No.785295

寂しがりやな覇王と御使いの兄61話

あなたまさん

かつての三国の英雄集結
一刀と桃香の仲が進展!?

拠点は次回です。。。すみません

2015-06-23 00:14:28 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7802   閲覧ユーザー数:5660

張三姉妹の影響力に早くから目を付けていた陳宮によって存在を隠され、密かに精強な軍団を創り上げ、三姉妹・創り上げた軍の投入により、堅牢を誇っていた劉備の本拠地・琢郡の攻略に成功した。

 

 

長年北に抱えていた好敵手の撃破により、袁紹軍の士気は一気に向上したが、すぐさま次の行動に移る人物が一人いた

 

 

 

冀州

 

 

伝令「・・・・様達は濮陽付近で敵の反撃により痛手を負い、追撃を諦め濮陽城に入り態勢を整えるとの事です。更に劉備軍は陳留に向かってると報告がありました」

 

陳宮「また何かわかったら知らせるのです」

 

伝令「御意」

 

 

陳宮「劉備軍は洛陽ではなく陳留に・・・これは曹仁に陳留を取られたと思うべき・・・厄介ですな」

 

袁紹「あら、陳宮さん戻ってたのですか?」

 

陳宮「いま戻ったところなのです。準備のほうはどうなってるですか?」

 

袁紹「抜かり有りませんわ、陳宮さん達が幽州を落としてくれたお陰で、兵力は60万まで増えましたわ」

 

陳宮「曹仁軍は動員してくる兵力は恐らく50万ぐらいだと思うのです。奴らは西方に五胡を抱え、荊州も平定したばかりで領地すべてから兵を集めることは出来ない、陳宮達には張三姉妹が居るので数では陳宮達が有利ですぞ!」

 

 

袁紹「・・・・」

 

陳宮「どうかしたのですか?」

 

袁紹「何でもありませんわ。陳宮さんは決戦に向けての策を考えて下さいな」

 

 

陳宮「わかったのです、袁紹殿も準備お願いしますぞ」

 

 

 

 

袁紹「もう止まることは出来ませんし・・・今更ですわね」

 

 

陳宮が去った後、誰もいない部屋で袁紹は一人呟いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

風の十面埋伏、張飛の圧倒的剛勇により、追撃部隊から逃れ陳留まで逃げ延び、劉備軍の将兵は一刀達と合流に成功していた

 

 

陳留

 

 

風「お兄さん、いま戻ったのです」

 

一刀「お帰り風、無事でよかったよ。愛紗と明命もお帰り」

 

明命「ただいま戻りました・・・」

 

愛紗「申し訳ございません、幽州を護りきる事が出来ませんでした」

 

風「違いますよ愛紗ちゃん。風が居たのに持ちこたえられなかった風の失策なのですよ」

 

普段はぼ~としている風も、この敗戦は堪えたのか少し俯きながら、陳宮の策を看破出来なかった自分を責めていた。愛紗と明命もそんな風を見て責任を感じ始めていた

 

 

そんな風達に優しく語りかけたのは一刀ではなく・・・桃香だった

 

 

 

桃香「それは違うよ程昱さん、程昱さん達が来てくれたからあそこまで戦えたし、撤退時もほとんど被害が出なかった。だから私は程昱さん達に感謝してます」

 

 

琢郡の要塞に篭っていたとはいえ、風達が来るまでは押し込まれ戦況は劣勢だった。それが風達の活躍で戦況を盛り返すことができ、野戦を仕掛ける事が出来るまでになった。

 

それに、風が居なかったらあそこまで冷静に幽州から撤退する事は・・・桃香、孔明、士元には出来なかったと思っている。だから感謝こそすれぞ、責めるつもりなど微塵もなかった

 

 

張飛「そうなのだ!関羽のお姉ちゃん達は強かったのだ!それに程昱のお姉ちゃんのお陰で鈴々達は元気にいられたのだ!」

 

韓当「左様ですな、お三方の援軍が無ければもっと早く陥落してたでしょう。そんなお三方を責めるなどお門違いですな」

 

孔明「そうですよ程昱さん、それを言うならば・・・袁紹軍にいいようにされていた私達の責任です」

 

士元「コクコク」

 

 

風達を擁護するように、劉備陣営の将が桃香に続いた。

口を開きかけていた一刀はこの光景を見て閉口し、見守る事にした

 

 

桃香はそんな一刀の気遣いに感謝し、言葉を続けた

 

 

桃香「言いたいことはみんなに言われちゃったけど、程昱さんや、愛紗ちゃん達も自分を責めるのは辞めてね?私達は程昱さん達の援軍が来てくれてとても心強かった。だから・・・お礼を言わせてください。程昱さん、関羽さん、周泰さん、援軍ありがとうございました」

 

 

桃香はお礼を言うと同時に頭を下げて感謝を伝え、劉備陣営の将も桃香に続くように感謝を込め平伏した

 

 

風達は名実共に慈愛の君主と呼ばれる桃香の礼により、自分を責める事はこれ以上出来なかった。

 

ここまで無言を貫いていた一刀がようやく口を開いた

 

 

一刀「どうだ風、ここまで言われてまだ自分を責め続けるか?」

 

風「お兄さんは意地悪ですね・・・劉備さんにここまで言われては、これ以上出来るわけないじゃないですか」

 

一刀「風は意外と責任感が強いからな。ここまで言わないと駄目だと思ってな」

 

桂花「そうよ風らしくもない。いつもの人を小ばかにした態度はどこにいったのよ」

 

稟「そうですよ、風は風らしく飄々としてればいいんですよ」

 

風「桂花ちゃんと稟ちゃんもひどいですね。それとお兄さんは意外とって、風の事どう見てるんですかー」

 

一刀「風は意外と甘えん坊・責任感が強い・嫉妬深い・寂しがりやとか後は」

 

風「おおお、お兄さんもう辞めてください!風の印象が壊れちゃいます!」

 

 

一刀の発言にいつものゆったりとした口調ではなく、本当に慌てている口調で止めに入った

 

 

華琳「その態度だと、止めても意味ないわよ?風」

 

華琳を含め魏の将だった者は、風の意外な一面を見て驚いていた

そんな風は、発言をした華琳の雰囲気を見て何かを察したように言葉を発した

 

 

風「・・・もしかして”華琳様”ですか?」

 

華琳「えぇ、久しぶりね風」

 

風「お帰りなさいなのです・・・華琳様」

 

春蘭「こら風!私もいるぞ!」

 

風「おや、お馬鹿な春蘭様ではないですか」

 

春蘭「なにーーー!誰が突撃しか能が無く、一度走り出したら誰の命でも止まらない猪突猛進馬鹿だとー!」

 

風「にゅふふ、わかってるではないですか~」

 

 

春蘭「風~貴様ー!」

 

秋蘭「辞めろ姉者」

 

春蘭「う~秋蘭~~」

 

秋蘭「また暴れるならば・・・凪達を呼ぶぞ?今日は5人揃ってるしな」

 

春蘭「・・・大人しくする」

 

 

凪と流琉だけでなく、恋・愛紗・明命とワンコ隊が勢揃いしてるので、流石の春蘭も静かになり始めた

 

 

風「春蘭様何があったのですか?」

 

秋蘭「聞かないであげてくれ」

 

 

春蘭と秋蘭の態度で、おおよその事を察した風はその件には触れずに、気になっていた事を聞きだした

 

 

風「そういえば、恋ちゃん達はどうしてあそこにいたのですかー?」

 

 

真桜「あ~それはな」

 

沙和「なんか言いにくいの~」

 

 

恋「星に助けてくれって頼まれた」

 

霞「頼まれたってどういう事や」

 

 

星「続きは私が話そう。長安から沙和・真桜と共に幽州の援軍に向かってたんだが、濮陽で陳宮率いる袁紹軍と戦闘になってな。なんとか突破を試みたが、敵の兵力は我らの数倍を持っていた。多勢に無勢で歯が立たなくてな・・・劣勢で戦い続ける訳にもいかないので、洛陽まで退き恋に助力を頼んだのです」

 

 

星「大切な兵を預かりながら、お役に立てず申し訳ございません。先ほどの程昱殿ではありませんが、私達が現地に着いてれば・・・と思います」

 

一刀「星それは」

 

星「わかっております。いま悔いても変わりません。この失態は袁紹軍との決戦で取り返してみせます」

 

 

一刀「それならいいんだ。話しは変わるが、いつの間に真名で呼び合うようにしたんだ?」

 

星「道中でですな。沙和の統率力、真桜のカラクリ技術は目を見張るものがありますからな、真名交換にはいい機会と思いましたので」

 

 

真桜「うちらも星姉さんの武勇は尊敬しとったからな」

 

沙和「沙和達にとってもいい機会だったのー」

 

一刀「そうか、お互い納得してるなら口出す事は無いな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「やっぱり一刀さん達と一緒にいると・・・心強いね」

 

孔明「そうですね、お互い強い絆で結ばれてることがわかります」

 

士元「私達も絆は深いと思いますが、曹仁さん達には敵いませんね」

 

 

桃香「そうだね、流石一刀さん・・・でも・・・安心できるよ」

 

士元「桃香様、どうかしましたか?」

 

桃香「なんか・・・体がふらふらして」

 

 

張飛「お姉ちゃん!危ないのだ!」

 

 

孔明・士元「「桃香様!」」

 

一刀「危ない!」

 

張飛・孔明・士元の焦った声を聞いて、一刀が倒れる寸前だった桃香をギリギリの所で抱きかかえた

 

 

桃香「ごめんなさい一刀さん・・・体に力が入らなくて」

 

一刀「大丈夫だよ。いまはゆっくり眠ってね」

 

 

一刀の優しい声を聞いて緊張の糸が切れたのか、桃香は抱きかかえられながら眠ってしまった

 

 

雪蓮「戦続きで疲労が限界だったのね」

 

美羽「自らの師匠との戦い、易京の要害の陥落、民を護らなければいけないと奮闘してきたが敗れ、琢郡からの脱出・・・心労もあったのじゃろう」

 

美羽「そんな心身共に疲れきっていた劉備が一刀にいさまと合流し、一刀にいさまに会えた事で安心したのじゃな」

 

雪蓮「劉備は立派に君主を務めているとはいえ、乱世では優しすぎる子だものね。色々思いつめてたのかもしれないわね」

 

 

張飛「お姉ちゃんのこんな穏やかな顔久々に見たのだ」

 

 

張飛の一言により、美羽・雪蓮の予想が正しかったとみなが理解し、劉備陣営の将は支えることが出来なかった己を悔やみつつも、一刀にお姫様抱っこをされ、安らかに眠っている表情を見て、一刀に託す事を決めていた

 

 

 

一刀「俺は桃香を部屋まで連れて行くよ、孔明ちゃんと士元ちゃんは付いて来てくれるかな」

 

孔明・士元「はい!」

 

 

一刀「華琳すまないが、話しを進めてくれ」

 

華琳「わかったわ、いまは劉備の側にいてあげなさい」

 

一刀「あぁ、行くよ二人共」

 

華陀「俺も行こう、なにか病魔があったら大変だからな」

 

一刀「いつからいたのかわからんが・・・頼む華陀」

 

華陀「そんなに影薄いか?むぅ~なんかそう言われるのは嫌だな」

 

一刀「気にするなよ華陀」

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「さて、袁紹が北方を制覇したとなると、南に来るのも時間の問題ね」

 

美羽「そうじゃな、陳宮と言う者がここまでやるとは驚いたのじゃ」

 

華琳(張三姉妹を戦場に投入するほどの切れ者・・・足取りがつかめないと思ったら・・・まさか陳宮が隔離していたとはね)

 

 

桂花「張三姉妹の影響力は無視出来ません。なにか対策を考えるべきです」

 

韓当「敵が動員してきた張三姉妹とはいったい誰なのですかな?」

 

桂花「張三姉妹は元々旅芸人なのよ。でも彼女達の歌には不思議な力があるのよ」

 

焔耶「不思議・・・それがあの部隊の強さに繋がると言う訳か」

 

桂花「その通りよ、兵達の士気を上げ一体感を生ませ、屈強な軍隊を作り上げる、あの軍団の統率力は脅威の一言、これが長女・張角、次女・張宝、三女の張梁の正体よ」

 

周喩「ふむ、それが事実ならば、決戦時に真っ先に潰しておかないといけない部隊か」

 

七乃「ところで、荀彧さん達はなんで張三姉妹の事を知っているのですか?陳宮さんに存在を隠されてたはずですよね?」

 

桂花「そ、それは」

 

稟(動揺しすぎですよ桂花殿)

 

風「(やれやれですねぇ~)実はですね~風達の古くからの友人なのです。風達がお兄さんに従って旗揚げした時に、彼女達を探したのですが見つからなかったのですよ」

 

美羽「友だからこそ、張三姉妹が敵に捕らわれた時の恐ろしさを理解しているというわけなのじゃな」

 

七乃(程昱さんと郭嘉さんは冷静でしたが、荀彧さんが一瞬動揺しましたね・・・これは決まりですね)

 

 

華琳「幸い敵が動き出すには時間がかかる、決戦は私達・孫策・劉備の連合軍になるわ。各陣営の混成部隊になる確率が高い、決戦まで各自仲を深めて欲しい」

 

雪蓮「確かに曹操の意見ももっともね・・・ってことで!」

 

美羽「おう!?なんじゃ!?」

 

雪蓮「美羽~もっと私と仲深めましょ~」

 

孫権「姉さま!袁術との仲はもういいではないですか!」

 

冥琳「そうだぞ雪蓮、劉備陣営の将もいるんだ。違う将と深めろ」

 

 

雪蓮「な~に二人共妬いてるの?」

 

孫権「ちち、違います!」

 

冥琳「馬鹿な発言も休み休み言えと言っているだろう」

 

 

張飛「お姉ちゃん達どうして嘘つくのだ?素直に寂しいと言えばいいのだ!」

 

冥琳「な!?」

 

韓当「これ鈴々、そういうのは思っても見守るべきなのだよ」

 

張飛「そうなのか?素直に気持ちを言わないと相手に伝わないと思うのだ」

 

程普「鈴々みたいに素直に気持ちを言える人達だけではないのだよ」

 

張飛「は~お姉ちゃん達は面倒なのだ」

 

 

雪蓮「め~~りん~~やっぱり嫉妬してたの~?」

 

冥琳「ちが!」

 

雪蓮「も~冥琳も可愛いんだから♪」

 

 

美羽「やれやれ、やっと開放されたのじゃ」

 

孫権「あなたも大変ね、袁術」

 

美羽「嬉しいような、困るような・・・答えに困るのじゃ。それと孫権、妾の事は美羽でいいぞ?」

 

孫権「・・・いいの?私は雪蓮姉さまと違ってあれだけ反発してたのに」

 

美羽「華琳姉さまも言ってたじゃろ?勢力の垣根を越えて交流しろと。それならば過去は気にしないのじゃ!」

 

孫権「わかったわ美羽、私の事も蓮華って呼んで。それと・・・勝手に憎んだりしてごめんなさい」

 

美羽「よいよい、これから仲良くするのじゃ蓮華!黄蓋達も妾の事は真名でよいぞ」

 

祭「っほ、儂らも呼んでよいのか」

 

美羽「構わん、妾達はもう味方であり”家族”なのじゃ。家族相手にいつまでも他人行儀の方が嫌なのじゃ」

 

祭「家族か・・・それもそうじゃな。儂の真名は祭、受け取ってくだされ”美羽殿”」

 

穏「私の真名は穏です~改めてよろしくお願いします~美羽ちゃん」

 

尚香「なら私の事はシャオお姉ちゃんって呼んでよね♪」

 

美羽「よろしくなのじゃシャオ」

 

尚香「ちょっとー!なんで呼び捨てなのよ!お姉ちゃん付けなさいよ!」

 

孫権「シャオにお姉ちゃんと呼ぶには無理があるわね」

 

尚香「ぶーー!」

 

 

あーーー!

 

 

雪蓮「ちょっとー!私がいない間に美羽と仲良くならないでよー!」

 

美羽「く・・・くるしいのじゃ・・・しぇれん」

 

冥琳「ほら離せ、美羽が死んでしまうぞ」

 

雪蓮「あ、ごめん美羽!」

 

美羽「ゲホゲホ、死ぬかと思ったのじゃ。それと周喩、いま美羽と呼ばなかったか?」

 

冥琳「”家族”ならば真名を呼び合うのが普通なんだろ?私の事も冥琳と呼んでくれ」

 

美羽「うむ!わかったのじゃ、冥琳!」

 

 

冥琳「っう」

 

美羽「どうしたのじゃ冥琳、顔が紅いのじゃ」

 

冥琳「なんでもないぞ!なんでも!」

 

雪蓮「めいり~ん!私から美羽取ったら駄目だからね!」

 

冥琳「ええい!断じて違うぞ!」

 

穏「説得力がありませんよ、冥琳様」

 

 

 

 

 

 

 

華琳「向こうは早速盛り上がってるみたいね。七乃は向こうに行かなくていいの?」

 

七乃「私は見てるだけでいいです、あわあわしてる美羽様見るの可愛いじゃないですか~~」

 

華琳「あなたも変わらないわね・・・」

 

 

 

七乃「そういう華琳さんは別人みたいですけどね」ボソ

 

 

華琳「何か言ったかしら?」

 

七乃「いえいえ~何も言ってないですよ♪」

 

 

張飛「この料理うまいのだ!」

 

流琉「まだまだありますから、いっぱい食べてくださいね」

 

季衣「あー!それボクが取ろうとした奴だ!」

 

張飛「早い者勝ちなのだ~。あ!それは鈴々のなのだ!」

 

季衣「早い者だもんー!」

 

張飛「ぺたんこ春巻きのくせに生意気なのだ!」

 

季衣「なにをーー!やるかーーー!」

 

 

韓当「こらこら、仲良く食べなさい」

 

流琉「季衣も!仲良く食べなさい!」

 

 

張飛・季衣「ごめんなのだ(ごめんなさい)」

 

 

恋「ハムハム....美味しい」

 

 

張飛・季衣「あーー!ご飯が!」

 

恋「...??」

 

 

 

 

 

 

華琳「あそこは馴染みすぎてて違和感ないわね」

 

稟「華琳様、今のうちに策を考えなくてもよろしいのですか?」

 

華琳「ずっと気を張っていざと言う時に倒れられると困るもの、休める時に休まないとね」

 

稟「そんなのんびりで大丈夫なのでしょうか」

 

風「稟ちゃんも心配性ですね~袁紹軍が動き出すには恐らく3ヶ月の準備が必要なのです。風達が1日や2日休んだところで大差ないのですよ」

 

桂花「寡兵で攻めてくるならば、それは私達の思う壺だもの」

 

 

華琳「そういう事よ、あなた達も行ってらっしゃい」

 

稟「わかりました、行って参ります」

 

風「また後でなのですよ~華琳様~。ほら行きますよ桂花ちゃん」

 

桂花「私も一緒に行くの!?」

 

 

華琳(桂花も丸くなったものね。これも一刀の影響かしら?)

 

一刀と関われば、大小問わず様々な影響を受けいい方向に変わっていく。

あの桂花ですら昔じゃ考えられない程一刀に懐いている。

 

美羽を鍛え上げ、孫策を孫呉復興以外にも目を向けさせ、頑張りすぎだった劉備の心の支えになっている。

そして・・・覇王の衣を脱ぎ捨て、一人の女の子になることが出来た曹孟徳も例外では無かった

 

 

華琳(私がこんな事考えるのも・・・昔じゃ考えられないわね。でも・・・こんなのも悪くないわ)

 

 

華琳ねーさま!雪蓮が呼んでるのじゃー!

 

 

(いまは仕方ないから貸してあげる。でも、一刀は渡さないわよ劉備)

 

 

華琳「待ってなさい、いま行くわ!」

 

 

華琳・桃香・雪蓮陣営の橋渡しの存在だった一刀が不在で話しが進められない為、華琳が主導となり決戦に向け絆を深める為に交流を始めていた。

 

 

 

 

交流を始めた同時期・桃香の部屋

 

 

 

桃香「すみません一刀さん・・・こんな大切な時期に倒れちゃって」

 

 

一刀「気にする事はないさ、華陀の診察ではただ疲れが出ただけだからね。いい機会だからゆっくり休んで」

 

桃香「いま無理に起きても迷惑かけちゃうと思うので・・・お言葉に甘えさせてもらいます。それでその・・・お願いがあるんです」

 

一刀「お願い?なにかな」

 

桃香「その.....私が眠るまで・・・手を握っててくれませんか」

 

一刀「あぁ。桃香が眠るまでずっと側にいるよ」

 

一刀は桃香の願いを聞き入れ、右手で桃香の手を握り、もう片方の手で桃香の頭を優しく撫で始めた

 

 

桃香「一刀さん・・・頭」

 

一刀「もしかして嫌だったかな?」

 

桃香「いえ、一刀さんの手・・・暖かくて気持ちいいです。その・・・撫でるのも眠るまでお願いします」

 

 

よっぽど言うのが恥ずかしかったのか、言い終わると顔を赤らめ、毛布で顔を隠してしまった。

そんな桃香の行動を見て、クスリと笑いながら一刀は桃香が眠るまで手を握り、頭を撫で続ける

 

 

桃香の穏やかな寝息が聞こえ始めた頃、廊下で控えていた孔明・士元が静かに桃香の眠る部屋に入ってきた

 

 

士元「桃香様のご様子はどうですか」

 

一刀「ようやく眠りに付いたよ。桃香はあまり寝ていなかったのかな」

 

孔明「すみません、私達も眠っていたとばかり思っていたので」

 

(俺も油断したな、この世界の桃香がいくら優秀であっても、中身は変わらず乱世には似合わない優しい女の子だもんな)

 

士元「先ほどの鈴々ちゃんも言っていましたが、桃香様はいつも険しい顔をしておりました。なので、いまはゆっくり休んでいただきたいです」

 

一刀「今回は疲労が溜まってただけで済んだが、もしかしたら重大な病気を抱えていたかもしれないものな」

 

孔明「曹仁さん、私も雛里ちゃんと話しあってたのですが、袁紹軍が動き出すのは・・・どれぐらいだと思いますか」

 

 

一刀「そうだな・・・河北四州を手に入れたとはいえ、軍備の増強・兵站の確保・民の慰留とやるべき事は多い。動き出すには恐らく2~3ヶ月は必要だと思うな」

 

 

士元「曹仁さんもそう判断しますか、私達も同じように予想しております。」

 

孔明「曹仁さんにお願いがあります、決戦が始まるその時まで桃香様には仕事を休んでゆっくり静養していただくように説得してもらえませんか」

 

士元「お願いします」

 

 

一刀「心配しなくても大丈夫だよ、ここにいる間はゆっくりしてもらうよ。桃香だけじゃなく君達もね」

 

孔明「私達までよろしいのですか?」

 

一刀「俺達全員が戦続きで疲弊してるからな、最低限の準備は進めるけど基本的にみんな休ませるつもりだよ」

 

士元「あふ。。。すみません、安心したら欠伸がでちゃいましゅた」

 

孔明「噛んでるよ雛里ちゃん」

 

士元「あわわわ!」

 

一刀「気が緩んで出ちゃうのは仕方ないよ」

 

士元「すみませんでしゅ」

 

一刀「桃香は俺が看てるから、二人も休みな。二人もずっと戦いで疲れてるだろ?」

 

孔明「曹仁さんにそこまでお願いするのも悪いでしゅよ!」

 

一刀「俺がやりたいからそうしてるんだよ。気にせずに休んで」

 

孔明「わかりました、言葉に甘えさせていただきます。それと曹仁さん!」

 

一刀「ん?どうしたの?」

 

孔明「あの・・・私達の真名、朱里と雛里を受け取ってください!」

 

士元「....コクコク」

 

一刀「二人の真名を?受け取ってもいいの?」

 

孔明「はい、桃香様の事や幽州など、曹仁さんには色々お世話になってます。その感謝の形という事で受け取って欲しいのです」

 

士元「お願いします」

 

 

そう言い放つ二つの体は震え、孔明はスカートを手でぎゅっと押さえ、士元は帽子を深く被り、一刀の返答を待っている

 

 

一刀「わかった、二人の真名を受け取らせてもらうよ」

 

孔明「本当ですか!」

 

一刀「だけどね、感謝なんて形じゃなくて、もっと二人と仲良くなりたいから真名を交換する、って俺は思ってるからね。俺の真名は一刀。改めてよろしくね、朱里・雛里」

 

 

朱里・雛里「「はい!一刀様!」」

 

 

桃香「うぅん・・・」

 

一刀「おっと、桃香が起きちゃうから静かにね」

 

朱里「はわわ!忘れてました」

 

雛里「すみませんです」

 

一刀「詳しい軍議はまた明日話そう、今日はもう休んでね」

 

孔明「はい、おやすみなさいです一刀様」

 

雛里「おやすみなさいでしゅ」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「二人には俺が看ると言ったけど・・・本当は桃香が離してくれないんだよね」

 

桃香「えへへ・・・一刀さん」

 

一刀「ちゃんとここにいるよ」

 

 

桃香はどんな夢を見てるのか・・・幸せそうな寝顔を見せつつ、一刀の手を離さないといわんばかりに強く握り締めている

 

一刀「明日寝違えないかなこれ。でもまぁ・・・こんなのも悪くは無いか」

 

”桃香の部屋”で”桃香と一緒に”寝る

一刀は何も考えずに寝てしまった・・・

 

 

そして翌日

 

 

桃香「ぅぅん・・・体が軽い、久しぶりにゆっくりと寝れたお陰かな?」

 

幽州で戦続きの時は夜遅くまで仕事して、朝は誰よりも早く起きて戦の準備を進めてたもんな~もっと体力つけないとまた倒れちゃうかな?

 

 

でも倒れたら一刀さんに看病してもらえるなら悪い事でも・・・って、ダメダメ!こんな考えしてたら嫌われちゃうよーー

 

 

桃香「あれ、そういえば一刀さんは・・・うひゃーー!」

 

起き上がった桃香のすぐ側に一刀の顔があり、寝起きの桃香は驚いて思わず大声をあげてしまった。そして・・・

 

 

 

コンコン

 

華琳「劉備起きてるのかしら?何か大声がしたのだけど」

 

桃香「曹操さん!?あわわわわ!」

 

 

ガチャ

 

華琳「なんだ、起きてるんじゃないの。何を大声をだし・・・て」

 

桃香「あはははは~」

 

 

一刀と劉備が寝ている→ここは劉備の部屋→劉備と一刀一夜を共にした

 

この一瞬で華琳の頭の中にはこの考えが駆け巡っていた。そして間の悪い事に、渦中の一刀がようやく起きた

 

 

一刀「もう朝か・・・おはよう桃香。あれ、華琳も朝早くどうしたんだ?」

 

 

華琳「一刀・・・なぜ劉備の部屋に一緒にいるのかしら・・・」

 

一刀「なんでって・・・昨日一緒に寝たからだけど?」

 

桃香「ちょ!一刀さん!言い方が悪すぎます!」

 

華琳「そう・・・私だってまだ抱かれてないのに・・・」

 

 

桃香「あの~~曹操さん?」

 

華琳「一刀・・・ちょっと来なさい」

 

一刀「ん?わかった、いまいく」

 

 

桃香「あの・・・行かないほうが」

 

華琳「ッギ!」

 

桃香「ビク」

 

 

一刀「ちょっと行ってくるな桃香」

 

華琳「お邪魔したわね劉備」

 

バタン

 

桃香(ごめんなさい一刀さん、私じゃ止めることは無理です)

 

 

 

どこまで行くんだ?

 

 

そうね。。。この辺でいいかしら?さて・・・

 

 

あの華琳さん?なんで腕を掴んでるのでしょうか?

それと腕はそっちには曲がらな・・・・

 

 

 

 

ぎゃああああああああああ!

 

 

 

 

チーン

 

 

桃香「安らかに眠ってください・・・一刀さん。合掌」

 

 

 

 

 

 

 

 

1刻(2時間)後

 

 

一刀「う~ひどい目にあった」

 

桃香「大丈夫ですか・・・?」

 

 

華琳は一刀への制裁を済ましたところで正気に戻り、桃香の必死の説明により、ようやく落ち着きを取り戻していた

 

 

華琳「ちゃんと弁明しない一刀が悪いのよ」

 

一刀「弁明する余地もありませんでしたよね!?」

 

華琳「その後介抱してあげたでしょ?」

 

桃香「自分で制裁して介抱も何も『何かいったかしら?』なんでもありません!」

 

 

華琳「一刀もしゃきっとしなさい、話しが進まないでしょ」

 

 

一刀「俺か?俺が悪いのか!?」

 

 

冥琳「わかる、わかるぞ一刀!お前の理不尽な苦労が!」

 

 

美羽「雪蓮・・・本当に行動改めないと冥琳が不憫なのじゃ。。。」

 

雪蓮「・・・流石に私もそう思えてきたわ」

 

孫権「冥琳・・・ホロリ」

 

 

 

一刀「(冥琳は後で構ってあげよう)話しを進める前に桃香から言いたいことがあるそうだ、聞いてあげてくれ」

 

 

桃香「昨日は急に倒れ心配かけてごめんなさい、ぐっすりと寝られたのでもう大丈夫です!」

 

愛紗「お元気になられて安心しました」

 

張飛「元気が一番なのだ!」

 

美羽「元気になったのはいいが、あまり配下に心配かけるでないぞ?」

 

 

桃香「う、今後気をつけます」

 

 

一刀「次は対袁紹との決戦に向けての話題だ。恐らく諸将察していると思うが、両軍が動き出すまでには3ヶ月程度時間がかかる。なので決戦に向けて自己鍛錬をするも良し、他陣営と交流し連携を深めるも良し、各自自由に動いてくれ」

 

 

桂花「決戦の地と策は決まってるの?」

 

一刀「策はこれから各陣営の軍師を招集して決めようと思う。そして決戦の地は・・・官渡だ、そこで袁紹と決着をつける」

 

 

一刀「あ、それと各将は連戦続きで疲れも溜まっていると思うから、過剰な訓練等は禁止する」

 

春蘭「一刀貴様!我々に訓練を禁止するとはどういう事だ!」

 

 

 

一刀「そんな事一言も言ってないだろ!?」

 

 

華雄「っふ、やはり猪夏侯惇だな。過剰と言っているにも関わらずその反応とはな」

 

 

春蘭「華雄言ったな!庭に出ろ!袁紹より先にお前と決着をつけてやる!」

 

 

 

一刀「だー!ほんとにうちの猪達は!話がすすまーーん!」

 

 

 

凪「隊長落ち着いてください」

 

愛紗「私達が鎮圧してきます」

 

流琉「も~またお仕置きですね」

 

明命「どんなお仕置きがいいでしょうか?」

 

恋「...5人同時にあの二人に襲い掛かる」

 

 

ワンコ隊「それだ!」

 

 

 

一刀「脳筋の相手はワンコ隊に任せよう。先ほども言ったが無理は禁止だ、お互いに働きすぎ、訓練のしすぎだと判断したら止めてあげてくれ」

 

 

 

華雄「お前達!5人同時は卑怯だぞ!夏侯惇、一時休戦だ!」

 

春蘭「そうだな、いまは組むぞ華雄!」

 

 

雪蓮「面白そうじゃない、私も混ぜなさいな」

 

張飛「同じく参戦なんだ!」

 

霞「うちもうちもー!」

 

 

 

 

一刀「収拾が・・・」

 

美羽「もういっその事じゃれさせておけばいいのではないかの?」

 

華琳「そうね・・・派手に暴れさせて気晴らしさせないと落ち着かないでしょうし」

 

一刀「やれやれ・・・」

 

桃香「でも、みんな楽しそうですね。今日ぐらいいいんじゃないかな」

 

 

 

 

 

華雄と春蘭のどつきあいから発展した各陣営の武人による乱戦により、一刀が提唱した”休息”が早速守られてない事に苦笑しつつも、みな楽しそうに笑顔が広まっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

短いですが、一刀・雪蓮・桃香の合流時の話しになりました

 

完全に桃香優遇回になってますが気にしないでくださいw

 

 

本来であれば前回予告した拠点話を盛り込みたかったのですが、仕事が忙しく投稿がまた空きそうだったので・・・小分けで投稿させていただきました

 

 

予告が全然守れなくてすみません。。。

なるべく早く仕上げたいと思ってます!

 

 

コメントも時間があるときに返していきます

 

 


 
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