No.865623

[練習用HTMLゲーム]フリー用小説「夢の国のハムスター」

pixiv「ゲーム製作研究グループ」で作成した[練習用HTMLゲーム]でフリー1話に用いた小説です。
セリフ後ろの[]記述はHTML上のキャラクター動作設定です。

◆2017/6/29追記:ブラウザ[google chrome]に仮対応しました(レイアウトは崩れる可能性があります)
------------------------------------

続きを表示

2016-08-26 22:47:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:393   閲覧ユーザー数:393

□休みのお昼過ぎの教室でのやりとり□

エミーリア「こんにちはー!」[エミーリア:フェードイン/笑顔][さっくん:画面端見切れフェードイン]

エミーリア「・・・といっても今日は日曜日で誰もいないのですけど」[エミーリア:通常]

アセット「テンション高いよ・・・」[アセット:フェードイン/通常]

ナレーター「日曜日お昼の静かな教室に元気と静かな2人が入ってきた」

エミーリア「ハムスターに会えると思ったらつい浮き足立ってしまいました・・・」[エミーリア:照れ]

ナレーター「昨日の放課後のこと」

ナレーター「エミーリアが学校近くの茂みにハムスター2匹が隠れているのを見つけた」

ナレーター「教師に相談したところ、飼い主が探しているかもしれないと学校で預かることとなった」

アセット「世話は先生に任せておけば良かったのに・・・」

エミーリア「いえ、これは私の使命です!」[エミーリア:通常]

ナレーター「エミーリアが日曜日の世話を申し出た事からハムスターのカゴは職員室から教室に移されている」

ナレーター「午前中は可愛いもの好きの教師数人が交代で様子を見に来ていたらしい」

アセット「・・・いいけど、早く餌あげて帰らない?」[アセット:困り顔]

エミーリア「え・・・30分だけ観察日記つけちゃ駄目ですか・・・?」[エミーリア:照れ]

アセット「私、やる事がなくなって20分経ったら怪談話始める癖があるらしいよ・・・」[アセット:通常]

エミーリア「そ、それは止めてください、眠れなくなるんです!」[エミーリア:涙顔(コント)]

アセット「・・・分かったから、そんな目で見ないで」[アセット:困り顔]

ナレーター「アセットはエミーリアの潤んだ瞳に弱かった」

エミーリア「もう怖い話は嫌で・・・あれ」[エミーリア:焦り顔]

エミーリア「誰かきてるみたいですね」[エミーリア:通常]

ナレーター「ふと気が付くと教室の隅でさっくんが床に座って寝ていた」[アセット:通常]

エミーリア「さっくんも来てたんですね」

アセット「ほんとだ、なんで床で寝てるんだろう・・・」

エミーリア「床って時々すごく落ち着きますよね、さっくんの気持ちが分かる気がします!」[エミーリア:笑顔]

アセット「・・・私には分からないけど」

ナレーター「さっくんはとりあえずそっとしておいて、2人はハムスターのカゴの元に歩み寄る」[エミーリア:カゴよりに少し移動][アセット:カゴよりに少し移動][カゴ:フェードイン]

ナレーター「ハムスターは茶と白の2匹で体長は10cm程度」

ナレーター「エミーリアが近づいても警戒する様子はない」

エミーリア「やっぱり可愛いです! 鼻をヒクヒクさせてますよ!」[エミーリア:笑顔/1回ジャンプ]

アセット「餌をもらえると思ってるんだよ」[アセット:笑顔]

エミーリア「じゃ、じゃあ早くあげないとですね!」[エミーリア:通常]

ナレーター「エミーリアはいそいそと鞄からハムスター用の餌の入った袋を取り出した」

エミーリア「本日はこのペレットタイプの餌をあげてみようと思います!」[エミーリア:笑顔]

アセット「可愛いからってあげすぎは駄目だからね」

エミーリア「わ、分かりました!」[エミーリア:通常]

ナレーター「エミーリアは少量の餌を取り出して容器に入れ、カゴの中に置く」

ナレーター「餌が置かれて3秒も経たずに2匹のハムスターは餌に集まってきた」

エミーリア「わぁ、食べてます食べてます!」[エミーリア:笑顔/2回ジャンプ]

アセット「・・・私もお腹すいた」[アセット:困り顔]

エミーリア「でもちゃんとご飯もあげられてほっとしました、実は昨日からあまり眠れてなくて・・・」[エミーリア:通常]

ナレーター「安心したようにエミーリアは近くの椅子に座り込んだ」

エミーリア「なんだか気が抜けたら眠くなってきました・・・」

アセット「・・・エミーリア?」[アセット:通常][エミーリア:フェードアウト]

ナレーター「窓の外を眺めていたアセットはふと振り向いた」

エミーリア「・・・・・・スー」

ナレーター「すぐ傍にはハムスターのカゴ前で既に机に伏せて寝ているエミーリアがいた」

アセット「え・・・ここで寝るの」[アセット:困り顔]

ナレーター「エミーリアに近づいて軽く揺するがエミーリアは起きない」[アセット:エミーリア位置に少し移動]

アセット「もう、エミーリアは・・・」

ナレーター「ため息を一つついてアセットも傍の椅子に腰を下ろす」

ナレーター「始めは頬杖をついて、寝ているエミーリアを眺めていたが・・・」

ナレーター「お昼寝に最適な気候がエミーリアを夢に誘ったように、アセットの目蓋を重くしていった」

アセット「あ・・・これは確かに心地いい・・・」

ナレーター「その1分後、アセットも同じように机に伏せていた」[アセット:フェードアウト]

[全員:フェードアウト]

 

 

 

□ハムスターの世界□

さっくん「んー・・・眩しい」[さっくん:眩しそうな顔(焦り顔代用)]

ナレーター「教室の床に座って眠っていたはずのさっくんだったが」

ナレーター「気がつけば見知らぬ大草原の中で寝転がっていた」

さっくん「(草と土の匂い・・・?)」

さっくん「(・・・あ、部活の時間だ)」

ナレーター「半身を起こしたさっくんの目の前には草の緑と空の青が見渡す限りに広がっていた」

さっくん「・・・・・・」[さっくん:通常]

さっくん「・・・・・・」

さっくん「・・・・・・HAHAHA?」[さっくん:外人顔]

ナレーター「周囲には教室も学校も、建物すらも見当たらない」

さっくん「・・・あれだ、昨日「草原で大の字してみたい」とか言ってたから・・・」[さっくん:焦り顔]

さっくん「いや、それともこれがタイムワープというものなんだろうか・・・」[さっくん:驚き顔]

ナレーター「さっくんの発想は何処か幸せめいている」

さっくん「科学技術もすすんだな、そりゃあ1人1台携帯電話なんて時代もくるか」[さっくん:通常]

ナレーター「うんうんと頷くさっくん」

ナレーター「しかし真実はただの「夢の中」である」

さっくん「けどそろそろ部活の時間だから学校に帰らないと・・・」

ナレーター「ぽんぽんと服についた土と草を払って立ち上がる」[さっくん:通常2]

ナレーター「そしてとりあえず大草原を満喫するように大きく伸びをしてから周囲を見渡してみた」

ナレーター「しかし見えるのは草と空だけだった」

さっくん「・・・・・・とりあえず電話をかけよう」[さっくん:笑顔1]

ナレーター「携帯電話の画面を見るが[圏外]の文字」

ナレーター「(ガサガサ・・・)」

ナレーター「その時、近くの茂みが不自然な揺れ方をした」

さっくん「な、何やつ!」[さっくん:焦り顔]

ナレーター「咄嗟に近くにあった小石を拾い上げて身構えるさっくん」

ナレーター「茂みから現れたのは体長50cm程度の巨大ハムスターだった」[スタハム:通常/フェードイン]

さっくん「わ・・・でか過ぎるハムスター!」[さっくん:驚き顔]

スタハム「僕の気配に気づくなんて・・・やはり奴の手下だな!」[スタハム:焦り顔]

さっくん「しかも喋って・・・君は自分のいた世界に帰るんだ!」[さっくん:焦り顔]

スタハム「しかし負けるわけにはいかない、僕は勇者スタハム!」

さっくん「いや、それとも新種発見で有名人になれるかもしれないのか・・・?」[さっくん:真剣顔]

スタハム「いくぞ魔王の手下!」

ナレーター「余所見をしていたさっくんにどす~んと巨大ハムスターの体当たりが直撃する」[スタハム:突進動作][さっくん:驚き顔]

さっくん「な、なんてふわっふわの体当たりなん・・・だー・・・」[さっくん:笑顔2]

ナレーター「愛犬に体当たりされる様な感覚を全身で受け止めてさっくんは巨大ハムスターの下で満面の笑みを浮かべていた」[さっくん:フェードアウト]

[全員:フェードアウト]

 

 

 

□不毛な戯れ□

ナレーター「巨大ハムスターはさっくんの周囲をぐるぐると回っている」[さっくん:真剣顔/フェードイン][スタハム:焦り顔/フェードイン]

さっくん「そろそろ疑いは晴れませんか~・・・?」[さっくん:焦り顔]

ナレーター「さっくんは肩を落とした」

ナレーター「ハムスターとはいえ喋っているので一応敬語で話してみている」

スタハム「ま、まだ信用できない! 何処かに武器を隠し持ってるかもしれないし」[スタハム:汗エフェクト]

ナレーター「体当たりされた後、巨大ハムスターのさっくん取調べは30分にも及んでいた」

さっくん「参ったな~・・・学生証ってハムスターには通じないのか」

ナレーター「困ったさっくんは身分証明をと学生証をハムスターに見せたがペチンと地面に落とされてしまった」

スタハム「本当に魔王の手下じゃないのかっ・・・?」[スタハム:1回ジャンプ]

さっくん「違いますって、ただの高校生で名は通称さっくん・・・」

さっくん「ちなみに演劇部さっ」[さっくん:外人顔]

スタハム「な、なんか今のその顔は信用できないっ・・・」[スタハム:汗エフェクト]

さっくん「すいません、ちょっと疲れてきてて・・・」[さっくん:焦り顔]

スタハム「・・・奴の手下じゃなかったのか・・・」[スタハム:少し移動(後ずさり)]

ナレーター「巨大ハムスターはようやくさっくんの事を信じたのか、持っていた剣風の木の棒を鞘にしまった」

スタハム「・・・勘違いしてすまない」[スタハム:通常]

さっくん「あ、別にいいんですけど・・・」[さっくん:通常2]

ナレーター「巨大ハムスターは低い警戒体勢から身を起こした」

スタハム「僕は勇者スタハム、この先の丘にいる魔王ハムスと戦いにいくところなんだ」

さっくん「はあ・・・勇者さん」

スタハム「うん、今僕達の村は魔王のせいで飢餓に苦しめられているんだ」[スタハム:焦り顔]

スタハム「だから僕が魔王と戦いに行くことになったんだけど・・・」

さっくん「ハムスターの世界も大変なんですね・・・」[さっくん:焦り顔]

ナレーター「スタハムは憂鬱な面持ちで語り始めた」

スタハム「実はさっき魔王と対峙した」[スタハム:通常]

スタハム「でも魔王は僕の何倍もある魔獣を2体も操っていて・・・」[スタハム:焦り顔]

さっくん「な、なるほど・・・負けちゃったと・・・」

スタハム「ま、負けてない! だからこうして準備を整えて戻ってきたんだ!」[スタハム:1回ジャンプ]

スタハム「けどその魔獣達がまだ魔王の所にいるとなると・・・」

ナレーター「そこまで話したところで突然スタハムの目が輝きだした」[スタハム:目キラキラ]

スタハム「き、君、今忙しい?」

さっくん「部活の時間は近いですけど・・・な、何でしょう?」[さっくん:汗エフェクト]

スタハム「僕は魔王と1対1なら勝てるんだ! だけど魔獣達が相手に加わるとどうしようもなくて・・・」[スタハム:少し歩み寄り]

さっくん「ま、まあ3対1はずるいと思います・・・」[さっくん:後ずさり]

スタハム「僕は村のためにもどうしても負けられなくて!」[スタハム:少し歩み寄り]

さっくん「そ、そうですよね・・・話を聞いてる限りでは・・・」[さっくん:後ずさり/汗エフェクト]

スタハム「村のみんなは僕が魔王に勝つことを待ってる!」[スタハム:1回ジャンプ/少し歩み寄り]

ナレーター「一つ話す度にスタハムは一歩ずつさっくんに歩み寄ってくる」

ナレーター「ハムスターの潤んだ懇願の目を見ればいいたい事は黙っていても伝わった」

さっくん「つ、つまり魔獣の相手をしてほしいってことですか・・・?」

スタハム「手伝ってくれる!?」[スタハム:元気エフェクト]

ナレーター「ハムスターが勇者の世界の魔王や魔獣と聞いてさっくんの頭の中にはライオンや虎が頭に浮かんだ」

さっくん「えっと、魔獣が体長30cm以下なら手伝ってもいいですけど・・・」[さっくん:真剣顔]

さっくん「それ以上だったらすみません、逃げます」[さっくん:さらに真剣顔(怒り顔代用)/汗エフェクト]

スタハム「わ、わかったよ! じゃあひまわりの種を1年分あげる!」[スタハム:焦り顔/1回ジャンプ]

スタハム「だから体長1.5~1.6mぐらいまでは頑張ってくれないかな・・・!」

さっくん「1.5~1.6mは無理じゃないですかね!」[さっくん:驚き顔/後ずさり]

さっくん「っていうかあなたも止めといた方がいいかなー、なんて言ってみたりして・・・」[さっくん:笑顔2/汗エフェクト]

スタハム「手伝ってくれるんだね! ありがとう!」[スタハム:目キラキラ]

さっくん「無茶ダヨ!?」[さっくん:外人顔/混乱エフェクト]

スタハム「それでは気が変わらない内に魔王の元へ向かいましょう!」[スタハム:さっくんに隣接]

さっくん「ん、あそこにヒマワリの種の山が!」[さっくん:汗エフェクト]

スタハム「え、えっ! さっき無くしたおやつかも!」[スタハム:さっくんから離れる]

ナレーター「スタハムが辺りを見回しているスキにさっくんは逃げ出した」[さっくん:フェードアウト]

スタハム「ひまわりの種の山は一体何処に・・・」[スタハム:汗エフェクト]

スタハム「・・・・・・あれ、さっくんさん?」[スタハム:目を丸くする]

[全員:フェードアウト]

 

 

 

□魔王の元へ□

さっくん「結局見つかってしまった・・・」[さっくん:焦り顔]

スタハム「僕の鼻は特別なのです、逃げたって無駄ですよ」[スタハム:通常]

さっくん「言い方が魔王っぽいけど、実はあなたが悪いんじゃないですよね・・・」[さっくん:笑顔1/汗エフェクト]

スタハム「何を言うんだい! 魔王はいつも自分ばかり大きい種を食べて僕達にはカスカスの小さいのしかくれないし!」[スタハム:焦り顔/1回ジャンプ]

スタハム「あ、でもこの前魔王が送ってくれた胡桃はおいしかったけど・・・」[スタハム:通常]

さっくん「あれ、なんだか子供のケンカみたいな臭いがしてきたぞ」[さっくん:焦り顔]

ナレーター「そうこうしている内に2人は一本の樹木が立つ眺めのいい丘の上へとやってきた」[ハムス:たくらみ顔/フェードイン](ハムス:手作り感魔王衣装)

ハムス「ふっふふふ、よく来た勇者スタハムよ」

スタハム「魔王ハムス! やはりまだここにいたか」[スタハム:焦り顔/1回ジャンプ]

さっくん「一応聞きますけど、その勇者とか魔王ってごっこじゃないですよね」[さっくん:真剣顔]

ナレーター「さっくんは子供の頃の漫画の真似事遊びを思い出した」

スタハム「ここは昔からお前が好きな場所だからな・・・」

さっくん「(・・・多分あれだ、景色がいいからあっちの子が独り占めしてたとかだ)」[さっくん:焦り顔]

ハムス「さっきコテンパンにしてやったのにまだ懲りていないようだな」

スタハム「うるさい、今度は違うぞ。覚悟するんだ魔王」[スタハム:汗エフェクト][さっくん:真剣顔/一歩離れる]

ナレーター「盛り上がる2匹のハムスターをよそにさっくんは地面に靴先で「の」の字を書き始めた」

ハムス「仕方ない・・・では今回も我が配下、魔獣どものおもちゃになるがよい!」[ハムス:一歩前へ]

ハムス「出でよ、魔獣ども!」[ハムス:1回ジャンプ][さっくん:一歩離れる]

ナレーター「魔王ハムスが手を振り上げると一本の樹木の後ろから2つの影が現れた」[ハムス:後ろに下がる][エミーリア:照れ/フェードイン][アセット:通常/フェードイン]

エミーリア「・・・魔獣その1、エミーリアです・・・」[エミーリア:アセットの後ろに隠れる]

アセット「・・・」

ナレーター「少し恥ずかしそうな魔獣1と始めから明後日の方しか見ていない魔獣2が魔王の一歩前に出る」

スタハム「出たな、魔獣・・・!」[スタハム:後ずさり]

エミーリア「魔王ハムスさんの可愛さに操られた設定を受け入れてしまいました・・・」[エミーリア:アセットの後ろから出る][さっくん:一歩離れる]

エミーリア「ですが、それでも決まったからには頑張ります!」[エミーリア:通常]

ハムス「うむ、よろしく先生!」[ハムス:元気エフェクト]

エミーリア「勇者さんをまたフニャフニャしてあげたらいいんですよね!」[エミーリア:笑顔]

アセット「・・・帰ってゲームしたい」[アセット:不満げ]

さっくん「(アセットが結構イライラしてる・・・)」

ナレーター「勇者歓迎のエミーリアと無気力さが30%増しのアセットの2人が立ちふさがる」

スタハム「こ、今度はこっちにだって戦士さっくんもいるんだ! 負けないぞ!」[スタハム:1回ジャンプ]

エミーリア「さっくんの弱点は知ってます! 可愛い魔王に攻撃なんかできません!」[エミーリア:元気エフェクト]

アセット「・・・それはエミーリアでしょ」[アセット:悲しげ]

ナレーター「さっくんは6個目の「の」の字を書き始めた」[さっくん:一歩離れる]

スタハム「さっくんさん、魔獣をお願いします」

さっくん「エミーリア、道あけてほしいなー・・・」[さっくん:笑顔2/汗エフェクト]

エミーリア「と、通しちゃいけないことになってるんです・・・!」

アセット「通してあげなよ、さっくんも困ってる・・・」[アセット:通常/舞台中央(奥)に移動]

エミーリア「え~・・・」[エミーリア:涙目(コント)/アセットに隣接][さっくん:通常1]

スタハム「よし、道は開けた! いくぞ魔王!」[ハムス:焦り顔][スタハム:元気エフェクト]

ナレーター「エミーリアがしぶしぶ譲った道をスタハムが突き進む」[スタハム:大きく前へ/1回ジャンプ][エミーリア:苦笑(汗)顔]

ハムス「く、やるしかないか!」[ハムス:1回ジャンプ]

ナレーター「(どーん!)」[スタハム:ハムスに隣接/1回ジャンプ]

ナレーター「スタハムの体当たりを受けてごろごろごろと魔王が後ろに3回転する」[ハムス:大きく後ろへ][エミーリア:目グルグル/1回ジャンプ]

エミーリア「ま、魔王さん! 大丈夫ですか!?」

ハムス「いたー、そんなに強くあたることないじゃないか!」[ハムス:2回ジャンプ/怒りエフェクト]

スタハム「うるさい、今度という今度は許さないぞ!」[スタハム:1回ジャンプ]

ナレーター「戦いが始まったところでさっくんがアセットのいる一本木の下へと移動する」[さっくん:舞台中央(奥)]

アセット「・・・やほ」

さっくん「2人はなんでここに?」

アセット「・・・知らない」

ナレーター「役目を終えたさっくんが舞台から降りた後、ハムスター2匹とエミーリアを残した舞台はさらに白熱していた」

スタハム「冬をこすための蓄えを半分以上食べてしまうなんて!」[スタハム:怒りエフェクト]

ハムス「それはお前が僕のおやつとったからだろう!」[ハムス:怒りエフェクト]

ハムス「大体あれは一昨年のあまりものだ!」[ハムス:1回ジャンプ]

ナレーター「(どーん!)」[ハムス:スタハムに隣接/1回ジャンプ]

ナレーター「魔王ハムスの突進でスタハムが後ろに5回転する」[スタハム:大きく後ろへ][エミーリア:1回ジャンプ]

エミーリア「あわわ、2人ともケンカは駄目ですよ!」[エミーリア:混乱エフェクト/2回ジャンプ]

ナレーター「エミーリアが倒れたスタハムの元に駆け寄る」[エミーリア:スタハムに隣接]

エミーリア「2人は同じハムスターなんですからこんな大喧嘩は駄目です!」[エミーリア:汗エフェクト]

エミーリア「蓄えとかおやつとか勝手に食べてしまうのは確かによくない事です・・・」[エミーリア:哀しみ顔(苦笑(汗)顔代用)]

エミーリア「でもちゃんとお話して分かり合いましょう!」[エミーリア:通常]

ナレーター「エミーリアがしゃがみ込んでハムスター目線で話しかける」

エミーリア「きっとお互いが大切なら同じ事は起きないんじゃないでしょうか!」[エミーリア:笑顔2]

ハムス「け、けどあれは楽しみにしてたおやつで・・・!」[ハムス:エミーリアに隣接]

ナレーター「エミーリアはごそごそとポケットからクッキーを取り出した」[エミーリア:通常4]

エミーリア「では仲直りのおやつです、2人で仲良く食べてください♪」[エミーリア:笑顔2/元気エフェクト]

スタハム・ハムス「おやつ!」[スタハム:目キラキラ/1回ジャンプ][ハムス:目キラキラ/1回ジャンプ]

ナレーター「クッキーを2つに割り、笑顔でハムスター2匹に差し出した」

ハムス「クッキー・・・おいしいのか?」

スタハム「こ、これは!」[スタハム:1回ジャンプ]

ナレーター「スタハムが目を丸くしてエミーリアを見上げた」

スタハム「おいしい・・・! 胡桃くらい!」[スタハム:元気エフェクト]

ハムス「・・・うん、おいしい!」[ハムス:1回ジャンプ]

ナレーター「2匹の顔に笑顔が生まれる」

ナレーター「その笑顔を見てエミーリアも笑顔になる」[エミーリア:元気エフェクト]

エミーリア「良かったです! おやつがあればもうケンカする必要はないですよね」[エミーリア:通常4]

スタハム「魔獣は実はいいやつだったのか・・・」

ハムス「ありがとう、魔獣・・・!」

エミーリア「いえいえ、いいんです。いい子な2人の頭撫で撫で~」[エミーリア:笑顔]

ナレーター「2匹のハムスターの頭を優しく撫でるエミーリア」

ナレーター「その行為に、付き合いの長いアセットには勘付くものがあった」

アセット「エミーリア・・・「ハムスター2匹ゲット」って考えてるでしょ・・・」[アセット:悲しげ]

ナレーター「その言葉にエミーリアと2匹のハムスターの動きがとまる」[ハムス:石化風][スタハム:石化風]

アセット「ついでに「もうこの子達は私の子」とも考えてるね・・・」[アセット:通常]

エミーリア「あ、アセット! 何言ってるんですかっ!?」[エミーリア:苦笑(汗)顔]

ナレーター「(ザザッ)」[ハムス:焦り顔/エミーリアから離れる][スタハム:焦り顔/エミーリアから離れる]

ナレーター「固まっていた2匹が大きく後ろに飛びのく」

スタハム「さ、さすがは魔王の手下! 心を操りにかかってくるとはな!」[スタハム:汗エフェクト]

ハムス「そ、そうだったのか・・・! 分からなかった!」[ハムス:汗エフェクト]

エミーリア「ち、違います! そんなわけないですから!」[エミーリア:涙目(コント)]

エミーリア「アセット、どうしてそんな事言うんですかー!?」[エミーリア:目グルグル/1回ジャンプ]

ナレーター「エミーリアの訴えの目を尻目にアセットはぷいとそっぽを向いた」[エミーリア:アセットよりに少し移動]

[全員:フェードアウト]

 

 

 

□決着へ□

スタハム「なんかもう戦う理由がなくなった気もするけど・・・この際決着だけはつけてやる!」[スタハム:焦り顔/フェードイン]

ハムス「え・・・僕はもうどっちでもいいんだけど・・・」[ハムス:通常/フェードイン]

エミーリア「お、落ち着いて下さい勇者さん!」[エミーリア:苦笑(汗)顔/フェードイン][アセット:通常/フェードイン][さっくん:通常/フェードイン]

ハムス「そもそも一度くらい僕に勇者をやらせてくれてもいいのに・・・」

エミーリア「あわわ、どうすれば!」[エミーリア:涙目(コント)]

ナレーター「ずっと傍観していたアセットは人差し指で頬をかいた」

アセット「エミーリアはお姫様役だ・・・」

ナレーター「傍観に徹していたアセットが小さく手を上げて呼びかける」

エミーリア「お姫様役?」[エミーリア:驚き顔(ポカーン)]

アセット「あれだよ、勇者が魔王を倒してお姫様を助けておしまい・・・」

さっくん「意外にアセットもメルヘンだ・・・」[さっくん:笑顔2/汗エフェクト]

ナレーター「アセットの左手がさっくんの口を塞ぐ」

アセット「魔王はさっくんがやるんだよ、演劇部」[アセット:不満げ]

さっくん「くっくっく・・・俺様が魔王だというのか・・・?」[さっくん:外人顔]

ナレーター「さっくんは含み笑いをしながらゆらりと立ち上がる」[さっくん:ハムスターよりに移動]

さっくん「ふはははあ、よくも延々と喜劇を演じ続けてくれたな2人の勇者よ!」[さっくん:元気エフェクト][アセット:通常]

ナレーター「さっくんが高笑いを始めたところでアセットがエミーリアの元に歩み寄る」[アセット:エミーリアに隣接]

アセット「ほら、エミーリアはあっち」

エミーリア「あの、これはどういう・・・?」

アセット「「ゆうしゃとまおうの物語」・・・かな」

ナレーター「?マークがついたままのエミーリアの背中を押してさっくんの元へと運ぶ」[エミーリア:さっくんに隣接][アセット:エミーリアの傍に付添い]

ナレーター「(ばさあっ)」[エミーリア:さっくんにさらに隣接]

ナレーター「何処から取り出したかわからない黒マントがエミーリアの身体を包む」

スタハム・ハムス・エミーリア「!」[スタハム:焦り顔/1回ジャンプ][ハムス:焦り顔/1回ジャンプ]

さっくん「魔王ハムスとか言ったか・・・実はお前が魔獣だと思い込んでいたこのエミーリア・・・」[さっくん:怒り顔]

さっくん「お前達のくだらないケンカをとめるために天界から使わされた天使の姫だったのだ」[さっくん:1回ジャンプ]

ハムス「な、そんなバカな!」[ハムス:1回ジャンプ]

アセット「・・・余計な設定はつけなくていいから」[アセット:悲しげ]

アセット「エミーリア、「助けて~」って」[アセット:通常]

エミーリア「た、助けて~・・・?」[エミーリア:照れ顔]

さっくん「天使の姫エミーリアはこれからは我が魔王の国にて永遠にこき使わせてもらうことにしたっ」[さっくん:笑顔2]

さっくん「あの優しい笑顔もおいしいクッキーもお前達が見ることはもうないのだっ!」[さっくん:元気エフェクト]

ナレーター「黒マントの隙間からちょこんとエミーリアが顔を出す」

さっくん「お前達は天使エミーリア姫の代わりに魔獣アセットにこき使われるがいい!」

アセット「・・・そっちの設定はもういらないでしょ」[アセット:怒り]

ナレーター「さっくんの手が高々と空に向けられる」

さっくん「さあこい、2匹のハムスター勇者達よ!」[さっくん:通常/1回ジャンプ]

エミーリア「あ、勇者さん、一応助けてもらえると嬉しい・・・です」

ナレーター「ようやく事態を飲み込んだエミーリアが演技にあわせる」

スタハム「と、とりあえず助けてっていってるし・・・」[スタハム:汗エフェクト]

ハムス「う、うん・・・」[ハムス:汗エフェクト][アセット:通常]

さっくん「魔王は強いぞ、1人ずつなど手ぬるい・・・」

さっくん「2人同時にかかってこーい!」[さっくん:笑顔1]

スタハム・ハムス「よし、いくぞー!」[スタハム:1回ジャンプ][ハムス:1回ジャンプ]

ナレーター「(どーん!!)」[スタハム:さっくんに隣接/1回ジャンプ][ハムス:さっくんに隣接/1回ジャンプ][さっくん:笑顔2]

さっくん「あっ! 結構痛い・・・」[さっくん:大きく後ろへ/汗エフェクト]

ナレーター「さっくんの身体は3mほど後ろに飛ばされドサァと地面をすべり、壁にぶつかってとまった」[さっくん:画面端見切れ]

スタハム・ハムス「エミーリアさん、大丈夫ですか!」[スタハム:エミーリアの傍へ][ハムス:エミーリアの傍へ]

エミーリア「勇者様、ありがとうございます!」[エミーリア:笑顔(涙)]

ナレーター「ここぞとばかりに2匹のハムスターにひっしと抱きつくエミーリア」

エミーリア「幸せです、私・・・本当に」

エミーリア「・・・・・・なんてふわふわ」[エミーリア:怖いオーラ]

スタハム「ご、ご無事であれば、な、何よりです」[スタハム:元気エフェクト][エミーリア:笑顔(涙)]

ハムス「魔王さっくんはやっつけてやりました!」[ハムス:1回ジャンプ][アセット:さっくんの傍に寄る]

アセット「・・・さっくん、大丈夫?」

さっくん「くっくっく・・・これで終わりと思うな、勇者よ・・・」[さっくん:わずかだけ舞台内へ移動]

アセット「もういいよ、お疲れ様」

エミーリア「もうケンカなんかしませんよね、2人とも勇者ですもんね」[エミーリア:通常3]

スタハム「ケンカなんかしません、勇者ですから!」[スタハム:元気エフェクト]

ハムス「もちろんです!」[ハムス:元気エフェクト]

ナレーター「2匹のハムスターが幸せそうな顔で抱擁されたまま尻尾をふる」

エミーリア「良かったです・・・ハッピーエンドですね♪」[エミーリア:笑顔1]

ナレーター「その時、辺りが光に包まれる」

ナレーター「そして3人の姿は光の中へと消えていった」[さっくん:フェードアウト][エミーリア:フェードアウト][アセット:フェードアウト]

[全員:フェードアウト]

 

 

 

□現実の世界へ□

ナレーター「ピピピピピピ・・・」[カゴ:フェードイン]

ナレーター「さっくんの携帯の目覚ましがポケットの中で鳴り始めた」[さっくん:眠そうな顔(拗ね代用)/フェードイン]

さっくん「んー・・・」

エミーリア「・・・あれ、ここは・・・」[エミーリア:無表情/フェードイン]

アセット「・・・さっくんも、エミーリアも起きた?」[アセット:通常/フェードイン]

エミーリア「・・・なんだかメルヘンな夢を見た気がします・・・」

ナレーター「5分ほど前に目が覚めたアセットは窓から外の景色を見て眠気を覚ましていた」

さっくん「アセット・・・とエミーリアもいる、どうして学校に・・・?」[さっくん:真剣顔]

エミーリア「私、どうして学校に来たんでしたっけ・・・?」

アセット「横のカゴを見て思い出しなよ」

エミーリア「あ・・・そでした、ハムスター・・・」[エミーリア:元気エフェクト]

ナレーター「教室の隅ではさっくんが携帯のアラームを止める」

さっくん「そういえば部活のための目覚ましだった」[さっくん:焦り顔]

ナレーター「さっくんは身を起こして傍に置いていた鞄を拾い上げる」

さっくん「部活に行ってくる、じゃあまた明日!」[さっくん:通常2]

ナレーター「さっくんは起きて早々に教室を飛び出していった」[さっくん:フェードアウト]

エミーリア「・・・・・・(ぼー)」

エミーリア「あれ、いつの間にかさっくんがいません・・・」

アセット「寝ぼけてないで起きて、もう帰るよ」[アセット:悲しげ]

エミーリア「あ、ハムスター達は・・・」[エミーリア:通常]

ナレーター「目の前のカゴには時計の音が聞こえる静かな教室で大人しく眠っている2匹のハムスターがいる」

ナレーター「ハムスターの寝顔はエミーリアに安らぎを与えた」

アセット「・・・餌を上げた時間を書き置きして帰ろう」[アセット:通常]

エミーリア「そうですね、用務員さんが見回りの時に様子を確認してもらえるみたいですし」[エミーリア:笑顔]

ナレータ「(ガラガラ・・・)」[エミーリア:フェードアウト][アセット:フェードアウト]

ナレーター「2人が退室してドアを閉めると、また教室の中に暗闇が戻る」

ナレーター「カゴの横には餌の時間と「用務員さん、後は宜しくお願いします」の文字が書かれたメモが貼られていた」

ナレーター「ちなみに後日、ハムスターの飼い主が現れてハムスターは引き取られていった」[カゴ:フェードアウト]

ナレーター「飼い主さんに「また様子を見に来てあげて」と言われたエミーリアは笑顔でハムスターを見送った」

ナレーター「そして次の週の日曜日」

ナレーター「ハムスターに赤ちゃんが生まれ、その内2匹をエミーリアが引き取って育てることになったのであった」

[全員:フェードアウト]

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択