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ゼロの使い魔 AOS 第35話 平賀家の日常 ~萌え萌えグータラ姉さん×2~

koiwaitomatoさん

才人たちは忙しい。
それでも家族がいるから忙しくても大丈夫!
今回はお家で仕事&グータラしている平賀家のお話。
そして、サイトくん自身に新しい属性がまた追加される?

2016-02-19 02:35:27 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1341   閲覧ユーザー数:1330

 

 王宮へ、才人たちが呼び出されてから3日が過ぎた。

 

 途中でこの国の王女であるアンリエッタとの予定外のお茶会があったりもしたが、当初の予定の宰相との面会も無事に終わり忙しい日常にもどっていた。

 

 ちなみに宰相との面会では拡張計画について色々と再確認をしただけで特にトラブルは起きなかったが…「姫様にあまり近づいてはこまりますな、立場を弁えていただきたい」と何故かお説教をくらう事に。

 

 いやいや!?あれはアンリエッタのほうから誘ってきたんですけど(しかも、延長戦までしかけられて!)…と反論しそうになったが、まあ、この人の立場ならそう言うしかないかと、素直に了解した。

 

 一応、トラブル無しで終わった面会から現在に場面が移り…トラブルに直面している才人がここにいる。その、トラブルとは?

 

 

 

 「お金がかかりすぎ!時間がかかりすぎ!人が足りなさすぎ!この計画無理!」

 

 夕飯時の事務所(兼才人の自宅)でロングヒルが才人とエレオノールに喰ってかかっていた。

 

 恒例の会議が開かれる中、ロングヒルの不満が爆発した。

 

 「はぁ?ちゃんとスケジュールを組んであげたのにいきなり何を喚いてるのよ?」

 

 エレオノールがロングヒルの言葉に反応して答えるがロングヒルの勢いは止まらない。

 

 「あれだけの土地を地ならしするのに何で10人しか人が集まらないの!?しかも3ヶ月でやれって…このペースだと3年はかかるよ!」

 

 「しかたないでしょ!被災地のほうに優先的に人員を割かないといけないんだから」

 

 「だから、この計画は無理だって言ってるんでしょうが!そもそも、災害の大本が言うな!」

 

 「ぐ…あれはお父様が大本で私じゃないわよ!そもそも拡張計画はあなたとサイトが考えたものでしょうが!?」

 

 「そうだよ、東地区大災害とか言ういらん災害がなければスムーズに行くはずの計画だったんだけどね」

 

 早い話が人員不足なのである。

 

 現在は才人とロングヒルが現場で指揮を執って作業を進めているのだが、進捗が思わしくない。

 

 才人もトリスタニア中を回って人をかき集めたのだが、建設業が出来る人材は東地区の復興に借り出されていて、いかんせん人が足りない状況だった。

 

 「それに人件費がおかしい!日当が1エキューって相場の3倍ぐらい払っているじゃない!」

 

 「しょうがないでしょ、そのくらいにしないと人が集まらないんだから。それにそこまで高くないわよ!たった1エキューでしょ?」

 

 「ったく……これだから、お嬢様は。サイトだって高いと思うよね?」

 

 「まあ……本職から言わせてもらえれば、40から50ドニエぐらいが相場かな?俺が働いている所の基準だから正確かどうかは分からないけど」

 

 ちなみにトリスタニアに住むの平民の一般家庭が1ヶ月10エキューで生活が出来るぐらいなので、日当1エキューはかなりの高給ではあるのだ…だが、人が集まらない。

 

 高給は魅力的なのは間違いないが、困っている被災地の人たちの街をなんとかしようという使命感のほうが強いのか?知らない人間も多いのが原因でもあるのだが。

 

 「とにかく人をどうにかしなさいよ!労働力が足りなすぎて話にならないよ。今はサイトだって現場で働いているんだから」

 

 「もう…わかったわよ!もう少しなんとかするから」

 

 そんな感じで本日の会議も実ににぎやか(うるさく)行われていた。

 

 

 

 会議もひと段落着いて才人は台所に立っていた。

 

 今晩の食事当番は才人。ちなみに昨日も才人。一昨日も才人。そのまた一昨日も……etc

 

 (さてと…今日は魚をメインにおかずをそろえるか。姉さんの酒のつまみはどうするかな?)

 

 同居人のお姉さま達はお部屋でくつろいでいる最中である、当然、お手伝いなど無し!

 

 (餡かけを作って煮魚に乗せてみるかな?野菜も中に入れれば残さずに食べてくれるかも…よし!これでいこう!)

 

 数ヶ月前までは母親の料理を食べるだけのどこにでもいる平凡な男子高校生の平賀才人だったが、独り暮らしを強いられてから料理をする習慣とスキルが身についた。

 

 やはり実践に勝る経験は無いという事なのだろうか?

 

 年上の女性が2人いる中、才人はお母さんよろしく家族のためにせっせと料理を作るのであった。

 

 「サイト~…今日は人参は絶対に入れちゃダメだからね~」

 

 「わかった、わかった」

 

 人参嫌いのエレオノールの注文に生返事を返しながら、餡かけにみじん切りにした人参を投入する才人。いや!お母さんだった。

 

 そして……。

 

 「ちょっと!これ人参入ってるじゃない!入れないでっていったのにぃ~…サイトの馬鹿!」

 

 「ごめんごめん、うっかりしてた」

 

 「エレオノールは本当にお子ちゃまだね。サイト、つまみが切れちゃった」

 

 「いま、持ってくるから。ちょっと待っててね」

 

 妹(ルイズ)のキャラがかぶったエレオノールと出来上がりつつあるロングヒルとお母さん(平賀才人)の夕飯の一コマでした。

 

 

 

 (たしかに人手が欲しいよな。どう考えてもあの広大な土地に街を1つ作るなんて大型工事……いや、超大型工事なわけだし)

 

 才人はベッドの上で、今日の会議で上がった問題を考えていた。

 

 (そもそも現代の日本でも東京ドーム何個分の広さの工事をするだけでも何ヶ月もかかる訳だし……やっぱり、計画の修正が必要なのかな?)

 

 当初の予定では100人単位の人材を連日投入して地ならしをし、1000人単位の大工を使って街を作る。これを3年以内で行う予定だったのだ。

 

 (姉さんの言うとおり今のままじゃ3年どころか10年ぐらいかかりかねないよな……時間も問題だけど期間が長くなると人件費もよけいにかさむし)

 

 こうなってくると、あの東地区大災害が無くてもけっこう厳しい計画だったんじゃあないかと今は思えてくる。

 

 (はあ……ブルドーザー、クレーン車、ダンプ、ロードローラーが欲しいなぁ。コ○ツの本社がこっちに召還されねぇかな……なんて)

 

 才人は異世界を超えた無いものねだりをしながら、眠りについた。

 

 「サイト~…サイト~…スンスン……くぅ……ZZZ」

 

 補足しよう、エレオノールのベッドの上で寝ぼけながら才人にベタベタするエレオノールの横で、3日連続で!!!才人は異世界を超えた無いものねだりをしながら眠りについた。

 

 男子諸君なら一度は妄想するであろう、だらしないお姉さんとのセックス無しのダラダラ睡眠プレイだと……才人よ死ね!(超本音)

 

 

 

 翌朝の事

 

 「あれ?これって姉さんの土魔法で一気に終わるんじゃね?」

 

 「「は?」」

 

 事務所(兼才人の自宅)で朝食を取っているロングヒルとエレオノールが台所にいる才人のつぶやきに反応した。

 

 「いや……その、姉さんって土魔法が得意だったよね。エレオノールと戦った(?)時もでっかい土の手を出していたし」

 

 「土魔法だけじゃないけどね。まあ、土魔法だったらこの国でも私に勝てるやつはほとんどいないんじゃないかな?」

 

 「サイト、私も土魔法は得意よ!何たって王立魔法研究所で土魔法を専攻にしてるんだもん。で、土魔法がどうしたの?」

 

 ロングヒルとエレオノールは互いに土魔法が得意な事を才人に主張しながら、才人の質問の続きを促す。

 

 「いやさ……昨日の会議で挙がった人手不足を魔法で補えるんじゃあないかなって、急に閃いた」

 

 才人自身なぜ今までそこに気がつかなかったのかと不思議に思う。ブルドーザー(重機)が無いなら姉さん(魔法)を使えばいいじゃない!才人に再びマリーさんの閃きが降りてきた。

 

 「そもそも、魔法なんて便利なものをなんで今まで使っていなかったんだって話じゃん」

 

 「なるほどね……確かにサイトらしい発想だね。そう、私の魔法を使えばあんな平野ぐらい1日で更地に出来るよ」

 

 「おお!!すげぇ……1日かよ。じゃあ、さっそくお願いし……」

 

 「でも、ダメだよ。それは出来ないね」

 

 「…ます。って……えぇ?」

 

 ロングヒル、才人の提案に同調するも何故か最後に拒否する。出来るのに出来ないとはこれ如何に?

 

 「貴族は平民から仕事を奪うような事はしてはならない……そういう暗黙の了解があるのよ。」 

 

 ロングヒルの答えに頭から?マークを出している才人にエレオノールが詳しく事情を説明する。

 

 「貴族が出来て、平民も出来る仕事は平民に回してあげるのが貴族の慈悲って考えなのさ。まあ、貴族様が汚れ仕事をしないための言い訳にも聞こえるけどね」

 

 「ちょっと!穿った見かたをしないでよ……まあ、そういう事なのよ。魔法を使ったほうが効率が良いのは分かるけどね」

 

 貴族の慈悲、たしかに筋が通った話ではある。下の物(平民たち)に仕事を与える事は大切な事ではあるのだ……あるのだが。

 

 今回は平民の人手が足りないわけであって、仕事を奪う事には当たらないのではと才人は思った。

 

 「サイト。姉さんはあんたが考えている事は何となく分かるよ」

 

 「えぇ……もしかして顔に出てた?」

 

 「ふふっ!サイト、貴族たちの決まりごとって言うのはめんどくさいものでね。ばれたら後で色々と目を付けられる事になるかもしれないしね。サイトは平民側ではかなりの有名人みたいだしね……嫌がらせされるかもね」

 

 「嫌がらせって………はあ~…また、貴族社会が問題になるのかよ」

 

 正直言ってめんどくせ~&理不尽な話ではある。『知ったことか!誰にも迷惑かけてないんだから、外野が口出しすんな!』と言いたい。言いたいのではあるが、この国に来てから貴族の俺様ルールとルールを破ったらどうなるのかを身をもって体験してきた才人。

 

 「分かったよ……これ以上のトラブルはこっちもごめんだしね」

 

 「まあ、なるようになるさ。文句を言ったあたしが言うのも何だけど……気長に行こうか」

 

 そんなこんなで才人のアイデアは不採用に終わった。

 

 その後、3人とも才人(お母さん)が作った朝食を食べ終え仕事の準備をする。

 

 平賀才人(とロングヒルとエレオノール)の朝は忙しい。そんな、平賀家の朝の一コマでし……

 

 「そういえば、姉さんが一人で地ならしをしていたら……え~と、100人分の3ヶ月(90日)だから……9000エキュー貰えてた計算になるね。」

 

 「「えっ?」」

 

 事務所(兼才人の自宅)で出かける準備をしているロングヒルとエレオノールが才人のつぶやきに反応した。

 

 平賀家の朝の一コマはあと少しだけ続くようだ。

 

 

 

 そして、それとほぼ同時刻の早朝に王都トリスタニアの中央に位置する宮殿から、1台の馬車が城下町に向けて走り出していた。

 

 「春とは言え、朝は冷えますね……ふふふ……皆さま、びっくりするのではないのでしょうか。ふふふ……」

 

 馬車の中の人物が、そう独り言をつぶやいたのは才人たちが家から出かけたのとほぼ同時刻だった。

 

 

 

 次回 第36話 お願いですから、お姫様!

 

 

 


 
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