No.825264

ポケットモンスター トライメモリーズ 第9話

フウイさん

教育に厳しい内容となってるので要注意

2016-01-16 22:26:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:303   閲覧ユーザー数:303

カナズミトレーナーズスクール

 

 

新たな仲間を連れて、ようやくここ・・・カナズミシティに到着したクウヤ。

この街には沢山のビルが並び多くの企業の本社がこの街にある。

クウヤはカナズミジムを探し街を歩く。

 

「えぇっと?カナズミジムは何処だ?」

「おぉチミチミィ~何探してるんだね?」

「あ! なぁ、ここらへんに・・・」

「皆まで言わなくともわかる、わかるとも。

カナズミスクールだろう?」

「はっ?」

「こっちこっちだ」

「えぇ~~!?」

 

クウヤはそのまま背広の男に引きずられて行ってしまった。

辿りついた先にあったのは、立派な建物。

 

「なんっじゃこりゃあ・・・」

「こここそはホウエン一の学園と認められたカナズミトレーナーズスクールである!

ここを卒業すればエリートにもなれるし最強のポケモントレーナーにもなれる!」

「え、オレもうトレーナー・・・」

「キミもトレーナーになれる!

ここで勉強していれば旅だって大丈夫!」

「だからオレは」

「『良い人』になれるぞ!」

「話きけよ、おっさん!」

 

クウヤの突っ込みも空しく終わりそのまま引きずられていってしまうのであった・・・

 

「・・・はぁ・・・」

 

 

クウヤが連れ込まれたのは装飾が無駄に豪華でほこりやちりが見当たらない部屋だった。

クウヤは戸惑いながらここからどうやって脱出するか必死で考える。

今の彼は、ここから抜け出したい気持ちでいっぱいだった。 

 

「どうも、私こそがこの由緒正しき カナズミトレーナーズスクールで一番偉い学園長である!」

「・・・」

「大昔からカナズミシティは学問の街と伝えられており数々の文系の有名人はここの学園から排出されたのである!」

「そーかいそーかい・・・」

「しかーし!ここ数十年、入学する 生徒が少しずつ減っていってるのである!」

「?」

 

減ってきてる、とはどういうことだ。

 

「悔しいのである、ここはきみのような野蛮でみずほらしい人間でも優秀になれるのに!」

なぜなのか理解できないのである!」

「むかっ・・・!

流石にオレ頭きた!

誰がやばんでみずほらしいってぇ!?」

「数前の、私が学園長になる前の記録はなんとも恥ずかしい・・・みなはしゃいで陽気で、勉強は普通!」

「学校は友達もいるんだしはしゃいでも良いと思うけど・・・」

「友達や恋人など学校には邪魔でしかない!

最近は友達100人作りたいなどというがそれが原因で勉強は低下し遊んだりして段々と妙な事になっていってるのである!」

「・・・」

「くだらない事は全て捨てて勉強にのみ頭や気持ちを捧げれば良いであろう!

さぁきみ入学」

「誰が入学なんかするかぁ!!!」

 

クウヤはキレてモンスターボールを全て開ける。

出てきたポケモン達に二人の教師はびびり震え上がる。

 

「さっきから黙ってりゃ馬鹿げた事を言いやがって・・・!

そんなんじゃ入る人が減って当然だぜ!」

「きみすでにポケモントレーナーだったの!?」

「ああ、とっくになってるよ!

オレは全然いい教育なんてしてないしされてないけどな!

でもトレーナーになるにしろなんになるにしろ、エリートだろうが普通だろうがなんだっていいだろ!」

「騙したな!」

「誰が騙すか!

勝手に勘違いしてただけだろーが!」

「うぅ・・・」

「勝手な思想をおしつけんじゃねぇぞヴァーカ!」

 

それだけ言うとクウヤは怒りに身を任せて窓から学校を出て行った。

 

「ああ・・・」  

「何故この学校の!私の教育が理解されない!

ホウエンで一番の進学校なのに!

くずだくずだ!我が思想に反する奴はみなくずだ!」

 

 

「なんでみんな、学歴とかだけ見ちゃうんだろ?

どんなトコ行っても勉強は自分で努力してやるもんだろ?」

「おにいちゃん、はっきり言うね」

「ん?」

 

クウヤに声をかけてきたのは いかにも学生って雰囲気の少年だった。

年は少しクウヤより年下だろうか。

 

「お前は?」

「ぼくはカズキ!カナズミスクールの生徒だよ」

「オレはクウヤ」

「クウヤさん、だね!クウヤさんはこのこ達のトレーナーなの?」

「そうだぜ」

 

それを聞くと、すごいすごい、とクウヤのポケモン達に目を輝かせた。

 

「ぼくもあと2年になればトレーナーとして旅に出られるようになるの!」

「10歳で旅立てるんだっけ?」

「うん、それまではポケモンは持っても良いけど旅に出ちゃ駄目なんだ」

「そっか、旅に出るの楽しみなんだな!」

「うん!・・・でも、パパとママ許してくれるかな?」

「なんで?」

 

クウヤが聞くと、カズキは少ししょんぼりしながら話し始める。

 

「ぼく、学校行っても勉強しかしなくて友達もいないの。

もしできても、お母さんが別れるよう指揮して来るんだ勝手に。

『友達なんか邪魔なだけ、遊んでる時間があるなら勉強しなさい』って・・・」

「うわ、きっついなぁ・・」

「成績もいつもトップじゃないと怒ってすぐにぶつんだ。

この前なんか89点取ったのに窓ガラス叩きつけられた・・・」

「・・・カズキ・・・」

「ぼくは・・・クラスの皆も学校も大好き。

嫌いじゃない・・・でも、思いっきり遊びたいし、友達も欲しいよ・・・」

「ホントにそう思ってるか?」

「え・・・?」

 

クウヤはカズキの頭に手を置くとくしゃくしゃと撫でる。

きょとんとするカズキにクウヤは笑って言う。

 

「ホントにそうしたいなら・・・自分に正直になっちゃえよ!」

「え・・・」

「年とか立場とか色々と気にしすぎだって!

本当の自分を隠してもいいことなんて何もないぜ!

自分らしく動いちまえって!」

「クウヤさん・・・」

 

彼の言葉には嘘も偽りもない、とてもまっすぐで、純粋なものだった。

 

「でも、またぶたれそう・・・」

「・・・・・・・・・・

うわああああああ!!!」

「!?」

「って思いっきり叫べ!

虐められた時も、親にぶたれたときも!」

「ぶたれても?」

「ぶたれても、だ!

勉強だけで学校行っても楽しくないぜ!

もし勉強とかにうちこむなら、もっと楽しんで気楽に行こうぜ!」

「・・・クウヤさん、ありがとう!

ぼくやっぱりトレーナーになりたい!」

「おう!その意気だ!」

「そうすればクウヤさんとも友達になれるよね!」

「なーに言ってんだよ!

もう友達だろ!」

「!うん!」

 

 

年齢の差を気にしない、新しい友情が芽生えた。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択