No.767903

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第604話

2015-03-31 00:05:28 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1999   閲覧ユーザー数:1813

 

~エルベ離宮・紋章の間~

 

「……”空の女神”が遥か昔に激闘の末に封じ込めた人々の”負の感情”の集合体で、それを”鉄血宰相”が取りこんだ可能性がある、か。―――とにかくそれぞれの世界を護る為には”ユリス”とやらを取りこんだ”鉄血宰相”を討伐か封印、どちらかの方法を取る必要があるという事だな。」

「はい。このような事になってしまったのも私の力不足も原因の一つ。本当はこの会議を最後に現在のゼムリア大陸の情勢に介入する事をやめるつもりでしたが、”ユリス”の件は別です。…………―――エステルさん、フェミリンスさん。”ユリス”を今度こそ滅する為にどうか私に力を貸して頂けないでしょうか?―――お願いします!」

リウイの言葉に頷いたエイドスはエステル達を見つめて頭を下げた。

「へっ!?そりゃあたし達も元々協力する気だったけど、何であたしとフェミリンスを名指ししたのかしら?」

「…………恐らくはエステルに秘められてあるサティアさんやフェミリンスさん自身の”力”が必要なんだと思う。」

戸惑っているエステルにヨシュアは自分の推測を口にした。

 

「あ…………」

「―――神々の力ですわね。一柱で滅する事が不可能ならば、複数の神々なら可能と考えたのですね。」

「それだったらセリカさん達やフィーナさん達にもお願いして一緒に来てもらおうよ!セリカさん達の力も絶対に必要だと思うよ?」

ヨシュアの推測を聞いたエステルは呆け、真剣な表情で呟いたフェミリンスの話に続くようにミントが提案した。

 

「勿論彼らやお母様達にも後でお願いするつもりです。アインさ―――いえ、”星杯騎士団総長アイン・セルナート”。”星杯騎士団”の”総長”である貴女に依頼があります。」

「……”ユリス”―――いやギリアス・オズボーン討伐に”星杯騎士団”にも協力して欲しいと仰るおつもりですか。」

エイドスに名指しされたセルナート総長は姿勢を正して真剣な表情でエイドスを見つめて問いかけた。

「はい。ただ無理にとは言いませんが…………」

「フッ、我々にとって真なる主である御身の依頼を断る等絶対にありえません。そして御身を崇めている七耀教会も全面的にオズボーン元宰相討伐に協力すると思われますし、もし拒んだ場合は我々”星杯騎士団”が総力を挙げて”力づく”でも協力するように”説得”するつもりですのでご安心下さい。」

申し訳なさそうな表情をしているエイドスにセルナート総長は口元に笑みを浮かべて答えた。

「――――ありがとうございます。貴女達の力も期待させて頂きますね。」

「御意。今こそ我ら”星杯騎士団”――――いえ、”七耀教会”の忠誠をお見せしましょう。」

「―――エイドス様、どうか私達エレボニアもオズボーン元宰相討伐の決戦に参戦させて頂きたい。」

セルナート総長がエイドスに会釈したその時、オリヴァルト皇子が真剣な表情で名乗り上げた。

 

「理由は……やはり貴国の元宰相が関わっているからですか?」

「はい。死者とは言え、オズボーン元宰相はエレボニア政府の代表者だった者。双界の破壊と言ったそのようなおぞましい事を企んだ者を宰相にした我々エレボニアにも責任の一端があります。せめてもの罪滅ぼしにエレボニアにもオズボーン元宰相討伐に協力させて頂きたいのです。」

エイドスに尋ねられたオリヴァルト皇子は真剣な表情で答えた。

「お兄様……――――女神様、どうかわたくし達エレボニアにもオズボーン元宰相討伐の戦いの参戦の許可をお願いします!」

「どうか私達に償いの機会をお与え下さい、エイドス様……!」

(クレア大尉……)

心から慕っていたオズボーンを討伐する決戦にアルフィンと共に頭を下げてエイドスに頼み込むクレア大尉をリィンは辛そうな表情で見つめていた。

 

「―――ありがたい申し出ありがとうございます。エレボニアの申し出もありがたく受けさせて頂きますね。」

「あ……ありがとうございます……!」

「エイドス様の寛大なお心に心から感謝致します。」

「―――”空の女神”。クロスベルもオズボーンとの決戦に全面的に協力する。我々クロスベルにも参戦の許可を頼む。」

「え………」

「……ギュランドロス様達にも相談もせず、独断で決めるのはさすがにどうかと思いますが。」

ヴァイスの突然の申し出にユーディットは呆け、エルミナは真剣な表情でヴァイスに指摘した。

 

「逆に聞くが双界の命運がかかった戦いにクロスベル……いや、”国家”が傍観を決め込む訳にはいかないだろうが。第一ギュランドロスが断ると思っているのか?」

「それは…………―――失言でした。クロスベルも全面的に協力致します。」

ヴァイスの説明を聞いて少しの間考え込み、すぐに答えを出したエルミナは目を伏せてヴァイスに謝罪した後エイドスを見つめて申し出た。

「メンフィルも全面的に協力する。双界の破壊は絶対に阻止する必要がある上、間接的とは言え”ユリス”とやらの復活には我々メンフィルやクロスベルも関わっていたのだからな。俺達にも責任の一端がある。」

「あなた……」

「うむ!余達メンフィルにかかれば、世界の災厄とやらをその手にした愚かなオズボーンすらも敵ではないわ!」

「もう……強敵相手に自信があるのは良い事だけど、過信は身を滅ぼすわよ?」

エルミナに続くように申し出たリウイの申し出にイリーナは微笑み、勝ち誇った笑みを浮かべるリフィアにエリゼは呆れた表情で指摘した。

 

「フフ、ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いしますね。リベールとレミフェリアはどうされますか?」

「勿論レミフェリアも全面的に協力します。今こそ共に手を取り合い、世界を守る時でしょう。」

「ええ、アルバート大公閣下の仰る通りです。リベールも全面的に協力します。―――そこで皆様に提案があるのですが、よろしいでしょうか?」

「お、お祖母(ばあ)様……?」

アルバート大公と共に参戦を申し出た後のアリシア女王の突然の申し出にクローディア姫は戸惑いの表情で各国のVIP達を自分に注目させたアリシア女王を見つめていた。

 

「提案、ですか?」

「して、どのような提案を?」

「私達は世界の災厄を防ぐ為に立ち上がり、今こそ共に協力していくべきです。そして2度と世界の災厄―――”ユリス”が現れない為にも……大陸全土の恒久的な平和の為にも私はここに、市民及び大陸諸国に対し、『西ゼムリア同盟』を提唱します!」

ユーディットとアルバート大公が質問するとアリシア女王は決意の表情で自身の提案を口にした!

 

こうして『エレボニア存亡会議』はエレボニアが存続できるという結果になり、終わった。

 

アリシア女王が提唱した『西ゼムリア同盟』の発言に最初は驚いた各国のVIP達だったが、アリシア女王の説明によってそれぞれ納得し、後日リベール、エレボニア、メンフィル、レミフェリア、クロスベル、アルテリアによる『西ゼムリア同盟軍』が結成され、同盟軍の”盟主”は様々な事情によりエイドス自身が務める事になり、同盟軍はオズボーンとの決戦に備えてそれぞれ準備を始めた。

 

そして――――各国がオズボーンとの決戦に向けて準備をしている中、ディル=リフィーナのアヴァタール地方に位置する大国―――”レウィニア神権国”にある目的で一時的に帰還したセリカはレウィニアの象徴にして守護神である”水の巫女”と対面していた。

 

 

 

次回とその次の話で、最後の最後にリィン達を助けたり、援軍として西ゼムリア同盟軍に加勢するキャラ達や勢力がエウシュリー陣営がわかります。まあ、今回の話の最後で戦女神陣営のある陣営が参戦する事は既に察していると思いますがw


 
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