No.779719

恋姫英雄譚 Neptune Spear

長安へと急ぐリアン達董丁混成軍。行く手に障害が待ち構えていた。

2015-05-26 07:15:50 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:642   閲覧ユーザー数:605

 

Mission27:Lightning Speed

 

 

 

李傕と郭汜が謀反を起こす可能性があるということで、俺達は急いで部隊を纏めて霞の第3師団と嵐の第4師団、更には丁原軍の恋と愛が指揮官を務める遊撃隊も加わって長安に向かっていた。

 

 

「霞‼︎長安への近道はあるか⁉︎」

 

「この先にある渓谷を抜けるんが一番の近道や‼︎せやけど幅が狭いから一気に抜けなあかんで‼︎」

 

「了解だ‼︎危険だが仕方がない‼︎待ち伏せに気をつけながら一気に渓谷を駆け抜けるぞ‼︎」

 

『応っ‼︎』

 

 

俺と絶影を先頭に少し後ろから霞達が同じように馬を飛ばして付いてくる。

その馬捌きは見事といいようがなく、流石は涼州の騎馬隊である。

 

俺達が進んでいる場所は渓谷を縫うように設けられた谷間であり、左右には断崖絶壁の崖が聳え立っている。

こんな処を突き進むのははっきりいって危険であるが、天水から長安へと最短距離で向かえる場所でもあり、ここは危険を覚悟の上で突き進む。

 

すると赤い馬……間違い無く‘‘赤兎馬”に乗った恋と愛が俺達の側まで駆け寄って来た。

 

 

「……リアン………気をつける」

 

「恋?」

 

「この先……敵………いる」

 

「分かるのか?」

 

「……(コクリ)」

 

「愛も……姉ェと同じ………崖の左右に一杯なにかいる……」

 

 

 

 

恐らくは武人の直感力だろう。だがここは切り抜けなければならないし、今から迂回路を使えば間に合わない可能性もある。だったらここは先手を打っておいたほうがいいだろう。

 

 

「霞‼︎嵐‼︎左右の崖を駆け上がって伏兵を炙り出してくれ‼︎」

 

「よっしゃ‼︎任せとき‼︎」

 

「我が道を阻む輩は何人たりとも容赦はせぬ‼︎」

 

「俺と恋と愛が敵を誘き出す‼︎霰達は速度を落として炙り出した敵を始末しろ‼︎」

 

「りょーかいや‼︎儂等に続けやぁ‼︎」

 

 

そう指示すると霞と嵐が左右に分かれて崖を駆け上り、俺と呂姉妹が先行すると霰達が速度を落として後に続く。

 

数分間で先行すると動きがあった。左右の崖から複数の岩が転がり落ちてきて、その背後には賊らしき男達が岩を押し出していた。

 

 

「やはり伏兵か………恋‼︎愛‼︎やれるか⁉︎」

 

「「(コクリ)」」

 

 

2人がそう頷くと呂姉妹は左右に分かれて恋は方天戟‘‘方天画戟”、愛は斬馬刀‘‘神龍昇天刀”を構えてそれぞれ左右に振った。

 

刃に触れた岩は木っ端微塵に粉砕され、辺りに瓦礫と化して散乱していく。俺もHK416で邪魔になる手頃な大きさの岩だけを狙ってトリガーを弾く。

すると今度は前から弓矢を放って来た弓兵がいて、一斉に放たれた弓矢がこちら目掛けて飛来してくるがなんの問題もない。

 

 

「ふんっ‼︎

 

「……甘い……」

 

「弓矢……簡単に取れる」

 

 

俺は忍者を抜刀して飛来してくる弓矢を叩き落とし、2人は軽々と掴んで逆に投げ返した。投げ返された弓矢は真っ直ぐに賊に突き刺さり、いきなりのことだったので軽いパニックとなっているようだ。

 

 

 

 

そこに俺達は一気に敵の懐に飛び込み、俺も敵兵をHK416で射殺し、絶影も敵を踏み潰しながらひたすら前へと突き進んだ。

すると崖の上からなにやら断末魔の叫び声が聞こえてきていた。

 

 

「おらおらあぁあああ‼︎死にたい奴から掛かって来んかい‼︎」

 

「我等を陥れようとしていたようだが無駄だ‼︎この場で断罪させてやろうぞ賊共‼︎」

 

 

左右の崖上では霞と嵐達が一気に伏兵に飛びつき、そのまま投石兵を蹴散らしていく。

 

 

「うっしゃ‼︎リアンと呂布のゆーた通りや‼︎このまま賊共をしばき倒したれや‼︎」

 

「よしっ‼︎いざ暴れてやろうぜ‼︎」

 

「董卓様に刃向かう輩はゆるせん‼︎」

 

「よし‼︎いま行くぞ‼︎」

 

「鷹様‼︎私も後に続きます‼︎」

 

「鷹と燕には負けられねぇな‼︎ガキ共‼︎すれ違うカス共はみんな始末してやんな‼︎」

 

 

俺達の後方では霰、迅、雷、鷹、鷲、燕、更には猛禽陣営の猛者達が通り過ぎていた敵を駆け抜けながら次々と仕留めていく。

 

敵の慌てぶりから判断して間違い無く俺達を足止めする為、適当に雇い入れられた賊であろうがはっきりいって足止めにもならない。

対して俺達は一糸乱れず連携を維持しながら次々と仕留めていく。

 

対して賊は最初の策が全く機能しなかったことで焦り、更には基本的なことしかしていらい俺達の策に慌てて次々と逃げ出すか仕留められていく有様だ。

HK416で仕留めながら前進していくと目の前に斧を手にした大男が逃げ出す賊を怒鳴り散らしながら制止しているのを見つけた。

 

状況から判断して間違い無く敵の頭だろう。

 

 

「恋‼︎愛‼︎辺りを始末しつつ援護してくれ‼︎」

 

 

俺は恋と愛に周囲の掃討を任せると絶影を走らせ、近くに到達すると男の足と右腕を撃って転倒させた。

 

 

 

 

俺は絶影から飛び降りて駆け寄り、斧を蹴り飛ばすと銃口を突き付けながら銃創を踏みつけた。

 

「ぎゃあぁあっ⁉︎いてえぇええっ⁉︎」

 

「言え‼︎誰に雇われた⁉︎」

 

「ぎゃあっ⁉︎や…やめてくれ⁉︎か……郭汜って奴だ‼︎」

 

「他には⁉︎他にもいるはずだ‼︎」

 

「ま…待ってくれ⁉︎俺はそいつしか知らねぇんだ⁉︎」

 

「そうか‼︎」

 

 

それだけ確認すると俺はHK416の銃口を頭の額に向けてヘッドショットを決めた。

賊の頭が呆気なく自白したので裏付けが取れた。李傕と郭汜の2名は間違い無く帝と長安を手中に収めるつもりであり、俺達が嗅ぎつけるのを予測して賊を雇い入れたのだろう。

 

だが董卓軍はこんな程度では足止めにもならない。

 

頭がやられたことで逃げ出す敵を仕留めながら口笛を吹いて絶影を呼び寄せ、すれ違いざまにしがみ付くとよじ登って再び駆け出した。

やがて賊の防衛ラインを突破した辺りからみんなが合流してきて、引き続き全力で駆ける。

 

 

「損害報告‼︎」

 

「ウチ等はなしや‼︎」

 

「私達もだ‼︎」

 

「あんな遅過ぎる連中に儂等が手こずる訳ないやろ‼︎死人処か怪我人すらおらんわい‼︎」

 

「つまりあたい等の完勝って奴さね‼︎」

 

 

戦死者処か怪我人もいない。まさに完勝だ。

 

 

「敵の賊が吐いた‼︎やはり連中を雇い入れたのは李傕と郭汜だ‼︎」

 

「リアンの予感が的中したっちゅうことかいな⁉︎」

 

「急ぐぞ‼︎伏兵を忍ばせてたということは敵の計画が順調に進んでいるということ‼︎1刻も早く長安に辿り着く‼︎」

 

『応っ‼︎』

 

 

それだけいうと俺達は更に速度を上げて渓谷を突破。そのまま野を駆けて長安へと急行するのであった…………。

 


 
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