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ドラゴンクエストⅤ~紡がれし三つの刻~コラボ版・第二十五話

さん

スクエア・エニックスのRPGゲーム「ドラゴンクエストⅤ~天空の花嫁~」を独自設定の上、キャラクターを他の作品のキャラをコラボさせた話です。
それが駄目だという方にはお勧めできません。

コラボするキャラクター
リュカ=タダオ(GS美神・横島忠夫)

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2016-05-13 19:32:49 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1091   閲覧ユーザー数:1065

第二十五話「闘技場にて」

 

魔王の闇の波動を限定的ながらも浄化する術を手に入れたタダオ。

浄化されたドラゴンキッズはシーザーと名付けられ、先程までの凶暴さは微塵も見せずにタダオの腕の中で甘えている。

 

「クオーン、クオォーーン♪」

 

「しかし、本当に変われば変わるものなんだな」

 

タダオの腕の中のシーザーを見ながらキョウヤは呟く。

 

「さてと、お前さん達はこれからどうするんじゃ?」

「そうだな。この町で旅の準備をしてその後は故郷のサンタローズを目指すつもりだ」

「ならばその間、シーザーはワシが預かるとしよう」

「ク、クオン?クオーン、クォ~~ン」

 

その言葉を聞いたシーザーは嫌だ、嫌だと言う様にタダオにしがみ付いて首を振る。

 

「仕方ないじゃろう。町の中に魔物が居ると要らぬ騒ぎになる。下手をすると闘技場の連中に連れ攫われてされてタダオと別れ離れになってしまうぞ。旅の準備が終わるまでは此処で大人しく待っておるんじゃ」

「クオォ~~ン…」

 

説得に漸く納得したのか、シーザーは俯きながら爺さんの方に飛んで来る。

 

「そう言う訳じゃ、シーザーはワシが面倒を見ておく。お前さん達は旅の準備が終わったらシーザーを迎えに来るとええ」

「解った、遠慮なく甘えさせてもらうよ。後で迎えに来るから大人しく待ってろよ」

「クオーーンッ」

 

早く迎えに来てねと言う様に鳴くシーザーを爺さんに預け、タダオとキョウヤは爺さんの家を後にし、町の中へと歩いて行く。

「改めて見るとやっぱり賑やかな町だな」

「まあ、十年ぶりの大きな町だからな」

 

町中を見渡しながら話す二人、彼等が見るその光景にはあの大神殿での悲壮さは欠片も見られず、人々の顔には笑顔が満ちている。

だがもし、光の教団の魔の手が此処にも伸びて来たら?

そうなればこの町に満ちている笑顔も瞬く間に消え去ってしまう。

いや手を拱いていれば、この町だけでは無く何れは世界中が奴らの支配下に納まってしまう。

それだけは許さないと決意を新たにする二人であった。

 

 

「へっへっへっへ!さてと、今日こそは大もうけさせてもらうぜ!」

 

意気揚々とカジノの中へと入って行く男。

そんな男を見ていたタダオの目がキラキラと光りだす。

 

「俺達もちょっと遊んで行こうか?」

「…お前の様な奴が身を滅ぼして貧乏になっていくんだろうな」

 

そう溜息を吐きながらも一緒にカジノへと入って行くキョウヤであった。

 

 

 

 

カジノの中はまさに別世界であった。

煌びやかな内装は何処の宮殿かと錯覚する様な物であり、悲喜交々な喧騒も彼等が感じた事が無い物であった。

 

「おおおっ!」

 

そんな中、タダオは客にワインを運ぶバニーガールの揺れるお尻に釘付けになっており、キョウヤはそれを冷ややかに見つめながら何やらメモを取っている。

 

「タダオ、兎の耳を着けた女性の尻を見ている…と」

「…おいキョウヤ、何をしている?」

「何、サクラと再会した時の為に少しメモを」

「き、貴様と言う奴は…寄越せ!」

「おっと、そうはいくか」

 

メモを奪い取ろうとするタダオから逃げようとするキョウヤだが、その拍子に一人の女性とぶつかってしまう。

 

「おっと、すまない」

「い、いえ…、お気になさらずに…ぽっ」

 

ぶつかった女性はキョウヤの顔を見ると頬を赤らめ、きゃーと走り去って行き、柱の影に隠れるとチラチラと顔を覗かせてキョウヤを見つめる。

 

「な、何だあの子は?」

「キョウヤ、偶然出会った女性に惚れられる…と」

「…何をしているタダオ?」

「いや、ミユキに再会した時の為に少しメモを」

「……」

「……」

「交換しないか?」

「交換しよう」

 

お互いがお互いのメモを受け取り熱い握手を交わす。

熱い友情……なのか?

カジノの中を見回すタダオは其処で地下へと降りる階段を見つけ、其処に取り付けられている闘技場と書かれている看板を見るとその目つきは鋭くなり、それはキョウヤも同様であった。

 

 

《闘技場》

 

捕らえられた魔物をお互いに戦わせ、その勝敗を賭け事にする場所である。

勝敗に関わらずに戦いが終わった魔物は処分され、其処までが見世物なのである。

 

 

 

「殺れーー、そこだーーー!」

「そんな攻撃かわせーー!くそっ、なにやってんだ!」

「てめえには100ゴールド賭けてるんだぞ、負けやがったらただじゃおかねえからな!」

「切れ!噛み付け!炎を吐け!とにかく死ねぇーーー!」

 

これも人の本性なのであろう、血だらけになりながらも戦い合う魔物達を見ながら叫ぶ者達。

中には賭けをするでも無く、ただ魔物が死ぬ所を見に来た者もいる。

 

「何と言うか…、さっきタダオがシーザーを懐かせた所を見ただけにこれは…酷いな」

「だが、俺には何も出来ない」

 

タダオは手すりを握り締めながら呟く。

戦っている魔物達には纏わりつく濁りは見えず、そしてそれは此処にいる魔物達が既に波動に取り込まれた悪意しか持たない魔物である事を意味しており、自分達もこの先の旅の中でそんな魔物を倒さなくてはならないのだ。

 

「行こう、タダオ」

「ああ…」

 

キョウヤに促され、狂気とも取れるような叫び声を背にタダオは階段を上がって行く。

魔物の全てが悪い訳では無いと知りつつも彼等を責める事も出来ないままに。

 

そしてそのままカジノを出ようとした二人の背後から彼等を呼び止める声がする。

 

「ちょっとお前さん達、少しお待ちでないかい」

 

振り向いて見ると其処には水晶玉を持っている小柄な老婆がいた。

 

「ん?何だ、俺達の事かい婆さん」

「ああ、お前さん達はかなり複雑な運命を持っている様だね」

「…何が言いたいんだ婆さん」

「おおっと、怒らなくてもいいじゃないか。少しばかりこの婆さんの話を聞いてみる気は無いかね?ひょっひょっひょっひょっ」

 

 

=冒険の書に記録しました=

 

(`・ω・)占い婆さん登場。

今回も少し短めでした、中々に文章を作るのは難しいです。

 


 
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