No.807590

【真・恋姫†無双】望まぬ帰還

南無さんさん

追記 10月19日
キャラクターを忘れて盛大にやらかしています。
張三姉妹、霞好きの方ごめんなさい

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。

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2015-10-12 00:58:30 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6853   閲覧ユーザー数:5503

「さよなら……さびしがり屋の女の子」

 

この世界に俺がいたことを証明するために

 

 

誰よりも愛しい君への感謝のしるしを

 

          今

 

万感の思いを言葉にのせて君に伝えるよ。

 

「さよなら……愛していたよ、華琳――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………帰ってきちゃったよ――――」

 

 

淡い光に包まれて、目を見開くとそこは、見慣れた情景だった。

 

 

聖フランチェスカ学園が所有しているグリーンフィールド、通称、安らぎの庭。

 

 

「…は、はは。帰って来たんだ。本当に。これでもう、血生臭い戦場も

 

 不便だった世界ともおさらばって訳だ。はは、はははは――――」

 

 

…力無く、その場に崩れ落ちる。確かに、そう感じたこともある。

 

 

帰りたい。人の生き死にを目の当たりにするのは嫌だと。

 

 

でも、今は……

 

 

 

「……綺麗だな。こっちの世界でも今日は満月か。

 

 皆、今頃どうしているのかな。平和な世が訪れた事に歓喜しているのかな」

 

 

 

満月の向こう、その先を俺は見詰める。もし、空を切り裂けたのなら、

 

 

もう一度、そっちに行けるのかな。そうしたら、俺は再び皆と平和な世で―――――

 

 

 

「……っつ……うううぅぅ……

 

 華琳、春蘭、秋蘭、桂花、季衣、流琉、霞、稟、風、凪、真桜、沙和、天和、地和、人和――」

 

 

『一刀』

 

 

『北郷』

 

 

『兄ちゃん』

 

 

『お兄様』

 

 

『お兄さん』

 

 

『一刀殿』

 

 

『隊長』

 

 

 

空に浮かぶ満月は、人々を優しく照らし、見るものに温かさを与えてくれる。

 

 

でも、今の俺には、逆効果で…満月に皆の顔が浮かび、俺の名を呼ぶ

 

 

幻聴が聴こえた。そして、俺の真下、草花が濡れる。

 

 

雨は降っていない、けど、悲しみの大粒の雨が頬を伝い、とめどなく流れていった

 

 

 

「うわあああああああぁぁぁ……!!!!」

 

 

 

 

 

 

「お、かずピー。なんや昨日会ったのに久しぶりやなぁ」

 

 

「…ああ。俺もそんな気がするよ、及川」

 

 

「そうかそうか。…ん?かずピー。どうかした?」

 

 

「え?」

 

 

「いや、なんや昨日と雰囲気が違う様な気がするから」

 

 

「…色々あったからな」

 

 

「色々?」

 

 

「ああ。もう二度経験できない、幸せな時間だった―――――」

 

 


 
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