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ドラゴンクエストⅤ~紡がれし三つの刻~コラボ版・第二十八話

さん

スクエア・エニックスのRPGゲーム「ドラゴンクエストⅤ~天空の花嫁~」を独自設定の上、キャラクターを他の作品のキャラをコラボさせた話です。
それが駄目だという方にはお勧めできません。

コラボするキャラクター
リュカ=タダオ(GS美神・横島忠夫)

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2016-07-04 18:02:52 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:659   閲覧ユーザー数:631

第二十八話「遥かなる故郷」

 

オラクルベリーを旅立って数日後、タダオ達は森の中で休憩がてらの食事をしていた。

 

「そう言えばこの辺りだったな」

「何がだ?」

「…子供の頃、旅から帰る途中のこの森でスライムのピエールに出会ったんだ」

「ピエール?ああ、確か初めて仲間になったスライムだったな」

 

ピエールの事を思い出して懐かしそうに、それでいて寂しそうに微笑むタダオにブラウンは「ハヤク、アッテミタイ」と言い、膝の上で食事をしていたシーザーは剥れた感じで彼の腕をペチペチと尻尾で叩く。

少しばかり甘えん坊でやきもち焼きのシーザーだが、一旦戦いとなれば火の息や体当たり、噛み付きなどで頼りに成る戦力でもある。

 

「それに此処まで来れば夕方にはサンタローズに着けるな」

 

そう呟くタダオの表情は懐かしさと寂しさが半々といった感じだ。

故郷に帰れる事は嬉しいし、懐かしい人達に会えるのも楽しみだが、どうせなら父のパパスと一緒に帰りたかった、その気持ちがどうしても拭えないでいたのだから。

そして夕暮れ時になり、村へと続く小道へと差し掛かった時にタダオは違和感に気付く。

この場所からなら時間的にも家々の煙突から夕飯の仕度などで上る煙が見える筈なのだが、その気配が無いのだ。

 

「お、おいタダオ」

 

不安になったタダオはキョウヤ達を残したまま駆け出した。

この不安は気のせいだ、きっとまだ食事の準備は始まっていない、家族総出での畑仕事が忙しいのだと、あの門番が守っている村の入り口を過ぎればきっとあの平凡な日常の光景が迎えてくれる筈だと。

 

だがしかし……

 

その願いは空しく打ち砕かれた。

 

 

 

 

 

「そ、そんな……」

 

彼の目の前に広がる光景は一言で言えば廃村、彼は知らないが2年前からは幾分マシになった物の、まだ村と呼べる程の復興は成されてはいなかった。

 

「な、何で…、何でこんな事に?」

 

「貴様、何者だ!此処で何をしている!」

 

変わり果てた村の姿に呆然としていると誰かがそう怒鳴りつけて来た。

タダオがその声に引き寄せられる様に顔を向けると其処に居たのは一匹のスライムナイトだった。

 

「!!」

 

そのスライムナイトを見た途端、空ろだった彼の瞳は徐々に光を取り戻し、そして涙を零し始める。

何故ならばそのスライムナイトからは魔王に支配された魔物独特の邪悪な波動は一切感じられず、それどころかその気配からは懐かしさすら感じられる。

つまり、このスライムナイトは……

 

「ピ、ピエール?ピエールなのか?」

「何故、私の名を?……ま、まさかそんな…」

 

スライムナイト、ピエールもまた言葉を失い、握り締めていた剣もカタカタと震えたかと思うとカチャリと音を立てて地面へと落ちる。

 

「ピエールなんだろ?」

「お、おお。タ、タダオ殿…タダオ殿ーー!」

 

ピエールは騎乗していたスライムから飛び降りるとすぐさまタダオの傍まで駆け寄って片膝を付き、鉄仮面を脱いで頭を下げる。

 

「我が主よ!貴方様のお帰り、このピエール一日千秋の想いでお待ちしておりました。良く、良くご無事でお戻りを」

 

俯いたピエールの瞳からは止め処無く涙が零れ地面に染みを作り、騎乗していたスライムの瞳もウルウルと潤んでいる。

ナイトの身体が本体とはいえスライムの体もまたピエールである事に変わりはないのだから。

 

「ピエール。何が、この村に一体何がおきたんだ?」

「それは…」

「タダオーーーーッ!」

 

タダオの問いにピエールが言い淀んでいると、彼の名を呼びながら近づいて来る銀色の物体。

否、それはメタルスライムに進化した彼のもう一人の仲間、スラリンである。

ピエールと共に村の防衛の為に見回っていた時にピエールが叫んだタダオの名を聞きつけて飛んで来た様だ。

 

「タダオ、本当にタダオだ。タダオが帰って来たぁーーーーっ!」

「スラリン?スラリンか」

「タダオーーーッ!うわあぁ~~~ん!」

 

タダオは泣きながら胸の中に飛び込んで来たその体をやんわりと受け止めると、涙腺が崩壊したのか、スラリンは更に大粒の涙を零してその体を彼の胸に押し付ける。

 

「おい、タダオ。いくら懐かしいからって…!こ、これは……酷い」

 

タダオに置き去りにされたキョウヤは馬車を引きながら追いついて来たが、その眼前に広がる光景に声を失う。

 

「タダオ…」

「クオォ~ン」

「ブルルル」

 

ブラウン、トール、そしてパトリシアも抱き合って泣くタダオ達に何もかける言葉が無いと見ている事しか出来ないでいた。

そんな騒ぎを聞きつけた生き残りの村の人々はピエールとスラリンの傍に居る人物がタダオであると気付くと歓声を上げて駆け付けて来た。

村が襲われたのはパパスがラインハットの王子キョウヤを攫ったのが原因だと兵士達は言っていたが、それを信じた者は村には一人もいなかった。

故に帰って来たタダオを責める者も居らず、ただ彼の帰郷を誰もが諸手を挙げて喜び、そして彼が連れて来た魔物達の事も拒む事無く歓迎した。

 

「タダオ、良く無事で…良く無事に帰って来てくれた!」

「お帰り!お帰りなさいタダオ!」

「おお神よ、感謝しますぞ」

 

その夜は少しづつ備蓄していた食糧やリュカ達が此処まで来るまでに狩った兎や鳥などを使ってささやかな宴会が行われる事となった。

 

「あれ、そう言えばバークは何処に居るんだ?」

 

村人の中にバークが居ない事に気付いた彼がその事を聞くと長老が答えた。

 

「お前達が旅立った後に何やら胸騒ぎがすると言ってな、止める間も無く後を追いかけて言ったんじゃ。てっきり、一緒に居るとばかり思っていたんじゃが」

「そうか…」

「そのすぐ後じゃよ。ラインハットの兵士共が攻め込んで来たのは」

「ラ、ラインハットが!?そ、そんな、何故!?」

「ん、お前さんは?」

「そ、それより詳しく聞かせてくれ!」

「ああ。突然の事じゃったよ」

 

長老は語り始める、あの悲劇の日を。

 

 

=冒険の書に記録します=

(`・ω・)漸くタダオはサンタローズの村に帰りつく事が出来、スラリンとピエールに再会する事が出来ました。

 


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