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ドラゴンクエストⅤ~紡がれし三つの刻~コラボ版・第十七話

さん

スクエア・エニックスのRPGゲーム「ドラゴンクエストⅤ~天空の花嫁~」を独自設定の上、キャラクターを他の作品のキャラをコラボさせた話です。
それが駄目だという方にはお勧めできません。

コラボするキャラクター
リュカ=タダオ(GS美神・横島忠夫)

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2016-03-04 17:05:07 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:777   閲覧ユーザー数:772

第十七話「救え!攫われたキョウヤ」

 

~前回のあらすじ~

 

ラインハットの王であるレナスに呼ばれ、城までやって来たパパスがレナスと話をしている間に城の中を見学していたタダオ。

そんな時、壷を割ってしまって困っている侍女を助けた王子のキョウヤ。

一部始終を見ていたタダオはキョウヤに決闘をけしかけられてしまったと言う訳だ。

 

 

「というわけやねえーーーーっ!」

「何グダグダ言ってやがる。かかって来ないならこっちから行くぞ」

 

そう言うとキョウヤはタダオに切り掛かり、タダオも剣で受け止める。

二人が使っているのは演習用の刃を潰した剣で、タダオは一般兵士用の剣で、キョウヤは二刀流の小太刀。

 

我流のタダオとは違いキョウヤは父親のシロウに教わっていた為、キョウヤの方が少し押し気味であった。

しかし、タダオの方も数々の実戦を潜り抜けてきており、逆にキョウヤの方はレナスに引き取られてからは実戦からは遠のいていたのでタダオ程の急成長は無かった為、徐々にその差は縮まっていった。

 

「くそぉーーっ!何でお前なんかに!」

「何なんやお前は?何でそんなに怒っとるんや?」

「うるさいっ!」

 

人にあまり見られたくない場面を見られ、ニヤニヤと笑われたのがきっかけとなり決闘をしろと叫んでいた。

 

父より教わった二刀流の剣術、そして旅の中での魔物相手に繰り返して来た戦闘経験などから魔物をペットにしている様な相手に負ける筈が無いと決めつけていた。

だが実際に勝負をしてみるとかなりの強さであり、それが数多くの実戦経験に裏付けされたものだと言う事はすぐに分かった。

《お前を勇猛で名の知られているパパスに預ける事にする》

 

キョウヤは事前に叔父であるレナスに告げられていた。

言ってみれば事実上の追放に等しいのだがキョウヤは笑みを浮かべてその言葉を受け入れた。

 

レナスがどの様な気持ちでこの判断を下したのかを知っていたし、何よりもこの狭い城から自由な大地へと解き放たれるのが嬉しかった。

パパスの名は父親のシロウからも何度か聞いた事があったし、その武勇から彼なりに父親の次に尊敬もしていた。

そんなパパスの元に行けるのだからキョウヤに否は無かった。

 

しかしそのパパスには子供が居た。

自分と同じ様に父親のパパスと旅をするタダオという子供が。

つまりキョウヤはタダオに嫉妬していた、自分とは違い今も父親と共に居られるタダオの事を。

城に来たばかりのタダオを睨み付けていたのもそれが理由だった。

 

「はあ、はあ、はあ…、くそっ!」

「ぜい、ぜい、ぜい…、くそっ!はワイのほうや…」

 

十数分後、結局勝負は決着が付かないまま双方の体力切れで終わり、息を切らせながら横たわっていた。

そんな二人の対決をパパスとレナスの二人は城のテラスから眺めていた。

 

「さすがはパパスの息子だな」

「あの子は私の知らない所で勝手に強くなっていく。私の事など関係ないさ」

「ふっ、そうか」

 

タダオとキョウヤは起き上がると今度は何やら言い合いを始め、パパスとレナスは二人を見つめ微笑むと城の中へと戻って行く。

少し離れた場所で二人の子供を、特にキョウヤを憎々そうに見つめながらその口元に笑みを浮かべる王妃に気づく事無く。

 

 

 

 

―◇◆◇―

 

 

口ゲンカでも決着のつかなかったタダオとキョウヤの二人は互いに背をもたれさせながら座っていた。

 

「おい……」

「…何や?」

「名前、何て言うんだ?」

「ワイか?ワイの名前はタダオや」

「タダオか。俺はキョウヤだ」

 

そう言いながらキョウヤは振り返ることなく手を差し伸べる。

タダオも同じ様に振り返らずにその手を握り返した。

 

「俺の父さんは強かったんだ」

「キョウヤの父ちゃん?」

「この城を守る為に戦って、そして…死んだ」

「そっか。立派な父ちゃんやったんやな」

「当然だ、父さんは世界一の剣士だったんだからな」

「何おっ!世界一はワイの父ちゃんや!」

「俺のだ!」

「ワイのや!」

「「ううう~~~~~」」

 

 

「「決闘だ(や)!!」」

 

そして始まる第二ラウンド。

それを見ながら溜息を吐くタマモ。

 

「コ~~ン、コンコン」(はあ~~、結局似たもの同士なのね)

結局、第二ラウンドでも決着はつかずに終った。

 

「もう、父ちゃんたちの話は終ったかな?」

「そうだな、俺も部屋に戻るとしよう。タダオも来るか?」

「おお!当然行くで。タマモもこっちに来いや」

「コン、コンコン!」(うん、待ってよタダオ!)

 

キョウヤの部屋に行く為に城の中に入ると、突如裏庭へと続く扉から数人の男達が飛び出して来た。

 

「よし、この小僧だ。さっさとふん縛れ」

「へいっ!」

「了解でさあ、お頭!」

「な、何だお前達は!? 何をする、離せ!」

「五月蝿えっ!大人しくしやがれこのクソガキ!」

「キョウヤに何するんや、離さんかい!」

「お前には関係無いんだよ、眠ってろ!」

「ぐほぁっ!」

「タダオ!」

「コーーンッ!」(タダオーーッ!)

 

キョウヤは襲い掛かってくる男達に抵抗しようとするがタダオとの決闘で力を使い果たしていていとも簡単に取り押さえられてしまった。

タダオもそんなキョウヤを助けようとするが彼もまた力を使い果たしており、男に壁まで蹴り飛ばされてしまった。

 

「へへへへ、一国の王子を攫う割には案外楽な仕事だったな。お頭、そこに転がってるガキと変な猫みたいのはどうしやす?」

「そんなのほっとけ。急がねえと城の兵士に気付かれるぞ」

 

男達はキョウヤに猿轡をして、縛り付けると入って来た扉から早々に逃げ出して行った。

 

「コン、コーーーンッ!」(ちょっと、待ちなさいよ!)

「ま、待たんかい。キョウヤを返せ!」

 

タダオは蹴られた腹を押さえながらも男達を負いかける。

しかし、扉から出た所で見たのは、外堀の川から船で連れ去られるキョウヤの姿だった。

 

「く、くそぉっ!」

「コーン…」(タダオ…)

 

「タダオ、どうした!何があった!?」

 

パパスは騒ぎを聞きつけ掛け付けて来た。

 

「と、父ちゃん。キ、キョウヤが変な奴らにさらわれてもうた」

「何だとっ!そ奴等は何処に行った!?」

「あの川から船で逃げて行ったんや」

「おのれっ!逃がしはせぬぞ!」

「待ってや父ちゃん、ワイも行くで!」

 

パパスがキョウヤを攫った賊を追い駆けようとすると、タダオもまたパパスに付いて行くと言う。

 

「しかし危険だぞ」

「キョウヤはもうワイの友だちや!友だちを助けられんで何が男や!」

「……良く言った!それでこそ私の息子だ。行くぞタダオよ」

「おうっ!」

「コンコンコーン!」(当然、私も行くからね!)

「待っとれよキョウヤ、必ず助けたるからな!」

 

そしてタダオはパパスとタマモと共に、キョウヤを助ける為に賊達の後を追う。

其処で起こりうる事を知る術をもたないままに……

 

 

=冒険の書に記録します=

《次回予告》

 

息子よ、お前は強い子だ。

 

息子よ、お前には仲間が居る、強い仲間が。

 

息子よ、願わくば私の使命を継いで欲しい。

 

息子よ、私は何時までもお前を愛しているぞ。

 

そう、何時までも。

 

例えお前の傍に居る事が出来なくても。

 

 

次回・第十八話「運命という名の悲劇と別離(わかれ)」

 

タダオ、マーサを。母さんを……

(`・ω・)ゲーム本編から大幅な設定変更。ヘンリー役であるキョウヤは王の実の息子では無く、甥という事にしました。

これによってキョウヤはタダオと最後まで行動を共にする事になります。

 

次回は遂に少年期編の最後です。

 

では。(・ω・)ノシ

 


 
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