No.867835

Triangle Goddess! 第26話「策には策で立ち向かえ」

Nobuさん

VSナッツォ。かなり難しい戦闘シーンでした……。

2016-09-07 14:21:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:298   閲覧ユーザー数:298

「チリングボルト」

 水のナッツォは、凍てつく矢を魔法防御力が低いトールに向けて放ちました。

「はっ!」

 しかし、トールはミョルニルを振るい、その矢を吹き飛ばしました。

「そっちが策で来るってんなら、こっちも策で行くぜ!」

「いや、それ策じゃないんですけど」

 武闘派のトールが「策」と言ったため、ゲールは思わずツッコミを入れました。

「ふふふ……あなたには策が向いていないと見ました。ポイズン!」

 水のナッツォの手から黒い光が放たれると、それはジャンヌに命中しました。

 ジャンヌの体は、毒に侵されてしまいました。

「ぐ……っ!」

「大丈夫ですか、お姉様! アンチドート!」

 その毒はゲールの魔法によりすぐ治りましたが、ゲールの下に魔導陣が現れました。

 ゲールはその魔導陣から現れた闇に絡め取られ、動けなくなってしまいました。

「しまった!」

「ゲール!」

「う、動けません……!」

「ふふふ……動けなければ、戦力が減るでしょう」

「ならその減った戦力分を補えばいいよ! シャドウエッジ!」

 バイオレットは水のナッツォに黒い刃を放ちました。

「そんなもの」

 水のナッツォはすぐにそれを打ち消しました。

「隙ありぃ!」

「がはぁっ!」

 しかし、彼の頭上から、ミョルニルが振り下ろされました。

 実はバイオレットの放ったシャドウエッジは、囮だったのです。

 

「策には策で、立ち向かいます!」

「卑怯な手にかかって負けたら、戦士の名が廃るからな!」

 

「スリープクラウド」

 水のナッツォが杖を振ると、白い煙が現れました。

 これは、煙で相手を包み込んで眠らせる呪文で、

 相手を無力化させる呪文としては最も一般的なものです。

「かわせ!」

「はい!」

「チリングボルト」

 ジャンヌは素早く飛んでかわしましたが、

 水のナッツォがジャンヌの回避を読んだのか、その地点に凍てつく矢を放ちました。

「ウィンドバリア!」

 しかし、それもジャンヌにはお見通しだったらしく、風の能力で防御しました。

「相手の考えを読んだ方がよさそうですね……シャープネス!」

 ゲールは強化魔法を自分にかけて突っ込んでいきました。

 能力タイプのゲールにとってこの行動は一見すると無駄に見えますが、

 これは水のナッツォに対抗するためのものです。

「せいっ!」

 ゲールは拳を真っ直ぐ突き出し、水のナッツォを殴りました。

「ぐおぉ!」

「はっ!」

 次に、水のナッツォを蹴って浮かせました。

 ゲールもそこからジャンプして、かかと落としで水のナッツォを地面に叩き付けました。

「相手の裏も読むのが、策ってものなんですよ」

「く……っ、ならばこうしましょう! グラビティ!」

「!?」

 水のナッツォが呪文を唱えると、突然、三女神とトールを過重力が襲いました。

 三女神は耐えきれずに膝をつき、トールもミョルニルに支えられて何とか立ち上がっている状態でした。

「う、動けない!」

「周りを重力で覆うとは……アンタらしい卑怯な魔法だな……」

「ふふふふふ」

「だがよ……これくらいでくたばるオレじゃ、ねぇんだ、ぜ……!」

 トールは、ミョルニルを天高く投げつけました。

「そんなもの、私には効きませんよ?」

 水のナッツォはバリアを張り、ミョルニルの攻撃をガードしようとしましたが……。

 

―ガシャーン!

「うわぁぁぁっ!?」

 ミョルニルはバリアを貫通し、水のナッツォに命中して大ダメージを与えました。

 

「トールさん……!」

「へっ、重力を利用したのさ。重力で勢いがついたミョルニルの威力は高まる! ってね」

「よ、よくもこの私に傷をつけましたね……。許しませんよ! ポイズンクラウド!」

 水のナッツォは過重力を解除した後、毒の霧を放ちました。

「あぁ、もう! なんでこんなのばっかりなの……!」

「とにかく相手に近付け! 話はそこからだ!」

「は、はい!」

 水のナッツォが放つ毒の霧や眠りの霧に悩まされつつも、

 三女神は何とか水のナッツォに近付こうとしていました。

「こんなに補助魔法が飛んでくるなんて……」

「だがよ、本体を叩けばこれでおしまいだぜ、とおっ!」

 トールはミョルニルを強く握りしめ、水のナッツォに突っ込んでいきました。

「食らえっ!」

 トールのミョルニルが、水のナッツォの頭部を狙いました。

 しかし、バリアによりいとも簡単に弾き飛ばされました。

「くっ!」

「私は攻めるより、守る派なのですよ」

「守りを崩すためには……どうすればいいのでしょう……」

 ジャンヌは、水のナッツォの弱点を探していました。

 どんなものにも必ず弱点はある、とジャンヌは思っているからです。

 

「……! ありました!」

 そして、ジャンヌは弱点を見つけました。

「バリアの右端を狙ってください!」

「右端……? そこを狙えばいいのか?」

「はい!」

「……やってみるしか、ないようだな! どぉりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 トールはバリアの右端目掛けて、ミョルニルを振り下ろしました。

 すると、水のナッツォが張っていたバリアに、ひびが入りました。

「なんと!」

「よし! 後はそこを狙うよ!」

 そう言うと、バイオレットはひびの入った場所に闇の刃を放ちました。

 すると、バリアは砕け散りました。

「なっ! わ、私のバリアが……!」

「よーし! 後は総攻撃だ! いっけぇーーーーー!!」

「ウィンドストーム!」

「ライフドレイン!」

「ダークブレイズ!」

「ミョルニル・ブロウ!!」

 ジャンヌ、ゲール、バイオレット、トールは、水のナッツォに向かって一斉攻撃を放ちました。

 神の攻撃に人間が耐えられるはずもなく、水のナッツォはあっという間に倒されました。

 

「よ、よくも、この私を……」

「逃がすものか!」

 水のナッツォはテレポートで去ろうとしましたが、バイオレットの影の能力により縛り付けられました。

「さようなら……これで、とどめよ!」

 バイオレットは影の能力を使い、水のナッツォを切り刻んでとどめを刺しました。

 

―ブゥン

 水のナッツォが死んだと同時に、空間が元に戻りました。

「よし、これで四使徒も二人くたばったな」

「はぁ……嫌な相手だったです」

 あまりにも陰険すぎたため、ジャンヌやゲールは

 彼のような存在を二度と相手にはしたくありませんでした。

 しかし、これで四使徒は「火」と「風」の残り二人となりました。

 

「……帰ったらゆっくり休みましょう」

「そうだな……」


 
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