No.763537

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二十九話

ZSANさん

ついにあの戦いが・・・

2015-03-10 20:01:38 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2938   閲覧ユーザー数:2640

~華琳視点~

「ようやく司隷を実質的な領土に出来たわね」

あの孫呉への進行の失敗、それからの苦労が報われる時が来た

あの戦いで鞘華を失った

有能な家臣を一人失った、という程度のものでは無かった

私も少なからず『天の御遣い』の風評を領土の安定と発展に利用して来た

その鞘華が居なくなり、領土での動揺は想像以上だった

鞘華の存在が此処までの影響力を持っているとは、私も予想外だった

その動揺を抑え、戦力と国力の増強を計る それは困難だったが不可能では無かった

そして、遂にあの時の屈辱を晴らす時が来た

 

「葵、貴女は長安に行きなさい

 長安から司隷、涼州に睨みを効かせるのよ」

「御意」

これで長安、洛陽、涼州への備えは出来た

「他の者は戦の準備をしなさい

 目標は荊州

 相手はあの孫呉よ!」

私の言葉に全ての将の顔つきが変わる

皆にとってもあの戦は苦い記憶なのだろう

「桂花、準備は抜かりないわね?」

「はい、既に兵数80万の出陣準備は整っています

 加えて、その兵全てに十分な教育を施し前回の様な不始末は起こさない様、徹底しております」

「よろしい

 出立は3日後

 この戦いは天下の趨勢を決める戦いとなる

 敗北は許されない

 もちろん前回のような失策もだ

 各人、奮闘せよ!」

「御意!」

孫策、覚悟しなさい

そして、鞘華 貴女を取り戻す 私は諦めてないわよ

~一刀視点~

ここ数日、毎日地下牢に来ている

目的は関羽と鳳統の懐柔

無理は承知の上 これは蓮華も分かっている

だが劉備への牽制もあり、処刑はしない

ならば懐柔して仲間に出来たら儲け物

 

「またきたよ」

「北郷殿か

 貴殿も余程暇なのだな

 こんな無意味な事を毎日しに、訪れるとは」

関羽が憎まれ口を言うが、その口調は穏やかだ

表情もかなり穏やかになっている

初日に言った事を聞いてくれたのか?

「考えは変わらないか?」

「愚問だ 何度来ても答えは一緒だ」

「鳳統ちゃんも?」

「はい、劉備様を裏切る事は出来ません」

鳳統ちゃんも見かけによらず、しっかりしてる

見かけは兎も角、流石にあの「鳳統」なんだな

 

「一君、居る!?」

鞘姉が血相を変えて、飛び込んで来た

「何が有ったの?」

「とにかく急いで

 皆、集まっているから」

 

謁見の間には皆、集まっていた

「たった今、報告が来た

 司隷を支配下においた曹操が荊州を目指して出陣した」

この報を受けて慌ただしく動く事になる

先ずは、戦の準備 これは当然

籠城戦になった時の事も考えなければならない と云うより戦力差から言って戦うならこれしか無い

関羽の様な愚は犯せない

それと撤退の準備 雪蓮からの指示によっては撤退の可能性もある

既に曹操が侵攻を始めたと云う報は、雪蓮にも届いているだろう

雪蓮達の判断次第では襄陽、いや荊州からの撤退もあり得る

その可能性の方が高いかもしれない

 

そして2日後、撤退命令が届いた

「蓮華、関羽達の事だけど・・・」

「仕方ないわね 降る意思がない以上事ここに至っては、ね」

 

俺は地下牢に向かう

「あれから忙しくて、来る事が出来無かったけど元気だった?」

「貴男が来る事と、我々の元気は関係無い」

相も変らず素っ気ない

と、こんなやり取りをしに来たわけじゃないので牢の鍵を開ける

「なっ?何をしている?」

関羽が驚いた声を上げ、鳳統ちゃんは

「あわわ」

と絶句している

「二人共、早く出て 開放するから」

二人共、俺の言葉に訝しげな表情をしながらも従う

「何を考えている?」

「隠しても意味が無いから言うけど、曹操が侵攻して来た

 俺達は此処から撤退するんだ

 で、君達を連れて行く訳にも行かないから開放する」

関羽と鳳統ちゃんはやっと納得したようだったが

「何か交換条件が有るのではないか?」

「無いよ 強いて言えばこの戦いに乗じて・・って事はしないでくれると嬉しい」

俺の言葉に関羽は

「ふっ、分かった 桃香様に伝えよう」

始めて関羽の笑顔を見た

やっぱり、可愛い娘だな

 

その後俺達は撤退した

曹操軍は大軍の為、進行速度が遅いのが幸いした

命令により、撤退する先は建業では無い

「赤壁」だ

~あとがき~

 

「赤壁の戦い」が始まります

 

愛紗と雛里が解放されました

これがどんな結果を生むかはその内に

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 


 
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