No.89689

[恋姫になれなかった英傑達  後編(完結)]

zanettaさん

いよいよ大詰めの後編です。
恋が大暴れする辺りで、文章の一部が、運命でホロウなお話をパクッてますが、気にしないで下さい。(汗)



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2009-08-14 01:01:42 投稿 / 全16ページ    総閲覧数:2510   閲覧ユーザー数:2287

[恋姫になれなかった英傑達  後編(完結)]

 

 

 

 

 

正史において、潁川(許昌)方面黄巾軍総帥の波才は、「大軍」を維持したままの進撃を行っていた。

これは、官軍の本拠地、帝都・洛陽の攻略には多数の兵が必要と言うことを理解していたからであろう。

だが、大軍を維持するのには必要不可欠な物がある。

それは、糧食。

いかな指揮系統を誇ろうとも、武器を持とうとも、要塞に篭ろうとも……食事が出来なければ負けである。

無論、現地調達出来るのならそれに越したことは無いが、「大軍」を賄える量を現地で揃えるのは不可能。

故に、彼は洛陽への攻略するための拠点として、物資の集積場所として、長社城を取り囲み、攻略しようとしたのだ。

後世の言葉に、こんな物がある。

 

『戦争のプロは兵站を語る。戦争の素人は戦略を語る』

 

補給路の確保は、「大軍」の維持のためには絶対に必要な物なのだ。

そう……………………「大軍」ならば。

 

正史の波才は、負けはしたが戦争の知識はあったのだろう。

では、外史の波才は―――――。

 

 

 

 

 

 

 

豫州の北東端、長社城。

将軍である皇甫崇と朱儁は城壁の上から、徐々に迫り来る黄色の軍勢を見ていた。

良く言えば悠々と、悪く言えばダラダラとした進軍で、黄巾軍は徐々に長社城に迫る。

総勢約100000の大軍勢。

 

皇甫崇「遅いわねーーーー」

朱儁「まったく! 時はお金なのに!」

 

2人の描いている戦略は極めて単純。

城攻めをさせ、相手の糧食が尽きるのを待ち、士気が下がりに下がった所を打って出る…………という至極単純なもの。

 

皇甫崇「……一撃ーーー喰らわせたいわねーーー」

朱儁「お金の無駄よ! と言うか、前の私はその誘惑に負けて騎馬隊突撃させて、ああなったんだから」

皇甫崇「判ってるけどねーーー……………………ん?」

朱儁「…………むむ?」

 

2人は、同時に気がついた。

 

皇甫崇「えーーーと、「蒼天已死」とかーーー「黄天當立」よねーーー?」

朱儁「…………ええ。あんな「波」なんて書かれた旗はなかったはずよ」

 

2人の視線の先には、黄色の旗に「波」と描かれた旗を掲げる集団が居た。

長社城を囲みつつある黄巾軍の中では、かなり後方に配置されている。

 

皇甫崇「…………大将ねーーー」

朱儁「愚かね、波才。素人の癖に欲目が出たようね」

 

 

 

 

 

その後、潁川方面黄巾軍は長社城を総攻撃を開始する。

しかし、農民崩れや山賊の混戦軍のため、錬度が低く、大将からの命令が行き渡らず、バラバラの散発的な攻撃で、仮にも防衛を目的に建造された城を落とせるはずは無かった。

何より、夜間の戦闘は同士討ちを伴うため危険であり、夕方には攻撃を停止。

進撃の疲れもあり、全軍は休息に入る。

その様子を見た皇甫崇が「うわーーー、隙だらけねーーー。周りは草原だしーーー油まいて火計でもすれば一発よねーーー?」と考え、夜襲を決意。

結果は…………官軍の大勝利。

火の海の中、黄巾軍は大混乱に陥り、次々と討ち取られ、崩壊。

 

 

ココに、潁川方面黄巾軍は殲滅された。

総大将・波才と共に―――――。

 

 

 

 

 

 

何度も言うが、外史の波才には、軍略を学ぶ機会など無かった。

だからこそ考える無茶な作戦。

効率を無視した度外視戦略。

この外史の官軍のミスは、波才ら黄巾賊に「戦略戦術など無い」と知っていながら「何をしでかすか判らない」を思考に留めなかった事にある。

 

 

村で一番の腕っ節を持っていたアタシの仕事は、山で木を切り倒す事。

山登りは得意中の得意なわけよ。

 

波才「でーも、疲れたねー」

 

と、目的地に着いたアタシは一息つく。

 

黄巾賊「波才さま! 汜水関の城壁に人影はほとんど有りませんぜ!」

波才「そうかい」

 

お天道様が傾き始めた頃。

アタシの視線の先にあるデカイ建物こそ、洛陽防衛要塞・汜水関。

左右は急激な角度のある崖によって囲まれ、敵軍が関の攻略するためには、関の正面に部隊を展開するしかないわけ。

正に、完璧な防御要塞…………って言われてる。

ただし、忘れちゃはいけないよ?

この砦は「左右を崖に<挟まれて>いる」と言う事をさ。

つまり、崖側から城壁に取り付くことは不可能ではないわけだ。

それに、アタシら1000ぐらいなら、分散すれば隠れる場所満載だしねえ。

 

黄巾賊「しっかし、さすが馬元義さんですね!」

波才「まったくだ。まあ「売官」って奴のせいで、汜水関の大将もコロコロ変わってるそうだ」

 

無論、そんな事は官軍側も承知していたさ。

崖の周囲にだって人は配置されてるし、侵入者があれば報せる仕掛け、もしくは殺すための罠も大満載。

でもさ、それも内通者が…………しかも汜水関で警備していた奴が居れば問題無い訳よ。

人が居る場所、抜け穴、仕掛けや罠の場所及び解体方法…………ってね。

 

波才「帝様様って訳ね」

黄巾賊「…………その帝のせいで、ウチら酷い目にあってるんですけど」

 

おや、どうやらコイツも殺気立っちまったようだ。

コイツも役人に苦しめられたクチだね。

 

波才「ま、暴れるのは洛陽に着いてからにしな。お月様が天頂になるちょいと前に侵入。制圧して門開ければ、あとは正面から、彭脱の軍が来るはずだ。それまで休憩だ。役人に見つかるなよ?」

 

他から集めに集めた軍勢、約30000弱。

黄巾賊は、そこら中に居るからね。

 

 

 

 

 

勝てる、なんて思っちゃいない。

官軍の……役人のしつこさとしぶとさは本物だ。

でもさ、洛陽周辺に賊を跳梁跋扈させるぐらいは可能な訳よ。

つまりさ、都の天子さまに泥を塗るぐらいは出来るはずさ。

ま、100000の大軍勢を囮にした訳だし、それぐらいの功績が無いとね。

にしても、あいつら何時まで持つかな?。

メシだってそんなに無かったし、3日も持てば良い方かな?。

 

 

 

夜。

満月の光のみが、大陸を照らす唯一の希望…………なーんて、な。

で、汜水関の城壁には、見張りの兵が2人居た。

アタシらは、ゆっくりと音を立てずに近づく。

ちなみに、後に続く黄巾賊たちは、みーんな山賊上がり。

こう言うのは大得意さ。

 

見張りA「ふわーーー、眠いなーーー」

見張りB「まったくだ。こんな時間まで見張りなんてしなくても良いよな?」

見張りA「そうだな。黄巾賊も、豫州辺りで止まっちまったとかよ」

見張りB「ビビらせてくれるぜー。はあー、まあ、いざ実戦になったら俺様の剣が火を噴くぜ!」

見張りA「言ってろバーカ」

 

やれやれ、馬鹿にされたもんだねえ。

まあいいさ、一瞬であの世に…………。

 

見張りA「あ……俺ションベン!」

見張りB「おいおい! 俺1人でココを見張るかよ!」

見張りA「あ? 怖いのか?」

見張りB「そ、そんな事無いぞ! ゆ、幽霊なんて居る訳ないぞ!」

見張りA「……どもるなよ」

見張りB「う、うるせえ! た、ただ危ないから俺も付いていってやる!」

見張りA「はいはい」

 

…………ありゃ? 居なくなった?。

…………。

…………。

おいおい、何の冗談だそりゃ?。

幾らなんでも無防備……………………む。

 

波才「罠か?」

 

いくらなんでも怪しい……怪しすぎる。

さっきの会話も突然すぎるし。

…………。

…………。

もしかして…………バレているのかも。

となると、引き返すべきか?。

 

波才「…………」

黄巾賊「波才さま! 今しかないで無いですよ!」

波才「…………そうだ、ねえ…………いや…………油を使うよ」

黄巾賊「な! まさか……気づかれていると?」

波才「…………」

 

アタシは頷く。

もしかすると、汜水関に入った瞬間に、何十本もの槍が襲い掛かるわ、矢の嵐が襲ってくるわ、の可能性がある。

だから、変更する。

本音を言えば、汜水関にある食い物や、鎧等の装備も欲しかった。

ソレさえあれば、役人のフリして洛陽に入り込む事も不可能じゃないし。

でもまあ、バレてるなら、しょうがないね。

 

波才「皆に伝えな。持ってきた油を全部、汜水……か、ん…………に?」

 

ソレは、アタシの視界に何時の間にか居た。

 

黄巾賊「? 波才さま? どうし…………?」

 

 

 

 

 

ああ、そうだ。

アタシは、アタシ達は、肝心な事を忘れていた。

 

?「…………」

 

アタシ達が「崖の上に居られる」と言う事は…………。

 

?「…………」

 

敵も「崖の上に潜める」って事に―――――。

 

 

 

 

 

汜水関の目前に、黄色の布を付けた集団が続々と集まってきた。

それは「黄」泉(よみ)の穴から這い出る亡者の如く。

漢王朝を、大陸を凶兆へと導く黄色の軍勢が溢れた

 

急げ、急げ、急げ、急げ―――――

 

駆けろ、駆けろ、駆けろ、駆けろ―――――

 

越えろ、越えろ、越えろ、越えろ―――――

 

その様は、木々から垂れる蜜に群がる蟲たちの如く。

 

コエロ、ツブセ、ウバエ、コロセ―――――

 

怨嗟を、憎悪を、憤怒を、絶望を、欲望を撒き散らしながら、彼らは大陸の主の居る場所を目指し、集い、出撃する。

それらの負の感情は、宵闇さえ喰らいつくさんと、進撃する。

故に、かの者らの歩む場所こそ、生と死の境界線。

無限に等しく次々と湧き出てくる彼らを倒すのなど、通常の人間には無理な話だ、。

むろん、彼らには限りがある。

無限など、此の世に人間が居る限り、存在しないのだ。

しかし、ソレに近いモノを目の当たりにして、錯覚することはある。

ソレとは、「量」。

人の視界を全て制圧する「量」を前に、人は「無限」を錯覚する。

夜の闇から溢れ出るシミ。

その行進を、止める者は…………。

 

彭脱「ん?」

 

だが、群れの一部が疑問を持った。

有象無象の賊との群れは、全てを殺し奪いつくす災厄となり、一気に帝都・洛陽まで進むはずだった。

しかし、それでも…………。

 

 

ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ………………………………

 

 

と汜水関の巨大な門が開けば、疑問が沸く。

無論、手はず通りである。

しかし……………………火が見えた。

 

彭脱「???」

 

油を用いて夜を明るくするのは、珍しくは無い。

少々金はかかるが、洛陽に近い場所にある防衛施設ならば、用意するのは簡単なはず。

そのための血税のはずだ。

しかし、開かれた汜水関の門に、灯火があり、そして…………人影が、ポツリと立って居れば、疑問が沸く。

元より、賊徒共に知らされている計画では、何の被害も無く汜水関を乗っ取り、あとは崖に沿って洛陽へ向かうはず。

もし、敵が気づいたなら、門が開くはずは無い。

 

彭脱「何だ?」

 

 

 

 

 

―――――愚か者共

 

―――――貴様らの幻想に付き合うのはコレまでだ

 

―――――気づかぬか?

 

―――――目前に佇む、暴虐の武勇に

 

 

 

 

 

?「…………」

 

幻想だ、全てが奴らの幻想…………誇大妄想。

「無限」? 「境界線」?

否、断じて否。

ココは、境界線にあらず、戦場の最前線。

生と死の境界線などではなく、地獄への入り口。

生者は等しく死者となり、死者は等しく、地に骸を晒す場所。

 

?「…………」

 

恐怖し、覚悟せよ、数多の有象無象。

愚劣極まる賊共は、思い知るが良い。

貴殿らがの目の前に立つは、純粋なる嵐を体現する武の化身。

知では無い。

謀では無い。

策では無い。

ただただ、純粋な「暴」なる「武」。

帝都・洛陽の本当の意味での守護者。

ココに…………最強にして絶対不落の護り手が存在する。

 

姓は、呂。

名は、布。

字は、奉先。

 

方天画戟を戦場で振るい続け、「飛将軍」の名を与えられた少女。

 

呂布「…………」

 

其れは、太古の伝承に名を残す、最強の武人の名前。

戦に負け、捕虜となって処刑されながらも「最強」の称号を2000年経った後も持ち続ける事を約束された武神である―――――。

 

 

 

 

 

 

裁決は既に出た。

しかし、彼らはソレを知らない。

未だに自分達が「無限」にして「死の境界線」と思い込んでいる彼らは。

左右は、断崖絶壁。

後方は、敗北への道。

故に進むは前方のみ。

狂気と凶器は壁となって、彼女を飲み込む。

死力を尽くした群れは…………。

 

呂布「…………弱い奴は死ね」

 

…………鎧袖一触。

一撃で吹き飛ばされた―――――。

 

 

 

 

 

 

波才「あ……は、はは」

 

アタシが必死に門の外に出た時には、決着はついたようなもんだったね。

ボー、とした感じの女の子が、槍みたいなのをぶん回してる訳よ。

そして、一振りする度に、赤い液体、黄色の頭巾を被った頭、腕、武器が、吹っ飛ばされてくわけよ。

 

波才「夢……なわけないか、はは」

 

あれは……そう…………「武神」ってやつかね?。

有象無象の群れて生まれた力なんて、何の意味も無いわ。

綺麗に踊っているようにも見えるけど、獲物の切っ先は正確に、アタシの仲間を屠っていくわけか。

アイツらは多分…………大地に倒れてから知るんだろうね。

自分達が、負けた事に…………。

 

波才「…………ククク、あっはっはっはっは!」

 

そうなって、ようやくアタシは腹を抱えて笑えた。

本当に、本当に久しぶりに腹の底から笑えた。

 

波才「…………」

 

 

 

 

 

例え、外史であろうと、結果は変わらない。

今宵の出来事は、官軍にとっての汚点。

歴史から削除されるは必死。

しかし、波才にはそんな事を考える頭も無く、余裕も無い。

 

 

 

 

 

呂布「…………ん?」

波才「悪いね。まだ生きてるよ」

 

アタシの出現に、目の前の怪物の目が僅かに細まったのが判った。

夜の暗闇は、もう意味が無い。

アタシの目も、身体も、心も、魂さえも、良い感じで熱く燃えている。

 

呂布「…………ちょっと、驚いた…………まだやる?」

波才「ははッ!」

 

アタシは、斧を真横に構えた。

仕事は山で木を切り倒すのが主…………だった。

だから、これが最後。

目の前の怪物を、大木と同等として対峙する。

 

呂布「…………」

波才「…………」

 

沈黙は僅か。

刹那に行われた視線の会話。

 

呂布「…………フンッ」

 

振り下ろされる、方天画戟。

 

波才「はああああああああーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」

 

振り回される、賊徒の斧。

 

交差する2者の影は…………すぐに、1つの影へとなった―――――。

 

 

 

 

 

 

呂布が、汜水関に現れた黄巾賊の軍勢を単身で崩壊させてから、数日後。

帝都・洛陽。

皇族たちが暮らす区域の庭園。

 

1人の女性が、汜水関の出来事の報告を受けていた。

紫の瞳に、胸元まで届く長い銀色の髪。

胸の上半分を露出させると言う際どい背格好。

 

何進「ほ、ほほう。さ、さすがは呂布はじゃ! あやつが居れば妾の地位は安泰じゃのう…………」

 

少々狼狽しているようだが彼女こそ、漢王朝より官軍の全てを任されている総司令官、すなわち「大将軍」である。

…………漢王朝の未来は、本当に大丈夫なのだろうか?。

 

何進「監視はそのままで良い。報告ご苦労。下がって良いぞ」

何進の部下「ハッ」

 

部下を下がらせ、何進は一息付く。

内通者についてはすでに呂布軍は捕らえている以上、処理は出来ない。

しかし「自身の失脚を狙う連中」も、今度の一件はあまり公には出来ないはず。

農民の反乱如きで、天下の洛陽が脅かされたなど、不名誉極まりない。

 

何進「……ふむ(さてさて、誰を追い落とすかのう? …………上手くやらんと、妾も危ないがな)」

 

と考えつつ、何進には余裕があった。

今回の一件は自分の派閥はほとんど関わっていない。

もし、内通者が居たとすれば、それは「自身の失脚を狙う連中」であろう。

と、何進が思案していた時だった。

いきなり何者かが、何進の細めラインを保つ腰に抱きついた

 

?「今日も良い天気なのでショウ!」

何進「はうッ!」

 

何進は、武人としての才能があまりないらしく、隙を見せてしまったようだ。

しかし、その特徴的な声には、聞き覚えがあった。

 

何進「べ、弁太子どの? お、驚きましたぞ」

 

この少年こそ、時の後漢朝の第12代皇帝・霊帝の嫡子、弁太子である。

 

劉弁「ショウショウショウ! 驚かせるのが目的でショウ!」

何進「まったく……もう少し、皇族としての節度を……」

 

何進が大将軍になれたのも、この少年の存在が大きい。

ご存知の通り、この少年が後漢朝の第13代皇帝「少帝弁」になるのだから。

 

劉弁「ところで伯母上。ちょっと聞きたい事があるのショウ」

何進「ほう? 何ですかな?」

劉弁「この本なのでショウ」

 

と言って、劉弁は懐から一冊の本を出した。

 

 

 

タイトル『俺の肉屋さん』

著者:歯利伊・座・著津派亜(ばりい・ざ・ちょつぱあ)

 

 

 

何進「…………(はい?)」

劉弁「この本の、この部分の解体方法で使う包丁についてなのでショウが、やっぱり細身の刃物で一度切り込みを…………」

何進「…………」

 

なお、知らない人も居るかもしれないが、何一族は元々、洛陽で肉屋を経営していたそうな。

と言うか、そもそも劉弁は皇太子であり、勉強するべきなのは政治関係の書物とか、軍事に関わらないにしても、兵法書とかのはずである。

しかし、しかしである。

さっきも説明したが、何一族は元は肉屋であり、何進も肉屋の看板娘であった。

つまり…………。

 

何進「う~む、珍しいやり口ですのう? ふむふむ、妾が働いていた頃は大刀でバッサリでしてのう…………」

劉弁「ほうほう、でショウ」

 

と、専門家同士の雑談になるのであった。

 

 

 

 

 

本日も、帝都・洛陽は平和であった。

 

 

 

 

 

張譲率いる十常侍「「「「「……(ダメだこいつら。早く何とかしないと)……」」」」」

 

と、物陰から不穏な事を考えている連中も居るが。

 

 

 

 

 

 

 

※本SSのキャラ、正史における解説

 

 

 

●何進(かしん)

妹が後宮に入った事で出世が約束され、妹が劉弁を生んだことでますます出世し、黄巾の乱の影響で軍部での最高の地位「大将軍」になってしまった人。

無能と思われがちだが、宦官・十常侍に「肉屋のせがれだし、かつての外戚みたいにはならないだろう」と油断させながら、袁紹以下各地の豪族を何気にまとめていた凄い人。

なお、肉屋の仕事は重労働のはずなので、身体は弱くは無かったはず。

しかし、十常侍に騙されて一人でノコノコ宮廷にやって来た所を殺されてしまったため、油断の塊ではあったようだ。

 

本SSでは、アニメ版恋姫での何進を描きました。

 

 

 

●劉弁(弁太子)

後漢朝の第13代皇帝「少帝弁」になる皇太子。

なお、無印恋姫だと「廃帝弁」。

頭が悪い、との話だが日本の「豊臣秀頼」の事も考える(肥満体質でまともに動けないとか、身体が細く肌色が真っ白でただの御人好しとか、二条城で徳川家康と謁見して「やべえよ! 息子の秀忠じゃあコイツに勝てねえ!」と焦らせたとか)と、当てにはならない。

最期は董卓に毒殺されたらしいが…………作者的には、斬り殺して燃やせば良い様な気もする。

 

本SSでは、口癖として、語尾に「ショウ」と付ける。

「少」帝弁ですし。(笑)

さすがに未来の帝を女にするのは抵抗があり、元気な少年だが、勉強はあまり好きではない、と言う設定。

正し、趣味の肉料理だけは、真面目に勉強している設定。

歯利伊・座・著津派亜(ばりい・ざ・ちょつぱあ)と言う御方が書いた本を読んだ影響で、夜な夜な街を繰り出しては人を…………と言う事があるかもしれない?。

 

 

 

 

 

 

後書き

 

ココまでのご愛読、有難う御座いました。

後味が悪いかもしれませんが、「恋姫になれなかった英傑達」なので、華雄将軍より扱い悪くしないと、華雄将軍に申し訳ないですし。(←オイ)

…………個人的に、華雄の真名は「葉雄」でも良い様な気がします、本名ですし。(笑)

何気に、恋無双な話ですが、元々このSSは、魏√で、恋が30000の軍勢を1人で潰した話が大元です。

ただ、恋ばかり書いても自分の中で面白味が無く、むしろ、恋を敵側に置くことで、その強さを描けるかなーと。

もちろん、波才は書いていて好きなんですが……………………恋が大好きなんです、ハイ。(汗)

まあ、恋姫キャラはそれぞれ魅力がありますし、皆好きなんですよ…………でも、一番は恋かなあ?。(笑)

 

次回作も考えています…………ええ、以前、別のサイトで挫折した話の再構築を。(汗)

ごちゃ混ぜは、もうしません、ハイ。

やっぱり北郷一刀が出ないと、恋姫じゃないかなー、と思いつつ、左慈ももうちょっとライバルっぽくしたいなーと、考えてます。

 

それではー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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