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IS外伝~始まりの王者[ケーニッヒ]~第3話~急がば真っ直ぐ進め~

TEITARAKUさん

お久のKANNBARUです。
更新ペースが遅くて申し訳ございません。

2015-03-25 05:50:53 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1290   閲覧ユーザー数:1265

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話を書くと予想のつかない方向へ、どうしてこうなった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士官学校  医療棟

 

 

 

 

 

凪刀side

 

 

 

 

 

「…………ん?」

 

 

 

目が覚めると見知らぬ天井が見えた、住んでいる寮ではないのは確実だ。

時間を見ると夕方だった。

 

 

 

「グッ!?」

 

 

身体を起こすと痛みが走った、よく見ると身体には包帯が巻かれていて顔にもガーゼが貼られていた。

痛いが四肢が動くから骨は折られていない。

 

 

 

「確か俺はランニングしているときに推薦の奴等に襲われて…………」

 

 

 

「気ぃ付いたか、凪刀」

 

 

 

横を向くとベッドから出て制服に着替えている川崎がいた。

頭に包帯を巻き、顔の所々に絆創膏が着いていた。

 

 

 

「川崎………お前も」

 

 

 

「お前よりは大したことないで………一番の重傷者はお前やからな」

 

 

 

「そうか…………」

 

 

 

「更識………やからやろな……」

 

 

 

更識家の息子という妬みもあったのかな?

 

 

 

「気が付いたか」

 

 

 

すると川崎の後ろから二人の生徒が出てきた。

制服は推薦だがあちこち怪我をしていた、ただの見物か?

 

 

 

「なるほど………お前が更識のchildrenなのか……」

 

 

 

「あれ程の人数を相手に勇猛果敢に飛び込んでいく覚悟は凄かったが、危ないなお前」

 

 

 

一人は白髪で所々で英語になり、もう一人は金髪の外国人の生徒だった。

 

 

 

「sorry自己紹介がまだたったな、俺は総合一年B組の榊継だ」

 

 

 

「同じく総合一年C組のガルメス・アルフェルド・オックスフォードだ」

 

 

 

「榊、ガルメス、よろしく頼む」

 

 

 

ベッドに座り二人と握手する。

 

 

 

「推薦にもこんな奴がいるんやな」

 

 

 

「確かに推薦の連中は差別的な思想を持っているのが大半だが、俺たちみたいにそうでもない奴もいるさ」

 

 

 

「ガルメス………そろそろ」

 

 

 

「分かっているさ………二人共これからの事で話しておきたい事がある」

 

 

 

ガルメスの顔が真剣になり俺と川崎の顔も自然と引き締まる。

 

 

 

「今この学校で厄介なことが起きている」

 

 

 

「厄介な事やと?」

 

 

 

「あぁ……………風紀委員会と部活連の連中がこの時間も各地で大規模な乱闘が起きている」

 

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

なんでこんな事になっているんだ?

川崎は少し腰が浮いていた。

 

 

 

「こういうのは毎年起きていることらしい、だが今回は今までよりもscaleがデカイんだ」

 

 

 

「君達が入学初日に起こした事件、元はそれが始まりで小競り合いが起き、それを止めるために部活連と生徒会長との会長同士の話し合いで終わる…………はずだった」

 

 

 

「問題が起こった…………まさかそれって」

 

 

 

「お前達への襲撃………主に指示した奴が原因だ」

 

 

 

「誰なんやソイツは?」

 

 

 

「風紀委員会会長、千里新次郎だ」

 

 

 

オイオイあのハゲ…………風紀委員長が俺達の襲撃を指示って何かしたのか俺達は?

 

 

 

「噂では入学初日の連中が親泣き付いてその親が依頼した…………だそうだ」

 

 

 

「モンスターペヤレンスってやつか」

 

 

 

「せやけど何でそれが乱闘になるねん………おかしいやろ」

 

 

 

確かに川崎の言う通りだ

入学初日のアレで小競り合いが起きるのは分かる、だが何故だ?

俺達を襲撃したのが依頼なら問題がない筈だ、受けたのが風紀委員のトップだとしてもこの事態にはならない…………だとすれば。

 

 

 

「俺達を襲撃した後か?」

 

 

 

「そうだ、俺達もさっき聞いたんだが千里新次郎はその後も配下に一般の生徒を襲撃し続けほとんどの生徒は意識不明、女子生徒にも暴行を加えた」

 

 

 

「ちょっと待てや!!!!そんなん先生が止めるんちゃうんか!!!!」

 

 

 

「この学園の9割の教員と学園長は推薦…………白の親達に言い丸められている」

 

 

「そこに割って入ったのが部活連で今は部活連と風紀委員と風紀委員に加担している白の連中が殺りあっている」

 

 

 

「どうすればエエんや?ゆっくり学園生活できひんやんけ」

 

 

 

ガラッ!!!!!

 

 

 

「おい!!!!ここにも居たぞ!!!!」

 

 

 

「殺っちまえ!!!!!」

 

 

 

保健室の扉が開いた瞬間、推薦の連中が入ってきて襲ってきた。

 

 

 

「なんやてめぇら!!!!!」

 

 

 

「ハァ!!!!!」

 

 

 

モキュ!!!!

 

 

 

「グベェ!!!!」

 

 

 

相手の首に蹴り、相手は奇声をあげて失神した。

まさか、まさかしなくても狙われているな……………。

 

 

 

「お前ら何をしているか分かっているのか?」

 

 

 

「あんだと?」

 

 

 

「関係ない奴を巻き込んで、しまいには女にまで手を出したな?」

 

 

 

「テメェらは屑の中の屑だ!!!!」

 

 

 

「権力がある方が正義なんだよ黒が!!!」

 

 

 

「榊、ガルメス!!!!その二人を殺れ!!!風紀委員だろ!!!」

 

 

 

すると二人は胸の内ポケットに手を入れた。

取り出したのは風紀委員の腕章だった。

 

 

 

「お前ら…………」

 

 

 

「ああ、俺達は風紀委員だ……そして…………」

 

 

 

すると二人は腕章を付け、連中の中の二人を蹴り飛ばした。

 

 

 

「風紀を乱している奴を倒す、それだけだ」

 

 

 

「お前ら………こんなことして良いと思っているのか!!!!!!」

 

 

 

「気が付いてないんですか、先輩?権力がある方がJustice?答えはNOだ」

 

 

 

「正義だ何だ言う前に、関係ない奴を巻き込んでる常識がない馬鹿共が、キッチリ身体に教えてあげますよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多目的会議室

 

 

 

 

 

中村次勢side

 

 

 

 

 

(何か重いなぁ~~空気が)

 

 

 

夕暮れ、生徒会と部活連の幹部を呼び出し今回の事態に付いて話し合うわけだが。

 

 

 

「なんかさぁ、重くない?空気」

 

 

 

「当たり前ですよ、会長」

 

 

 

まぁこんな事態が起きてんだから仕方がないか。

 

 

 

「さてと、じゃあ始めますか?天上院会長」

 

 

 

俺の座っている対面、そこに部活連の天上院雛忠が座っている。

完全無欠、その言葉がとても似合う男である、ちゃらんぽらんな俺に比べれば天と地の差が凄いけど。

 

 

 

「まず、この席に千里新次郎がいないのは何故ですか?不動副委員長?」

 

 

 

あ、やっぱりツッコんでくる…………。

実は風紀委員長の千里新次郎が俺と天上院の前に立っている筈なんだが未だに姿を現さない、手負いの不動は来てるってのに何やってんだあのハゲは。

 

 

 

「この事態は風紀委員長が引き起こしたモノだ、本人が欠席とはどういうことですか?会議にも出れんとは風紀委員長して失格では?」

 

 

 

「申し訳ございません」

 

 

 

「詫びはいりません、会長を呼んでくれませんか?」

 

 

 

「まぁ待てよ、別に不動が悪い訳じゃないだろ?」

 

 

 

「確かに…………な」

 

 

 

「風紀委員長として失格なのはハゲが就任したときから分かってたさ、俺もお前も…………」

 

 

 

千里は確かに委員長失格だ。

人望はなく器は小さければ常識もないに等しい。

何故そんな奴が風紀委員会の会長をやれているのか、答えは簡単だ。

 

 

 

「威光、権力の拡大を目論む親の指示で推薦の無能が入ってきている」

 

 

 

「親の手回しで卒業は確定の入学、卒業後は軍人として兵士ではなく苦にならない管理職に着き権力にあぐらを掻く」

 

 

 

「親の目論みでも自分が楽だからと子もそれを受け入れる…………」

 

 

 

「俺らもそんな親の命令でやりたくもない会長をやっている」

 

 

 

士官学校と言ってはいるが、もはやお坊っちゃんお嬢様の学校になってきているのが事実であり、制服を白や黒に分けたのは上流階級のバカの優越感欲しさらしい。

 

 

 

「だが、それもそろそろ終わりにする」

 

 

 

「中村?」

 

 

 

正直言えば千里の行動はむしろ好都合だった。

他の手間が省けた。

推薦だの一般だの……………そんなの入学の仕方のだけだ………入学テストの成績は一般入学の方が上だ。

 

 

 

「ここは士官学校だ、能天気なお坊っちゃんお嬢様の学校じゃない、軍人を育成する場所だ、そんな奴等は軍人を志す者の邪魔だ」

 

 

 

「会長………まさか」

 

 

 

「天上院、不動、小池…………手を貸して欲しい」

 

 

 

「中村………」

 

 

 

「次勢さん…………」

 

 

 

「在席している生徒、入学を考えている連中、そしてその親達と教員にこの場所が何なのか思い出してもらう………………その為に」

 

 

 

携帯を取り出し電話を掛ける。

 

 

 

「あの"二人"には働いてもらう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保健室

 

 

 

 

 

凪刀side

 

 

 

 

 

 

「ふぅ………片付いたな……」

 

 

 

襲撃のグループを四人で片付け、息を整える。

幸い相手は獲物を持っていなかった為、手負いの状態でも何とか退けられた。

 

 

 

「ここから移動しよう」

 

 

 

「自室に入ればひとまず安心だ」

 

 

 

「まぁそこまでが長いんやけどな」

 

 

 

保健室から外に誰もいないことを確認してから出た。

 

 

 

「校庭を突っ切った方が速い」

 

 

 

「確かに、狭い所で殺られるよりはマシだ」

 

 

 

校庭に出たその時、それはとても悲惨な光景だった。

黒い制服を着た男子生徒がそこら中に倒れており、殆ど動かない。

 

 

 

「遅かったな、川崎………」

 

 

 

「本田………宗二」

 

 

 

声がした方を向くと頭の両サイドを剃り、髪を上に立たせた筋肉質の男に後ろには大人数の生徒がいた。

川崎を知っているみたいだが、川崎も奴のことを知っているみたいだ。

 

 

 

「知っているのか?」

 

 

 

「あぁ、アイツは俺と同じ料亭の息子や」

 

 

 

「本田…………まさかあの本田料亭の跡取りか」

 

 

 

「そや、ウチの実家と本田の家は先祖から仲が悪すぎてお互い目の敵にしとんねん」

 

 

 

「あぁそうだ、俺の親父はお前の親父に負けたが、俺は違う」

 

 

 

「俺は別に争うつもりはないねんけど?」

 

 

 

「お前にそのつもりがなくても俺にはあるんだよ」

 

 

 

本田が歩くと同時に後ろの連中も歩いてくる。

やはり手勢か。

 

 

 

「なんや、大人数引き連れとるやんけ」

 

 

 

「俺は親父とは違う、勝つためなら手段を選ばない」

 

 

 

「堕ちたな、本田………」

 

 

 

「はん、なんとでも言え」

 

 

 

「スマンが三人とも…………」

 

 

 

「分かっているさ」

 

 

 

「謝るのは後でいい」

 

 

 

「両サイドと同じく」

 

 

 

とは言えこれは不味いが背に腹は変えられん、身体はキツいがやるしかない。

 

 

 

「ありがとうな………………行くでぇ!!!!」

 

 

 

「殺れぇ!!!!!!」

 

 

 

「双方とも静まれぇ!!!!!!」

 

 

 

ぶつかり合う直前に校舎から聴こえた豪声、何事かと見ると一人の生徒が見ていた。

その正体に気が付いたのか、風紀委員の二人と川崎の顔は引きつっていく。

 

 

 

「アイツは…………」

 

 

 

「誰なんだ?」

 

 

 

「白石………卓也」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりキャラ紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榊  継(サカキ・ケイ)

 

 

 

士官学校総合一年B組所属   風紀委員

 

希望職種    整備兵

 

 

 

アメリカ人の母と日本人の父のハーフ。

警視庁幹部の父と外交官である母のお金持ち家族だが、本人は節約家。

金髪ロン毛の男で幼少期アメリカに住んでいた為よく英語の単語が出てしまうが、困っている奴はほっとけなく、悪い奴ではない。

バカな振る舞いをしているが、かなり頭が切れる策略家。

 

 

 

 

 

ガルメス・アルフェルド・オックスフォード

 

 

 

士官学校総合一年C組所属  風紀委員

 

希望職種  整備兵

 

 

 

アメリカから留学生として入学、幼少期アメリカに住んでいた榊とは幼なじみであり親友。

両親は連邦軍の軍人だが幼い頃に搭乗していた機体が整備不良が原因で戦死した。

その為、無事に兵士が帰ってこれるように機体を整備する道を志した。

 

 

 

 

 

中村次勢(ナカムラ・ツグナリ)

 

 

 

士官学校パイロット科三年A組所属 生徒会会長

 

希望職種 民間企業社員

 

 

 

名家、中村家の中村四兄弟の次男であり士官学校の生徒会会長。

生まれた時から軍人として生きる事を強制される事で両親と衝突し見放され権力の為の駒にされているが、内側から家を変えるため動いている。

自称ちゃらんぽらんな男だが度胸と裁量に大きな器を持っている為、軍内部では兄弟、両親を越える逸材として注目されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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