No.816872

宝城双斗のIS学園生活 第13話ラウラ・ボーデヴィッヒ

destinyさん

銀髪少女

2015-12-03 13:01:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:620   閲覧ユーザー数:606

 

 side双斗

 

 僕と簪が模擬戦をしてから5日後の土曜日。

 

 土曜日なので午前中で授業は終了し、今は久しぶりに食堂で簪と学食を食べていた。

 

 ちなみにメニューは僕はご飯に竜田揚げが乗っている竜田揚げ丼、簪はきつねうどんだ。

 

 「双斗って本当、ご飯が好きだよね」

 

 「ご飯の方が食べたって実感が湧くからね」

 

 僕は基本的に1日3食必ずご飯を食べる。たまに麺類のときもあるけど、せいぜい月に2、3回といったところだ。理由はご飯が好きということもあるけど、何よりパンや麺に比べてご飯の方が食べた実感が湧くからだ。そのため、ご飯を食べることが多い。

 

 ちなみに話が変わるけど、今日まで僕たちが恋人同士だと知っている人は4組以外にはほとんどいない。

 

 理由は1組から3組の女子はみんな織斑君に注目していて僕たちのことに気づいていないことと、1組から3組の生徒は僕たちを見かけることがほぼないからだ。

 

 僕と簪は基本的にトイレと昼食の時以外は教室にずっといるし、放課後は授業が終わると同時に整備室か第4アリーナに向かってしまうので僕たちの姿が4組以外の人たちに見つかることはほとんどない。

 

 「「ごちそうさまでした」」

 

 僕と簪は同時に昼食を食べ終わり、席を立つ。そしてそのまま食器を返却し、食堂を出た僕たちは部屋に戻って、久しぶりに部屋でのんびりすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数時間が経ち、僕と簪は第1アリーナに向かっていた。何でも織斑君たちが第1アリーナでISの特訓をしていると聞いたので、僕たちは偵察がてら見に行くことにした。

 

 第1アリーナにつくと、織斑君とデュノア君の模擬戦が行われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 sideナレーション

 

 「えっとね、一夏がオルコットさんや凰さんに勝てないのは、単純に射撃武器の特性を把握してないからだよ」

 

 「そ、そうなのか? 一応わかっているつもりだったんだが・・・」

 

 シャルルとの模擬戦を終え、一夏はシャルルからレクチャーを受けていた。

 

 「一夏は知識としては知っているだけで把握しているってことにはなってないんだよ。さっき僕と戦った時もほとんど間合いを詰められなかったよね」

 

 「うっ・・・確かに。イグニッションブーストも読まれてたしな・・・」

 

 「一夏のイグニッションブーストは直線的だから反応できなかったとしても軌道を予測できれば簡単に対処できるからね」

 

 一夏は言いかえそうにも正論なため言い返せなかった。

 

 すると、後ろいいた箒たちが一夏に対して文句を言う。

 

 「私のアドバイスをちゃんと聞かないからだ」

 

 「あんなに分かりやすく教えてやったのに、何よ」

 

 「わたくしの説明の何が不満だというのかしら」

 

 「「あはは・・・」」

 

 一夏とシャルルは思わず苦笑いをしていた。というのもこの3人の説明がかなりひどかったからだ。

 

 そんなことを思いながら一夏はシャルルからレクチャーを受けていると・・・

 

 「ねえ、ちょっとあれ・・・」

 

 「うそ・・・ドイツの第三世代型」

 

 「まだ本国でトライアル段階だと聞いているけど・・・」

 

 周囲が騒がしくなっているのに気付き、一夏たちは視線をうつした。

 

 「・・・」

 

 そこに居たのは1組のもう1人の転校生であるラウラ・ボーデヴィッヒであった。

 

 「おい」

 

 「・・・なんだよ」

 

 ラウラはISのオープンチャネルで一夏に声を掛ける。

 

 「貴様も専用機持ちだそうだな、ならば話が早い。私と戦え」

 

 「嫌だね、理由がねえよ」

 

 「貴様には無くても私にはある、貴様がいなければ教官の大会二連覇という偉業が成し遂げられたのは容易に想像出来る。故に私は貴様の存在を許さない」

 

 どうやらラウラは織斑千冬の経歴に傷を付けた一夏を許せなかったようだ。

 

 「また今度な」

 

 「ふん、ならば戦わざるを得ないようにしてやる!」

 

 そう言うと、ラウラはISの肩の大型レールカノンを一夏に向けて、砲弾を発射しようとした。しかし、砲弾が発射されることはなかった。なぜなら・・・

 

 「ラウラ!!」

 

 「!!」

 

 ラウラの目の前に双斗がISを纏った状態で現れたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side双斗

 

 「ラウラ!!」

 

 「!!」

 

 僕はいてもたってもいられず、青風を展開してラウラの前に出た。そのことにラウラも一瞬驚く。しかし、

 

 「邪魔をするな双斗! 私は織斑一夏を・・・」

 

 「確かにラウラの気持ちも分かるよ・・・。でも、本人に戦う意思がないのに一方的に攻撃しちゃダメだよ」

 

 僕はラウラにそう諭す。

 

 「それに数日後には学年別トーナメントもあって、彼と戦える可能性も十分あるんだ。だから今回は自重してくれないかな?」

 

 「・・・分かった」

 

 ラウラはそう言うと、ISを解除したので、僕も青風を解除してラウラと共にアリーナを後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「双斗、先ほどはすまなかった。織斑一夏を見て完全に頭に血がのぼっていたようだ。全く私もまだまだ子供のようだな」

 

 「そんなことないよ。ラウラは十分成長してるよ」

 

 「だが、こんな姿を見たら明斗はきっと幻滅するに違いない・・・」

 

 そう言うとラウラは先ほど織斑君に見せていた勢いは完全になくなり、意気消沈していた。

 

 「・・・相変わらず明斗のことが好きなんだね」

 

 「あ、あたりまえだ!」

 

 僕がそう聞くとラウラは顔を真っ赤にしながらそう言う。

 

 ラウラは明斗のことが好きだ。それもLIKEの方ではなくLOVEの方で。

 

 ラウラは人工的に作られた人間で、それゆえに自己表現として過剰に強さを求めていた節があった。さらにIS適合移植手術の失敗によってラウラは『出来損ない』という烙印を押され、その境遇からラウラを救った千冬さんに心酔していた。同時に千冬さんの圧倒的な完璧な強さに憧れ、その名誉に汚点を残す元凶となった千冬さんの弟である織斑一夏を強く憎み、また嫉妬していた。

 

 また、頑なに人を寄せ付けない性格だったラウラは部隊から孤立しつつあった。それを見た明斗はラウラが孤立しないようにコミュニケーションを毎日取っていた。

 

 そんな時に事件が起きた。それはラウラの専用機である『シュバルツェア・レーゲン』に秘密裏に仕込まれていた「VTシステム」が原因で暴走してしまったのだ。しかし、それを止めた人間がいた。それが明斗だった。明斗は生身で暴走したラウラを止めた。そしてラウラは体を張って止めてくれた明斗に心を奪われてしまったのだ。

 

 どうやらそれから3年近く経った今でもその気持ちは変わらないようだ。

 

 僕がそんなことを考えていると簪が僕たちのもとにやってきた。

 

 「簪、ごめんね。急に飛び出していったりして」

 

 「本当にびっくりしたよ! 心配したんだから」

 

 僕はごめん、ごめんと言って謝る。

 

 「双斗よ、この女子生徒と知り合いなのか?」

 

 「ああ、そういえば紹介してなかったね。彼女は僕の恋人の更識簪、日本の代表候補生だよ」

 

 「何!? 双斗、お前に恋人がいたのか!?」

 

 ラウラは僕に恋人がいることに驚く。

 

 「とりあえず、その辺の詳しい話は僕たちの部屋で話すよ」

 

 そう言って僕は簪とラウラを連れて部屋に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ、改めて紹介するよ。まずラウラ、彼女は僕の恋人の更識簪。それから簪、この子は僕がドイツのシュバルツェ・ハーゼ隊にいた時に知り合ったラウラ・ボーデヴィッヒ。今はシュバルツェ・ハーゼ隊の隊長でドイツの代表候補生だよ」 

 

 「初めまして、更識簪です。私のことは簪でいいよ」

 

 「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。私のこともラウラと呼んでくれ」

 

 僕は簪とラウラに簡単な説明をして2人も簡単な自己紹介をした。

 

 「それで、双斗よ。いつからだったんだ?」

 

 「付き合い始めたのは2カ月くらい前かな」

 

 「うん」

 

 「そうか・・・。私もいつか明斗と・・・///」

 

 そう言いながら顔を真っ赤にするラウラ。

 

 「ねえ、双斗」

 

 「うん?」

 

 「ラウラが言う『明斗』って・・?」

 

 「明斗はラウラの片思い中の相手のことでね・・・」

 

 「そうなんだ」

 

 そう言って僕と簪はラウラを見る。すると、ラウラは

 

 「な、何を見ている!?」

 

 「いや、ラウラも女の子だなぁって思ってね」

 

 「うん」

 

 僕たちがそう言うとラウラは恥ずかしさのあまり声の出ない叫び声を上げるのだった。

 

 

 

 

 
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