No.810484

九番目の熾天使・外伝 ~短編㉔~

竜神丸さん

ナイトレイド&イェーガーズ その2

2015-10-28 17:40:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4122   閲覧ユーザー数:1229

『既にナイトレイド・イェーガーズの内、五名ものメンバーが楽園(エデン)内部に侵入!! 外部には東雲環那とナジェンダ・ロットーを含め、十二名のメンバーを確認!!』

 

「…で、残りは全てあのスタイリッシュとかいう人物が開発した強化兵という訳ですか。全く、どれほどの兵器なのかと思えば、あまり興味が湧くような兵達ではありませんね」

 

「実験以外に何か無いのか、竜神丸」

 

「研究こそが全てですよ。私にとってはね」

 

「へいへい、お前がそういう奴なのは分かってるよ」

 

楽園(エデン)内部に侵入して来た強化兵達の相手を他のメンバーに押しつけ、二人揃って楽園(エデン)の外へと出て来たげんぶと竜神丸。外へ出る前に仕留めた強化兵の生首を適当に放り捨てる竜神丸に、げんぶは上空を飛んでいる二体のフライマンタを見上げながら笑みを浮かべる。

 

「ま、これはこれで楽しい戦いは出来そうだ…『グルォォォォォォォォォォォォッ!!!』…っと」

 

「コロ、お手!!」

 

真上から聞こえて来た咆哮に、げんぶは瞬時にその姿をアルケーガンダムに変化させる。それと同時に真上から巨大な身体を持った犬のような怪物が地面に降り立ち、その上に乗っていたポニーテールの女性が右腕に装備された鎖鉄球を振り回す。

 

「見つけたぞ悪鬼、そして白き暴君!! 貴様等のような悪は、このセリュー・ユビキタスが断罪する!!」

 

「はん、何だぁ? 無駄に威勢の良い奴が出て来たなぁ?」

 

「正義・秦広球(しんこうきゅう)!!!」

 

「おっと、何処を狙ってやがる!!」

 

ポニーテールの女性―――セリュー・ユビキタスが振り回す鉄球を、アルケーガンダムは構えたGNバスターソードで受け流し、猛スピードでセリューに接近。しかしセリューに付き従っていた巨大な犬の怪物が、その剛腕を振るい上げてアルケーガンダムに連続パンチを繰り出して来た。

 

『グガァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

「チィ、うるせぇな犬ッコロがよぉ!!」

 

「正義である私達に敗北は無い!! 次、5番!!」

 

『グガゥ!!』

 

「十王の裁き……正義・閻魔槍(えんまそう)!!!」

 

“コロ”と呼ばれた犬型の帝具“魔獣変化(まじゅうへんげ)ヘカトンケイル”はセリューの右腕に噛みつく。そしてコロの牙の間から出て来たセリューの右腕には、鎖鉄球ではなく大型のドリルが装備されていた。

 

「さぁ悪鬼!! 悪の道へと堕ちた事を、地獄の底で悔いるが良い!!!」

 

「ほざけ……行けよファングゥッ!!!」

 

セリューの巨大ドリルとコロの連続パンチをかわし、アルケーガンダムは複数のGNファングを展開。彼女と一匹を翻弄しつつ、再び突撃してGNバスターソードを振り下ろしていく。

 

 

 

 

 

 

 

「…何か、彼等で勝手に始めちゃいましたね」

 

げんぶがセリュー、コロと戦闘を開始した為、一人暇になってしまった竜神丸。どうしたものかと考えた彼は、先程放り捨てた強化兵の首を見て思い出す。

 

(あ、そうだ。そのスタイリッシュとやらに会ってみましょうか)

 

そう思った彼は一瞬でその場からテレポート。楽園(エデン)へ入る事が出来る唯一の無人世界へ到着し、音も立てずにチームスタイリッシュの目の前に出現してみせた。チームスタイリッシュの“目”、“耳”、“鼻”は驚いた表情で戦闘態勢に入り、スタイリッシュは「あら」と軽そうな声を上げる。

 

「「「!?」」」

 

「あ、見た目からしてマッドそうな人発見」

 

「あなたが白き暴君、アルファ・リバインズね……思ってた以上に若くてイケメンじゃな~い♪ この私がスタイリッシュに可愛がってあげようかしら♪」

 

「スタイリッシュ様、ここはお下がり下さい」

 

「奴は我々の手で始末を―――」

 

「断ち切れ、神刃(カミキリ)

 

スタイリッシュを守るべく、竜神丸の前に立ち塞がったチームスタイリッシュ。しかし竜神丸が発生させた無数の神刃(カミキリ)が彼等の身体を斬り裂き、一瞬にして細切れ状態にまでなり果てる。

 

「―――失せなさい。雑魚共に用はありません」

 

「まぁ!? 何てスタイリッシュなの、ますます気に入ったわ!!」

 

スタイリッシュは懐から取り出したスイッチを押して後退。すると上空から落下して来た強化兵達は筋肉隆々な肉体が膨張していき、身体が光り始める。

 

「私の帝具“神ノ籠手パーフェクター”は手先の精密動作性を数百倍にまで引き上げ、あらゆる兵器を開発・改造出来るわ。それはもう、最高にスタイリッシュな帝具なのよ♪ そんなパーフェクターで生み出した強化兵、あなたはどれくらい倒せるかしら?」

 

「…あぁ~なるほど、自爆特攻ですか。面倒ですねぇ」

 

竜神丸が呑気そうに呟いた瞬間、落ちて来た強化兵達は地面に落下すると同時に爆発。爆発は連鎖し、竜神丸が爆風の中に呑み込まれていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各地でメンバー達が交戦する一方で、フライマンタに乗っていたカンナ、ナジェンダは冷静に地上の戦いを見下ろしていた。

 

「ラン、戦況はどうだ?」

 

『アジト内部にはクロメさんにウェイブ君、レオーネさんにシェーレさん、チェルシーさんの五人が潜入し、外部ではタツミ君にマインさん、ブラートさんにラバック君、ボルスさんにセリューさん、そしてアカメさんの七人がそれぞれのメンバーと交戦中です』

 

「ふむ、案外向こうも落ち着いてるのだな。もう少し慌てるかと思っていたが…」

 

『流石はOTAKU旅団、伊達に戦場を生き延びてはいないようですね…ッ!? 何か来ます!!』

 

「!?」

 

その時、楽園(エデン)の格納庫入り口が開き、その中から大量のライオトルーパーが出現。背中に装備したフライングアタッカーで飛行するライオトルーパー部隊を、okakaの変身したファイズがジェットスライガーに乗り込んで指揮を執る。

 

「全ライオトルーパーに告げる!! 上空の兵士達は各隊に分かれて応戦し、一人残らず撃墜せよ!! 東雲環那、及びナジェンダ・ロットーが乗るフライマンタには俺が向かう!!」

 

『『『『『イエッサー!!』』』』』

 

ファイズの命令で、ライオトルーパー達は一斉に分かれて行動開始。上空で待ち構えていた強化兵達をライオトルーパー達が挟み撃ちにして撃墜し、強化兵がライオトルーパーを巻き添えにして自爆したりと、上空での戦いは大混戦となる。それをフライマンタの上で眺めていた眼帯の女―――ナジェンダ・ロットーは、もう一匹のフライマンタに乗っているカンナに問いかける。

 

「なるほど、あれが噂のライダー部隊か。Dr.スタイリッシュが見たら、喜びのあまり発狂しそうだな……さて、これからどうするんだ? カンナ」

 

「私はもうしばらく眺めていようと思う。もし強そうなのがいれば、そいつは私が頂くからそのつもりでな」

 

「全く、相変わらずの戦闘狂っぷりだな…」

 

「!? ナジェンダ!!」

 

「ッ!!」

 

頭から二本の角が生えた男性―――スサノオが叫び、ナジェンダもすかさず右腕の義手を構える。その瞬間、ジェットスライガーで突っ込んで来たファイズが飛び降りてファイズエッジを振り下ろし、割って入って来たスサノオがファイズエッジを槍で弾き返す。

 

「チッ、本丸を落としたかったんだが…」

 

「ナジェンダに手出しはさせん…!!」

 

「…ま、そう来るよなぁ!!」

 

「チィッ!?」

 

ファイズが左手に構えていたファイズフォンがフォトンブラッドによる銃弾を放ち、ナジェンダはそれを右腕の義手で防御する。銃弾の当たった箇所から僅かに灰が落ちる中、ファイズはファイズフォンにコードを打ち込む。

 

「来い、オートバジン!!」

 

『ピロロロ…』

 

-ドガガガガガガガガガガガガガガガ!!-

 

「何っ!?」

 

「ッ…ナジェンダ!!」

 

「よっしゃ貰ったぁ!!」

 

横方向から飛んで来たオートバジンがタイヤのガトリングを乱射し、それを回避するナジェンダとスサノオ。そこへ再びジェットスライガーに乗り込んだファイズがミサイルを乱射しようとしたが…

 

「落ちろ、大きな蠅め」

 

-ゴシャアッ!!-

 

「な、ちょ…うげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

カンナが能力で作り出した巨大な氷塊が、ファイズの乗っていたジェットスライガーのボディに直撃。それが原因でジェットスライガーのホイールとブースターが破損し、ファイズは慌ててジェットスライガーから離脱し、それを見たオートバジン、そしてナジェンダとスサノオも地上へと落下。ファイズ、オートバジン、ナジェンダ、スサノオが地面に着地した後、破損したジェットスライガーが地面に落下して大爆発を引き起こした。

 

「お、俺の愛用してきたジェットスライガーがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ま、まぁ何と言うべきか……どんまい」

 

ジェットスライガーを失って落ち込むファイズに、思わず励ましの言葉をかけてしまったナジェンダ。その数秒後にはファイズもハッと我に返り、ナジェンダ、スサノオと対峙する。

 

「すまん、見苦しいところを見せたな」

 

「いや、それは特に問題は無い……逆にそっちこそ大丈夫か?」

 

「あぁうん、割と精神にはキテる……いや、今はその話は後だ。アンタがナイトレイドを率いる隊長、ナジェンダ・ロットーだな?」

 

「ほぉ、知っているのか。ナイトレイドは暗殺部隊だから、イェーガーズと違ってそこまで名は広まっていない筈なんだが」

 

「うちの情報網を甘く見ちゃいかんよ……それで? 何でアンタ等がわざわざこんな所まで?」

 

「その事なんだが…………カンナの奴が、お前達OTAKU旅団と戦いたがっていてな。一度言い出すと、私達でもなかなか止められないんだ」

 

「…苦労してんのな」

 

「本当にな。アイツは人の気も知らないで全く…」

 

「という事はつまり、アンタは本意で攻めて来た訳ではないと……なら都合が良い。ここは大人しく、投降してくれると助かるんだが」

 

「まぁ、出来ることならそうしたいところだ…………が」

 

「フン!!」

 

-ドガァッ!!-

 

≪Beacle mode≫

 

『ピロロロ…』

 

「あ、おい!?」

 

スサノオの投げた槍が、オートバジンの胸部にあるファイズマークに命中。音声と共に、オートバジンはバイク形態に戻って地面に倒れてしまった。

 

「アイツの考えは私にも読めんが、この戦闘に意味があるとすれば恐らく、旅団の戦力調査だろうな。それについては正直、私も気になっていたところだ」

 

「おいおい、こっちはたぶん全戦力の20%も出てないと思うぞ。それでもやるのか?」

 

「これでもまだ20%か。カンナの奴が喜びそうだな……まぁ、戦力調査についてはもう良い。次は個々の実力調査もしておきたいんだ。悪く思わないでくれ」

 

「…まぁ、やっぱ脅しにはならないよなぁ。そっちがそこまで言うんなら仕方ない」

 

ファイズは頭を抱える仕種をした後、左腕のファイズアクセルからアクセルメモリーを抜き取り、ファイズドライバーに装填してあるファイズフォンに挿し込む。

 

≪Complete≫

 

「「ッ!!」」

 

ファイズの胸部装甲が展開して両肩に移動。ボディカラーも変化し、ファイズはアクセルフォームにフォームチェンジを完了した。ナジェンダとスサノオが同時に構える中、ファイズはファイズエッジを構え直す。

 

「付き合って貰うぜ、十秒間ほどな…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスティマ!!」

 

「な…うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

強化兵達とライオトルーパー部隊が飛び交う上空。帝具“万里飛翔(ばんりひしょう)マスティマ”で翼を生やした金髪の青年―――ラン・アルジェントは、翼から飛ばした羽と銃型デバイスの射撃で、ライオトルーパーを順調に撃墜して回っていた。攻撃自体はライオトルーパーではなくフライングアタッカーに当たっており、フライングアタッカーが破損したライオトルーパーが次々と地上に落下していく。

 

(内部に潜入したメンバー達は無事でしょうか…? この状況、やはり私も向かった方が―――)

 

「神槍『スピア・ザ・グングニル』」

 

「!? く…!!」

 

その時、一本の赤い槍が片方の翼を貫き、ランは危うくバランスを崩しかけた。そこへ赤い槍を投げた張本人であるガルムが飛来する。

 

(!? この男、相当な覇気だ!! 下手すればカンナ隊長に並ぶくらいの…!!)

 

「ヤッホー、まともそうなイケメンさん。大人しく投降してくれない?」

 

「ッ……そうしたいところですが、何しろ命令ですので…!!」

 

「ありゃま、じゃあ仕方ない」

 

ガルムは残念そうな表情をしてから、更に巨大な赤い槍を出現させる。ランも決して臆する事なく、銃型デバイスを両手で構えてみせる。

 

「ちょいと痛くなるけど、我慢してくれよ?」

 

「えぇ、頑張ってみせますとも…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉららららららららららら!!」

 

「…!!」

 

「な、コイツ早い…!?」

 

「チィ、避けんじゃねぇよこのアマァ!!」

 

「ッ!!」

 

「ふむ、既に死体……“蟲”の力じゃ大して止められんか」

 

「!? ッ…!!」

 

地上ではokaka、ナジェンダ、スサノオだけでなく、他のメンバー達も戦闘を繰り広げていた。蒼崎が装備した長剣と男性型の骸人形―――ナタラが装備した“トリシュラ”という武器が何度もぶつかり合い、ルカとmiriは女性型の骸人形―――ドーヤと素早いスピードで銃撃戦を繰り広げ、デルタは仮面を被った骸人形―――ヘンターを軍刀で斬り刻んでいた。そこへちょうど支配人とユイも合流し、予め必要なコードを入力しておいたオーガフォン、サイガフォンをそれぞれのベルトに同時に装填する。

 

「ユイ、上空の敵は任せるぞ」

 

「了解」

 

「「変身!」」

 

≪≪Complete≫≫

 

支配人は金色のフォトンストリームに包まれて仮面ライダーオーガに、ユイは青色のフォトンストリームに包まれて仮面ライダーサイガに変身。サイガはすぐさまフライングアタッカーで上空に飛び、オーガは構えたオーガストランザーにミッションメモリーを挿し込み、オーガストランザーは刀身が伸びて長剣に変化する。

 

≪Ready≫

 

「うし、俺も加勢させて貰…ってうぉい!?」

 

直後、別方向から飛んで来た火炎放射をオーガは慌てて回避。オーガが振り向いた先には、巨大な火炎放射器型の帝具“煉獄招致(れんごくしょうち)ルビガンテ”を背中に装備した、上半身裸で覆面の大男―――ボルス・ベルベットが立ち塞がっていた。

 

「へぇ、覆面に上半身裸の大男……ボルス・ベルベットだったか?」

 

「! あれ、知ってるのかい? 私の名前を」

 

「まぁな。両部隊の構成員については一通り調査済みだ……で、俺の相手はお前か?」

 

「その通りだよ。出来る事なら、私は戦いたくないけど…」

 

「確かに、俺もアンタとは戦いたくないな……それに知ってるぜ。アンタ、妻子持ちだろ?」

 

「! …それでも、私は軍人だから……命令に逆らう事は出来ない…!」

 

「撤退は無しってか…………全く。こういうのが結構辛いんだよなぁ、戦場に出るとさ」

 

「…じゃあ、行くよ!!」

 

「よっしゃ来いっ!!」

 

ボルスのルビガンテから灼熱の炎が放たれ、オーガはオーガストランザーを振り下ろして炎を切断。二方向に裂けた炎の間をオーガが走り、ボルスに向かってオーガストランザーを突きつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いわぁボルスさん、そのまま敵を引き付けててよぉ…?」

 

「うわぁ、上も下も何か凄ぇ事になってるし…」

 

そんな地上での戦いを、楽園(エデン)の城壁から見下ろしている者達がいた。背中に一本の剣を背負った茶髪の少年―――東雲龍実(しののめタツミ)。ピンク髪をツインテールに結んだ少女―――マイン・バーキン。タツミが引き攣った笑みを浮かべている中、マインは銃型の帝具“浪漫砲台(ろまんほうだい)パンプキン”を構え、地上で戦っている旅団メンバー達に狙いを定める。

 

「こういう時こそ、スナイパーのアタシが輝く訳よ…!」

 

「なら、もっと輝かせてあげようかしら?」

 

「!? マイン、上だ!!」

 

「な、いつの間に…!?」

 

そんなマインの頭上から、朱音が落下しながら右足で蹴りを繰り出して来た。マインの邪魔はさせまいと、タツミは自身の身体に銀色の鎧型の帝具“悪鬼纏身(あっきてんしん)インクルシオ”を纏わせ、朱音の蹴りを両腕を使い防御してみせる。

 

「ぐ…!? インクルシオで防御したのに、衝撃が…!!」

 

「へぇ、なかなかの防御力ね。でもパートナーを放置しちゃ駄目よ?」

 

「!? しまった、マイ―――」

 

 

 

 

-シュピィンッ-

 

 

 

 

「させない」

 

「アカメ!!」

 

朱音はすかさずハンドガンを構え、マイン目掛けて銃撃。しかし放たれた銃弾はマインには当たらず、クロメと同じ黒いセーラー服の少女―――アカメが刀型の帝具“一斬必殺(いちざんひっさつ)村雨(むらさめ)”によって真っ二つに両断される。

 

「あらま、助っ人がいたのね」

 

「OTAKU旅団、葬る」

 

「あ、でもね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――斬り払え、飛燕!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!? くぅっ!!」

 

「助っ人がいるのは、そっちだけじゃないわよ?」

 

更には二百式までもがこの場に参戦し、彼の振るった太刀がアカメの左肩を少しだけ掠った。アカメは二百式の太刀を弾いてからすぐに後退し、タツミとマインの横に並び立つ。

 

「アカメ、大丈夫か!?」

 

「問題ない、少し掠っただけ」

 

「あぁもう、どうしてこうなる訳よぉ!? こっちは狙撃の準備してたってのに…!!」

 

タツミ、アカメ、マインの前にあるのは、それぞれ刀とハンドガンを構えている朱音、太刀の返り血を払っている二百式の姿。朱音は楽しそうに笑みを浮かべながら、小さく舌舐めずりをする。

 

「二百式さん、あなたはあの刀の子を頼んで良いかしら? 他の二人は私が可愛がりたいから」

 

「…分かりました。俺もちょうど、あの刀の女と戦いたかったところなので」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「急げ!! 内部にも奴等の強化兵達が侵入している!!」

 

「ライオトルーパー部隊、第5小隊がピンチだ!! 急いで救援に向かえ!!」

 

楽園(エデン)のあちこちを駆け回っている旅団のスタッフ達。そんな彼等の合間を縫って、一人の男性兵が無人の部屋に入り込み、部屋に誰もいない事を確認する。すると男性兵の身体がボワンと煙に包まれ…

 

「ふぅ、何とか侵入成功♪」

 

赤いリボンを付けた長髪の女性―――チェルシー・アルバーンの姿に一瞬で変化した。化粧道具入れ型の帝具“変身自在(へんしんじざい)ガイアファンデーション”の効果で、旅団に所属する男性兵に化けて楽園(エデン)内部にコッソリ潜入していたのだ。

 

「さぁて、まずはこの旅団のアジトに誰がいるのか、そういった情報を見つけられれば良いんだけど…」

 

しかし、チェルシーはまだ気付いていなかった。

 

彼女が今いる部屋には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…ニヤリ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気配を消したまま天井に張りつき、ドス黒い笑みを浮かべているkaitoの姿があった事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

≪テレポート・ナウ≫

 

「!」

 

未だ上空を飛んでいる二体のフライマンタ。その片方の上に座っていたカンナの前に、ディアーリーズの変身したウォーロックが転移して姿を現した。

 

「あなたがイェーガーズの隊長、東雲環那ですね?」

 

「…一人で私の前に立つとは良い度胸をしているな、少年」

 

ウォーロックはウォーロックソードを構え、カンナは歪んだ笑みを浮かべながら立ち上がり、ウォーロックと対峙するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued…

 


 
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