No.822909

艦これSS 陸奥が来た記念

しぶでうぷしてたのをこちらにもあげてきます

2016-01-04 00:57:41 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:913   閲覧ユーザー数:909

 

「うーん………パーツ数の割に稼働範囲は良いし、エールストライカーの主翼を折り畳めるのか。凄いな。色分けも結構されてるし気になる部分を塗装するだけにするか……本体は目の部分とカメラだけで後はスミ入れで良さそうだし。」

 

ブツブツと言いながら執務室の机で模型を作っているのがこの宿毛湾泊地に所属する私達艦娘を指揮する提督………優斗提督だ。

 

「………あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー♪♪」

 

小声で歌を歌いながら部品を組み立てていき、徐々に人型の模型が出来上がっていく。

 

「………」

 

それをただ黙って眺める私。私は秘書艦なのだが、今の仕事は提督の邪魔にならないようにする事だ。

 

「よし、本体は完成。後はマスキングしてサーフェイサー掛けだな。」

 

そう言って出来上がった人形を寄せ、組み立て途中の部品に黄色いテープを貼っていく。そしてそれらを隣にある塗装室(本来そんな部屋は無いけれど提督が大本営に自らの功績の代わりに作ることを申請して更には自費で作った)に入っていく。

 

「趣味にお金懸けすぎ………」

 

私はため息を吐きながら人形を眺める。箱に書かれた絵と見比べても、遜色無い位には作られていた。箱の横に書いていた『塗装しなくても、設定に近い色を再現!!』という売り文句通りの様だ。

 

「んっ………もしかして仕事まだ残ってた?」

 

塗装室から出てきた提督がため息を吐く私を見てそう問いかける。

 

「いえ、提督が趣味にお金懸けすぎてるから心配なのよ………」

 

「えっ………そうかな?」

 

「そうかな?じゃなくてそうよ。自費で趣味の部屋を増築している時点で。」

 

「ははは………」

 

私のツッコミに笑いながら机に座り、再び模型を作り出す。

 

「そっか。あまり自覚は無かったんだけどね。今度から気を付けるよ。」

 

「お願いね…………」

 

私はため息を吐きつつ提督の作業を見守る。今はナイフで部品を削っていて提督曰く「パーツのランナーとの切断部分を綺麗に誤魔化す為の作業」をしている。が、この提督、趣味は模型作りなのに不器用なので

 

ザクッ

 

 

 

 

 

 

「アィェェェェ!?」

 

良く指を切る。またナイフの切れ味も良いので深く切ってしまった様だ。

 

「もう提督ったら………」

 

私は呆れながら救急箱を持ち提督の手を見る。

 

「派手に切ったわね………血が止まらないじゃない。」

 

「面目無い………」

 

申し訳無さそうにしている提督の手に消毒と止血をする。

 

「うぐっ………痛っ………陸奥さん痛いっす………」

 

「我慢しなさい。」

 

痛がって苦悶の表情を浮かべる提督に私は無慈悲な一言で返し容赦なく塗りつける。

 

「………あの陸奥さん?さっきから思ってたんですがこんな手の込んだ事しなくて絆創膏だけで良くないですかね?」

 

そんなキッチリやらなくても。と言う提督に私は少し注意するように答える。

 

「前みたいに瞬間接着剤で傷を塞がない為よ。絆創膏だけだと剥がして瞬間接着剤をつけそうだし。それにこれなら瞬間接着剤を使ったら直ぐにわかるからよ。」

 

「…………」

 

それを聞いた提督が項垂れてるのに苦笑しつつ私は包帯を巻いていく。しかし自分の身体も模型だと思っているのかしら?だとしたら心配ね………

 

「………これで良いわ。後はゆっくり治すのよ。」

 

「あの………これだと右手が使えないんですが。」

 

「そうね。」

 

「作ってる途中のプラモは?」

 

「我慢しなさい。」

 

そんな事を言ったらまだ途中なのに………と落ち込む提督。まったく、子供じゃないんだから…………

 

「仕事は?」

 

「もう終わってるわよ。」

 

それに基本的に判子を押すだけじゃない。

 

「ご飯の時は………」

 

「それは私が食べさせry」

「左手で食べるか。スプーンなら問題無いし。」

 

「…………そうね。」

 

「どうかした?それに何か言おうとしてなかった?」

 

「いーえ…………なんでもないわ。」

 

どうしてそこだけはしっかりしているのよ………良くわからないわ。

 

「そうか。なら時間も時間だし、一緒に食べに行こうか?」

 

「………あらあら、それはデートのお誘いかしら?」

 

 

私はそう言って茶化してみる。すると

 

「デート?…………………………まぁそうなるのかな。」

 

「えっ!?」

 

予想外の答えに驚く私に提督は何処か恥ずかしそうに頬を掻きながら答える。

 

「えーとな……………今回みたいに普段から陸奥には迷惑ばかりかけてるからそのお詫びを兼ねてね………だから付き合ってくれないかな?無論俺の奢りでね?」

 

「あらあら………良いわ。ならちょっと、お化粧直してくるね。」

 

「おう。じゃあ俺も準備するから工厰前集合で。」

 

「わかったわ。」

 

私は執務室を出ていき、扉を閉める。

 

「デート…………か………………」

 

そう意識してみると自分が出撃する時以上に緊張しているのがわかる。

 

「緊張する程の事じゃないわね………大丈夫。ただ提督と食べに行くだけよ………」

 

緊張で高鳴る胸を押さえ、自分に言い聞かせる。でも………

 

「楽しみね………」

 

何処か楽しみにしている私自身に驚きつつも、私は足取り軽く、自分の部屋に向かうのだった。

 

 

 

後書き

 

これは当時、陸奥が来た記念+HGCEエールストライク購入記念で書いた物です。ストライク?大体最初のページの五行目辺りで出来てましたよ。ええ。

 

ちなみに瞬間接着剤で傷を塞ぐのは私は良くやります。しかし身体に悪影響与えるかもしれないのでオススメはしません。やるなら自己責任で(笑)

 

 

 


 
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