No.793282

真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間

hoi2さん

絡繰人間12号を撃破した一刀達は一度、成都の城へと帰還することにした
その頃、絡繰人間12号をも破壊された『血光軍』は大慌て
再び、予想だにしていなかった緊急会議を開くこととなる
そこで、又もや斬魔の企みが暴露される…………

2015-07-31 18:01:32 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1072   閲覧ユーザー数:1009

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絡繰人間12号の破壊に成功した一刀達…………

その知らせは瞬く間に『血光軍』の絡繰人間達へと伝わっていった

そして、『闇の副大将』斬魔が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三度動き出す…………!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   二節 ~龍天の謎の調査~

 

 

 

一刀達が帰還して七乃が皆を呼びに行ってから数分後、一つの『次元の狭間』に全員が集まった

 

 

七乃「一刀さん、皆さん集まりましたよ~」

 

 

一刀「了解」

 

 

一刀は周りを見渡して言う

 

 

一刀「それじゃあ…………絡繰人間との戦闘について報告したいと思う」

 

 

愛紗「ご主人様……あの、左慈は一体何があったのです?」

 

 

愛紗は隣で縛られたまま胡座をかいて座っている左慈を見る

 

 

表情を見ると不貞腐れているようにしか見えない

 

 

一刀「えっと……それは報告が終わってからって事になってるから………」

 

 

一刀は困惑した表情で頬を掻いて言う

 

 

一刀「気を取り直して……………」

 

 

一刀は一度、目を閉じて話し出す

 

 

一刀「今回の襲撃に来た絡繰人間の数は最初は3体、追加で1体………種類が変化して1体ということで合計は5体となった」

 

 

雪蓮「この襲撃に遣われた絡繰人間の元々の人間は他でもない………

私達の兵だったわ………魏・呉・蜀・十のね……」

 

 

全員がざわめき出す

 

 

蓮華「しかも、十の兵の絡繰人間は魏・呉・蜀の絡繰人間の部品を取り込んで全く別の絡繰人間に変形したわ」

 

 

華林「………それで合計5体な訳ね……」

 

 

華林は頷きながら雪蓮の話を聞く

 

 

亞莎「私達の兵の絡繰人間は『量産型』と呼ばれる歩兵扱いの兵らしいのですが………十の絡繰人間は特殊な種類らしく、『融合進化型』と呼ばれ他の絡繰人間の部品を取り込む事により、強さを何倍にも上昇させられる種類だそうです」

 

 

于吉「(『融合進化型』…………近未来でもあり得ない技術力ですね………)」

 

 

于吉は亞莎の説明に顔を顰める

 

 

祭「最初の3体は難なく儂らでも対応出来たのじゃが………十の兵………絡繰人間11号は他の兵とは比べ物にはらない程の強さでの………」

 

 

小蓮「本っ当に危なかったんだから………」

 

 

小蓮はげんなりした表情で言う

 

 

思春「挙げ句の果てには部品を取り込み、絡繰人間12号へと進化してしまい、我々では歯が立たなかった

そこへ、一刀が駆けつけてくれたのだ」

 

 

思春はぶっきらぼうに答えるも、嬉しそうに話す

 

 

明命「一刀様のお陰で絡繰人間12号を倒す事が出来ましたっ!!!」

 

 

明命は胸を張って微笑む

 

 

星「流石は主ですな…………乙女達の危機に駆けつけるとは」

 

 

星は口元に手を添えてニヤニヤと笑う

 

 

一刀「悠長な事を言ってる場合か?星…………

それ程まであいつらが畳み掛けてきたんだろ?」

 

 

一刀は星の発言を咎める

 

 

翠「けど、どうやって倒したんだ?

流石のご主人様でもヤバかったんだろ?」

 

 

翠は一刀に聞く

 

 

一刀「それは左慈との鍛練のお陰なんだ

…………で、ここでようやく触れるけど………」

 

 

一刀は腕を組んで管理者達を見る

 

 

一刀「何で左慈が縛られてんの?」

 

 

于吉「北郷さん…………左慈の言う鍛練とは『限界突破』習得の鍛練ではありませんか?」

 

 

于吉は一刀に質問する

 

 

一刀は于吉の質問に頷く

 

 

一刀「うん、そうだけど……………

それが何か関係あるの?」

 

 

卑弥呼「大有りなんじゃ」

 

 

卑弥呼は目を閉じて話し出す

 

 

卑弥呼「本来『限界突破』の鍛練は管理者のみにしか行ってはならんのだ

何故なら、『限界突破』を習得する時に行う鍛練は普通の人間達には荷が重すぎるからじゃ」

 

 

貂蝉「体への負荷は半端じゃなかったでしょう?」

 

 

貂蝉の質問に一刀は

 

 

一刀「あぁ…………負荷っていうか過負荷だな

かなりキツかったよ…………」

 

 

目付きを鋭くして言う

 

 

于吉「だからなのですよ

過去に管理者以外の方々が何人も挑んできましたが、全員が始まって直ぐに音を上げます

未だに習得したのはいませんから」

 

 

蒲公英「…えーっと………じゃあ、ご主人様がその『限界突破』を習得出来た1人目?」

 

 

桃香「ご主人様すっごーい!!!」

 

 

桃香はその事に驚く

 

 

だが、管理者達は依然として眉を顰めている

 

 

貂蝉「感心しちゃ駄目よ、桃香ちゃん

『限界突破』の鍛練は下手をすれば二度と歩けなくなっちゃうのよん?」

 

 

貂蝉の爆弾発言に愛紗が声を荒げる

 

 

愛紗「何っ!!?ご主人様が二度とっ!!?」

 

 

卑弥呼「もし、失敗したら………じゃがな

しかし、まさか成功する者が現れるとはのぅ………」

 

 

于吉「しかも、それが北郷さんとは…………これも必然なのか…偶然なのか………」

 

 

秋蘭「……………だから、左慈は縛られていたのか」

 

 

秋蘭は現状を飲み込めたので納得する

 

 

秋蘭だけではなく、皆が頷いていた

 

 

桂花「まっ、でしょうね………

別にあんたの事なんてどうでもいいけど………」

 

 

桂花は一刀を見て言う

 

 

一刀「相変わらず酷いなぁ………」

 

 

一刀は苦笑いで対応する

 

 

 

 

于吉「何か言い訳はありますか?左慈……………」

 

 

于吉はしゃがみ込んで左慈に言う

 

 

左慈「確かに黙ってたのは悪かったよ!!!北郷、てめぇにもな…………

だけどな、これしかなかったんだよっ!!!」

 

 

左慈は胡座をかいたまま声を荒げる

 

 

卑弥呼「せめて儂ら管理者だけでも知らせぬかっ!!!大馬鹿者!!!」

 

 

 

ゴンッ!!!

 

 

 

卑弥呼は左慈に直下型拳骨を墜落させる

 

 

左慈「いってぇ~~~~っ!!?」

 

 

左慈はクレーターが出来たであろう部分に手を添えることすら出来ずに悶える

 

 

貂蝉「本当によん?左慈ちゃん……

ご主人様が成功したからいいけどぉ、失敗したら身も蓋もないじゃないの………」

 

 

貂蝉は心配顔で左慈を見る

 

 

左慈「おいおい……貂蝉

冗談はツラと体だけにしておけよ?」

 

 

貂蝉「ちょおぉぉっとっ!!?どおぉ言うことかしらあぁぁぁんっ!!?」

 

 

貂蝉は目を光らせて左慈の言葉に食いつく

 

 

一刀「………いや、そのまんまだろ?」

 

 

一刀はボソッと呟く

 

 

左慈「俺が何の根拠もなしに北郷に『限界突破』の話を持ち出すと思うか?」

 

 

左慈はキッと貂蝉を睨み付ける

 

 

于吉「つまり………それなりの理由があると?」

 

 

于吉は疑問符を頭に浮かべ、首を傾げる

 

 

左慈「当たり前だろ……………」

 

 

左慈はニィと笑って言葉を繋げる

 

 

左慈「いいか、お前ら…………

お前らは北郷の戦闘センス………戦闘能力値を上部だけで判断し過ぎだ

こいつは天性の武人だぞ?認めたかねぇが、こいつの戦闘能力値は異常だ」

 

 

左慈は一呼吸おいて話し続ける

 

 

左慈「『否定過激派』が全てを破壊する為だけに産み出した戦闘種族である『魔人』………その中で最も強いと言われる『復讐の魔人・響窃』………

更にはその根源の『否定過激派』である襲・夜減児・絶頭・宝鈴・晩禍をもたった一人で倒した……………

この生粋の武人に賭けてみたかったんだ…………」

 

 

一刀「左慈……………」

 

 

一刀は左慈を見て思わず声が出る

 

 

左慈「こいつなら『限界突破』を習得できる

それどころか、絡繰人間にでさえ対等に戦える…………そう思ったんだよ」

 

 

于吉「左慈……………」

 

 

雛里「左慈さん……………」

 

 

風「左慈さん………そこまでお兄さんのことを…………」

 

 

左慈「…………………けっ!!!」

 

 

左慈はそっぽを向く

 

 

于吉「………まぁ、今回はお咎め無しとしましょう………」

 

 

卑弥呼「……うむ、せめて儂らだけでも教えるのだぞ?」

 

 

貂蝉「それから皆に教えるから………」

 

 

左慈「………分かったよ、分かったから早く縄を解いてくれ」

 

 

左慈の束縛はこの場で一件落着した

 

 

 

 

雪蓮「ちょっといいかしら?」

 

 

左慈「あぁ?」

 

 

左慈の縄が解かれてから雪蓮が前に出て話し出した

 

 

雪蓮「左慈、その『限界突破』………私達にも教えてくれない?」

 

 

左慈「はぁ?」

 

 

一刀「雪蓮!!?」

 

 

左慈は眉間に皺を寄せて聞き返す

 

 

一刀も驚き顔で言う

 

 

雪蓮「左慈………私達、呉軍は絡繰人間の驚異的な力を身を持って知ったわ

あんなのがまた送り込まれてきて、また一刀のお世話になる訳にはいかないのよ

これ以上………一刀の足枷になりたくないのよ」

 

 

一刀「雪蓮………………」

 

 

一刀は声を漏らす

 

 

雪蓮の表情は真剣そのもの

 

 

だが、薄っすらと一刀の足枷となってしまったことを悔やんだ部分が見え隠れしている

 

 

一刀「左慈………俺からも頼む

雪蓮達皆に『限界突破』を教えてくれないか?」

 

 

一刀は雪蓮の気持ちを受け取り、左慈に頭を下げる

 

 

左慈「北郷…………お前まで…」

 

 

左慈は苦い顔をする

 

 

左慈「あのなぁ………お前ら、俺達の話を聞いてそう言ってんだよな?

最悪歩けなくなるんだぞ?その足で」

 

 

左慈は顎で一刀の足を指す

 

 

一刀「百も承知だ」

 

 

雪蓮や蓮華も大きく頷く

 

 

左慈「…………はぁ」

 

 

左慈は大きく溜め息をつく

 

 

左慈「さっきも言ったがな、正直『限界突破』は北郷だから習得出来たようなもんだぞ?

ここにいる管理者………俺や卑弥呼だって習得出来ちゃいない『伝説の妖術』なんだ

絶対ものに出来るっていう保証、確証は一切ねーんだぞ?」

 

 

雪蓮「えぇ、分かってるわ」

 

 

左慈の忠告でも雪蓮は揺るぎない決心を持っていた

 

 

左慈「……………」

 

 

左慈は腕を組んで考え込む

 

 

卑弥呼「左慈……………」

 

 

于吉「左慈……」

 

 

貂蝉「左慈ちゃん………」

 

 

暫くの間があって左慈は

 

 

左慈「……………はぁ……本当にいいんだな?」

 

 

雪蓮「えぇ」

 

 

左慈は確認の意味も込めてもう一度、聞き返す

 

 

左慈その返事を聞いて

 

 

左慈「…………分かった

お前らの覚悟、しっかり受け取った

これより武将達は『限界突破』の鍛練を中心に行う」

 

 

武将全員の顔を見据えて言った

 

 

華林「やっと承諾してくれたのね」

 

 

左慈「お前らの覚悟には折れちまったよ…………

そこら辺の頑固さは北郷似だな」

 

 

一刀「うぇっ!!?俺っ!!?」

 

 

突然の指名に一刀はしどろもどろになる

 

 

雪蓮「それはそうでしょ♪なんたって一刀の妻ですもの♪」

 

 

一刀「そういう問題?」

 

 

一刀はどう反応すれば分からなくなってきた

 

 

左慈「よし、そうと決まったら早速準備すっぞ!!!」

 

 

于吉「……了解です♪」

 

 

卑弥呼「覚悟の上じゃ………最後までやろうぞ!!!」

 

 

貂蝉「やっちゃうわよんっ!!!」

 

 

これにより、一刀達の鍛練が再び動き出したのだった…………

 

 

 

 

その頃、未来の『血光軍』の本拠地『龍天城』の大将、絡繰人間0号『元名』龍天は

 

 

龍天「………………」

 

 

自分の部屋『龍の間(りゅうのま)』で書物を読み漁っていた

 

 

龍天「ふぅむ………………むぅ……」

 

 

龍天は険しい表情をして、唸り声を上げる

 

 

龍天「う~む……………これは………」

 

 

かなりの難題なのか、頭を捻って考え込む

 

 

龍天「……………そうか……そうすると…………

いや、待てよ………………」

 

 

龍天は書物と睨みっこをしては独り言をブツブツと言う

 

 

そこへ

 

 

 

ウィーン

 

 

 

斬魔「龍天様、いらっしゃいますか?」

 

 

斬魔が突然、扉を開けて入ってきた

 

 

龍天「っ!!!……………斬魔、お前か

せめて一言くらいかけてから、扉を開けろ」

 

 

斬魔「おや?申し訳ありません

私としたことが……………」

 

 

斬魔は驚き顔になって謝る

 

 

龍天「全く………………

それより今、私の部屋には誰も通すなと『龍陸(りゅうりく)』と『龍海(りゅうかい)』には言っておいた筈だが………?」

 

 

龍天は呆れ顔になって質問する

 

 

斬魔「そう言えばそうでしたねぇ……

『龍陸』と『龍海』には緊急事態ですのでと言い渡しておきましたので………」

 

 

龍天「…………………」

 

 

開いた口が塞がらない龍天

 

 

『龍陸』と『龍海』とは根城である『龍天城』と龍天の部屋である『龍の間』を死守する番兵のような絡繰人間のこと

 

 

本体名は『絡繰人間34号』と『絡繰人間35号』で、『元名』がそれぞれ龍陸と龍海である

 

 

“龍”の名が『元名』に入っているのは龍天・龍陸・龍海の合計3体

 

 

その者達は通称『“龍”の名を受け継ぐ者』と云われている

 

 

龍天「嘘も程々にしておけ………斬魔」

 

 

眉間を押さえる龍天に対して斬魔は

 

 

斬魔「嘘も方便ですよ

実際のところ合計6体の絡繰人間が破壊されたのですから、緊急事態に等しいです」

 

 

斬魔は真顔で答える

 

 

龍天「………それもそうだな」

 

 

斬魔「ところで…………成る程、『調査』の真っ只中でしたか」

 

 

斬魔は龍天の周りや今、手に持っている書物を見て現状を把握する

 

 

龍天「あぁ…………宇宙の改造は一段落したからな………

最優先事項である『これ』を調べねばならぬ」

 

 

龍天はボロボロとなった『ある一冊の書物』を斬魔を見せる

 

 

斬魔「……………貴方の『本当の目的』ですものね………」

 

 

龍天「あぁ……………あれからまた調査を開始しているのだが、中々な…………」

 

 

龍天は苦虫を噛み潰したような表情をする

 

 

斬魔「……………まぁ、でしょうね

そう簡単に『復活』させられるとは思いませんからね」

 

 

龍天「『自分の故郷』で行った『儀式』は悉く失敗に終わった

他に何か手段がある筈だ…………」

 

 

龍天は再び考え込む

 

 

斬魔「前に仰っていた『無の空間との融合』はどうなったのです?」

 

 

斬魔は首を傾げながら聞く

 

 

龍天「未だに謎のままだ…………『無の空間』の謎が解けねば融合すら出来ぬ」

 

 

斬魔「無理難題ですね……………

…………『無の空間』か………」

 

 

斬魔は窓の先に見える闇夜を眺めるのであった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           ……終……

 

 

 

 

 


 
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