いの?」

 

袁紹は少し考えてみた。先ほど捨て石代わり劉備軍に突撃を命じたが、北郷一刀の軍と劉備軍では戦力に差がありすぎる。捨て石にもならないかもしれない。

 

しかし、勇猛な孫策軍が入れば良い勝負になるかもしれない。そして、疲弊した北郷軍を自分たちが討つ。自分は何の苦労も無くおいしい所を持っていくことができる。袁紹はそんな事を考えていた。

 

「分かりましたわ。この袁本初が命じます!孫策、あなたは劉備軍と合同で汜水関の攻略にあたりなさい!」

「…………分かったわ。」

 

雪蓮は頷き、その場を後にした。

 

 

袁紹side

 

「良いんですか?麗羽様。」

 

「何がですの、斗詩さん」

 

彼女は顔良。袁紹の右腕とも言える人物でもあった。

 

「孫策さんの事ですよ。あんな事言っちゃって平気なんですか?」

「何がですの?」

「え~と……例えば……ほら、孫策さんたちは美羽様たちの仲間だったのですから、前線に出るふりをして、北郷さんの所に助太刀に行ったりとか………」

 

何とも自信なく言う顔良。だが、袁紹は顔良の言葉で何か思ったようだった。

 

「………確かにそうですわね。」

 

あの態度の豹変ぶりはおかしい。何かを企んでいるようにしか見えない。もしかしたらこの顔良の言った通り、虚を突いて連合を裏切る可能性もある。

 

「斗詩さん!」

「は、はい。なんですか?」

「あなたも孫策さんと劉備さんに混ざって汜水関で奮闘してきなさいな。何か変わった事があったらこのわたくしに直ちに報告するように。」

「あ、はい!了解しました。」

 

ようは監視をして来いと言っているのだ。顔良もまたこの命を英断と思い早速準備を始めた。

 

 

雪蓮side

 

「雪蓮、どうだった?」

 

雪蓮の帰りを待っていたのは冥琳。雪蓮が何をして来たのか分かっているような口ぶりであった。

 

「ええ、上手くいったわ。」

 

最前線で戦わせてもらう。それこそが彼女たちの選んだ策だった。

 

「でも、私たちだけじゃなくて劉備軍と合同だって。どうしよっか?」

「しかたあるまい。幸い、劉備軍には『伏龍』と『鳳雛』の二人がいるようだ。こいつらなら我らの話を聞いてくれるかもしれない。」

 

『伏龍』と『鳳雛』。諸葛亮孔明と鳳統の俗称だ。劉備軍は兵力こそないが一騎当千の武将たちがたくさんいる前途有用な軍と聞いた事がある。

 

民たちからも信頼の厚いとも噂されている。それほどの人物になら雪蓮たちに協力してくれるかもしれない。そう思っていた。

 

「確かに、袁紹なんかよりはよっぽど話が分かるかもね。それじゃあ、ちょっと挨拶に行ってきましょうか。」

「ああ。」

 

そう言って。雪蓮たちは劉備軍の陣営に足を運んだ。

 

 

ここは劉備軍の本陣。もうすぐ、汜水関に向けて進軍を開始しようとしているため辺りはとても忙しそうだ。

 

「桃香様!桃香様、どちらにおいでですか?」

 

長く、美しい髪を垂らし、自分の主君であろう人物を呼んでいるこの少女は関羽。劉備軍が誇る一騎当千の武将の一人でもある。

 

「あ、こっちだよ~!愛紗ちゃ~ん!」

 

この騒々しい雰囲気に似つかわしくない声の持ち主こそ劉備軍の頭角、劉備その人である。関羽は劉備の元へ駆け寄った。

 

「こちらにおいででしたか。」

「うん。で、何の用なの?愛紗ちゃん。」

「はい、実は孫策軍の孫策が桃香様にお話があると。」

「孫策さんが?一体何の用だろう………よし!会ってみよう!」

「えっ!あ、あの桃香様、少しは警戒をして頂かないと………」

「大丈夫だって。軍議の中でも結構良い人そうだったし!」

「は、はあ………」

 

警戒心の無い主君を諫めようとしてもまったく聞こうともしない劉備。関羽はただただ頷くくらいしか出来なかった。

 

そうして、劉備たちは雪蓮たちの前までやってきた。

 

「こんにちは、孫策さん。」

「こんにちは、劉備。」

 

挨拶には挨拶で返す。人としての礼儀である。

 

二人は簡単な挨拶をして握手をした。お互い笑顔で和やかな雰囲気であったが、彼女たちの部下たちはハラハラドキドキで堪らないみたいだ。

 

なぜなら、ここにいるのはそこら辺の兵卒なんかではない。軍を統率する君主なのだから。なにかあってからでは遅すぎる。

 

仮にも孫策は呉の王だ。何かしらの目的があって来たのは間違いない。それが劉備軍にとって利となるのか損となるのか分からないというのに、肝心の劉備は何の警戒も無く雪蓮と話している。

 

部下たちが心配するのは当たり前だろう。

 

「で、一体何の用なんですか?孫策さん。」

 

長い挨拶も済んだようだ。ようやく本題に入ろうとしていた。

 

「結構長い話になるわ。良かったら、あなた達の天幕に連れて行ってほしいのだけど。」

「………え?」

 

関羽たちはもちろんの事、桃香も孫策の言葉に驚いた。見た所、孫策たちは武器を携帯していない。劉備軍と孫策軍は決して仲間なんかではない。ただ、連合と言う形の中で一緒になっているだけだ。もしかしたら敵かもしれないのだ。相手の天幕に連れて行けというのは謀殺されてもおかしくないという訳だ。

 

逆に言えば、覚悟を決めた話し合いという形にも捉えられる。誰にも聞かれたくない内密な話。状況からしてこちらの方が正しいだろう。劉備たちもまたそれを感じ取った。

 

「分かりました。案内します。」

「と、桃香様!」

「愛紗ちゃん、孫策さんたちが話があるって言ってるんだから聞いてあげなくちゃ失礼だよ。」

「し、しかし………」

「大丈夫だって!朱里ちゃんと雛里ちゃんも呼ぶからさ!」

 

多少は孫策の提案に懸念を表すのが当然だが、劉備は何の心配もないようにOKサインを出した。彼女の場合、考えたというより感じたという表現の方が正しいだろう。

 

人の本質を瞬時に見抜く、それこそが劉備という人物の能力なのかもしれない。どことなく、一刀に似ているかもしれない。思わず雪蓮は少し苦笑してしまった。

 

「どうしたんですか?孫策さん。」

「いいえ、何でも無いわ。礼を言うわよ、劉備。」

「あ、はい!どういたしまして!」

 

そうして、雪蓮は冥琳を連れて劉備軍の天幕へと足を運んだ。

 

 

ここは劉備軍の天幕の中。一介の王が寝泊まりするにはあまりにもみすぼらしい天幕であった。聞けば、劉備軍のほとんどは義勇兵からなる構成と聞く。ならば、このみすぼらしい天幕も納得がいくというもの。

 

その中に、劉備がチョコンと座った。そして、そこを上座にするかのように部下たちが両脇に座り始める。周りはみすぼらしくともこの光景はまぎれもなく王と重鎮たちの姿だ。そこら辺にいる諸侯たちとは比べ物にならない威圧感があった。

 

「話って何ですか?孫策さん。」

 

劉備は雪蓮に訊ねた。これほどの人物ならばいきなり核心を言ってもよいと思ったのだが、それを許さないのが冥琳というものだ。彼女たちは目で話し合った。

 

まずは、こちらに引き込むことから始めた方が良いだろう。

 

「その前に聞くわ。劉備、あなたはどうしてこの連合に参加したの?」

 

随分と今更な質問を始めた。当然、劉備の部下たちは不審に思っただろう。だが、劉備だけは何の不信感も無くそのまま答えようとした。

 

「あ、それは北郷さんを助け「あわわ!桃香様!コホンコホン!」……じゃなくて、もちろん洛陽の民たちを苦しめている北郷さんって言う人をやっつけるためです。」

 

当然の回答が返ってきた。雪蓮はため息をつきながら、

 

「…………そう。」

 

ただ一言そう言った。

 

「………どうかしたんですか?孫策さん。」

 

少し、様子が変わった雪蓮に対して、劉備は少し心配していた。雪蓮は少し考えた後、改めて口を開いたのだ。

 

「劉備、私はあなたたちが倒そうとしている北郷一刀を助けたいと思っているのよ。」

「…………え?」

 

冥琳も劉備たちも目を点にして呆気にとられていた。

 

「お、おい!雪蓮!どういうつもりだ!」

 

いち早く我に返ったのは冥琳。彼女が激怒するのは無理もない。この連合は北郷一刀を討つために作られたものだ。その討つべき対象を助けようとするのはこの連合の裏切り行為に他ならない。この場で、首を跳ねられても何ら不思議ではない。むしろ跳ねられて当然なのだ。

 

「冥琳、いつかは言わなくちゃならない事よ。それにもう時間が無い。」

 

雪蓮だけは冷静だった。そして冥琳に言葉を付け足したのだ。冥琳もまた理解していたのだが、あまりにもいきなりすぎる。

 

劉備軍はすでに汜水関に向かおうとしている。今、この場ではっきりさせなければ策のすべてが無駄になってしまう。雪蓮は冷静でもあったが焦ってもいたのだ。

 

「ど、どういう事ですか?」

 

劉備は驚きつつも聞いてきた。その場でいきなり切りつけるなんて愚行は無かったようだ。冥琳は安心しつつ、それでも予断を許さなかった。

 

「そのままの意味よ。私は北郷一刀を助けたいの。」

 

雪蓮は言葉を続ける。

 

「この連合は、一刀たちの功績に嫉妬して作られた豚どもの集まりよ。」

 

雪蓮はこの連合のあり方自体否定している。だが、あまりの威圧感に誰も口を開く事が出来なかった。

 

「一刀たちが帝を操って暴政を強いているなんてのは全部でたらめ。一刀たちの人柄はこの私が一番良く知っているわ。」

 

その時の雪蓮の顔は、まるで自分の事のように誇らしい顔であった。雪蓮の言う通りなら、北郷一刀はとても素晴らしい御仁のようだ。

 

「一刀たちを助けるにはあなた達の力が必要なの。私たちに協力してもらえないかしら?」

 

自分たちに協力しろ。何とも無茶な注文だ。自分たちに協力したって何の利も無いというのに。それどころか袁紹に告げ口してここで首を跳ねる方がよっぽど利になる。

 

だが。雪蓮は賭けたのだ。この劉備と言う人間に自分のすべてを。一刀たちを助けるにはどの道自分たちだけでは足りない。もともと、一刀たちに助けられた命だ。一刀たちのためなら命を捨てても良い。そんなに風に考えていた。

 

少し空気が固まった。間が空いたのだ。冥琳も喉を鳴らしながら劉備たちの答えを待っていた。そんな緊張感の中、劉備が口を開いた。

 

「ええ~!!孫策さんたちもなんですか!?」

「…………え?」

 

全く予想外の答えが返ってきて雪蓮も冥琳も唖然としてしまった。

 

 

あまりにも予想外であった。また空気が固まったが雪蓮は無理やりその場の空気を壊した。

 

「………ど、どういう事?」

「私たちも北郷さんたちを助けようとしていたんですよ。良かった、やっぱり良い人みたい。」

「だから、どうしてなの?一刀とあなた達は何の関係もないじゃない!?」

 

雪蓮はかなり驚いていた。どう考えても一刀とは何の接点があるとは思えない。いくら人が良いからと言って見知らぬ人間を助けるなんて普通はありえない事だ。

 

「確かに私は北郷さんがどんな人かもどんな顔をしているのかも分かりませんけど………」

「………けど?」

「私のお友達が助けてほしいって言っているんです。だから、助けるんです。」

 

劉備の顔は本気だ。本気でその友達とか言う者のために見知らぬ人間を助けようとしている。

 

「………友達?」

「はい!星ちゃん、星ちゃんもこっちに来て挨拶しようよ。」

 

星、おそらくは先ほど劉備が言った友達と言うものだろう。星と呼ばれた少女は雪蓮の前までやってきた。

 

「我が名は趙雲、字を子龍。一刀殿たちとは少なからず縁のある者です。」

「………そう、あなただったの。」

「はい。一刀殿たちがこのような事に巻き込まれてしまったというのに、力が無き故、助ける事もままならず、桃香様に助命を懇願したのです。」

「そうだったの。」

 

雪蓮は星と一刀の成り行きをいくつか聞いた。どうやら、彼女もまた一刀の徳に感化された一人なのだろう。

 

どうやら彼女たちも気付いているようだ。一刀たちの味方になっても大した戦力にはならない。ならば連合に入り油断を誘ってから救い出す方が何倍も良いのだ。

 

「ありがとう、あなたのような人たちがいてくれてとても心強いわ。」

 

少しでも戦力が多いに越したことは無い。雪蓮たちにとって劉備たちは嬉しい誤算だったのだ。

 

「そんなことありませんよ~。でもどうやって北郷さんたちを助けるんですか?」

 

そうだ、問題はそこなのだ。だが。雪蓮たちは勝算のある顔をしていた。

 

「それについてはうちの軍師の冥琳に説明させるわ。」

 

雪蓮は冥琳に説明をさせようとした。

 

「軍師の周喩だ。そちらのお嬢さんたちが『伏龍』と『鳳雛』の二人だな?」

「え、あっ!はい!はわわ!」

「あわわ……ど、どうして?」

 

いきなり指名された少女たちはまだ年端も行かない女の子だった。間違いなく高名な軍師たちには見えないだろう。それを一目で看破したのはさすが冥琳というものだ。

 

「へ~……あなた達が『はわわ軍師と』『あわわ軍師』だったのね。」

 

あまりにも意外そうな顔で二人を見た雪蓮。

 

「………はわわ軍師……」

「………あわわ軍師……」

 

なぜか二人は顔をしかめていた。劉備たちはクスクスと笑っている。みんないい性格をしていた。

 

 

そんな空気は無視して彼女たち軍師による策が公開されようとしている。

 

「オッホン!……もう話し始めても良いか?」

 

あまりにも緩んだ空気に冥琳が渇を入れた。ようやく周りも程よい緊張感に包まれた。

 

「す、すすすみません!」

「しゅみません!」

 

孔明と鳳統の二人はあまりにも緊張していた。なかなか話が進まない。

 

「はぁ………まず北郷たちを救う策だが……孔明と鳳統よ。お前たちも連合に参加したという事は行うべき策もそう多くは無いのだろう?」

「はい。」

「そうですね。」

 

三人の冥軍師たちは全くわけのわからない会話を続けていた。当然、劉備はもちろん他のみんなも理解出来てなどはいなかった。

 

「一体何を話しているのか私たちにも分かるように説明してよ~!」

 

劉備がのけもの扱いされているのが気に入らないらしく、孔明と鳳統の二人に説明をさせようとした。だが、この三人の会話を理解できないものは劉備だけじゃない。他のみんなも同様だ。なので、三人はため息をつきながら簡単に説明しようとした。

 

「はあ………つまりだ!北郷たちを救うという策だが………」

「………策だが?」

 

冥琳は一瞬間を開けた。そしてみんな生唾を飲んだのだ。

 

「そんな都合のよい策など存在せん、と言う事だ。」

 

…………………へ?

 

少し空気が固まっただろう。そんな中、孔明と鳳統の二人は冥琳の言葉に軽くうなずいた。

 

「え……ええええええええええ!!」

 

辺りは騒然となった。まあ、当たり前だが……

 

「えええ!!どういう事なんですか!?」

 

劉備は唖然と言った。北郷一刀を救うための秘密の会議だというのに、その救う策が存在しないなんてどういう事なんだろうと。

 

「…………冥琳、この一件の策はすべてあなたに任せているから私も良く分からないわ。説明してもらえる?」

 

冥琳は孫呉の誇る大軍師だ。その冥琳がどうしようもないと言ったならそれは本当にどうしようもない事なのだろう。雪蓮は少し怒りを込めながら冥琳に説明をせかした。

 

「焦るな、雪蓮。私は北郷たちを『救う』策が無いと言ったのだよ。」

「『救う』策?」

「そうだ、北郷一刀たちを救う方法などどんな奇策を用いてもほぼ不可能に近いだろう。」

 

それは雪連だって劉備軍の人たちだって良く知っている事だ。だからこそ、軍師の彼女たちに助けを求めたのだから。

 

「……孔明と鳳統よ。お前たちが敵の軍師だったら、こういう状況にどういう策を示す?」

 

冥琳は向かい側の二人に聞いてみた。先程はとても緊張していてカミカミな口調だった二人はいつの間にか軍師の顔になっていた。

 

「そうですね、これほどの規模の軍と戦える策なってありませんから………残りは撤退しか残されていないと思います。」

「私もそう思います。仮に私たちが敵側の軍師であったならおそらくそうしていたでしょう。」

 

二人の意見は全く同じだった。だが、この二人の意見に反論する口があった。関羽だった。

 

「撤退だと?………だが、現に北郷軍は汜水関に集まっていると聞いているぞ?」

 

関羽の疑問はみんなの疑問でもあった。撤退するならなぜ汜水関に軍を布陣しているのか分からない。

 

 

彼女の問いに孔明が答えた。

 

「そこなんですよ、愛紗ちゃん。」

 

鳳統もまた身を乗り出す様に答えを出していく。

 

「そこから導き出せる答えは多くはありません。」

 

続いて冥琳だ。いよいよ核心に迫ってきた。

 

「これはおそらくだが………汜水関にいる軍は時間稼ぎが目的だろう。」

「時間稼ぎ?」

 

雪蓮もなんとなく分かってきたような気がしたが、冥琳の言葉をさえぎる事無く続けさせた。

 

「袁紹たちの狙いは北郷たちだが、それと同時に天子も狙っているはずだ。おそらく北郷たちは汜水関で時間を稼ぎ、どこかに都を移そうとしているのだろうな。」

「都を!?」

 

冥琳の話に誰もが驚いた。洛陽を放棄する。400年続いた都を。誰もがありえないと思ったのだが趙雲が冥琳の言葉を信じた。

 

「確かにあの天子様ならおそらく許可を出すでしょうな。あの方は北郷殿たちを賭けがいのない者と思ってらっしゃるでしょうから。」

 

天子を間近で見てきた趙雲が言うのだから間違いないだろう。孔明も鳳統も冥琳の話を間違いないものと聞いていた。

 

「遷都するとすれば………連合が行けないようなところ………長安あたりかな?」

「うん。私もそう思うよ、朱里ちゃん。」

 

次々に話が纏まって行く。だが関羽だけはまだ納得のいかない様子だ。

 

「ちょっと待て。どうして相手が遷都すると思っているのだ?もしかしたら誇りのために徹底抗戦を仕掛けてきたとも考えられるじゃないか?」

 

関羽の言う事には一理ある。今までの話はすべて冥琳と孔明と鳳統の予想にすぎない。もしかしたらその考え自体が違うのかもしれないというのに。

 

「愛紗さん、それは無いと思います。」

「なぜだ?朱里。」

「確かに愛紗さんの話も正しいのですが、密偵の話によると敵さんの兵力が圧倒的に少ないようなんです。徹底抗戦をしようものなら軍をすべて投入するはずです。」

 

関羽は孔明の説得になにかを理解した。確かにおかしい。そもそも徹底抗戦をしようものなら籠城なんて戦術はとらないはずだ。

 

それに相手の兵力が少ないという事はどこかで使っているということにもなる。孔明たちの話が真実だとすると本当の軍は長安侵攻のために宛がわれているのではないか?

 

「そもそも軍師とは勝てない戦をしないものだ。そして北郷軍の軍師は賈詡文和。他にも優秀な文官が勢ぞろいだ。そんな者たちが意味の無い戦などするはずがないだろう。」

 

冥琳が追い打ちをかけるように言い足した。関羽はグウの音も出せないようだったが何かひらめいたようだ。

 

「だ、だが、長安に避難したからと言って戦いが無くなるわけではあるまい!この連合が態勢を整えたのち長安に侵攻したら意味がないではないか!」

 

関羽はムキになっている。だが、それは彼女が愚かだからではない。これから自分たちが行おうとしている事はこの連合の裏切り行為だ。少しでも不備があったなら自分たちの君主、劉備にすべての責任が降りかかるかもしれない。関羽はそれを懸念しているのだ。

 

「愛紗さん。連合が態勢を整えるのにはかなりの時間が必要とされます。その間に情報などを操作し連合の大義を無かったものにする事が出来ます。」

「そ、そんな事が出来るのか?」

「それこそ、我ら軍師の独壇場と言うものだ。そもそも、この檄文自体ほとんどがデタラメなのだから情報操作など戦の時の策より簡単だ。」

 

関羽は孫呉と劉備の大軍師たちに言われてとうとう口を閉ざしてしまった。ようやく納得してくれたようだ。

 

これで自分たちがやるべき事が決まった………はずだった。

 

「ねえねえ!結局私たちは何をするの?」

 

……………………

 

「………え?」

 

口を開けたのは劉備だった。

 

 

関羽は慌てて劉備に聞いてきた。

 

「桃香様、今までの話で御理解できなかったのですか?」

「だって、みんな難しい話をするんだもん。」

「……………」

 

今までの話をまったく分かっていなかったようだった。

 

「桃香様、つまり………」

「よい、孔明。私が説明しよう。」

「は、はい……」

「うん、分かりやすい説明をお願いします。周喩さん。」

 

冥琳はとても不思議な感じに襲われた。この劉備と言う者の雰囲気や徳の高さ、器の大きさは一刀と同等と言ってもいいだろう。だが、頭の方は美羽と同等かもしれない。何ともふしぎな感じだ。

 

「オッホン……北郷たちが長安に遷ると思われるのは理解出来たな?」

「はい♪」

「だが、それには少し時間がかかるために汜水関で時間稼ぎをしようとしている事も分かるな?」

「もちろん♪」

「そして北郷たちを助けようとしている我々は先陣を命じられている。」

「酷い話ですよね。」

「…………これだけ言ってもまだやるべき事が分からないのか?」

「………え?」

 

どうやらまったく理解していないようだった。劉備軍の将たちはため息をつくなり、苦笑したりと様々な感情を出していた。

 

「つまり『何もしない』………そうでしょ、冥琳。」

 

雪蓮だった。

 

「雪蓮……その通りだ。我々は北郷たちが逃げる事が出来るようにダラダラと戦い時間を費やす。もちろん袁紹たちに感づかれないようにな。御理解いただけたかな?劉備どの。」

「あ、ああ!うん!分かった!そう言う事なんだ!軍師ってすっご~い!」

 

『何もしない』……現時点では間違いなく最良な策であろう。連合を裏切ること無く、一刀たちを手助けする事が出来る。しかも、一刀たちが逃げおうせたならこの連合は一時解散となるだろう。そのあとは好きにしてもよい。こちらから一刀たちに有利な情報を流したり、袁紹たちの不利になるような情報だって流せる。

 

言葉は剣だ。相手を傷つけたり守ったりも出来る。極端な例では人の人生を変えたり、人の人生を終わらせたりする事だって出来る。

 

一刀たちの義と袁紹たちの不義を大陸中に流せば、戦況を一変させる事だって出来るのだ。そこからが軍師である冥琳の本当の力が試されるのだが、おそらく冥琳なら何の苦もなくこなしてしまうだろう。

 

みんな勝機が出来てとてもうれしそうだった。中でも趙雲の喜びようは無かった。クールにふるまっているもののその顔には優しい笑顔がこぼれていた。

 

 

 

 

 

所が、次の瞬間、

 

 

 

  

 

 

 

 

「…………シッ!」

 

 

 

 

和やかな空間が出来たというのに、雪蓮は突然その場を黙らせた。

 

「どうしたんですか?孫策さん。」

「………少し黙っていて。」

 

雪蓮は立ち上がり、劉備に近付いた。そしていきなり劉備の剣を取り上げ、刀身を抜き出したのだ。

 

「孫策!貴様、何を……」

 

いち早く劉備のもとへ駆け寄った関羽。雪蓮は何のためらいも無く、劉備を切りつけた。

 

「桃香様!」

 

劉備はいきなりの事で目を瞑ったが、剣が彼女に振り落とされる事は無かった。雪蓮が切ったのは劉備ではなく、彼女の後ろにある天幕の布だった。

 

「ひ、ひいいいいい!!」

 

雪蓮が切った布の後ろには兵士が聞き耳を立てていた。間諜だ。

 

「あなた、どこの間諜なの?」

 

雪蓮は冷やかに聞いてくる。工作員と思われる男は隠し持っていた刀を抜き、雪蓮に斬りかかってきたのだ。

 

「ぎゃああああ!」

 

襲いかかってきた奴はかん高い絶叫を出した。一合も斬りあう事無く、雪蓮は襲いかかってきた工作員の腕を斬り落としてしまったのだ。

 

「次は首を跳ねるわよ。言いなさい、誰の命令で来たの?」

 

凄まじい殺気であった。近くで見ていた劉備は怖くて動くことさえできなかった。他の者も同様だ。先ほど、誰よりも早く動いた関羽ですら身動き一つ取れなかった。

 

「ち、ちくしょう!!」

 

間諜は雪蓮のあまりの恐ろしさに恐怖したのかどうかは分からないが、舌を噛み切り自害を果たしたのだ。

 

間諜の死体を前に少し時が止まった。そして最初に雪蓮が口を開いた。

 

「…………劉備。」

「……え、は、はい!」

 

返り血で顔を赤く染めた雪蓮を前に劉備は我の返った。

 

「……ごめんなさいね。」

「………へ?」

「あなたの立派な剣をゲスの血で汚してしまったわ。」

「え?………あ、ああ!良いんですよ!そんな事気にしないでください。」

「ありがと。」

 

雪蓮は劉備に剣を返した。関羽もまた雪蓮が狙ったのは劉備では無かった事に気付き、武器を収めたのだ。

 

 

冥琳はすぐに雪蓮に駆け寄った。

 

「雪蓮、大丈夫か?」

 

見た所、雪蓮に傷らしいものは見当たらない。だが、冥琳が懸念していたのは傷があるか無いかなどの問題では無かった。

 

雪蓮は血を見ると気性が荒くなってしまうのだ。それはもう狂信的に。この場で暴れてもらってはさすがの冥琳も止める事は無理だろう。

 

「大丈夫よ。返り血の一つや二つで自分を見失うほど馬鹿じゃないわ。」

 

雪蓮は冷静だった。冥琳はほっとしたように胸をおろした。一刀に出会って一番変わったのは雪蓮だったのかもしれない。昔とは違い、無茶をしなくなった。自分の器量をわきまえるようになったのだ。

 

「それにしても一体どこの工作員かしら?」

 

雪蓮は余る不思議に思わなかった。何せ自分の周りには敵がいっぱいいる。

 

「袁紹さんの間諜ではないでしょうか?」

 

孔明だった。普通はそう考えるだろうが冥琳と雪蓮は孔明の答えに不服だった。

 

「いや、あの馬鹿が間諜を忍び込ませるような、そんな気がきく事をするとは思えん。」

「そうね。私も袁紹の者とは思わないわ。………おそらく……」

「雪蓮も思ったか?」

「ええ。たぶん間違いないと思う。」

「………曹操か。」

 

それなら納得がいく。先ほどの間諜にしても鮮やかな死にざまであった。失敗すれば自害。並みの兵士ではこう育てる事は難しいだろう。

 

「曹操さん?どうして曹操さんが?」

 

劉備が疑問に思うのは当たり前だろう。なんせ彼女は曹操がどういう人物かも知らない。雪蓮もまた曹操を良く知っているわけではないが、彼女が一刀を狙っている事は間違いない。それだけで味方では無いと分かる。

 

「私も良く分からないわ。でも劉備。」

「はい?」

「曹操には気を付けておきなさい。」

「え?……わ、分かりました!」

 

雪蓮たちは少し安心していた。間諜は死んだ。これで情報が漏れる事が無くなったという事だ。

 

だが、彼女たちは気付いていなかった。確かに先程の間諜の覚悟は一流というものだろう。だが、間諜としては二流。間諜は生きて情報を持ち帰って初めて一流と呼ばれるのだ。

 

 

曹操軍、曹操の天幕

 

ここは曹操軍の総大将、曹操の天幕。無駄な飾りなど無く、すべてが機能的な作りになっていた。周りには見張りまで立てている。どう間違っても中の様子を探る事など出来ないだろう。

 

「華琳様!先ほど劉備軍に送り込んだ刺客が殺されました。やったのは孫策です!」

「あらそう。」

 

何とも簡単な答えが返ってきた。

 

「あらそう……ってよろしいのですか!?」

 

「何が?」

 

「刺客が殺されたという事は孫策と劉備たちは何か聞かれてはまずい事を話していたに間違いありません!おそらくは、北郷一刀に関する話でしょう。」

 

「それなら大丈夫よ。すでに情報は届いているわ。」

 

「………え?ど、どどどうやって!?」

 

「簡単よ。あなたが間諜を放ったと同時にこちらも別の間諜を放っておいたの。」

 

少し意味合いが違くなっていくが、いわゆる二重スパイだ。桂花が放った間諜は曹操の放った間諜のおとりにされてしまったという事だ。

 

雪蓮たちは気付いていなかった。あの場にはもう一人間諜がいたのだ。それも、自害した間諜なんかよりも凄腕の工作員が。雪蓮たちは、先ほどの間諜の壮絶な死にすっかり失念していたのだ。間諜は他にもいるのではないかと言う事に。

 

「あら?どうしたの、桂花。そんなに怖い顔をしちゃって。」

 

当然、桂花が不満に思うのは当然だろう。何せ、自分には何も話してもらえなかったのだから。自分はおとりにされたのだ。

 

「そんな顔をしないで桂花。」

「は、はぅ!」

 

曹操は桂花を後ろから抱き締めるような形で彼女を優しく抱きしめていた。ただ、優しく抱きしめたという表現は少しおかしいかもしれない。服の隙間から手を伸ばし、桂花の敏感な場所を優しく攻めていた。

 

「か、かか華琳様………はあん!」

「ごめんなさいね、桂花。相手は『伏龍』に『鳳雛』の二人だけではなく、鬼才と名高い周喩公僅もいるのだから。敵を欺くにはまず味方からよ。」

「そ……それは分かり……ああん!……ますが……」

「どうしたの?もしかしてこの手が邪魔かしら?」

「そ、そんな事は!……はあん!」

「………やっぱり手を止めようかしら?」

「なっ!か、華琳様!や、止めないでください!」

「うふふ……かわいいわよ、桂花。……ふう。」

「はああ♡!」

 

曹操は耳に息を吹きかけるかの様なしぐさで桂花をからかっていた。何とも百合百合しい場面だが、曹操は桂花をいたぶりながら、一つの書簡を見せていた。先ほどの孫策と劉備たちによる密談の内容である。

 

「これについてあなたの意見が聞きたいわ。」

「こ、これは……あん♡!……ちょ、長安まで……行かれては……我々も手を出す事が出来なくなります!」

「……それで?」

 

悶えているのか、桂花の口はいくつか途切れている。だが、曹操は彼女をいたぶるのを止めない。

 

「気に入りませんが………袁紹に……はあ!……え、袁紹に告げ口して……奴らを処罰……するのが……一番だと……あん♡!……」

「………つまらないわね。」

「………え?」

 

桂花はもう目が虚ろだ。だが顔は赤く高揚していた。もうすぐ快感が絶頂まで届くのだろう。と思われていた矢先、曹操が手を止めたのだ。

 

「か、華琳様、なぜ!?」

 

途中で止められたためか彼女はとても不満たっぷりなようだ。それを見て曹操はご満足なようだ。

 

「桂花、一つ頼まれてくれないかしら?」

「うう……華琳様……」

「その顔も素敵だけど、夜になったらたっぷり可愛がってあげるわ。だから、言う事を聞きなさい。」

 

まるで子供をあやすかのような優しい言葉だった。当然、桂花が喜ぶのは当然だろう。

 

「汜水関にいる北郷軍に情報を流しなさい。『連合軍の劉備と孫策の軍が手を組み、近いうち攻め入る』と言う内容を。一言一句間違えてはだめよ。」

「……え?」

 

最初、曹操が何を言っているのか分からなかった。そんな事流さなくても近いうちに絶対に分かるのだから。

 

………一言一句……

 

「なるほど、さすが華琳様です!」

「気付いたようね。頭の良い子は好きよ。それじゃ、行ってきなさい。」

「はい!」

 

桂花は急いで情報を流そうとした。天幕には曹操一人しかいない。曹操は少しふけってまだ見ぬ北郷一刀の姿を思い起こしていた。

 

「一刀……あなたは正しいわ。でも私はあなたの常に一歩先を行く。あなたが戦場に出ざるを得ない状況にしてあげるわ。」

 

一刀たちは知らない。雪蓮たちも知らない。彼らの知らない所で状況はさらに混沌と花葬としている。

 

 

あとがき

 

こんばんわ、ファンネルです。

 

恥ずかしい限りです。やめると言っておきながら皆さんの応援を見ていると心が温かくなりついつい書いてしまいました。

 

ですが、自分も作者です。ですのでこの反北郷連合の話だけでも終わらせようと思います。

 

どうか皆さま。こんな自分にまたお付き合いください。

 

いきなりですが、設定を少し変えたいと思います。

 

この袁術ルートにも『章』をつけたいと思います。

 

ですので、黄巾党までの話を『雪蓮編』そして今回の反北郷戦を『董卓軍編』ということにしたいと思います。つまり今は第二章ということになります。

 

では次回もゆっくりしていってください。お願いします!

 


 
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