わたしは、ただ涙ぐむ。
とめることもできず、涙ぐむ。
あのぬくもりを忘れられずに、涙ぐむ。
せかいから、わたしだけが取りのこされて。
第二の月、セレーネ。宇宙の誰かがつくった人工の天体。
地球を回りだしたとき、セレーネがあなたを連れていってしまった。
あなたは、あの
ずっと、そばにいて、ほしかった。
つつんでいて、ほしかった。
あのぬくもりと、ともにいたかった。
でも、それは。許されなくて。
セレーネの電波は、未来を語る。
それが理解できるのは、特別な遺伝子をもつ、あなたたち5人だけ。
あなたは、みんなを、しあわせにした。せかいを、しあわせにした。
そのことをわたしにささやく、
この場所からは、地球をまわるセレーネは、みえない。
でも、セレーネの電波は、うつくしいオーロラをつくる。
わたしは、いくど、それを見あげたことだろう。
これからも、見あげつづけていくだろう。
あなたのことを。いつも、おもいながら。
あなたは、手紙をくれた。
「サリ。わたしは未来をつたえない。おまえの未来を、ただ、差ししめそう」
あなたのくれた、大切なこと。
それは、わたし自身として、生きていくこと。
だから、この言葉を、いつも忘れない。
「ありがとう。大好きだよ」
お 父 さ ん … わ た し は こ こ に い ま す
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クリエイター menoco さんとのコラボ作品
(menocoさん ありがとうございます)
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