No.753614

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二話

ZSANさん

もう一つの流星は・・・

2015-01-25 14:50:01 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3735   閲覧ユーザー数:3193

~一刀視点~

目を覚ますと見知らぬ部屋だった

「ここは・・・」

俺の部屋では無い

こう言っては何だがかなりボロイ

俺は記憶を辿るが此処に来た覚えはない

「あ、目が覚めた?」

妙齢の女性が部屋に入って来た

この人に状況を訊く事にしよう

「あのここは何処なんですか・・・?」

「此処は私の家

 村の名前は言ってもいらないような小さな村だよ

 ここから北に20里(8km)位行くと、建業があるけど・・」

思考が追いつかない

「あ、貴方は流星が落ちた場所に私の旦那が行って見たらそこに寝て居たんだ

 変わった服だけど高価そうだし、どっかの貴族様かも知れないから取り敢えず連れて来たんだって

 それと貴方が寝て居た所にこんなも物があったらしいけど貴方の物?」

そう言って差し出されたのは日本刀だった

「これは”朱雀” 

 家の蔵にある筈の物が何で・・・?」

刀を受け取りながら呟く

一体どうなっているんだ?

「そう云えばまだ名前を訊いてなかったね」

「俺は・・」

答えようとした時、外から悲鳴、怒号等の音が凄まじい大きさで響いてきた

「何だ?」

俺も、その女性も外に飛び出した

外に出た俺は二つの事に驚いた

一つ目はどう見ても現代日本の村では無い街並み

時代劇に出て来る江戸時代の村のような感じだ いや、もっと古いかも・・・

もう一つは、野盗らしき者達がこの村に襲い掛かって来ていた

「金目の物と食い物は全て奪え

 逆らう奴等は皆殺しにしろ~」

野盗の頭らしき人間が周りに叫んでいる

その言葉に従って、村の人達が次々と殺されていく

俺は呆然としていたが、我に返ると

「やめろ~!」

そう叫びながら刀を抜き、野盗に向かって行った

「何だてめえは!」

そう言いながら野盗の一人が斬りかかって来た

当然の様に真剣で、その剣は血に塗れていた

その攻撃を躱して、斬撃を放ち野盗を斬る

始めて人を斬った 

武術の”北天一心流”を習得していたが、あくまで精神修練と流派の宗家であるから修得していただけ

人を殺す為では無かった

だが、呆然としては居られない

仲間を斬られた事に怒り狂った三人の野盗が向かって来る

一人目の攻撃を躱しながら膝蹴りを腹に喰らわせて、前のめりになったところを斬る

二人目の攻撃は大振り過ぎたので、振り下ろされる前に踏み込んで斬る

三人目の上段からの斬撃を横に躱し、わき腹に回し蹴りを喰らわして、その回転のまま斬撃で斬る

心が軋む こんな事を後どれだけ・・と思っていたがそれは終わりを迎える

野盗達が村に火を放ったのだ

火の回りは早く、村は火の海になる

「もう、頂く物は頂いた

 さっさとずらかるぞ~」

野盗達は引き揚げて行ったが、村は焼け野原になった

村の外に生き残った人達は避難したが、その中に俺を助けてくれた家の女性は居なかった

「あそこか」

俺は村が焼き払われた後、野盗の蹄の後を辿って野盗のアジトの近くまで来ていた

野盗は洞窟を根城にしているらしく、見張りが二人立っていた

よく、復讐は何も生まない と云う

それは正しい 俺の行動が復讐心なのは間違いない だが奴等を放っては置けない

 

正面から歩いて向かって行く

向こうも気が付いて身構える

だが、武術を習得していない素人しか相手にできない野盗に2対1でも負けることは無い

二人を斬り、洞窟の中に進んで行く

「なんだ、てめえは~!」

洞窟の中を進んで行くと次々と野党が向かって来る

だが、こんな狭い場所では2、3人しか同時に掛かってこれない

だから、その2、3人を斬り伏せながら奥に進んで行く

 

洞窟の最奥は広間の様になっていた

その一番奥に座っている男に

「お前がこの野盗共の頭か?」

俺は驚くほど冷淡な声で訊いた

「そうだ 此処まで来たのは褒めてやる

 だがここまでだ!」

そう言いながら斬りかかって来る

俺はその攻撃を避けずに、攻撃が俺に当たる前に抜刀術で斬り捨てた

 

「ひいっ、頭がやられた

 逃げろ~!」

野盗達は一斉に逃げ始める

外に向かう通路(?)野盗達の先頭の方から

「ぐえっ」

「ぎゃあ」

と云った叫び声が聞こえてくる

そして、この広間にその原因が入って来た

「野盗を討伐に来てみれば、もう殺られた後とはね~」

野盗を討伐に来た軍が出口に向かった野盗を討ち取りながら入って来たのだった

その指揮官らしき女性が話しかけて来た

その女性は見た感じ、俺より年上だろうが若く美人でスタイルも抜群だった

「粋怜姐さん、こいつも野盗の一味なんじゃないですか?」

その後ろからやって来た女性が指揮官らしき女性に話しかける

「梨晏、よく見な

 どう見てもあの坊やがあそこに転がってる野盗の頭を斬ったんだろ」

「いや、仲間割れの可能性も・・・」

二人で口論を始める

いつまで続くか解らないので声をかける

「あの粋怜さん?」

と俺が言った所で二人の顔つきが変わり

「どういうつもりだ!」

と言って粋怜と呼ばれた女性が斬りかかって来た

取り敢えず初撃は躱したが何でいきなり斬りかかられるんだ?

「へえ、良く躱したね 腕の一本も斬り落としてやるつもりだったんだけどね」

その言葉は冗談では無い

躱していなかったら間違いなく斬られていた

「でも、いつまでも躱せれるかね~!」

そう言いながら攻撃して来る

その攻撃を逸らしながら

「ちょっと、話を聞いてくれ!」

「問答無用!」

俺も殺されたくないので応戦する がこの人は強い

攻撃を逸らしながら反撃するも全て防がれる

もう一人の女性も俺に殺気を飛ばしているので長期戦は不味い

勝負を掛ける為、示現流の蜻蛉の構えに似た構えを取る

向こうも俺の構えを見て警戒して攻撃が止まった

俺はそのまま斬撃を繰り出す

その攻撃を女性は受け止めるが、衝撃で腕が痺れた様だ

俺が上から押し込むような形で鍔迫り合いになる 腕が痺れて居なければ押し返されていただろう

この人の攻撃を逸らして判断した限りでは、この人の腕力は俺より上だ

「いかん!」

その声と共に矢が飛んできた

梨晏と呼ばれた女性が矢を放ったのだ

後ろに飛んで矢を躱す

「驚いたね、まさか私が助けが必要になるとはね」

「私も驚いてますよ」

向こうが俺を警戒して睨み合いになる

此処で俺は話を試みる

「ちょっと訊くけど、何で急に怒り出したんだ?」

「何をとぼけてる!

 粋怜姐さんの真名を呼んだだろ!」

知らない単語が出て来たな 真名って何だ?

「真名って何?」

「何、真名を知らないのか?」

俺が頷くと

「とぼけているんだろうが答えてやるよ

 真名とはその人の魂までも含んだ全てを表す物

 本人の承諾無しに呼んだら首を斬られても文句は言えないんだよ」

なんて物騒な風習だ しかし取り敢えず

「知らなかったとはいえ、申し訳ありませんでした」

刀を鞘に納めて頭を下げた

その俺の行動に二人は驚いたようで、真名の件は許してくれた

「で、私の名は程普 

 こっちは太史慈 アンタの名前は?」

え、程普に太史慈?

タイムスリップの可能性は考えていたけどパラレルワールドにでも迷い込んだのか?

それにしてもこんな美人があの猛将?

でも程普さんは確かに強かった あ~もう解らん

「おい、どうした」

程普さんの声で我に返り

「俺の名は姓は北郷、名は一刀 字や真名は有りません」

そう答えた

そして、俺は自分がこの世界より1800年ほど未来から来たと思われる事や、どうやって来たのか分から無い事も伝えた

 

自己紹介の後、外に出る

「北郷、行く当てがないなら私達の所に来ないか?

 お前の力を我等に貸して欲しい」

程普さんが誘って来るが

「いや、今は辞めておきます

 俺はこの世界の情勢をもっと知りたい

 だから、いろんな諸侯に会ってみたいんです

 その後、もし縁が有ったらお世話になるかもしれません」

「ふっ 仕方が無いか

 だがこれは持って行け 邪魔にはならん」

と言って小袋を投げ渡してくる その中には金(多分)が入っていた

「この野盗達に賭けられていた懸賞金だ

 私が立て替えておくよ」

 

俺は程普さん達と別れて旅立った

ちなみに、野盗の馬を一頭貰って行った

 

後日聞いた所によると、程普さん達は俺の事を孫策達に報告

孫策達は俺にかなり興味を持ったとの事だった

~あとがき~

 

一刀は旅に出ました

どこに行くのかはその内に

 

英雄譚から粋怜と梨晏を出しました

性格設定が狂っていたら申し訳ありません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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