No.77294

繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?~決意の章~・第一話

つよしさん

皆様、お久しぶりです。最近作品が増えてきましたね。なんだか嬉しいです。

今回は短めです

誤字、脱字等ありましたら、ご指摘願います。

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2009-06-04 23:27:24 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:8903   閲覧ユーザー数:7029

「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~、ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~」

 

 

どこかで聞いたことある歌を口ずさみながら当てもなく歩く。

 

ネオ黄巾党との戦から2週間経ち、当てもなく旅をしている。

その途中で寄った村で天和たちが無事だということを知った。

ありがとう、元嗣。

 

近況だけど、食事は途中で寄った町でボールペンを売って、日持ちする携帯食を買った。その町は小さいながらも笑顔が絶えない村で、なんだかなんだか少し嬉しかった。

睡眠は基本野宿。……布団で寝たい。

「どこか大きい町があればいいんだけど………って、あるじゃん」

視線の先には城。

「………あれ、なんていう城だっけ?」

この世界にいたときの記憶と照合してみるけど、思い出せない。

「というか、ここがどの辺かも分からないんだよな」

魏?蜀?呉?それとも南蛮?

韓浩たちにライブ場所の地域でも聞いておけばよかった。

「ま、いいや。あの衛兵に聞こう」

門の前にいる槍を持った兵が見える。

「………って、あれ蜀の鎧じゃん」

魏は、黒というか紫。呉は、赤というか橙。そして、衛兵の鎧は、緑と黄色。

「蜀……劉備さんのところか……」

数回しか会ってないけど、天然っぽい印象がある。

「あと若干……腹黒っぽいイメージを持ったことがある…かな」

あの時は戦争だったし、しょうがないか。

「劉備はしたたかだったって話もあるし」

史実通りといえば、史実通りだろう。もう腹黒なんてイメージはない。

 

 

それに───

 

 

 

 

 

 

 

「胸がデカかったからな」

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ?」

「…おっと」

色々考えていたら門の前まで来ていたらしく、独り言が衛兵に聞かれたらしい。

「いや、なんでもない」

「…お前、怪しい格好をしているな。……何者だ」

槍を持つ手に力が入ってる。……そっか制服だったっけ。まぁこの大陸でポリエステル着ているやつはいないよな。

「いや、ただの旅の人間だよ。…それよりもここどこ?当てもなく旅をしているからよく分からなくてね」

「……ここは漢中だ。……害はなさそうだが、一応、身体検査をさせてもらうぞ」

漢中?確か、蜀の領土だよな?誰がいるんだっけ?…まぁ、いいや。

「ああ、構わない」

ま、当然の反応だよな。危険人物を入れる訳にはいかんだろうし。

 

 

身体検査が始まり、服を脱げ、と言われてズボンを下ろしたら

「上着だけだぞ!?」

とツッコまれた。…じゃあ、最初に言ってくれよ。

「………行っていい」

持ち物とかいろいろ調べられた結果、セーフだったらしい。まぁ、武器もないからね。

あと、携帯は捨ててた。ここじゃ使えないし。…一応、元の世界との別離の覚悟でもあった。─────俺はもう戻る気はないから。

 

「ん、どーも」

そのまま中へ入っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ではあるが、一刀が去った後、身体検査をした衛兵は交代の衛兵に

 

「………………お、大蛇」

 

と、言ったとか、言わなかったとか。

「へー」

中に入れば活気のある市が目に入る。

「すごい…」

洛陽は活気があった。けど、それは凪、真桜、沙和といった、武将の揃った警備隊の本隊があったから。

他の小さい町は、警備隊の本隊があった訳じゃない。常に戦と隣り合わせという不安が洛陽以上にあった。

「まぁ、蜀が特別平和だったっていう可能性もあるけど…」

この町は大きさこそ洛陽とまではいかないまでも、活気は洛陽と比べて遜色がない。

「平和、か……」

いいな、こういう雰囲気。誰もが望んだのがこの景色、この空気なんだよな。

 

平和な町。

「へい!らっしゃい、らっしゃい!安いよー」

左から聞こえてくるのは元気な商人の声。

「ねぇ、シローくん。これからどうするの?」

「どうしたらいいと思う?蓮花」

「私に聞くな。希望はないのか?」

「んー、玄徳様に会うっていうのは…」

「「ダメ!!」」

「え?」

「ここの玄徳様、女のコなんだよ?」

「真澄、私、ランに……アイリンにまで手を出してるやつがこの世界の玄徳様に会ってしまったら……!」

「そんなこと…」

「「あるの!」」

「う……」

 

「…………………」

右から聞こえるのは幻聴。…幻聴なの!お願い幻聴にして!じゃないと、俺がますます空気になるの!

 

 

─────あれ?けど雲体風身を教えてもらえたら強くなれるんじゃない?

 

 

一応確認のために右の方を向いて話しかけようとする。

「あ「数え役萬☆姉妹は処女ちゃうんかぁ~。じゃあ、誰が処女なんやろなぁ~」……またお前か、男O」

向こうの曲がり角から聞いたことのある声。てか、なに処女探ししてんの!?

「関羽ちゃんとか、処女っぽいねんけどな~」

あー、あんだけ強いいと近寄りがたいだろうねぇ。俺はそうでもないけど。

「てか、あの男まさか!…き、気になる!…けど、こっちも…」

あー、あー、どっちにしよう!

「…………男O、君に決めた!」

こっちが先!ダッシュで声の聞こえた方へ向かう。

「…って、いないし!」

何者だよ、お前!

「…うわ、こっちもいない!」

ていうか、人が多いから見つけられん!

「……………ホンット、邪魔が好きだな、男O!」

見つけたらタダじゃおかねえ!

「…もういい。まずは腹ごしらえだ」

とりあえず携帯食じゃない物が食べたい。

「まぁ、適当でいっか」

すぐ近くにあったラーメンの屋台で食事をすることにした。

「あー、美味かった」

ラーメンはこっちの方が美味いかもしんない。

「さて、どこにいこうか…なんだ、『あれ』」

店を出て左を向くと、3人の人影。

一人は上半身裸、下はビキニのおさげでこちらに背を向けている筋肉隆々の男。

一人はマントを羽織り、白髪で弥生時代っぽい髪型で、靴下に皮靴という、カオス人間でこちらもこっちに背を向けている筋肉隆々の男。

そして最後の一人は───

「で、でかい………」

なにが?ってそんなの決まってるだろ。ありゃ、真桜より大きいよ。

その魔乳さんは、紫のロングで、お姉さん系の女性。

「………あれ、確か蜀の武将…だよな?」

戦場で見たことある気がする。成都での決戦の後、ほとんど誰とも話さずに消えてしまったものだから、良く分からない。

「んー、綺麗な人は忘れない自信あったんだけどなぁ」

鈍ったかな?

「でも、なんだろうな。なんか難しい顔してる」

なんだろう…。心配?って感じだな。

「…手助けしたいけど、頭の中…っていうか、全身の警鐘が鳴ってるんだよな…」

ひ、膝が震えるぐらいだし。

「……けど、これで無視したら、男じゃないよな…」

笑っている膝を拳で叩き、小走りで3人が話している方へ向かう。

 

 

 

「あの…」

近くまで寄り、他2名には関わりたくないので、魔乳さんに話しかける。

「…はい?」

「…………やっぱ、綺麗だな」

「え?」

「あ、あ、い、いや、なんでもないんだ」

しまった。つい口に出てしまった。魏にはいないタイプだしな。

「…どこかでお会いしたかしら?」

お?向こうも心当たりはあるらしい。

「えと、俺は…「あら~ん、ご主人様じゃないのよん!こんな所にいたのねん!」…お前、今なんつった!?てか、お前誰だ!」

このおさげ、なんつった!?…幻聴!?今日は幻聴がよく聞こえる日なの!?

「ま!あの熱い夜を忘れたっていうの!?わたしは今でも、夜には思い出すのに!」

「そんなものは無い!てか、夜に思い出して何してる!?」

少し想像してしまったじゃないか!

「あらん、そんなこと……ポッ」

「赤らめるなぁ!この化け物!」

全然可愛くないんだよ!…って、え!?

「ぶるらあああああああ!誰が、前に熊、後に私だったら迷わず前に逃げてしまう程の化け物ですってええええええ!!!」

「誰もそこまで言ってないし!」

でも確かに熊がマシかも!

 

「…まさか、このようなところで会うとはのう、貂蝉」

「…うわ、こっちもすげぇ!…って、貂蝉だと!?」

あの呂布の嫁だった、絶世の美女の!?

「そうよ、傾国の美女、貂蝉とはわたしのことよ」

「う、嘘だろ…?詐欺じゃないか…。まぁ、傾国はしそうだけどな、ある意味。…で、あ、あんたは?」

この化け物が貂蝉だとは信じたくない。けどその前に、この化け物と同じ属性である男の名を知っておきたかった。

「儂か?」

あ、こっちは見かけどおり、『儂』なんだ。

「儂は、卑弥呼。荒野に咲く、儚き花。謎の巫女とは私のことよ!」

「ひ、卑弥呼だと!?あの倭国の!?なんでいるの!?」

しかも、やっぱり私って使うし!なんでこいつら男なんだよ!?

「なぜ、か。…それはわが弟子の貂蝉の堕落ぶりと、だぁりんの手伝いをしたくてだな…」

「だ、だぁりんって…」

誰だよそれ。絶対呼ばれたくないだろうなぁ…。

 

「…貂蝉。この男性知っているの?」

魔乳が貂蝉に問いかける。

「…あらん?黄忠ちゃん、知らないの?」

心底意外そうな顔で黄忠の方を見る貂蝉(?)。

「黄忠?…ああ、あの老s《チュン!!》………えっとー、どっから出したのかな、その弓」

…耳スレスレを矢が通り抜けて行ったよ?

「………なにか、おっしゃいまして?」

「え?いや、だからr……だー!弓を構えるのやめて!」

先が頭に向いてます!

「…待って、黄忠ちゃん。ご主人様の言葉は最後まで聞いた方がいいわよん」

「え?」

貂蝉の言葉に、ほんの少し弓を下ろす黄忠。

「ね?」

「…貂蝉がそう言うのならば」

今度は弓を完全に下ろしてくれる。

「うふふ、ありがと。…ご主人様、いいわよん」

「………お前の主になったつもりはないが、一応礼を言わせて貰うよ。…で、俺が言いたいのは、俺らの世界では老将って言われている黄忠だけど、この国の黄忠さんは普通に若い美人のお姉さんだな、って言おうとしたんだ」

30前後、かな?

「あらあら、お上手ですわね」

ふふふ、と大人の微笑。

「…いや、お世辞じゃないんだけど」

俺は女の人に正直だぞ?

「んもぅ、ご主人様ってば、うまいんだからぁ!…わたしにも言って!」

「キモい」

「しどい!」

「いや、普通そう言うだろ」

「もう、相変わらずねん」

「…ねぇ、貂蝉、この方を知っているの?」

「…黄忠ちゃんってば本当に知らないの?」

「ええ…」

 

 

「あらん、そうなの…じゃあ、蜀じゃないのかしら」

 

 

「…………………………」

…どういうことだ?

黄忠さんが俺の事を知らないことを疑問に思ったかと思ったら、あっさり納得した。

しかもこの貂蝉と呼ばれる男(?)は、俺を『ご主人様』なんて呼ぶ。……老(ryのことも、俺が言うことを分かっていたみたいだった。

俺の事をよく知っている?…俺は知らない、っていうか知りたくもないのに?

 

…こいつは、俺をご主人様と呼び、黄忠さんが知っていることは当然と思っていた。

…蜀じゃない?じゃあ、なんだ?蜀が当然だと思っていたのか?

…自惚れているつもりはないけど、この大陸じゃ魏の「天の御使い」の名で知られているのに?

俺の事はご主人様と呼び、よく知っているみたいなのに、魏の人間だと知らないのか?

 

まさか─────

 

「…残念だったな貂蝉。『この』俺は魏の人間なんだよ。蜀には『降りてない』んだ」

 

ピクリ

 

「…あらん、そうなの。じゃあ、最初から許昌にいけば良かったかしら」

「………なにを動揺しているのかな?貂蝉」

 

───ビンゴかな?

 

「なにがかしら?」

「…へぇ、今度は反応を示さないな。…けど、さっきは確実に動揺していたぞ?」

「言っている意味がよく…」

「反応したのは、『降りていない』、か?…違うな。…じゃあ『この俺』、か?」

「…どういう意味かしら?」

……焦りがデカい。

「…俺は知らないのに、貂蝉は俺の事をよく知っている。…最初はストーカーかな?とか、考えたけど、それだったら魏の人間であることを知らないのはおかしいだろう」

「……………」

「だったら、別の『俺』を知っているのかな?って思ったんだ。…荒唐無稽な話であるが、未だ分からぬこの世界だ。もしかしたらあるのかも知れない、と考えたんだ」

「……………」

「…ふむ、その態度からするに、俺に対して隠すことだったんだろうが、ヒントを与え過ぎだ。流石に気付くだろう」

 

「………それは全部、ご主人様の妄想に過ぎないんじゃないの?」

「─────ストーカーと、ヒントって言葉に対する疑問は無いのか?貂蝉」

「…!」

「動揺していて気付かなかったのか?…あと、この大陸ではありえない格好だっていうのも疑う要因の一つだぞ?」

「………………………ふぅ」

小さくため息。

「やっぱり、『色々』知っているみたいだな……で?なにか話すのか?」

流石に言い逃れは出来ないだろう。

 

「……ご主人様ったら、なんだか前より鋭くなってるんじゃなぁい?」

 

「…どの俺かは知らんし、どのくらい前かも分からないが、ビンゴだったみたいだな」

「ええ。……知りたいかしら?」

『知りたい』、か。……最初は話す気なかったみたいだし、あんまり知らない方がいいことなのか?

 

「……興味はある。けど、今はそれどころじゃないんじゃないか?」

さっきの雰囲気を見るに、ただ事じゃない気がしたんだが…。

「…そうでしたわ!璃々!」

ハッと気づく黄忠さん

「まぁ!ご主人様に夢中になってしまったせいで忘れてしまったわねん!」

「え!?そこで人の所為!?」

こいつ最悪だ!

「うむ、すかっり失念しておったわ!急がねば手遅れになる!」

卑弥呼は声を上げ、当たりを見回す。

 

 

「………何があった?」

皆の焦り方は尋常じゃない。特に黄忠さんが酷い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……黄忠ちゃんの娘の璃々ちゃんが誘拐されたのよ」

 

「なんだって!?」

 

 

続く!

 

~あとがき~

 

皆様、お久しぶりです。最近は忙しく、満足に書けていませんでした。

ですが、お気に入りに登録してくださる読者の方が、100人越えた事を嬉しく思い、急いで書いた次第です。

 

そして、若干中途半端に終わってしまった気がします。

申し訳ありません。

 

さて、出てきてはいけない人達が出ましたが、これは理由を作ってます。まぁ、それはまた後日………。

そして一刀さんが手に入れる力が分かった人たちがいるかもしれません。

……二択ですけどね。

 

次話は、日曜日には上げると思います。

もうしばらく、お待ちください。

 

もっと頑張ります!

 

 

 

でわでわ~

 


 
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