No.814133

チョロインワルキューレエナジー第2話

スーサンさん

オリジナルバトルラブコメ小説第二話です!
サイトで同じものを載せてるので良かったらサイトのの見に来てください!

サイト:http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/7631/

2015-11-17 05:30:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:319   閲覧ユーザー数:317

 豪真の部屋。

「ここがこれから三年間、お世話になる俺の部屋か……!」

 来たばっかりなので物が揃ってない簡素な部屋を見て、豪真は首を縦に振った。

「このままじゃ味気ないし、今度、シカクかレイナでも誘ってインテリアでも揃えるか」

 部屋のドアがトントンと叩かれた。

「はい、開いてますよ!」

 部屋の扉が開けられた。

「ごきげよぉ♪」

「あ、零魔さん……」

 部屋に入ってきた美少女の姿に豪真は意外な顔をした。

「どうしたんですか、こんな時間に?」

「いえねぇ……豪真ちゃんに頼みたいことがあるのよぉ♪」

「ご、ごうまちゃん?」

 ギョッとしながら豪真はムッとした。

「仮にも俺は男です。「ちゃん」付はやめてください!」

「あらぁ♪」

 零魔はいたずらっ子のように可愛い笑顔を浮かべた。

「私は気に入った男の子はみんな、ちゃん付けする主義なの♪」

「男のプライドを傷つける主義ですねぇ……」

「じゃあ、女の子になる?」

「なりません!」

「可愛い顔してるのにぃ♪」

 ケラケラ笑い、零魔は豪真の目を見た。

「実は豪真ちゃんに女子寮の部屋チェックをお願いしたいの!」

「女子寮の部屋チェック……?」

 首を傾げる豪真に零魔はクスクスと笑った。

「別に驚くことじゃないでしょう、部屋を預けてるんだから部屋の管理をチェックする義務くらいあるわよん♪」

 本当におかしそうにケラケラと可愛く笑う零魔に豪真は腕を組んで考えた。

「それなら女の子の零魔さんがやったほうがいいんじゃないですか?」

「あら、つれないお返事……」

 かけていたメガネをインテリっぽくキリッと上げた。

「それに男が女の子の部屋を見るなんて……」

「男の子だからいいんじゃない♪」

 可愛く笑った。

「男の子だって女の子に部屋を見られるとわかれば少しは意識して部屋を綺麗にするでしょう……♪」

「ま、まぁ、意識してる女子なら……」

「それと一緒よ」

 ニパァと笑う零魔に豪真は言葉を探した。

「なんか、コジツケてません?」

「つけてないわよぉん♪」

 常時、曇ることのない笑顔を浮かべ、零魔ば豪真の手を握った。

「今日から毎晩、豪真ちゃんには気の向いた女の子の部屋に部屋チェックをしてもらうわ。もちろん、女子の部屋が綺麗かどうかのチェックもそうだけど女の子と仲良くやってもらうことも目的の一つよ」

「お、女の子と仲良く」

「多少ならお喋りも許可してあげる。でも、就寝時間になったらお話を終えて部屋に帰るのよ!」

 優しく笑った。

「女の子は敏感だからちょっとしたことで簡単に傷つくし喜びもするわ。あ、そうだ、これあげる!」

 手をギュッと握るようにプレゼントを貰った。

「花柄の……髪留め?」

「それを女の子にでもあげれば、好感度が上がるわよ♪」

「好感度ねぇ……」

「好感度の上がった女の子(ワルキューレ)とはたまにデートの約束もできるからプレゼントがあったら積極的に渡すのよ。気に入らないものを与えても好感度は下がらないから安心して。それと女の子(ワルキューレ)の好感度が高まるとワルキューレリンクの同調率も高くなるから戦闘もグッと楽になるわ。まぁ、要するに女の子と仲良くやってワルキューレカップも優勝する。いいことだらけじゃない♪」

「なんか、言ってることが不純っぽく聞こえる……」

 髪留めをポケットに仕舞った。

「じゃあ、部屋チェックお願いね! 定期的に部屋チェックをすると逆に女の子のほうからアナタの部屋にやってくる事もあるわ。もちろん、私や白夜の部屋に行っても同じだから安心してフラグを立ててちょうだい♪」

「フラグって……」

「じゃあ、後はよろしくお願いねぇ♪」

「あ、ちょ、おい!?」

 勝手に帰ろうとする零魔を慌てて制止しようとした。

「じゃあねぇ♪」

 部屋を出た零魔を見送り、豪真は首の後ろをポリポリと掻いた。

「仕方ない。頼まれたことだし、少しくらい頑張るか」

 それにと思った。

「女の子と仲良くなれればワルキューレカップも優勝できるかもしれない。頑張るか!」

 ふふっと男のくせに可愛く笑った。

 

 

 女子寮入り口中。

「ここが女子寮の中か……」

 男子寮とそんな作りの変わらない廊下を見て、豪真はドキドキした。

「な、なんだか、女子寮と思うと空間が違うなぁ……なんだかいい匂いもするし」

「なにしてるの、君は?」

「おわぁ……!?」

 廊下の奥から歩いてくる女子を認め、豪真は慌てて振り返った。

「あ、お、おれは……その」

「あれ、豪真くん……」

「白虎……?」

 顔見知りだと気付き、豪真はホッとした。

「ビックリさせないでよ……」

「あれあれぇ……♪」

 白虎の顔がいやらしく緩んだ。

「なになに、豪ちゃん、まさか女子の部屋に夜這い♪」

「ご、豪ちゃん?」

「もう豪ちゃんのス・キ・モ・ノ♪」

「意味わかって言ってる……?」

「も、もちろん……好きだからやってるのよね?」

「ああ、なんとなく理解してないことだけ理解した」

「……」

 豪真は呆れた。

「実は寮長の零魔さんに頼まれて女子寮の部屋をチェックするように言われたんだ」

「女子寮の部屋をチェック……?」

「男子が見たほうが女子も部屋の清潔さを意識するだろうだってさ……」

「ハッ……!?」

 白虎の顔が真っ青になった。

「じゃ、じゃあ、私はここで……」

「待て!」

 白虎の肩を掴んだ。

「は、話してケダモノ!」

「ケダモノはお前の名前だ!」

「前回、綺麗な名前って褒めたくせに!」

「ちょうどいい!」

 ニヤッと笑った。

「ここであったのもなにかの縁だ。お前の部屋を先にチェックしてやる!」

「エッチスケベラノベ主人公!」

「なんとでも言え!」

「お前の兄ちゃんエロ小説家!」

「アマチュアだ!」

「あ、いたんだ……」

「……」

 

 

 四神白虎の部屋。

「……」

 白虎の部屋を見て、豪真は呆気にとられた。

「こ、これは……」

「お、女の子の部屋でぇす♪」

 可愛く笑う白虎に豪真はビキッと青筋を立てた。

「これは女の子部屋とは言わん」

「女の子の住んでる部屋ならすべからく……

「汚部屋と言うんだ!」

「やっぱり……?」

 ゴミが散乱した女の子の部屋とは到底思えない汚らしい部屋を指摘され、白虎はアハハと乾いた笑いを浮かべた。

「こ、これが女の子の真実……エヘ♪」

「エヘじゃない!」

「怒らないでよぉ」

「怒ってない!」

 ポケットの中から「目標」と書かれた鉢巻を巻いた。

「な、なにしてるの?」

「決まってる!」

 背中に「人生」と書かれた気合のオーラが炎となって巻き起こった。

「部屋の掃除だ!」

「えぇぇ~~……!?」

「手伝ってやるから就寝時間までに片付けるぞ!」

「面倒くさい……」

「片付け終わったら、ご褒美をやるよ!」

「ご、ごほうび……!?」

 白虎の両手が握りしめられた。

「やる! やってご褒美のために絶対に頑張る!」

「ご褒美がなくっても頑張ってんほしんだが……」

「飴と鞭だよ!」

「じゃあ、あとで鞭もくれてやる」

「あぁぁ、その鞭って言葉、なんだか感じちゃうぅ♪」

 Dカップのちょっと大きめの胸をぷるんっと揺らしながら白虎は恍惚とした笑みを浮かべた。

「そ、それじゃ、目標!」

「目標?」

「何事も目標があると頑張れる! 目標なくして人生のゴールなし!」

「ああ、それが君の座右の銘なんだ……」

「無駄口叩いてないで目標!」

 ビシッと天井に向けて指差した。

「就寝時間までに部屋を完全綺麗!」

「出来なかったら?」

「ご褒美なし!」

「粉骨砕身で頑張ります!」

 ビシッと敬礼する白虎に豪真もどこから取り出したのデッキブラシを構え、気合を入れた。

「テイルズオブデスティニーのPSvita化を希望するよ!」

「コアなファンしかわからないネタだね、そこは……」

 部屋を掃除中……

 片付け中……

 置き場所整理中。

 白虎がサボりだしたので説教した。

 白虎のヤル気が少し上がった。

 白虎の好感度が少し上がった。

 白虎の部屋が少し綺麗になった。

 掃除終了。

「ふぅ……」

 額の鉢巻を取り、ホッとした。

「なんとか就寝時間までには間に合ったな!」

「ちかれたぁ……♪」

 部屋の床にあぐらをかくように座り、白虎は一息入れた。

「掃除って楽しいねぇ……♪」

「一人でやるより、二人でやったほうが早いしな!」

「うん!」

 清々しい顔をし、白虎はまだ余力の残っている豪真の足に縋り付くようにズボンの裾を掴んだ。

「ご、ご褒美だよ!」

「ご褒美?」

「ご褒美頂戴!」

 顔を真っ赤にする白虎に豪真は思い出したように頷いた。

「そういえば、約束してたな」

「忘れないでよ!」

 少し涙目になる白虎に豪真はアハハと笑った。

「冗談だ」

 ポケットの中に手を突っ込んだ。

「ほら、ご褒美!」

「え……?」

 手渡された髪留めを見て、白虎は目を点にした。

「なにこれ?」

「髪留め」

「ご褒美は?」

「これ」

「ご褒美は?」

「だからご褒美の髪留め」

「……」

「白虎?」

「もてあそばれた……」

「うん?」

「このバカァ!」

「おわぁ!?」

 腰をホールドするように抱きしめられ力を入れられた。

「ちょ、胸が当たってる……」

「うるさいうるさいうるさぁい!」

 腰を砕こうとしてるのか必死に腕に力を込める白虎だが非力なのか豪真の腰は全然痛まず、むしろ心地よい胸の感触がぷにぷにと腰に当たり、いいしれない快感を与えた。

「うっ……?」

 白虎の顔が真っ赤になりふらついた。

「うん?」

 急に離れる白虎に豪真はちょっと残念そうな顔をした。

「ど、どうした、白虎?」

「う、うるさい……」

 まだ顔を真っ赤にしていた。

「出ていけ、この詐欺師、ペテン師、騙し屋!」

「それ全部一緒だ……」

「いいから出ていけ!」

「あぐぅ……!?」

 背中を蹴飛ばされ、豪真の身体が部屋の外に追い出された。

「お、おい……」

「ふん!」

 豪真を部屋から追い出し、白虎は扉を締めた。

「……」

 手に持った髪留めを見た。

「これはこれでいいかも……♪」

 白虎の好感度が少し上がった。

「でも……」

 まだ軽く目眩が残り、白虎は額に手を当てた。

「頑張りすぎたかなぁ……?」

 白虎のステータスに変調が起きてる。

「ちょっともう寝よう」

 綺麗になったベッドの上に倒れ、白虎は息を荒くして微笑んだ。

「なんだろう、この疲れがすごく気持ちいい……♪」

 恍惚とした疲労感に包まれながら白虎は色っぽく大きな胸を上下に揺らした。

「もっと味わいたい……」

 白虎のステータスに変化した。

 リンク可能となりました。

 

 

 四神白虎の部屋の扉の前。

「な、なに、怒ったんだ、アイツ?」

 頭の後ろを掻き、豪真は頭をウンウンと下げた。

「髪留めは気に入らなかったのか……」

 首を傾げた。

「今度からもうちょっといいものを揃えるか」

 あくびをした。

「でも、なんだろう。疲れてたはずなのに今は元気だ。というか……」

 鼻から血が流れた。

「な、なんだ、元気になりすぎてジッとしてられない……」

 逃げられるように豪真は女子寮の廊下を走り出した。

「へ、部屋に帰らないと……」

 ここで女子にあったら男として最低な事件の首謀者になると豪真は自分のために部屋へと帰っていった。

 

 

 豪真の部屋。

「えっと、えっと……」

 こっそりシカクとレイナに隠れて持ってきた秘蔵本を本棚の奥から探し、豪真は息を荒立てた。

「あった!」

 お気に入りの秘蔵本を取り出した。

「ぐはぁ……!?」

 だが、ついに堪えきれず鼻血を出して倒れてしまった。

「き、きもちいい……」

 そのまま眠ってしまった。


 
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