No.835331

IS レギオン 外伝その一

駿河さん

いよいよある姉妹が邂逅し、新たな怪獣が出るのか?

2016-03-04 20:25:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:704   閲覧ユーザー数:703

 

 2042年 ロシア連邦イルクーツク地方の南部上空

 

  つい昨年にハワイの多国籍艦隊による大規模多目的訓練中に発生した。世界初のIS(インフィニット・ストラトス)と呼ばれる多目的外装装甲服と呼ばれる兵器が乱入し、アメリカ空軍がそれを鹵獲しようとした一連の事件は、『霧の艦隊』の介入により終結。後に周辺海域がアメリカ軍をはじめとした参加各国がその海域に沈んだISをサルベージしようとしたがいずれも失敗に終わったが、後に各国政府にISの最重要部品の『ISコア』各100個とISに関する書類等が送られた。後に各国はそれぞれの陣営に別れ、それを拡大発展もしくは、全く新しい兵器体系を各陣営が続々と開発し登場させ配備し実戦使用してそれらを改良させていった。

 

 世界は少し歪な世界構造になり、不安定の状況になった。しかし、それによる新たな資源が発見されたりとした明るい面も少しずつ出て来た。

 

 

 そして、今ロシア連邦イルクーツク上空に光学迷彩を施されたモノ達であった。正式名称は『RCV-001 ヤールンサクサ級レギオン』と呼ばれる軽空母級レギオンを旗艦とした小規模空中独立特別部隊であった。所属は、レギオンと呼ばれる太陽系外から飛来した宇宙生物と地球人の『織斑一夏』と呼ばれる当時まだ7歳の男の子と融合した。後に彼は、レギオンと呼ばれた生物の持っていた能力を拡大発展させたが、その制御には今現在も不安定さが残っていた。『RCV-001 ヤールンサクサ級』もレギオンと融合した時に加わった能力の一部であった小型レギオン生産機能がここ数年でさらに発展拡大させ、今現在では比較的大型個体すら時間と手間がかかるが,生産出来るようになった時に誕生した比較的大型の個体であった。この個体は、攻撃力回避率等が殆ど無くなってしまったが、その代わりに多数の進化発展した各種小型レギオを多数搭載できるようになり、防御力も小型種に比べて格段に強化されていった。

 さらにそれを取り囲む様に一回り小さい『RDD-001 ニーズヘッグ級レギオン』と呼ばれる重駆逐艦型レギオンが空母級を挟むように展開並行浮遊していた。

 

 『任務 未確認波長波をロシア イルクーツク周辺で確認。先行偵察していた『R-E2R アウル・ライト・レギオン』の電子偵察情報により2041年に偶然見つけたマスターと同種又は近縁種らしき女性を偵察情報により発見。然しながら偵察中に高速で飛翔する要撃生物による妨害により戦線を離脱した為詳細は不明。その為今回は、より詳細情報を得る為にこの任務部隊が編成した。今回は、先の妨害行動をした飛翔生物を撃破後回収又は捕獲しマスターにその生物を解析する任務と謎の波長波の発信源の詳細情報を回収と調査』

  『部隊表

  RCV-001R ヤールンサクサ級大型レギオン×1

 (内部搭載レギオン REAW-1R パワード・サイレンス・レギオン×1  R-E2R アウル・ライト・レギオン×2  TXw-TR エクリプス試作型レギオン×3  Rr2o-3R 工作レギオン×1  R-9B1R ストライダー・レギオン×1)

  RDD-001R ニーズヘッグ級中型レギオン×2 』

 

同時刻

 鬱蒼と茂る針葉樹林をのんびりとゆっくりとした足取りで歩いて行く女性がいた。年は13歳位のまだ幼い顔立ちのあるアジア人であったが、其の髪は美しい水色だった。彼女こそ、17代目の楯無の名を引き継いだ。『更識刀奈』である。今回は久しぶりに暇が出来たので、一人でロシア連邦のイルクーツクからバイカル湖畔までのんびりと旅をしようと思い立ったのでその旅の途中に立ち寄ったのである。其処はあまり人の介入をせずに雄大な自然がそのままに残されていた。

 「それにしても、こんな気持ちの良い森林浴は久しぶりだわ」

とスッキリとした気持ち良い顔で鬱蒼と茂る木々の間に漏れる日の光を浴びながら楯無はは、ゆっくりとした歩き方で獣道を暫く進んでいくとぽっかりと開けた場所に辿り着き、空からは、見えないように周りの木々の葉が重なり合っていた。その僅かな隙間から木漏れ日に照らされた中心の場所にぽつんと石版の様な物が日の光を浴びていた。

 すると不思議な事に今まで幾つかの鳥の囀りが聞こえていたが、それがピタリとやんだ。それは、大体の高さが152センチ程在り、見た事の無い模様と文字が書かれていた。その周囲の雰囲気は、どこか神聖な空気を醸し出していた。それを近くに見たいとなぜか感じた刀奈は,ゆっくりと近づいていき石版の文字や模様がはっきりと見える位置に近付き、それを眺めた。そして、それに自然と指が触れると読めない筈の文字のはずが、不思議とその文字を声に出して読み始めた。

 「えっと、『――最後の希望・ガメラ、時の揺りかごに託す。災いの影・ギャオス。災厄の神・イリスと共に目覚めん。――』おかしいわね、何で私この文字が読めるのかしら」

と、もう少しよく読もうとした瞬間、石碑が突然全体にひび割れを起こし、それは粉々に砕け散り、地面に散乱した。それと同時に周辺の木々がざわめき、幾つもの鳥たちが空に舞い上がると、辺りは一時騒然となった。それを見た刀奈は、少しの間それを唖然とした表情で見つめると、ハッとした様に表情を戻すと、

 「不味いわね。こんなところ誰かに見られたら、国際問題になりそうだわ。此処はそうね、逃げようかしら。あら、此れは何かしら」

と、まず此処から逃げようとした刀奈は、地面に砕け散りバラバラとなった石碑のかけらの中にあるものに目を付けた。それは、全長およそ5~6センチほどの黒ずんだ勾玉であった。それに近付き、手に取ってみた刀奈は、

 「何かしらこの勾玉は?」

と思うと、その勾玉が淡く暖かなオレンジ色に耀き出した。その光は熱を持つかの様に暖かな。しかし、それでいて火傷をするほどの熱では無かった。自然に刀奈は、

 「暖かい...」

と声を出したが、するとその光は唐突に消え失せて、元の黒ずんだ色に戻っていった。我に返った刀奈は、すぐさまこれを上着のポケットに仕舞うと、全速力で此処から離れていった。

 

 その現象を終始上空で監視していた『R-E2R アウル・ライト・レギオン(以下アウル・ライト)と呼称』の一匹が見ており、自身の情報処理能力を駆使し、その現象について詳しく調べようと、刀奈を追跡しようとしたところ、突如自身の持っている緊急危機回避能力が働くと、考えるよりも先に回避行動に移り、身体を右ロールにした。その瞬間先程居た場所の下から一筋の鋭い光線が突き抜けた。その攻撃をした張本人が姿を現した。そいつは、以前姫神島を襲い、ハワイ沖の篠ノ之束との無人島での邂逅では更なる進化型が出現した『ギャオス』が更なる進化したタイプであった。その名は『デリカテッセン・ギャオス(以下デリカテッセンと呼称)』と呼ばれる要撃迎撃特化型ギャオスと呼ばれる個体であった。その個体は,航続距離が、現在主力型ギャオスよりも少ないが、代わりに上昇能力やより好戦的な性格になっていた。更に現在のギャオス世代は、より高威力且つ多種多様な攻撃防御方法を其々持っていた。それは、レギオン世代も同じようにより進化発展していた。

 

 すぐさま、緊急援護要請を自身速度を活かしながら、上空を前後左右上下とあらゆる回避行動を巧みに組み合わせながら逃げ回ったアウル・ライトが発信した事を受けて、すぐさま、『RCV-001R ヤールンサクサ級大型レギオン(以下ヤールンサクサと呼称)』『TXw-TR エクリプス試作型レギオン(以下エクリプス試作型と呼称)を2機緊急発進させ、救援に向かわせた。エクリプス試作型達は、自身が装備された高速移動用に新たに増えた後部加速移動用器官を最大限に出力を上げると、エクリプス試作型達は瞬時に音を後に残すように加速すると救援に向かった。

 

 一方、巧みに回避行動をしながらも徐々に距離を詰められつつあったアウル・ライトに更なる困難に見舞われた。デリカテッセンの左右両方の飛膜間に前ギャオス世代から新たに加わった幾つかの身体構造物から高速で何かが連続して掃射し始めてきた。それは、『ペリット』と呼ばれる未消化物の塊を強固に固めた物を高初速で連続して打ち出していった。それは、まるで徹甲弾の様に貫通能力を持ち、また現代の各種銃弾の様な機能と効果すら持ち合わせていた。

 

 それを狙い澄ました様にデリカテッセンが連続してペリット弾を発射しながら、アウル・ライトが回避するのを見計らって、ギャオス特有の口部から発射された超音波メスを手数に加えて攻撃を開始した。然しアウル・ライトも自身が持つ高度な電子装備と空間受動器官をフルに使い高等機動回避行動とチャフやフレア、更には対レーザー拡散特殊金属片等を組み合わせながら、味方の援護を待った。すると、暫くしてデリカテッセンの上方から救援に来た2機のエクリプス試作型が急降下と其々に装備されたしながら1対の高初速小口径電磁砲から自身の余分なケイ素系金属片をマッハを超える速度で連続して撃ち出した。デリカテッセンは、完全に隙を突かれ、多数両翼に被弾した後、急降下して雲海の方に逃げ込んだ。その後、周辺を隈なく2機のエクリプス試作型に護衛されたアウル・ライトが哨戒偵察した後に、一度ヤールンサクサ級に戻ると、工作型とエクリプス試作型各一機が粉々になった。石碑の破片を幾つか採取すると、速やかにヤールンサクサ級に戻ると、ヤールンサクサ級以下全艦が回航するように進路を変えると、一度だけ全艦の姿を見せると、速やかに次の波長波が出た場所に進んでいった。次の場所は、バイカル湖である。

 

 

 

 

 

 ヤールンサクサ級以下全艦が上空から姿を消して、暫くすると、一人の女性が森の中から粉々に砕けた石碑の前にゆっくりと進んでいくと、今まで晴れていた空が急に曇り出し、辺りが暗くなった。その女性は、フードを深く被っていて顔の表情が見えなかったが、砕けた破片を一つ手に取ると、フードから零れた口元がにやりと歪むとぼそりと呟いた。

 「そっかあ、今度こそ仕留められるね。お姉ちゃん。ふふ」

というと、その破片をポケットにいれると踵を返すように森の方に踵を返すと、暫くして女性が消えた森から無数の巨大な影が飛び立った。

 

 

 

 

 それは、深い深い太陽の光が全く届かない水底にあった。その周りには、無数の小さなカニや僅かながらの魚が居たが、それらは何かを感じ取ると急に慌しくその場から消え、其処には、巨大な泥をかぶった小高い丘だけが残った。然しそれも次の海底地震の様な振動が辺りを激しく揺らした後にはその姿は、忽然と消えていた。その代わりに

 

 

 
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