No.824532

艦隊 真・恋姫無双 98話目

いたさん

おまけの話は、思い付きです。 深い理由はありません。

2016-01-12 01:02:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1125   閲覧ユーザー数:986

【 袁家からの申し出 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 大厨房 別室 にて 〗

 

大厨房では、多くの艦娘達が──調理やら仕事をこなしている最中である。

 

そんな厨房の片隅で、一刀が坐り磯風が横に佇む。

 

そして……袁公路(真名 美羽)、張勲 (真名 七乃)主徒と相談していた。

 

ーー

 

一刀「……………………」

 

七乃「……………これは、我が主『袁公路』よりの願いなんです。 私達は、前の世で『北郷一刀』さんに助けて貰いました。 そして、今回も貴方達の御蔭で、私とお嬢様の命を救って頂いた──これは、その礼として御受取りを!」

 

ーー

 

幾度も聞く──前の世界での『北郷一刀』の関係者。 

 

あの頃と同年代、容姿、記憶、前の北郷一刀に対して思慕の念を持つ……女性達。 どの者も美女、美少女であり、一芸に秀でる者、多芸多才な者と──『天はニ物を与えず』と言う格言を疑いたくなる者ばかりである。

 

そんな、前の世から関わる『北郷』の影響に、艦娘達を率いる『北郷一刀』としては………戸惑い、そして苛つく。 

 

この世界の有力諸侯は、殆ど全てが『北郷』と接触、様々な関係を築いて別れた者達。 最後は、どのような別れ方をしたのか定かでは無いが、ここまで慕われているのなら、人望はかなりあった英傑だと……見ていいだろう。

 

それが、小さい鎮守府の提督に過ぎない『同姓同名』の自分を、こうも慕ってくれる事に我慢が出来なかった。 

 

記憶の継承があるとはいえ、前の『北郷』とは明らかに別人の自分に対して、『北郷』を慕う……女性達の心を踏み躙るようで───嫌だったのだ!

 

だから────

 

ーー

 

一刀「私は………貴女達の仰る『北郷一刀』とは別人です。 確かに記憶の継承はあるようですが………私は、貴女方を覚えていません!」

 

七乃「……………………」

 

美羽「──── (; ゚ ロ゚) 」

 

一刀「薄情なのは承知しています。 しかし、私には………自分を信じ、力を貸してくれる者達を、最後まで護る義務と使命が存在する限り、この金を受け取る訳にはいきません。 御返ししますので納めて下さい!」

 

美羽「──── 。゚(゚´Д`゚)゚。」

 

七乃「……………お嬢様……」

 

ーー

 

一刀は、自分の言葉を聞いて──不安そうな顔をしていた『袁公路』が、泪を流しながら叫ぶのを聞く。 主が泣くのを静かに慰めながら、表情を余り変えずに、此方の様子を窺う『張勲 』の姿。

 

作業をしながら、此方の話に聞き耳を立てる艦娘や恋姫達。

 

一刀は………その反応を見て、心の痛みに耐えながらも、無表情の顔を緩める事はしなかった。

 

ーー

 

七乃「…………では、どのように………資金を都合されるのですかぁ? このままでは…………正直、北郷さんの計画は失敗しますよ?」

 

一刀「私の私物を売れば、この件は済みます。 天の国では……夫が会席を開く際、妻が自分の髪を売って資金を都合した話がありました。 それだけの事をしなければ、私自身を認めて貰うなど………到底無理でしょう!」

 

七乃「──────!?」

 

美羽「……………………?」

 

「「「「「 ──────!! 」」」」」

 

ーー

 

一刀は、この話を聞いた折り……その覚悟を決めていた。

 

今回の不始末は、自分の采配ミス。 幾ら漢王朝より命令を承ったと言って、敵の情勢を知り対応策を考えるのが基本。 

 

それを侮り、自分の力を過信した為、大事な仲間に死なせるところだったのである。 それを、諸侯が危険を犯して自分や仲間を救ってくれた。 この恩義を如何にしてでも返さなければ、人間として申し訳ない。

 

それに、そのような自分にも………罰を与えなければならないと考える。 提督だから逃れて良いものでは無いのだ!

 

一刀は、自分の腰に佩用していた軍刀を外し………静かに前の台へ置いた。

 

ーー

 

一刀「………私の軍刀を……売却するつもりです! 無能な指揮官に刀など不要! 我が魂である先祖伝来からの武器を………売って金に替えます! そうすれば───皆が皆、納得してくれるでしょう!」

 

七乃「…………見せて貰って………良いですか?」

 

一刀「……………ご自由に。 売却すると決めた物、誰が手を付けても構いません。 ただ、願わくば………この刀を大事にしてくれる方にと………」

 

七乃「………失礼しま───っ!?」

 

美羽「─────な、なんじゃ!」

 

 

★☆★

 

一刀の軍刀は、通称『太刀型軍刀』と言われる物で、刃長二尺(約60㌢)の無銘、鞘は黒漆塗りで鉄鞘。 本来は鞘に革覆を巻きつけるのだが、錆びる事を嫌い外している状態だ。

 

この刀は、一刀が海軍に所属する際に、祖父が軍刀用に拵を直して与えた物である。 

 

ただ、通常の軍刀と違い、刀身の部分には……無数に枝分かれた樹木のような図形に覆われている。 化石に興味を持つ方なら、お分かり頂けるが、シダ植物の葉の化石と……よく似た模様であった。

 

この模様の意味は、数年前までは理由は不明、ただ、一刀の先祖に関係していると、祖父が渡す時に伝えた話があった。

 

北郷家に伝わる伝承では、『武芸の達人であった御先祖が、旅先で雷を伴いし《雷獣》に遭遇、秘伝秘術を尽くし大激戦の末、此を制し討ち取る』と。 

 

その戦いの痕跡が残り、後に雷獣を切り捨てた太刀を『雷切』と名付けた……と言われている。 これが、その時の太刀だと。 

 

後に、一刀が海軍に入った際に調べて貰ったところ、この幾何学的模様は『リヒテンベルク図形』と言われる───落雷の痕跡だった。

 

★☆★

 

そんな云われも……聞かれるままに話した後、一刀は頭を下げる。

 

『北郷との関係ではなく、自分自身の力で───皆を守りたい』………そんな一刀との意地と想いだった。 

 

ーー

 

一刀「───このような理由で、資金は用意したいと思いますので、この話は無かった事に『───では、この物は袁公路の名で、購入させて頂きますね』─────はっ?」

 

七乃「私………おかしなこと言いましたかぁ? 北郷さんが『品物を売りたい』という話であれば、お嬢様は『品物を買いたい』と言われますよ。 これほどの物なら、袁家に相応しい品になりますからねぇ………お嬢様?」

 

美羽「───そ、そうじゃ! よくぞぉ妾の心を代弁したぞ、七乃や! ぬ………い、いや……北郷殿! この一品は………妾が買うた! 代金も此処に置いておくぞぉ!!」

 

一刀「そ、それじゃ………俺……じゃない、私が情けで買って貰ったように! それに代金も、こんなに多く────」

 

七乃「勘違いしないで下さい、北郷さん。 これは、正真正銘の売買ですよ? 貴方は自分の『魂』を売りたいと言われました。 そうでしょう?」

 

一刀「───た、確かに言ったが…………」

 

七乃「貴方の示した『魂』は、その物だけじゃなく、私達の知っている北郷一刀の心も、貴方を通して見れたんですよぉ。 だから、その見学料も含めて買わせて頂きましたので、料金が多いんですぅ!」

 

一刀「し、しかし………俺は…………」

 

美羽「北郷殿……………其方は、妾が知る主様じゃ! 妾の我が儘に対して……いつも精一杯尽くしてくれた……優しい主様と相違ないぞ。 幾年過ぎしとも、主様を見間違うような妾ではないからの…………!」

 

七乃「貴方は……紛れもなく『北郷一刀』ですよ。 自分の損得より他人を心配し、過ちを擦り付けずに自分で責任を取り、人の想いを実現する為に奔走した『三国一の種馬』さんです! あっ………それ以上ですかねぇ?」

 

一刀「……………はっ? 俺が?」

 

七乃「もうぅ~鈍いところも同じなんですかぁ? 貴方が認めなくても、私達のように『北郷一刀』を覚えている者は……全員認めていますよ? そ・れ・に~既に別の娘達から慕われているじゃないですか……この『女誑し』!」 

 

一刀「─────女誑しぃいいいっ!?」

 

ーー

 

磯風「────(反論が出来ないな、司令よ)」

 

「「「「 ーーーーーーーコクッ! 」」」」

 

ーー

 

一刀「お、 おい───っ!?」

 

七乃「………それに、『あの人』達が何で危ない道と知りつつ、北郷さん達の救援に向かったと思うんですぅ? 一歩間違えれば、反乱の汚名を着せられるとこでしたよ? まあ……そんなヘマする訳ないんですけどねぇ~」クスクス

 

一刀「……………………」

 

七乃「…………私達も駆けつけたかったのですがぁ………表だって動く事が出来なかったんですよ。 『袁家』に縛られている───」

 

美羽「七乃──っ!」

 

七乃「す、すいません………お嬢様! と、兎に角………これは私達が買わせて頂きます。 その価値は充分ありますからぁ………」

 

一刀「ま、待ってくれ! まだ、君達に売るとは───」

 

七乃「本当に空気を読めない『一刀さん』ですねぇ? この切羽詰まった時に、お店に出せば安く叩かれ、ボロボロにされて二度と手許に戻ってきませんよ。 それなら……私達に預けて頂ければ…………」

 

美羽「主様………お願いなのじゃ! これを主様と思うて貸してたもぅ! もう……寂しいのは我慢できぬ。 蜂蜜水を止めることが出来ても、主様の温もりが無いのは………もうぅ嫌じゃ。 ───嫌なのじゃっ!!」

 

一刀「…………………………」

 

磯風「司令………この問題に、この磯風が口を挟む事は出来ない。 だが、一つだけ覚えておいて欲しい。 司令が諸侯に謝罪に行くなら……この磯風も共に向かうからな。 元々、磯風が罰を受ける筈……司令だけを悪者にさせん!」

 

一刀「────分かった。 それでは…………」

 

ーーー

 

こうして、一刀の軍刀は──美羽が所持する事になる。

 

そして、一刀は美羽から代金を貰い受け、数隻の艦娘達が明命の案内により食材を購入へ出掛けた。 

 

双方が納得のゆえの事態であるが……………

 

 

 

一刀「俺って…………… 女誑しだったのか?」

 

数分の間、悩む一刀が居たそうな。

 

 

◆◇◆

 

【 華琳の記憶 の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

これから、半刻後(約1時間後)に華琳達が入った後、続けて呼ばれた諸侯達が部屋に慌ただしく入りみ、華琳達に気付いて挨拶を交わす。

 

その後、控えていた加賀が他の艦娘を指揮、諸侯を円卓の席に案内させた。 

 

ーー

 

雪蓮「冥琳、みてみてーっ! こっちに美味しそう料理があるわよっ!」

 

冥琳「ああ………それは『さつま揚げ』だな。 また、此処で食べらるとは感無量だ。 そこにあるのは『唐揚げ』だ。 旨いが食べ過ぎると………」

 

ーー

 

月「わぁ………詠ちゃん、これって『おむらいす』だよ!」

 

詠「…………本当、これってアイツが言ってた、『とまとけちゃっぷ』という調味料で、文字を書く食べ物じゃない? ボク達にやらせたいとか………訳の分からない事ほざいていたけど……………」

 

ーー

 

翠「おっ! これって朱里が作った『饅頭』に似ているな!」

 

蒲公英「そうだよね……だけど、匂いが甘いのだけじゃなくて……肉類の匂いもするよ。 あっ、お姉さま! あそこに焼いた饅頭もある! もしかして──前にご主人様が言っていた『ぱん』じゃないかなっ!?」

 

ーー

 

見慣れぬ料理?に諸侯達が騒ぐ中、華琳の疑問は更に増える。

 

ーー

 

華琳「(どういう事? 他の諸侯は、この状態を……当然のように受け入れているわ。 すると、私達以外は全員説明を受けているの? いえ、秋蘭は普通に驚いていた、だけど───)」

 

桂花「どうされました、華琳様?」

 

秋蘭「────華琳様?」

 

春蘭「────どうかされましたか、華琳様?」

 

ーー

 

その様子に心配して、華琳の前に集まる桂花達。 華琳は、少し考える素振りを見せると、桂花に視線を向け、目に力を込めた。

 

ーー

 

桂花「─────!」

 

華琳「………………桂花、貴女は私と秋蘭に黙っていたわね? あの御遣いではない『誰か』から、この催物を聞いた事。 理由までは分からないと……何故、私に報告しなかったの?」

 

秋蘭「────どういう事だ、桂花?」

 

春蘭「────桂花?」

 

桂花「……………………」

 

ーーー

ーーー

 

《桂花 回想》

 

『え~と、目的の部屋は、どこだったのかな~? ここって鎮守府より大きいから迷っちゃったよ………うぅぅぅぅ』 

 

────ウロウロ ウロウロウロウロ────

 

『────はっ! いけない、いけない! せっかく金剛さんが、私に連合艦隊旗艦を任せてくれたのに、こんな弱気になっちゃうなんて!!』ブンブン

 

────ガチャ!

 

『────!?』

 

『 ───ちょっと、何を騒いでいるのよ? 何があった知らないけど、部屋の前で大声………って貴女……一刀の仲間? 今まで会った子とは違う──!?』

 

『し、司令官を御存知ですかぁ! 良かったぁ──! あ、いえっ、失礼しました! 私は《吹雪型 1番艦 駆逐艦 吹雪》です! 司令官の命令一下、他の艦娘達と運送兼準備で碇泊した次第! 以後、宜しくお願いします!!』

 

『一刀が…………?』

 

『…………は、はい! 司令官からの指示により、皆様に食事を振る舞われるようにと。 何でも、お世話になった方達に、立食パーティー形式の会食を開催されたいと言われて。 え~と、曹孟徳様、孫伯符様、董仲穎様──』 

 

『…………概要は分かったわ。 私は『荀文若』、この部屋の主『曹孟徳』様に仕える者よ。 孟徳様は、昨夜の戦いで疲労困憊で御休みされている。 だから、私から折りをみて御伝えするから、此処には案内だけお願いしたいの』

 

『了解しました! お呼びする時は内緒ですね? 担当艦が誰になるか分かりませんが、伝達致します! そ、それとですね………教えて頂きたい───』 

 

『………で、部屋を探していたんでしょ? 早く言いなさいよ、教えてあげるから』

 

『あ、ありがとうございます! じ、実は……………この部屋に行きたいんですが………』

 

ーーー

ーーー

 

押し黙る桂花に苛ついた華琳は、質問方法を変えた。

 

ーー

 

華琳「それなら、質問を変えるわ。 この事を秘密にしたのは、この『曹孟徳に益有りか無しか』………どちらなの!」

 

桂花「…………………無いです!」

 

華琳「───それなら何故!?」

 

桂花「……………正確には『曹孟徳』様ではありません! 益有る者は『華琳』様、そして『秋蘭』もです!!」

 

華琳「──────!?」

 

秋蘭「───?」

 

春蘭「──────!」

 

桂花「これは、天の国より伝わる『しょっく療法』なる治療方法だと。 あの左慈が、私に教えてくれました。 ───だから、私は賭けてみます! 大事な華琳様に、大切な仲間の秋蘭に、一刀を思い出して貰うように!」

 

ーーー

 

突然と言われ、華琳も秋蘭も言葉が出ない。 

 

しかし、桂花の顔には嘘は無い。 どんな時も、華琳に願う時も、諫言する時も………その視線は真っ直ぐ、怯む事なく見据えている。

 

華琳は、どうすればいいか────分からなかった。

 

そんな折りである………一刀が扉を開けて入って来たのは。

 

 

◆◇◆

 

【 立食パーティー開催 の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

一刀や磯風達が手に料理と『荷物』を持って入室。 それまでの騒ぎが瞬時に静かになり、一刀へと注目が走る。

 

ーー

 

一刀「あれっ? まだ、手を付けてなかったんだ? 皆さんも朝から食べてないから、お腹が減ってるのに。 俺を待たずに食べて貰えば──」

 

加賀「……………主催者を除け者にして、先に始める事など……出来るとでも? そのような戯れ言を仰るより、挨拶を早くして欲しいのですが……」

 

 

吹雪「そうです! それに───」

 

隼鷹「提督ぅー! 早く始めよう! この時代に『缶ビール』なんて無いから、開け方なんか分かんないよ!? 早く呑み方を披露して、見本みせなきゃ信用してくれないし、キンキンに冷えてるビールが生温くなっちまう~!!」

 

飛鷹「隼鷹…………いい加減になさいよ!」

 

吹雪「……………隼鷹さんのテンションが高揚して………これ以上、止めれませ~んっっ!!」

 

ーー

 

那珂「那珂ちゃんも準備完了~! 何時でもスタンバイ、オッケーだよ!」

 

神通「私で……よろしければ、出撃いたします。 皆さん、御待ちのようですから……はい」

 

川内「あはっ…………あの人、確か夜戦で有名だったよねぇ? この時代の夜戦の話、たっくさん聞かせて貰わなくちゃ!!」

 

ーー

 

磯風「ふっ……司令、食い物の怨みを買うのは怖いぞ? 早く挨拶を終わらせた方がいい。 それに、鳳翔達も……司令のために頑張っている。 かの者達の頑張りに報いるのも、司令としての務めだと思うのだが?」

 

一刀「……………あ、そうだな。 では、挨拶を………」 

 

ーー

 

規則正しく並べられた円卓の列より、前に出て諸侯達に見えるように向き直る。 左右の壁には、艦娘達が飲み物と器を用意して待機。 一刀からの号令を今か今かと待っている。 

 

一刀は、諸侯の活躍で自分達の危機を免れた事、その礼で会食を開いた事、今回の白波賊の策で判明した部分の報告を、この場でさせて貰う事を簡略しながら述べた。

 

その言葉を聞いて、諸侯達の反応も色々で───

 

軍師勢達は、その言葉を聞いて目を輝かす者、約一名………息が荒く興奮状態になる者と別れるが、未だに解明できない部分もあり、その言葉に期待を寄せた。

 

誰とは言わないが、料理に興味を持つ者、天の酒に喉に鳴らす者、早くも食べる前に追加注文を頼む者と、会食を首を長くして待つ者達。

 

ある者………華琳は、一刀の顔を凝視して何事か考える者も居た。

 

そして、挨拶が終わり、皆に飲み食いを楽しむように促すした後、一刀は頭上に手を伸ばして、叫んだ!

 

ーー

 

一刀「全艦に命じる、各自ビールを装備し、目標のテーブルへ出撃せよ! ただし、下戸の者も居るから無理をしないように見極め応戦! その場合、お茶かジュースに装備換装するように!」

 

「「「「  はいっ! 」」」」

 

ーー

 

こうして、一刀主催に拠るパーティーが始まった!

 

しかし、この部屋を借りるのは半刻(約1時間)足らず。 

 

この間にどのような出来事があったのかは、また次回の話に続く事に。

 

 

 

 

 

 

加賀「提督、赤城さんは………そう。 あぁ、なんでもないわ………」

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!

 

次の話で、序盤?を終わらせて………やっと本腰入れて、黄巾の乱に入ろうと思います。 百話が序盤…………って、どんな話なんだか。

 

次回更新は、予定がありまして二週間ぐらい掛かるかも。

 

気長に御待ち下さい。

 

 

 

 

 

下の話は、ある話を読んで着想を得た話。

 

『イチゴ味』…………大好きなもので。

 

???が提督で着任したという話が多かったので、逆だったらと考えた結果………こうなりました。

 

思い付きで書いたから、詳細なんて決まってません。

 

 

 

 

おまけ

 

【 とある艦娘?が着任しました の件 】

 

〖 場所不明名称不詳の某鎮守府内 にて 〗

 

とある鎮守府では、大型建造を行う為、秘書艦である吹雪に資材を預けた。

 

吹雪は、この鎮守府に俺が着任してから、秘書艦を務めてくれる優秀な艦娘。

 

今までも、多くの装備を開発、新しい仲間を迎えさせてくれた。 だから、今回も吹雪を信じ、なけなしの資材をかき集めて、建造に臨んだのさ。

 

ーー 

 

提督「………吹雪、建造時間はどれくらいだ?」

 

吹雪「そ、それが───」

 

提督「どうしたんだ? 何かあったのか?」

 

吹雪「は、はいっ! ──司令官、申し訳ありません!!」

 

ーー

 

吹雪の話では、何でも資材投入の時に、側に置いてあった『愛読書』まで投入してしまったそうだ。 

 

建造は、時間が掛かる……大型建造なら尚更。

 

そのため、他の業務を終わらせた後に駆けつけ、時間が30分ぐらいの余裕があれば、好きな本を読んで時間を潰していたそうだ。

 

そうしたら、資材を一生懸命投入していたら、うっかり投げ込んでしまったとの事。 回収なんて不可能……どうしようもない。

 

因みに俺が頼んだのは、『大和』か『武蔵』を目指して命じたのだが………?

 

ーー

 

吹雪「実は………建造時間────『24時間』なんです!」

 

提督「な、なんだそりゃっ!?」

 

ーー

 

普通………大和型は8時間。 

 

それ以上に時間が掛かる艦なんて………俺は知らねぞぉ!?

 

ーー

 

吹雪「や、やっぱり司令官は………許してくれませんよね。 これじゃ………秘書艦、失格です……………」

 

提督「お、おい───」

 

ーー

 

俺の反応、吹雪は自分の責任だと落ち込んで涙を流す。 そんな姿を見せられたら、俺も心が痛むぜ。 将来の嫁艦候補の吹雪を泣かれるのは、正直辛い。

 

提督「吹雪、まだ………失敗と決まっていない。 待とう、待てば海路の日和ありって言うじゃないか。 失敗したら、また資材集めてやり直そう。 ──なっ?」

 

吹雪「し、司令官────!!」

 

ーー

 

そんな訳で、その日は黙々と他の仕事を片付けて、次の日を待った。

 

期待が3分の1、落胆が3分の2だったけど。

 

★☆☆

 

翌日

 

俺達は、建造する倉庫に来ていた。

 

ーー

 

吹雪「司令官……………………完了しましたよ?」

 

提督「う、うん。 無事に成功したようだが……………」

 

ーー

 

建造は何と成功! この頑丈な鉄の扉の向こうに、その艦娘が居るということだが………

 

ーー

 

吹雪「司令官…………お、音が聞こえますが、何でしょうか?」

 

提督「ま、まるで象か………何かが、歩いているような」

 

ーー

 

小さい地震のような響き、そして近寄る足音?

 

そんな巨大な艦娘なんて、居ない───えっ!?

 

鉄の扉が開き、中から現れたのは………光る4つの目、象のように太い4つの脚、高さも五メートル以上の『怪物』!!

 

ーー

 

吹雪「し、司令官! 貴方の身は、この私が身を挺して守ります! 早く逃げて下さい!」

 

提督「ば、馬鹿野郎! お前こそ艤装を外したまんまだろうが! ここは、俺が時間を稼ぐ。 早く行って艤装を付けてこい!」

 

吹雪「い、嫌です! 私は建造されれば、新しい私が司令官の下に着任します! だけど、大好きな司令官は貴方一人です! だから、ここは私が!」

 

提督「分からない奴だ! 幾ら新しい吹雪が俺の下に来ても、俺と共に過ごした吹雪は居ないんじゃ話しにならん! それに、こいつに抵抗できるのは、お前しかいない! ならば、どちらが残るか決まっているだろう!」

 

吹雪「それでも嫌です! 司令官を残して行くなんて───」

 

提督「これは強制命令だ! 吹雪、逃げろぉ………お!?」

 

ーー

 

ここで、俺は──ふと気が付いた。 

 

こいつ、俺と吹雪の会話している最中………まるで攻撃してこない。

 

じゃあ…………こいつは?

 

ーー

 

??「……………うぬが………提督か?」

 

提督「………………………………は、はいっ!」

 

ーー!

 

野太い声が聞こえて、慌てて上を見上げれば………怪物と思ったのは、巨大な馬に乗る巨人? 

 

刺々しい兜を被り、鍛え込んだ筋肉、鋭い眼光、身体に巨大な覇気纏う───世紀末覇者が………俺に問い掛けたんだと分かったのに、少し時間が掛かった。

 

ーー

 

ラオウ「俺の名はラオウ。 『北斗型 正規戦艦 ネームシップ ラオウ』だ。 どういう意味か解らぬが、この鎮守府に着任したからには、提督よ! うぬを世界の覇者にするのが、我が天命! 共に覇権を握ろうぞ!!」

 

 

ーーー

ーーーーー

 

────『北斗型 1番艦 正規戦艦 ラオウ』が鎮守府に着任しました。

 

これより、提督に世界の覇権を取らすため、動き始めます。

 


 
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