「イタタ・・・・・」
頬を押さえながら痛みを訴える春蘭。
「もう少しで北郷の所だ。辛抱してくれ姉者」
そんな春蘭を一刀の医務室へとつれていく秋蘭。
そして、二人は医務室の前までやってきた。
「北郷。入るぞ」
扉を開けて中に入る二人。
そこには一刀の他に、真桜の姿があった。
「真桜?何故ここに?」
「新しい医療器具が出来たから持って来てくれたんだ。それで、どうしたんだ?」
「姉者が歯が痛いと言い出して・・・・・・」
「ほう?それは丁度いいかもしれないな。なあ?」
「せやね」
「どういうことだ?」
「ど、どうでもいいから、早く何とかしてくれ・・・・・・」
「ふむ。虫歯だな」
春蘭の口の中を歯鏡で覗き込んで言う一刀。
「これは削らないと駄目だな。しかし春蘭。お前は運がいい。真桜が持ってきてくれた医療器具は虫歯治療のための物なんだ」
「ひょ、ひょうらろか?」(そうなのか?)
「ああ。それじゃあ真桜。準備してくれるか?」
「まかしとき!」
そう言うと真桜は医務室の奥に引っ込み、ある物を運んできた。
それは顔はサングラスをかけた女性、右手はドリル、左手は水の噴射機、そして下半身には車輪のついたからくり人形だった。
「これぞ治療用からくり人形戦闘妖精しゃざ~ん零式や!!」
「ちなみに命名したのは俺だ」
「ちょっとま・・・・・・イタタ・・・・・・」
「ちょっと待て。そんな怪しい物を姉者に使うつもりか?」
「心配するな。俺も監修して実験に実験を重ねた逸品だ。出来は保障する。なあ真桜?」
「せやせや。これは現段階におけるウチの医療器具最高傑作というてもええんやないかなあ」
肩を組んで仲良く戦闘妖精シャザーン零式を称える一刀と真桜。
しかし、そんな二人とは裏腹に春蘭と秋蘭は不安を隠すことができなかった・・・・・・
治療用の椅子に身を預ける春蘭。
そのすぐ側には戦闘妖精シャザーン零式がある。
「本当に・・・・・・大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫だ」
「だが、左手はともかく右手の器具がでかくないか?」
確かに、右手のドリルは螺旋槍より幾分か小さくなってはいるが、それでも十分でかい。
「真桜の螺旋槍を出力を落として小さくした物だが、なにせ構造が複雑で小型化が難しいんだ。これが限界だよ」
「むう・・・・・・」
「さあ。そろそろ始めようか?」
椅子を倒し、戦闘妖精シャザーン零式に近付く一刀。
一刀が戦闘妖精シャザーン零式についているボタンを押すと、戦闘妖精シャザーン零式の後部が外れた。
そして外れた所から戦闘妖精シャザーン零式の中に入って行く一刀。
「な、何をしてるんだ?」
「動かすんだよ。俺がな」
「北郷が?」
「本当は自動で動くようにしたかったんだが、残念ながらそこまでは出来なくてな。搭乗式になったんだ・・・・・・ああ。浮かれて大事な事を忘れてた」
そう言うと、一刀は戦闘妖精シャザーン零式から出てきて、春蘭の首筋に鍼を刺した。
「むっ・・・・・・何だ?」
「針麻酔。まあ痛み止めだな。この治療は早く終わるが、死んだほうがマシだと言うほど痛いんだ」
「・・・・・・」
冷や汗を掻く春蘭。
そんな春蘭を尻目にやる事はやったとばかりに再び戦闘妖精シャザーン零式の中に入って行く一刀。
「では、術式を開始する」
「ま、待っ・・・・・・」
「口をしっかり開けてろよ。下手に動いたら、顔が吹き飛ぶかも知れん」
そう注意して、一刀は春蘭の口の中に音を立てて高速回転している右手のドリルを突き立てていくのだった・・・・・・
結果、治療は無事成功した。
春蘭は二度と虫歯にならないようにする事を固く誓った。
そして・・・・・・
「次はどないしよか?」
「そうだな・・・・・・」
早くも次のとんでもない発明品の構想を考える二人であった・・・・・・
どうも、アキナスです。
下手に金に余裕が出来てしまったから・・・・・・
このコンビこのまま放置しておいて大丈夫なんでしょうか?
後々エライ事をしでかすような気がしますが・・・・・・
では次回・・・・・・
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タガが外れてきたようで・・・・・・